ゲスト
(ka0000)
【MN】七色温泉
マスター:凪池シリル

- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在19人 / 1~25人
- ユニット参加人数
- 現在6 / 0~25
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/08/16 07:30
- リプレイ完成予定
- 2019/08/25 07:30
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
※このシナリオは夢シナリオです。オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。
ぼんやりと。意識も、景色も霞んでいた。
うっすらと煙たなびくその光景に、次第に見えてくるものがある。
温泉。
色とりどりに六色。
温泉、そっか。
何でかわからないけど、温泉があるってことは入りに来たんだよな。
伊佐美 透はそうして、自分の状態にさして疑問を思うことなく……それでも彼らしいというか、色については無難そうな白の温泉に入ってほう、と息を吐いた。
あー……。
なんやかんや激戦だった疲れが溶けるー。
温泉はいい。
やっぱりいい。
いつもより広い景色と風呂。体を伸ばしてぼんやりしているだけでこのままずっといられそうだ……。
このまま、のんびり……。
『透殿ーーーー!』
させろ。
なんだか聞こえてきた声に随分違和感があった気がしたが──というか声? だったか? いや声じゃなければなんなんだ──振り向く、と。
視界に飛び込んできたのは相棒のチィ=ズヴォー……ではなく。
ユグディラが一匹だった。
そうか。違和感はこれの鳴き声が混ざってたからか。
なんかやたらなついてくる濡れたユグディラに、取り敢えず毛並みを整えたりなんかしてやりつつ辺りを見回す。
「おーい、チィ?」
『へえ』
声──いややっぱり声じゃない。なんか鳴き声と共に思念的なもの──は、手元のユグディラからした。
「……は?」
事態がよく分からない。分からないというか浮かびかけている推論を本能的に停止した。
いやない。
それはない。
「あーいた、主ー」
そうしていると、見知らぬ少年がやってくる。
「あ、透さん」
そして、知らないはずの少年は透を見て当たり前のようにそう言った。
「ええと、君は?」
リアルブルーからのファン……の、可能性は年齢的に低いと思った。どこかの依頼で助けたことがあるとかだろうか。それなら、聞けば思い出すかもしれない──
「あ、自分、チィのところのユグディラのデューです。お世話になってます」
…………。
「どうして、そうなった」
「なんかあっちの方の緑色のお湯? に、入ったらこうなりまして。あ、主はその近くにあった黄色いのに」
何か、たちの悪い悪戯とかでなければ。
つまりこれは、そう言うことなのか。
「……ってちょっと待て!」
気付いて透は慌ててざばりと湯から立ち上がる。
「これは安全なのか!? 俺は今どうなってる!」
身体を見下ろす。腕。身体。順に見ていくそこには普通に人間の肉体がある。いつもの自分と変わらない──変わらない?
言い切るには違和感がある。逆に違和感としか言えない程度なのだが。
「……チィ。お前から見てどうなんだ」
『いや、いつもの透殿に見えますが……なんかちっと、違えような……?』
やっぱりチィから見ても何か引っ掛かるのか……?
