ゲスト
(ka0000)
おばあちゃんと旅するベルトルード周辺地域
マスター:旅硝子

- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在25人 / 1~25人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/01/28 22:00
- リプレイ完成予定
- 2015/02/06 22:00
オープニング
ベルトルードの第四師団兵営。
副師団長リーリヤ・ローレライは頭を抱えていた。
「お金、が、足りない……」
そう、大変足りないのである。
何せこの間の海戦で高速小型艦が1隻沈没、1隻中破したので、補充と修理をする必要があった。
「報告ではありえないほど大きい鯨の怪物みたいなのが出たって聞いたけど、それが本当なら、いえ本当じゃなくても、この状況じゃ軍備を縮小なんて出来るわけないし……」
「むしろ戦艦でも作らなきゃ対抗できないかもねぇ」
「戦艦!? ってか師団長!?」
「あらごめんなさいね、ノックしたけど返事がなくて、でも声が聞こえたものだから」
ちょっと開いたドアの隙間から、微笑んで小さく手を振るユーディト・グナイゼナウ(kz0084)。
「あっ、はっ、はいっ、すみません」
「いいのよいいのよ、失礼したのはあたしの方だから」
慌ててドアを開けに行ったリーリヤに、ユーディトはにっこり頷いて。
「実際のところ、この地方の税収だとこの規模の軍団の維持費とトントンくらいなのよねぇ」
「うっかりすると足りないくらい……って、資料もう見たんですか?」
「リーリヤちゃんがまとめておいてくれたやつね。ちょっと大変だったけどとりあえず軽く目は通したわ」
――10年間娑婆に出ていないユーディトのために、第四師団とその領地であるベルトルード周辺地域についてまとめた資料である。先の海戦の間に通常業務の傍ら必死に作って、師団長の机の上に置いておいた。
彼女の通常業務は、税関・事務・財務・外交部門全般である。つまり忙しい。
整理した部分を少なくしてボリュームのやたら多い資料にしたのは、時間がなかったのもあるが、師団長の実務能力を確かめたかったからである。
あと確かに老眼対策に字は大きめにしておいたけど。
(このおばあちゃん……できる!)
眼鏡の奥の瞳を輝かせるリーリヤに対して、ユーディトはちょっと視線を逸らした。
確かに目は通したが、がっつり斜め読みで偶然覚えているのがその辺だったなんてそんなことは言わない。
(あとでエムデンにでも索引作らせましょ)
もう1人の副師団長への、大変なとばっちりであった。
エムデン・グナイゼナウ。同じ苗字は偶然ではない、ユーディトの実の末息子である。
大変こき使うのに便利な立ち位置ではあった。念のため言うと、軍備とか治安維持とかその辺を担当しているエムデンが忙しくないわけでは決してない。
「でも、やっぱりこちらの海に脅威があるというのなら、それに立ち向かえるのは第四師団だけですからね。大幅な軍備増強は必要よ」
「ですが、そのための予算は……まさか、税率を上げるか臨時の税を課す気ですか?」
「それこそまさかよ。ないところから絞っても、取れる物なんて限られてるもの」
そう言ってユーディトは、「ああそう、それを言いに来たんじゃなくて」と手を叩いて。
「とりあえず現状を見ないと話にもなりませんからね。ちょっと見て来ます」
「はい……え?」
「しばらく留守にするから、エムデンと協力してお願いね」
「え、えっと」
「エムデンには戦闘員は徹底的に訓練させるように言ってあるわ。そうそう、護衛はあたしのお金でハンターに頼むから、そこは心配なしよ」
「は、はぁ」
