ゲスト
(ka0000)
【血断】絶唱の79
マスター:三田村 薫

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在25人 / 1~25人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/07/27 09:00
- リプレイ完成予定
- 2019/08/10 09:00
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
●別離の79
グラウンド・ゼロに、細いバイオリンの音が響いている。
カッツォ・ヴォイ(kz0224)は手袋をはめた手で繊細にバイオリンを奏でていた。時折風が吹き、上着の裾をはためかせる。後から後から転移してくる歪虚と、ハンターたちがぶつかり合う音が遠くから聞こえてくるが、そんなことは意に介さず、殺人脚本家は優雅に演奏していた。
一曲終えて、最後の音が身震いするように消えていくと、それまで黙っていた歪虚が口を開く。
「ねー☆ ノーフェース☆」
「どうした」
カッツォは自分を呼ぶ少女の声に対して、無感動な返事を寄越して振り返った。ナナ・ナイン(kz00081)は、相変わらずの貼り付けたような笑みで、
「次はどんなステージにしたら良いと思う~?」
「ナナよ」
脚本家は仮面の位置を整えながら向き直り、自分より小柄な少女歪虚を見下ろした。
「なぁに☆」
「もう王もいないから命を賭して戦う必要はないし、お前も好きなところに自由に行っていい。ハンターと渡り合う必要はない。私も好きにしている」
「えー?」
ナナは首を傾げる。
「あのねノーフェース聞いて~☆」
「なんだ」
「あのね、ノーフェースから自由にしてもらったけどね、ナナはアイドルなの☆」
「……?」
カッツォは怪訝そうに彼女を見る。ナナは続けた。
「ナナはアイドルだからねー☆ みんなを殺しちゃうのがアイドルとしてナナのやりたいことなの☆」
「……ああ」
彼女の名前はナナ・ナイン。災厄のアイドル。
旅芸人の自由のない生活から解き放たれたとしても、その生き様がアイドル。
血の海こそが、彼女の求めるステージ。
「だからね、好きにしろって言われてもナナはアイドルだからみんなを殺したいの☆」
「そうか……」
カッツォは納得したように、頷いた。
「刀は趣味じゃないと言っていたな」
「全然趣味じゃなかった☆」
「では何が良い」
「うーんとねー、マイクかギター☆」
「そうか。バイオリンはどうだ」
カッツォは自分が持っていた楽器を差し出す。ナナはきょとん、としたように瞬きした。表情は依然、笑顔だ。
「くれるの?」
「ああ。餞別として、お前にやろう」
「わーい☆ ノーフェースありがとう☆」
「その上で……」
カッツォは突然、芝居がかった仕草になった。恭しく腰を折る。
ナナがどこまで覚えているかわからないが、カッツォは初めてナナと出会った時のことを思い出している。旅芸人一座で心を病んでいた彼女に手招きしたときのことを。その時は、仰々しい敬語と物腰で接していた。
「あなたを輝かせる最後の脚本を差し上げましょう、ナナ・ナイン」
顔を上げて、首を傾げた。
「あなたがどのように輝きたいのか、言ってご覧なさい」
「みんなを殺して、ステージを盛り上げたいの☆」
「では、私から差し上げられる脚本にはこの一言を──『思う存分、殺して来い』」
ナナの顔がぱあっと輝いた。
「オッケー☆」
彼女の名前はナナ・ナイン。
殺戮することで輝く、災厄のアイドル。
「来てくれたみんなを特別に殺しちゃうぞ☆」
カッツォとはまた違った、陽気な旋律をバイオリンで奏でながら、彼女は走って行く。
災厄のライブステージに向かって。
カッツォはその背中を見送った。
恐らく、ナナと会うのはこれが最後になるだろう。ハンターを相手に、「思う存分」殺そうとするならば、彼女は限界を超えた力を出さないといけなくなる。逃げるタイミングを計っていては出せない力を。仮に逃げようとしたとしても、前回のようにテセウスに頼るわけにはいくまい。
そして、何度もナナを撃退しているハンターたちは……ナナを打ち倒すだろう。誰が書いたわけでもない、運命の脚本が、彼の目には見えるようだった。
だからこそ、最後を飾るに相応しい結末を迎えれるように、カッツォなりの労いの姿勢として丁寧な振る舞いで送り出したのだ。
唐突に、ナナが立ち止まった。くるりと振り返ると、カッツォに手を振る。
「ノーフェースも今までマネージャーありがとねー☆バイバーイ☆」
そう言い放つと、再びこちらに背中を向けて走って行った。それからもう振り返ることはなかった。
「ナナ・ナイン」
仮面の下で、呟いた。
「悪くなかった。さらばだ」
踵を返す。負のマテリアルが渦巻くグラウンド・ゼロを、軽やかに靴音を立てて、殺人脚本家は去って行った。
●ハンドアウト
あなたたちは、グラウンド・ゼロでのナナ・ナイン出没の知らせを受けて駆けつけたハンターです。
教えられた場所に向かって行くと、向こうからめちゃくちゃ陽気なバイオリンの旋律が聞こえて来ました。破天荒とも言うでしょうか。