悩む透。この時彼は致命的な迂闊をしでかしていた。怪しいと思うならまず温泉から出るべきであったろう。なのに彼の両足はそこに浸かったままだった。
疲労のせいか──あるいはここに来た時点で既に何かの術中だったのか。
ふっと。目眩のような感覚。身体の内部が眩んだ、といより、視界が揺れたような。
『……』
「……」
そして、チィとデューが驚いた顔でマジマジとこちらを見ている。
「何……だよ。俺が……どうした?」
問うと、デューが答えた。
「縮みました」
「は?」
『縮みやした。背が。なんか、急に一気にガッといきやしたね』
「……。うおおおお!?」
理解するなり流石に温泉から飛び出た。
『透殿の温泉は身長を縮めるんですかね? にしてもさっきまでほとんどわからなかったのに今のは急激にでしたが』
「……」
言われて、その答えはなんだか腑に落ちかねた。徐々にではなくこのタイミングに一気に縮んだ理由。それまでの違和感。
「……どっかに、鏡とか無いかな」
「あ、さっきあっちの方で見ました」
デューに示されて、迷わずそちらに動く。そうして覗きこんだ鏡。張り付いた前髪をかきあげて己の顔をはっきり見て、確信した。
「……俺さ。中学までは身長むしろ低い方だったんだよ」
『……へえ?』
「何だか知らないけど、高一の時に一気に急に伸びてなー」
急になんの話なのか。改めて透の顔をよく見て、チィも理解する。
「……若返ってやすね」
そういうことだった。
そこまで理解したところで。
その看板に気付いた。
気付いてみれば何でそこにあるのに分からなかったのかと思えるくらいの大きさも雰囲気もある看板なのに、何故かこの時までは全く認識できなかった。
そこに。
六色の温泉とその効能──そして、48時間以内に『終の湯』にたどり着き入浴しないと元に戻れないばかりかここからの脱出も不可能だという。
「なんでかよく分からないけどのんびり出来ると思ったらなんだそれ!? くそ! とにかくここを目指せばいいのか!?」
まあ、なんでかよく分からない時点で完全にはじめからアレだったのだが。
透は叫びながら地図を確認する。移動手段や縮尺を確認すると、時間制限の割には余裕で到達できそうに思えるのだが……。
「当然、罠かなんかで行く手を阻まれるとかいうあれかなあ……」
嘆息しながら、透はチィとデューを伴って、引き戸──これも気が付いたらあった──を引いて六色の温泉場から出る。
道は左右に分かれていた。案内を信じるなら、どちらに向かってもいずれ合流する。とにかく進んでみないと分からないと、透は深く考えず左へと進み……。
この時透は気付いていなかった。肉体が若返った影響はその精神にも及ぼされていると。冷静に判断しているつもりで、今の彼は中学生男子だった。
そして。
48時間という制限時間。そのあまりの過酷さはすぐに思い知ることになる……──!
※このシナリオは夢シナリオです。オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。
ぼんやりと。意識も、景色も霞んでいた。
うっすらと煙たなびくその光景に、次第に見えてくるものがある。
温泉。
色とりどりに六色。
温泉、そっか。
何でかわからないけど、温泉があるってことは入りに来たんだよな。
伊佐美 透はそうして、自分の状態にさして疑問を思うことなく……それでも彼らしいというか、色については無難そうな白の温泉に入ってほう、と息を吐いた。
あー……。
なんやかんや激戦だった疲れが溶けるー。
温泉はいい。
やっぱりいい。
いつもより広い景色と風呂。体を伸ばしてぼんやりしているだけでこのままずっといられそうだ……。
このまま、のんびり……。
『透殿ーーーー!』
させろ。
なんだか聞こえてきた声に随分違和感があった気がしたが──というか声? だったか? いや声じゃなければなんなんだ──振り向く、と。
視界に飛び込んできたのは相棒のチィ=ズヴォー……ではなく。
ユグディラが一匹だった。
そうか。違和感はこれの鳴き声が混ざってたからか。
なんかやたらなついてくる濡れたユグディラに、取り敢えず毛並みを整えたりなんかしてやりつつ辺りを見回す。
「おーい、チィ?」
『へえ』
声──いややっぱり声じゃない。なんか鳴き声と共に思念的なもの──は、手元のユグディラからした。
「……は?」
事態がよく分からない。分からないというか浮かびかけている推論を本能的に停止した。
いやない。
それはない。
「あーいた、主ー」
そうしていると、見知らぬ少年がやってくる。
「あ、透さん」
そして、知らないはずの少年は透を見て当たり前のようにそう言った。
「ええと、君は?」
リアルブルーからのファン……の、可能性は年齢的に低いと思った。どこかの依頼で助けたことがあるとかだろうか。それなら、聞けば思い出すかもしれない──
「あ、自分、チィのところのユグディラのデューです。お世話になってます」
…………。
「どうして、そうなった」
「なんかあっちの方の緑色のお湯? に、入ったらこうなりまして。あ、主はその近くにあった黄色いのに」
何か、たちの悪い悪戯とかでなければ。
つまりこれは、そう言うことなのか。
「……ってちょっと待て!」
気付いて透は慌ててざばりと湯から立ち上がる。
「これは安全なのか!? 俺は今どうなってる!」
身体を見下ろす。腕。身体。順に見ていくそこには普通に人間の肉体がある。いつもの自分と変わらない──変わらない?