「あ、魔導トラックの運転手だけ借りていくわ。じゃあよろしくねっ」
「はい……って師団長ー!?」
慌てて伸ばした手は、ひょいと軽くかわされた。
「あ、それから……お金ってのはね、ないところからは出てこないものよ。あるところからかっぱらって来るか、価値のなかったものに価値を付けるか、どっちかよ」
それだけ言ってにっこり笑って、去っていくおばあちゃん。
唖然とした顔で見送ってから、リーリヤはぼそりと呟いた。
「師団長、後者はともかく前者は明らかに海賊の発想だと思います……」
「というわけで、まぁ今回は第四師団の公式の依頼というよりは、あたしの私的な依頼だと思ってくれると嬉しいわ」
集まったハンター達に、ユーディトは礼を言って微笑みかける。
「今回の目的の1つ目は、新師団長であるあたし自身が、領地の皆さんとお話して、好感を持っていただくこと。2つ目は、領地全体の様子をあたしの目で見て、そしてハンターの皆さんの目から見た意見をもらうこと。3つ目は、それぞれの町や村の食堂などで食事をして、宿のある街には宿泊して、なるべくお金を落としていくこと。同じあたしの私財でも、施しという形よりも経済を回した方がいいわ。……そして、最後は」
ハンター達を見渡して、ユーディトは再び口を開く。
「覚醒者や歪虚の影響を受けていない盗賊を討伐して、周辺地域の信頼を得ると同時に溜め込んでいる財産を奪って来ることよ」
あっさりと言い放つこのおばあちゃんである。
「覚醒者を中心としたような手こずる盗賊と、海賊については被害状況を確認して改めて第四師団による討伐を行うわ。だから、今回は根本的な対処とはならないけれど……必要なことですからね。あとお金も」
そう言って微笑むと、ぽんと手を叩いて。
「ちょうど2台あった魔導トラックの片方を改造して、リアルブルーで言う『ばす』のようなものにしてみたわ。さ、乗って乗って」
――第四師団長と往く視察の旅が、始まる。
副師団長リーリヤ・ローレライは頭を抱えていた。
「お金、が、足りない……」
そう、大変足りないのである。
何せこの間の海戦で高速小型艦が1隻沈没、1隻中破したので、補充と修理をする必要があった。
「報告ではありえないほど大きい鯨の怪物みたいなのが出たって聞いたけど、それが本当なら、いえ本当じゃなくても、この状況じゃ軍備を縮小なんて出来るわけないし……」
「むしろ戦艦でも作らなきゃ対抗できないかもねぇ」
「戦艦!? ってか師団長!?」
「あらごめんなさいね、ノックしたけど返事がなくて、でも声が聞こえたものだから」
ちょっと開いたドアの隙間から、微笑んで小さく手を振るユーディト・グナイゼナウ(kz0084)。
「あっ、はっ、はいっ、すみません」
「いいのよいいのよ、失礼したのはあたしの方だから」
慌ててドアを開けに行ったリーリヤに、ユーディトはにっこり頷いて。
「実際のところ、この地方の税収だとこの規模の軍団の維持費とトントンくらいなのよねぇ」
「うっかりすると足りないくらい……って、資料もう見たんですか?」
「リーリヤちゃんがまとめておいてくれたやつね。ちょっと大変だったけどとりあえず軽く目は通したわ」
――10年間娑婆に出ていないユーディトのために、第四師団とその領地であるベルトルード周辺地域についてまとめた資料である。先の海戦の間に通常業務の傍ら必死に作って、師団長の机の上に置いておいた。
彼女の通常業務は、税関・事務・財務・外交部門全般である。つまり忙しい。
整理した部分を少なくしてボリュームのやたら多い資料にしたのは、時間がなかったのもあるが、師団長の実務能力を確かめたかったからである。
あと確かに老眼対策に字は大きめにしておいたけど。
(このおばあちゃん……できる!)
