ゲスト
(ka0000)
【不動】弓と蛇
マスター:有坂参八

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 4~7人
- サポート
- 現在1人 / 0~4人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 4日
- プレイング締切
- 2015/02/03 19:00
- リプレイ完成予定
- 2015/02/12 19:00
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
●
マギア砦を巡る籠城戦が始まり、各国の勢力が各々の行動に移り始めるころ……砦の合議の間で、ファリフ・スコール(kz0009)やバタルトゥ・オイマト(kz0023)はめまぐるしく動く状況への対処に追われていた。
この作戦が辺境の土地における、辺境部族の発案による物である以上、その長達は全体を統括する司令部の役割を担わねばならなくなったのである。
中核は、ファリフとバタルトゥ。決して成熟した指導者でないとはいえ、二人は良く動いた。
辺境の間諜が報せる戦況の情報に対応し、手薄な、あるいは不利な戦場へ、どの戦力を送ることができるのかを把握し、戦闘を官制する。
そうして戦局は拮抗し、数の不利を背負いながらも、人類側の戦線は維持されていた。
だが……
「斥候の太陽猫より報告! マギア砦北東、黒き沼の森から虹の峠へ、大型歪虚が接近! 個体識別……推定『ハイルタイ』!」
「……えっ!」
「なんだと……」
魔導伝話ごしに伝えられた報告に、合議の間の空気が凍りつく。
ハイルタイ……かつてオイマト族を、辺境部族を裏切り、歪虚へとついた罪人。
自身も歪虚となって久しい今、その力は、数いる歪虚の中でも最も危険な等級にカテゴライズされる程の脅威である。
にも関わらず、圧倒的な数で砦を囲む歪虚を、ぎりぎりの戦力で抑えているこの状況……人類側がハイルタイまでを迎撃する戦力的余裕は、一切残されていなかった。
「放っておいたらそのままマギア砦を突破されちゃう……僕と、スコールの戦士が迎撃に行く! もう、それしかないよ!」
ファリフが、身の丈程の大斧を構えようとし、しかしバタルトゥがそれをそっと制した。
「……あれは我が部族の罪だ。オイマト族が止める」
「でもっ」
ファリフが、何かを言い返そうとした、その時。
『ならんッ!』
怒号が飛び、ファリフも、バタルトゥも、動きを止めた。
二人に向けて激昂したのは、それまで傍らで黙々と補佐を行っていた老兵……シバ(kz0048)であった。
「両者、己の立場を省みよ。この状況で全体を見通す眼を欠けば、瞬く間に戦線は瓦解するぞ。お主らがマギア砦を離れる事は断じてならん」
「だがシバ老……ハイルタイの力を知らぬ貴方では無いはずだ。今、あれがこの戦場に来てしまったら、それこそ我等は持ち堪えられない!」
反論したのはバタルトゥ。理性で激情を制しているとは言え、その瞳には、殺気さえ宿っている。
シバは……静かに、答えた。
「儂が出る」
「……な」
「それしか、なかろ?」
揃って目を見開いたバタルトゥとファリフに、シバは笑った。
それから直ぐに、シバは出発した。
直掩さえ連れず、たった一人で。
「……本当に、大丈夫かな。シバさん……」
絞りだす様に、ファリフが呟く。
災厄の十三魔に、ただ一人挑む。
その意味は、クリムゾンウェストに生きる者ならば子供でも悟ることができる事だった。
「大丈夫な訳がない。あの御仁は……恐らく……」
「……っ!」
「ファリフ、待て!」
ファリフが、弾けるように合議の間を出て行く。バタルトゥの制止さえ振り切って。
「すぐに戻るから!」
ただひたすらに。
彼女はマギア砦の中を駆けた。
駆けて、駆けて、駆けずり回って……ようやく、見つけた。
『困ったときは……』かつて打ちひしがれた自分にそう言ってくれた、友を、仲間を……ハンター達を。
「皆っ……お願いが、あるんだ……!」
●
マギア砦北東、虹の峠にて。
「この辺りは昔っからシケとるな」
退屈そうに、その人間離れした巨大な男は、これまた馬離れした巨大な馬にまたがり、マギア砦への道を進んでいた。