言い切るには違和感がある。逆に違和感としか言えない程度なのだが。
「……チィ。お前から見てどうなんだ」
『いや、いつもの透殿に見えますが……なんかちっと、違えような……?』
やっぱりチィから見ても何か引っ掛かるのか……?
悩む透。この時彼は致命的な迂闊をしでかしていた。怪しいと思うならまず温泉から出るべきであったろう。なのに彼の両足はそこに浸かったままだった。
疲労のせいか──あるいはここに来た時点で既に何かの術中だったのか。
ふっと。目眩のような感覚。身体の内部が眩んだ、といより、視界が揺れたような。
『……』
「……」
そして、チィとデューが驚いた顔でマジマジとこちらを見ている。
「何……だよ。俺が……どうした?」
問うと、デューが答えた。
「縮みました」
「は?」
『縮みやした。背が。なんか、急に一気にガッといきやしたね』
「……。うおおおお!?」
理解するなり流石に温泉から飛び出た。
『透殿の温泉は身長を縮めるんですかね? にしてもさっきまでほとんどわからなかったのに今のは急激にでしたが』
「……」
言われて、その答えはなんだか腑に落ちかねた。徐々にではなくこのタイミングに一気に縮んだ理由。それまでの違和感。
「……どっかに、鏡とか無いかな」
「あ、さっきあっちの方で見ました」
デューに示されて、迷わずそちらに動く。そうして覗きこんだ鏡。張り付いた前髪をかきあげて己の顔をはっきり見て、確信した。
「……俺さ。中学までは身長むしろ低い方だったんだよ」
『……へえ?』
「何だか知らないけど、高一の時に一気に急に伸びてなー」
急になんの話なのか。改めて透の顔をよく見て、チィも理解する。
「……若返ってやすね」
そういうことだった。
そこまで理解したところで。
その看板に気付いた。
気付いてみれば何でそこにあるのに分からなかったのかと思えるくらいの大きさも雰囲気もある看板なのに、何故かこの時までは全く認識できなかった。
そこに。
六色の温泉とその効能──そして、48時間以内に『終の湯』にたどり着き入浴しないと元に戻れないばかりかここからの脱出も不可能だという。
「なんでかよく分からないけどのんびり出来ると思ったらなんだそれ!? くそ! とにかくここを目指せばいいのか!?」
まあ、なんでかよく分からない時点で完全にはじめからアレだったのだが。
透は叫びながら地図を確認する。移動手段や縮尺を確認すると、時間制限の割には余裕で到達できそうに思えるのだが……。
「当然、罠かなんかで行く手を阻まれるとかいうあれかなあ……」
嘆息しながら、透はチィとデューを伴って、引き戸──これも気が付いたらあった──を引いて六色の温泉場から出る。
道は左右に分かれていた。案内を信じるなら、どちらに向かってもいずれ合流する。とにかく進んでみないと分からないと、透は深く考えず左へと進み……。
この時透は気付いていなかった。肉体が若返った影響はその精神にも及ぼされていると。冷静に判断しているつもりで、今の彼は中学生男子だった。
そして。
48時間という制限時間。そのあまりの過酷さはすぐに思い知ることになる……──!