眼鏡の奥の瞳を輝かせるリーリヤに対して、ユーディトはちょっと視線を逸らした。
確かに目は通したが、がっつり斜め読みで偶然覚えているのがその辺だったなんてそんなことは言わない。
(あとでエムデンにでも索引作らせましょ)
もう1人の副師団長への、大変なとばっちりであった。
エムデン・グナイゼナウ。同じ苗字は偶然ではない、ユーディトの実の末息子である。
大変こき使うのに便利な立ち位置ではあった。念のため言うと、軍備とか治安維持とかその辺を担当しているエムデンが忙しくないわけでは決してない。
「でも、やっぱりこちらの海に脅威があるというのなら、それに立ち向かえるのは第四師団だけですからね。大幅な軍備増強は必要よ」
「ですが、そのための予算は……まさか、税率を上げるか臨時の税を課す気ですか?」
「それこそまさかよ。ないところから絞っても、取れる物なんて限られてるもの」
そう言ってユーディトは、「ああそう、それを言いに来たんじゃなくて」と手を叩いて。
「とりあえず現状を見ないと話にもなりませんからね。ちょっと見て来ます」
「はい……え?」
「しばらく留守にするから、エムデンと協力してお願いね」
「え、えっと」
「エムデンには戦闘員は徹底的に訓練させるように言ってあるわ。そうそう、護衛はあたしのお金でハンターに頼むから、そこは心配なしよ」
「は、はぁ」
「あ、魔導トラックの運転手だけ借りていくわ。じゃあよろしくねっ」
「はい……って師団長ー!?」
慌てて伸ばした手は、ひょいと軽くかわされた。
「あ、それから……お金ってのはね、ないところからは出てこないものよ。あるところからかっぱらって来るか、価値のなかったものに価値を付けるか、どっちかよ」
それだけ言ってにっこり笑って、去っていくおばあちゃん。
唖然とした顔で見送ってから、リーリヤはぼそりと呟いた。
「師団長、後者はともかく前者は明らかに海賊の発想だと思います……」
「というわけで、まぁ今回は第四師団の公式の依頼というよりは、あたしの私的な依頼だと思ってくれると嬉しいわ」
集まったハンター達に、ユーディトは礼を言って微笑みかける。
「今回の目的の1つ目は、新師団長であるあたし自身が、領地の皆さんとお話して、好感を持っていただくこと。2つ目は、領地全体の様子をあたしの目で見て、そしてハンターの皆さんの目から見た意見をもらうこと。3つ目は、それぞれの町や村の食堂などで食事をして、宿のある街には宿泊して、なるべくお金を落としていくこと。同じあたしの私財でも、施しという形よりも経済を回した方がいいわ。……そして、最後は」
ハンター達を見渡して、ユーディトは再び口を開く。
「覚醒者や歪虚の影響を受けていない盗賊を討伐して、周辺地域の信頼を得ると同時に溜め込んでいる財産を奪って来ることよ」
あっさりと言い放つこのおばあちゃんである。
「覚醒者を中心としたような手こずる盗賊と、海賊については被害状況を確認して改めて第四師団による討伐を行うわ。だから、今回は根本的な対処とはならないけれど……必要なことですからね。あとお金も」
そう言って微笑むと、ぽんと手を叩いて。
「ちょうど2台あった魔導トラックの片方を改造して、リアルブルーで言う『ばす』のようなものにしてみたわ。さ、乗って乗って」
――第四師団長と往く視察の旅が、始まる。
解説
●目的
1.新第四師団長ユーディトと第四師団領住民との交流により、ユーディトの好感度を上げること。
2.領地の様子を視察し、ハンターの目から見た感想をユーディトと話すこと。
3.食事や宿泊によって現地にある程度のお金を落としていくこと。
4.一般人によって構成された盗賊を討伐し、周辺地域の信頼を得ると同時に溜め込んでいる財産を奪うこと。
●ベルトルード周辺地域について
帝国の中でも、貧しい地域に入ります。芋の栽培、羊の放牧については、塩分を含んだ平地が多いという土地柄、あまり盛んではありません。
その代わりに細々と行われているのが、ライ麦と甜菜の栽培です。
海沿いの街では漁業が盛んに行われています。周辺地域全体において、主なタンパク源は魚介類です。
盗賊や海賊の襲撃による貧困化、それにより食い詰めた農民や漁民が山賊や海賊となる事態が多く発生しています。
今回、目的4により行われる盗賊退治は、一般人で構成されている盗賊団に限られます。そちらが圧倒的多数です。
リプレイ内で全て描写されるわけではありませんが、少なくて10数人、多ければ100人程度の一般人集団を、合計20回程度相手にする可能性があります。なお、手に入れた財物は、近隣の村に一部寄付した上で持ち帰り第四師団の財源となります。