やがて、音の主が見えました。くるくる回ったり跳ねたりしながらバイオリンを弾いているのは、災厄の十三魔であるナナ・ナインです。お供のナナ人形も凄まじい数がいます。百は超えるでしょうか
「やっほー☆」
ナナはそこで一旦演奏をやめました。弓をくるくる振り回しながら、この上なく明るい声音で彼女は宣言します。
「今日はナナのライブステージに来てくれてありがとう~☆来てくれた皆を、特別に殺しちゃうぞ☆」
そう言うと、彼女はバイオリンで前奏の様な音を奏でました。
「──音波攻撃だ!」
誰かの呼び声に応じて、あなたたちは身構えます。その予想は当たっており、ナナが歌い始めると、その声が音の刃になってあなたたちに襲いかかりました。とっさに避けた人、防具のおかげで事なきを得た人、まともに食らって痛い思いをした人様々です。
「今日のナナは歌って踊って演奏もしちゃう☆」
どうやら、大分テンションが高いようです。あなたたちは気を引き締めました。
今度こそ、幕引きをしなくてはなりません。
遠く、別の戦域で行なわれている戦闘でしょうか、爆発音が聞こえます。あなたたちはそれを合図にするように戦闘態勢に入りました。
これをナナ・ナインとの最後の戦いにするために。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
●別離の79
グラウンド・ゼロに、細いバイオリンの音が響いている。
カッツォ・ヴォイ(kz0224)は手袋をはめた手で繊細にバイオリンを奏でていた。時折風が吹き、上着の裾をはためかせる。後から後から転移してくる歪虚と、ハンターたちがぶつかり合う音が遠くから聞こえてくるが、そんなことは意に介さず、殺人脚本家は優雅に演奏していた。
一曲終えて、最後の音が身震いするように消えていくと、それまで黙っていた歪虚が口を開く。
「ねー☆ ノーフェース☆」
「どうした」
カッツォは自分を呼ぶ少女の声に対して、無感動な返事を寄越して振り返った。ナナ・ナイン(kz00081)は、相変わらずの貼り付けたような笑みで、
「次はどんなステージにしたら良いと思う~?」
「ナナよ」
脚本家は仮面の位置を整えながら向き直り、自分より小柄な少女歪虚を見下ろした。
「なぁに☆」
「もう王もいないから命を賭して戦う必要はないし、お前も好きなところに自由に行っていい。ハンターと渡り合う必要はない。私も好きにしている」
「えー?」
ナナは首を傾げる。
「あのねノーフェース聞いて~☆」
「なんだ」
「あのね、ノーフェースから自由にしてもらったけどね、ナナはアイドルなの☆」
「……?」
カッツォは怪訝そうに彼女を見る。ナナは続けた。
「ナナはアイドルだからねー☆ みんなを殺しちゃうのがアイドルとしてナナのやりたいことなの☆」
「……ああ」
彼女の名前はナナ・ナイン。災厄のアイドル。
旅芸人の自由のない生活から解き放たれたとしても、その生き様がアイドル。
血の海こそが、彼女の求めるステージ。
「だからね、好きにしろって言われてもナナはアイドルだからみんなを殺したいの☆」
「そうか……」
カッツォは納得したように、頷いた。
「刀は趣味じゃないと言っていたな」
「全然趣味じゃなかった☆」
「では何が良い」
「うーんとねー、マイクかギター☆」
「そうか。バイオリンはどうだ」
カッツォは自分が持っていた楽器を差し出す。ナナはきょとん、としたように瞬きした。表情は依然、笑顔だ。
「くれるの?」
「ああ。餞別として、お前にやろう」
「わーい☆ ノーフェースありがとう☆」
「その上で……」
カッツォは突然、芝居がかった仕草になった。恭しく腰を折る。
ナナがどこまで覚えているかわからないが、カッツォは初めてナナと出会った時のことを思い出している。旅芸人一座で心を病んでいた彼女に手招きしたときのことを。その時は、仰々しい敬語と物腰で接していた。
「あなたを輝かせる最後の脚本を差し上げましょう、ナナ・ナイン」
顔を上げて、首を傾げた。
「あなたがどのように輝きたいのか、言ってご覧なさい」
「みんなを殺して、ステージを盛り上げたいの☆」
「では、私から差し上げられる脚本にはこの一言を──『思う存分、殺して来い』」
ナナの顔がぱあっと輝いた。
「オッケー☆」
彼女の名前はナナ・ナイン。
殺戮することで輝く、災厄のアイドル。
「来てくれたみんなを特別に殺しちゃうぞ☆」
カッツォとはまた違った、陽気な旋律をバイオリンで奏でながら、彼女は走って行く。
災厄のライブステージに向かって。
カッツォはその背中を見送った。
恐らく、ナナと会うのはこれが最後になるだろう。ハンターを相手に、「思う存分」殺そうとするならば、彼女は限界を超えた力を出さないといけなくなる。逃げるタイミングを計っていては出せない力を。仮に逃げようとしたとしても、前回のようにテセウスに頼るわけにはいくまい。
そして、何度もナナを撃退しているハンターたちは……ナナを打ち倒すだろう。誰が書いたわけでもない、運命の脚本が、彼の目には見えるようだった。
だからこそ、最後を飾るに相応しい結末を迎えれるように、カッツォなりの労いの姿勢として丁寧な振る舞いで送り出したのだ。