解説
『七色温泉』
入り口に六色の温泉があり、この内どれか一つに浸からないと先への道は見つからない。
それぞれ下記の効能があり、対になっている。
赤の湯:『男性』が入ると『女性』になる
青の湯:『女性』が入ると『男性』になる
白の湯:任意の外見年齢に若返る。ただし最低5才でとまる
黒の湯:任意の外見年齢に成長する。ただし最大50才でとまる。既に50以上の者には無効
黄の湯:『貴方』が入ると『同行したユニット』の姿になる
緑の湯:『同行したユニット』が入ると『貴方の種族』の姿になる
一つの温泉の効能を受けると対になっている湯の効果は受けられない
例として赤の湯で女性になった男性が青の湯で戻ることは出来ない
対でなければ複数の効果を受けることは可能。例えば成体の雄幻獣をロリっ子に変えるとかは出来る
また、男性が青の湯に入る、人間が緑の湯に入る等で影響を受けずに先に進むことは可能
水着着用であり、性別や種族が変化した場合水着も何故かそれに合わせたものに変化している
元に戻り脱出する方法は48時間以内に『終の湯』にたどり着くこと
その『終の湯』は案内が出ており、一見、出発地点から普通に移動すれば1時間ほどで到達出来るように思える
しかしここに、ハンターたちを閉じ込めんと行く手を阻む数々の罠が待ち受ける──
まず向かって右手のエリアには20種類の効能別温泉が棚田状に広がっており制覇にはかなりの気合いと計画が必要になるだろう
さらにはジャグジーやジェットバス、サウナに水風呂といったものが待ち受ける
そして左手のエリアには巨大ウォータースライダーや流れる温泉、人工砂浜その他のレジャー施設がひしめいている
それらの中央には建物郡があり、バイキングレストランや個室料理店、更には各種マッサージ店や貸し切り個室温泉などが軒を並べている
果たして不幸にもこの空間に囚われてしまったハンターたちは、ここから抜け出すことが出来るのだろうか……──
入り口に六色の温泉があり、この内どれか一つに浸からないと先への道は見つからない。
それぞれ下記の効能があり、対になっている。
赤の湯:『男性』が入ると『女性』になる
青の湯:『女性』が入ると『男性』になる
白の湯:任意の外見年齢に若返る。ただし最低5才でとまる
黒の湯:任意の外見年齢に成長する。ただし最大50才でとまる。既に50以上の者には無効
黄の湯:『貴方』が入ると『同行したユニット』の姿になる
緑の湯:『同行したユニット』が入ると『貴方の種族』の姿になる
一つの温泉の効能を受けると対になっている湯の効果は受けられない
例として赤の湯で女性になった男性が青の湯で戻ることは出来ない
対でなければ複数の効果を受けることは可能。例えば成体の雄幻獣をロリっ子に変えるとかは出来る
また、男性が青の湯に入る、人間が緑の湯に入る等で影響を受けずに先に進むことは可能
水着着用であり、性別や種族が変化した場合水着も何故かそれに合わせたものに変化している
元に戻り脱出する方法は48時間以内に『終の湯』にたどり着くこと
その『終の湯』は案内が出ており、一見、出発地点から普通に移動すれば1時間ほどで到達出来るように思える
しかしここに、ハンターたちを閉じ込めんと行く手を阻む数々の罠が待ち受ける──
まず向かって右手のエリアには20種類の効能別温泉が棚田状に広がっており制覇にはかなりの気合いと計画が必要になるだろう
さらにはジャグジーやジェットバス、サウナに水風呂といったものが待ち受ける
そして左手のエリアには巨大ウォータースライダーや流れる温泉、人工砂浜その他のレジャー施設がひしめいている
それらの中央には建物郡があり、バイキングレストランや個室料理店、更には各種マッサージ店や貸し切り個室温泉などが軒を並べている
果たして不幸にもこの空間に囚われてしまったハンターたちは、ここから抜け出すことが出来るのだろうか……──
マスターより
☆取り敢えず色々お疲れ様でした……──!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/08/25 00:04