名はハイルタイ、災厄の十三魔が一将である。
「ガエルが働け働け五月蝿いから来てやったが、こう何にもない土地だと余計やる気が失せるわい」
疾駆する巨大馬の上で、ぶつくさと文句を垂れながら、左右非対称の腕を組むハイルタイ。
気怠そうな態度は、歪虚としての種族『怠惰』の見本の様な姿である。
だが、その巨大馬の足が突如止まる。ハイルタイは腕組みのまま前につんのめった。
「……なんだお前は」
見れば道の先、馬の進路上に人影が一つ。ハイルタイが、心底面倒そうに片眉を釣り上げる。
「我はシバ。我は戦士。蛇の戦士。月と蛇の戦士。赤き大地の子にして、我が敵を討ち、刃と火に死す者」
人影が放った言葉は、質問に答えているというよりは、何かを念じ、祈っているかの様だった。
そしてその人影、人間の男は……波打つ刀身の短剣を構え、ハイルタイに歩み出す。
「その首、その心の臓、貰い受けるぞ」
「……あ?」
ハイルタイは、口をあんぐり開け暫く固まってから……漸く、その言葉の意味を悟った。
「ああ、儂と戦うのか。お前は。一人で。あー……うーむ……まあ、いいか。寄り道がてら遊んでやろう」
ハイルタイが、鐙にかけていた弓と矢を取り出す。
赤き大地の戦士を、今まで何百、何千と殺した弓。
その弓に、ハイルタイが矢を番える。
老兵は、想う。
これを討てば誉れであり、全力で挑み死するもまた誉れ。
死に時を逃し老いさらばえた自分には、十分すぎる戦場だ、と。
ハイルタイが、弓の弦を引く。
……シバは、駆け出した。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
●
マギア砦を巡る籠城戦が始まり、各国の勢力が各々の行動に移り始めるころ……砦の合議の間で、ファリフ・スコール(kz0009)やバタルトゥ・オイマト(kz0023)はめまぐるしく動く状況への対処に追われていた。
この作戦が辺境の土地における、辺境部族の発案による物である以上、その長達は全体を統括する司令部の役割を担わねばならなくなったのである。
中核は、ファリフとバタルトゥ。決して成熟した指導者でないとはいえ、二人は良く動いた。
辺境の間諜が報せる戦況の情報に対応し、手薄な、あるいは不利な戦場へ、どの戦力を送ることができるのかを把握し、戦闘を官制する。
そうして戦局は拮抗し、数の不利を背負いながらも、人類側の戦線は維持されていた。
だが……
「斥候の太陽猫より報告! マギア砦北東、黒き沼の森から虹の峠へ、大型歪虚が接近! 個体識別……推定『ハイルタイ』!」
「……えっ!」
「なんだと……」
魔導伝話ごしに伝えられた報告に、合議の間の空気が凍りつく。
ハイルタイ……かつてオイマト族を、辺境部族を裏切り、歪虚へとついた罪人。
自身も歪虚となって久しい今、その力は、数いる歪虚の中でも最も危険な等級にカテゴライズされる程の脅威である。
にも関わらず、圧倒的な数で砦を囲む歪虚を、ぎりぎりの戦力で抑えているこの状況……人類側がハイルタイまでを迎撃する戦力的余裕は、一切残されていなかった。
「放っておいたらそのままマギア砦を突破されちゃう……僕と、スコールの戦士が迎撃に行く! もう、それしかないよ!」
ファリフが、身の丈程の大斧を構えようとし、しかしバタルトゥがそれをそっと制した。
「……あれは我が部族の罪だ。オイマト族が止める」
「でもっ」
ファリフが、何かを言い返そうとした、その時。
『ならんッ!』
怒号が飛び、ファリフも、バタルトゥも、動きを止めた。
二人に向けて激昂したのは、それまで傍らで黙々と補佐を行っていた老兵……シバ(kz0048)であった。
「両者、己の立場を省みよ。この状況で全体を見通す眼を欠けば、瞬く間に戦線は瓦解するぞ。お主らがマギア砦を離れる事は断じてならん」
「だがシバ老……ハイルタイの力を知らぬ貴方では無いはずだ。今、あれがこの戦場に来てしまったら、それこそ我等は持ち堪えられない!」
反論したのはバタルトゥ。理性で激情を制しているとは言え、その瞳には、殺気さえ宿っている。
シバは……静かに、答えた。
「儂が出る」
「……な」
「それしか、なかろ?」
揃って目を見開いたバタルトゥとファリフに、シバは笑った。
それから直ぐに、シバは出発した。