唐突に、ナナが立ち止まった。くるりと振り返ると、カッツォに手を振る。
「ノーフェースも今までマネージャーありがとねー☆バイバーイ☆」
そう言い放つと、再びこちらに背中を向けて走って行った。それからもう振り返ることはなかった。
「ナナ・ナイン」
仮面の下で、呟いた。
「悪くなかった。さらばだ」
踵を返す。負のマテリアルが渦巻くグラウンド・ゼロを、軽やかに靴音を立てて、殺人脚本家は去って行った。
●ハンドアウト
あなたたちは、グラウンド・ゼロでのナナ・ナイン出没の知らせを受けて駆けつけたハンターです。
教えられた場所に向かって行くと、向こうからめちゃくちゃ陽気なバイオリンの旋律が聞こえて来ました。破天荒とも言うでしょうか。
やがて、音の主が見えました。くるくる回ったり跳ねたりしながらバイオリンを弾いているのは、災厄の十三魔であるナナ・ナインです。お供のナナ人形も凄まじい数がいます。百は超えるでしょうか
「やっほー☆」
ナナはそこで一旦演奏をやめました。弓をくるくる振り回しながら、この上なく明るい声音で彼女は宣言します。
「今日はナナのライブステージに来てくれてありがとう~☆来てくれた皆を、特別に殺しちゃうぞ☆」
そう言うと、彼女はバイオリンで前奏の様な音を奏でました。
「──音波攻撃だ!」
誰かの呼び声に応じて、あなたたちは身構えます。その予想は当たっており、ナナが歌い始めると、その声が音の刃になってあなたたちに襲いかかりました。とっさに避けた人、防具のおかげで事なきを得た人、まともに食らって痛い思いをした人様々です。
「今日のナナは歌って踊って演奏もしちゃう☆」
どうやら、大分テンションが高いようです。あなたたちは気を引き締めました。
今度こそ、幕引きをしなくてはなりません。
遠く、別の戦域で行なわれている戦闘でしょうか、爆発音が聞こえます。あなたたちはそれを合図にするように戦闘態勢に入りました。
これをナナ・ナインとの最後の戦いにするために。
解説
●目的
ナナ・ナインの撃破
●敵情報
ナナ・ナイン
基本的に両腕両脚を使った、殴打、刺突攻撃を行なう。
音波攻撃は射程30、前方45度。
高い回避力は健在。
やたらとテンションが高い。バイオリンを弾いている。
ナナ人形(小)×150
体長50cm程度の小さな人形。両腕を使った、殴打、刺突攻撃を行なう
●状況
スタート時、ナナから音波攻撃を先制で受けたとして判定する。
回避、受けのみの判定になる(この時に限りリアクション不可)。
●音波攻撃について
1回の攻撃ごとに難易度1で「知識」を使用した一般行為判定を行ない、成功すれば、「バイオリンの旋律から音波攻撃の歌が始まりそうなところを判別できる」とし、「注意喚起」が可能。「注意喚起」がされた場合は、回避、受けにそれぞれ+50%の補正がかかる。
音楽系CSで補正可能。
ナナ・ナインの撃破
●敵情報
ナナ・ナイン
基本的に両腕両脚を使った、殴打、刺突攻撃を行なう。
音波攻撃は射程30、前方45度。
高い回避力は健在。
やたらとテンションが高い。バイオリンを弾いている。
ナナ人形(小)×150
体長50cm程度の小さな人形。両腕を使った、殴打、刺突攻撃を行なう
●状況
スタート時、ナナから音波攻撃を先制で受けたとして判定する。
回避、受けのみの判定になる(この時に限りリアクション不可)。
●音波攻撃について
1回の攻撃ごとに難易度1で「知識」を使用した一般行為判定を行ない、成功すれば、「バイオリンの旋律から音波攻撃の歌が始まりそうなところを判別できる」とし、「注意喚起」が可能。「注意喚起」がされた場合は、回避、受けにそれぞれ+50%の補正がかかる。
音楽系CSで補正可能。
マスターより
こんにちは三田村です。
遂にナナとの最終決戦となりました。
最初は「元は別のMSが動かしてたNPCだからな……」とかなりびくびくしていましたが、動かしている内に段々可愛く思えて来ました。
可愛くなったころに決戦なんですよね。ちょっと寂しい気も。
ご参加いただいたPL、PCの皆様には厚く御礼申し上げます。
ご参加お待ちしています。
遂にナナとの最終決戦となりました。
最初は「元は別のMSが動かしてたNPCだからな……」とかなりびくびくしていましたが、動かしている内に段々可愛く思えて来ました。
可愛くなったころに決戦なんですよね。ちょっと寂しい気も。
ご参加いただいたPL、PCの皆様には厚く御礼申し上げます。
ご参加お待ちしています。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/08/08 00:14
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 鞍馬 真(ka5819) 人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2019/07/27 06:30:48 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/07/26 17:41:16 |