これらの情報、またそれ以上の情報については、PCは基本的にリプレイ内で知ることになります。
この地方出身であるなどの設定によっては、情報の一部を知っていても構いません。
●移動について
魔導トラックを改造した『バス的な何か』で移動することになります。トラックの荷台に座席と窓を付けた仕様です。
速度的にはそんなに速くないので、馬などで並走しても構いません。
運転手については描写されませんが、第四師団から唯一同行している2人の師団員が交代でやってます。
ユーディト・グナイゼナウ(kz0084)が同行します。質問ありましたら質問卓にて。
1.新第四師団長ユーディトと第四師団領住民との交流により、ユーディトの好感度を上げること。
2.領地の様子を視察し、ハンターの目から見た感想をユーディトと話すこと。
3.食事や宿泊によって現地にある程度のお金を落としていくこと。
4.一般人によって構成された盗賊を討伐し、周辺地域の信頼を得ると同時に溜め込んでいる財産を奪うこと。
●ベルトルード周辺地域について
帝国の中でも、貧しい地域に入ります。芋の栽培、羊の放牧については、塩分を含んだ平地が多いという土地柄、あまり盛んではありません。
その代わりに細々と行われているのが、ライ麦と甜菜の栽培です。
海沿いの街では漁業が盛んに行われています。周辺地域全体において、主なタンパク源は魚介類です。
盗賊や海賊の襲撃による貧困化、それにより食い詰めた農民や漁民が山賊や海賊となる事態が多く発生しています。
今回、目的4により行われる盗賊退治は、一般人で構成されている盗賊団に限られます。そちらが圧倒的多数です。
リプレイ内で全て描写されるわけではありませんが、少なくて10数人、多ければ100人程度の一般人集団を、合計20回程度相手にする可能性があります。なお、手に入れた財物は、近隣の村に一部寄付した上で持ち帰り第四師団の財源となります。
これらの情報、またそれ以上の情報については、PCは基本的にリプレイ内で知ることになります。
この地方出身であるなどの設定によっては、情報の一部を知っていても構いません。
●移動について
魔導トラックを改造した『バス的な何か』で移動することになります。トラックの荷台に座席と窓を付けた仕様です。
速度的にはそんなに速くないので、馬などで並走しても構いません。
運転手については描写されませんが、第四師団から唯一同行している2人の師団員が交代でやってます。
ユーディト・グナイゼナウ(kz0084)が同行します。質問ありましたら質問卓にて。
マスターより
こんにちは、帝国民のはずなのに住んでいる場所の寒さが辺境並みの旅硝子です。
寝室に隙間風吹いてるんですが。
第四師団本格始動……に、向けて。
今回は、というか今回も、おばあちゃんと旅に出ます。
なんだか修学旅行みたいですね! 地元の人との交流も、特産物の食事も、(戦闘)体験学習もあります! ……あれ?
……というわけで、よろしくお願いいたします!
寝室に隙間風吹いてるんですが。
第四師団本格始動……に、向けて。
今回は、というか今回も、おばあちゃんと旅に出ます。
なんだか修学旅行みたいですね! 地元の人との交流も、特産物の食事も、(戦闘)体験学習もあります! ……あれ?
……というわけで、よろしくお願いいたします!
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/02/05 21:34
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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ユーディトさんに質問 カール・フォルシアン(ka3702) 人間(リアルブルー)|13才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2015/01/26 22:31:56 |
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たびのしおり(相談卓) ロジャー=ウィステリアランド(ka2900) 人間(クリムゾンウェスト)|19才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2015/01/28 01:25:06 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/01/28 20:22:29 |