直掩さえ連れず、たった一人で。
「……本当に、大丈夫かな。シバさん……」
絞りだす様に、ファリフが呟く。
災厄の十三魔に、ただ一人挑む。
その意味は、クリムゾンウェストに生きる者ならば子供でも悟ることができる事だった。
「大丈夫な訳がない。あの御仁は……恐らく……」
「……っ!」
「ファリフ、待て!」
ファリフが、弾けるように合議の間を出て行く。バタルトゥの制止さえ振り切って。
「すぐに戻るから!」
ただひたすらに。
彼女はマギア砦の中を駆けた。
駆けて、駆けて、駆けずり回って……ようやく、見つけた。
『困ったときは……』かつて打ちひしがれた自分にそう言ってくれた、友を、仲間を……ハンター達を。
「皆っ……お願いが、あるんだ……!」
●
マギア砦北東、虹の峠にて。
「この辺りは昔っからシケとるな」
退屈そうに、その人間離れした巨大な男は、これまた馬離れした巨大な馬にまたがり、マギア砦への道を進んでいた。
名はハイルタイ、災厄の十三魔が一将である。
「ガエルが働け働け五月蝿いから来てやったが、こう何にもない土地だと余計やる気が失せるわい」
疾駆する巨大馬の上で、ぶつくさと文句を垂れながら、左右非対称の腕を組むハイルタイ。
気怠そうな態度は、歪虚としての種族『怠惰』の見本の様な姿である。
だが、その巨大馬の足が突如止まる。ハイルタイは腕組みのまま前につんのめった。
「……なんだお前は」
見れば道の先、馬の進路上に人影が一つ。ハイルタイが、心底面倒そうに片眉を釣り上げる。
「我はシバ。我は戦士。蛇の戦士。月と蛇の戦士。赤き大地の子にして、我が敵を討ち、刃と火に死す者」
人影が放った言葉は、質問に答えているというよりは、何かを念じ、祈っているかの様だった。
そしてその人影、人間の男は……波打つ刀身の短剣を構え、ハイルタイに歩み出す。
「その首、その心の臓、貰い受けるぞ」
「……あ?」
ハイルタイは、口をあんぐり開け暫く固まってから……漸く、その言葉の意味を悟った。
「ああ、儂と戦うのか。お前は。一人で。あー……うーむ……まあ、いいか。寄り道がてら遊んでやろう」
ハイルタイが、鐙にかけていた弓と矢を取り出す。
赤き大地の戦士を、今まで何百、何千と殺した弓。
その弓に、ハイルタイが矢を番える。
老兵は、想う。
これを討てば誉れであり、全力で挑み死するもまた誉れ。
死に時を逃し老いさらばえた自分には、十分すぎる戦場だ、と。
ハイルタイが、弓の弦を引く。
……シバは、駆け出した。
解説
●依頼内容
『シバさんを、助けて欲しいんだ』
依頼者であるファリフは、ハンターである皆様にそう請いました。
その心を、汲んであげて下さい。
●ハイルタイ
災厄の十三魔が一将、辺境に今なお伝わる災禍『ベスタハの悲劇』の主犯。
巨馬に跨がり、巨大な鉄弓で攻撃してきます。
強敵中の強敵であり、本来シバが当該個体に戦いを挑んだのも、倒すことなど眼中にない、
味方が迎撃態勢を整えるまでの時間稼ぎが目的でした。
目的や手段を見誤った状態で接触すれば、即座に相応の代償が生じ得ます。
ご注意下さい。
●シバ
辺境部族出身の戦士。
かつて辺境に名を馳せた戦闘部族『シバ族』最後の生き残りであり、彼自身も一線級の霊闘士です。
形式上は帝国軍の兵士であるなど複雑な立場にありますが、今この瞬間は辺境部族の為に戦っています。
文字通り全てを懸けてハイルタイを足止めしますが、それでも一人で戦いつづければ死は免れないでしょう。
●地理
戦場である虹の峠は、開けた空間が多いものの、遮蔽物となる藪、岩場、段差、斜面なども散見されます。
状況次第で、ハンターにとって有利にも不利にも働くでしょう。
●その他
現場への移動手段として、上等な軍馬が人数分貸し出されます。
質問にはファリフが、答えられる範囲で回答いたします。
マギア砦で戦闘統制を行わなければならない為、戦場への同行はできませんのでご注意を。
『シバさんを、助けて欲しいんだ』
依頼者であるファリフは、ハンターである皆様にそう請いました。
その心を、汲んであげて下さい。
●ハイルタイ
災厄の十三魔が一将、辺境に今なお伝わる災禍『ベスタハの悲劇』の主犯。
巨馬に跨がり、巨大な鉄弓で攻撃してきます。
強敵中の強敵であり、本来シバが当該個体に戦いを挑んだのも、倒すことなど眼中にない、
味方が迎撃態勢を整えるまでの時間稼ぎが目的でした。
目的や手段を見誤った状態で接触すれば、即座に相応の代償が生じ得ます。
ご注意下さい。
●シバ
辺境部族出身の戦士。
かつて辺境に名を馳せた戦闘部族『シバ族』最後の生き残りであり、彼自身も一線級の霊闘士です。
形式上は帝国軍の兵士であるなど複雑な立場にありますが、今この瞬間は辺境部族の為に戦っています。
文字通り全てを懸けてハイルタイを足止めしますが、それでも一人で戦いつづければ死は免れないでしょう。
●地理
戦場である虹の峠は、開けた空間が多いものの、遮蔽物となる藪、岩場、段差、斜面なども散見されます。
状況次第で、ハンターにとって有利にも不利にも働くでしょう。
●その他
現場への移動手段として、上等な軍馬が人数分貸し出されます。
質問にはファリフが、答えられる範囲で回答いたします。
マギア砦で戦闘統制を行わなければならない為、戦場への同行はできませんのでご注意を。
マスターより
この依頼をご紹介致します、有坂参八です。
辺境の人々にとっては、試練の時が続きます。
ファリフの次はシバ。
彼の安否は、ハンターの行動に全てがかかっていると言って過言ではありません。
すべては、皆様の意志と、力次第。
願わくば、皆様が赤き大地の子達の心に触れてくださる事を、祈っております。
辺境の人々にとっては、試練の時が続きます。
ファリフの次はシバ。
彼の安否は、ハンターの行動に全てがかかっていると言って過言ではありません。
すべては、皆様の意志と、力次第。
願わくば、皆様が赤き大地の子達の心に触れてくださる事を、祈っております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/02/11 10:38
参加者一覧
サポート一覧
- エイル・メヌエット(ka2807)
マテリアルリンク参加者一覧
- ユーリ・ヴァレンティヌス(ka0239) → シバ(kz0048)
- エルデ・ディアマント(ka0263) → イブリス・アリア(ka3359)
- ジュード・エアハート(ka0410) → シバ(kz0048)
- エヴァンス・カルヴィ(ka0639) → エリス・ブーリャ(ka3419)
- 神薙 綾女(ka0944) → 鳳 覚羅(ka0862)
- レイス(ka1541) → シバ(kz0048)
- 春日 啓一(ka1621) → シバ(kz0048)
- ユリアン・クレティエ(ka1664) → シバ(kz0048)
- ジルボ(ka1732) → シバ(kz0048)
- エアルドフリス(ka1856) → ルシオ・セレステ(ka0673)
- リリア・ノヴィドール(ka3056) → シバ(kz0048)
- アルファス(ka3312) → シバ(kz0048)
- カール・フォルシアン(ka3702) → シバ(kz0048)
- エステル・クレティエ(ka3783) → シバ(kz0048)
- 長良 芳人(ka3874) → イブリス・アリア(ka3359)
依頼相談掲示板 | |||
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質問卓 柊 恭也(ka0711) 人間(リアルブルー)|18才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2015/02/03 07:42:59 |
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![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/02/02 00:45:53 |
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![]() |
相談の卓 ルシオ・セレステ(ka0673) エルフ|21才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/02/02 23:39:20 |