• コメディ

恋は譫妄に似ている

マスター:坂上テンゼン

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
6日
プレイング締切
2015/02/13 22:00
リプレイ完成予定
2015/02/22 22:00

オープニング

●恋は譫妄に似ている
 神よ! すべてを捧げてもいいと思える女性に出会えた!
 彼女から受けた衝撃はこれまでの人生で感じたことがなかった。
 彼女の言葉を聞いた瞬間、世界が彩りに満ちたんだ!
 今までは灰色の世界の住人だったと、気づきもしなかったというのに。
 彩のある幻が人生というものだ。人が生きると書いて人生……
 僕は初めて自分が生きている実感を得ている。
 ああ、愛しき人よ……きっと君がいなければ僕は存在さえ保てないだろう。
 この想い、堪えきれない。
 いますぐ僕を全部まとめて君にプレゼントしよう!


●それは恋とは言わない
「変な男につきまとわれているのじゃ」
 ハンターオフィスに訪れた彼女は、リアルブルーの戦国時代の日本の姫のような口調で言った。
「細川さん、ハンターであるあなたがストーカー被害に会うということは……」
「相手はランネル・メッテルニヒどのじゃ」
 細川 閃姫(ほそかわ せんひめ)がその名を口にすると、ハンターオフィスの窓口は俄かにざわついた。
 ランネル・メッテルニヒと言えば、ベテランのハンターである。
 すでに壮年にさしかかっている彼だが、浮いた話はこれまで無かった。
「妾が行く先々に現れては言い寄って来よる。じゃが歳は離れておるし……何とのう生理的に受け付けぬ……なにより付き合うておる人がおる。ゆえにはっきりと断っておるのじゃが、一向に話を聞かぬ。
 そればかりか、この間家に帰ったら、行李の中に隠れておったのじゃ」
 彼女の言う行李とは衣装箱のことだ。特に珍しいものではない。
 珍しいのは彼女の言い方の方である。
「妾は怖くなって逃げ出した。しばらく街を彷徨ったが、こういう事には忍者をということで、ヘザーどのを頼ったのじゃ」
「ちなみにニンジャというのは疾影士のことだぞ」
 閃姫の傍に控えていた、ヘザー・スクロヴェーニが付け足した。
 そのヘザーは、包帯を巻いていた。
「妾はランネルどのを見くびっておった……」
 沈痛した面持ちで閃姫が言った。
「いいんだ閃、いい女のために負った傷なんて勲章さ」
「そなたが男であれば名言であったのにの」
 夜のことだった。ヘザーは閃姫の住む館(ごく普通の借家)に向かったのだそうだ。
 中に入ると、突然件の行李の中から人が襲いかかってきたらしい。攻撃を避けると、相手は外へと走り去って行った。ヘザーはそれを追った。
 だが薄暗い路地裏まで追った所で見失ってしまった。捜索を続けていると、突然路地裏に置かれていた樽の中から現れ、襲いかかってきた。
 ヘザーは飛び退きながらもチャクラムを投げた。同時に敵もナイフを投げてきた。互いの武器が空中で交差し、結果としてヘザーは負傷、敵には逃げられたらしい。
「面目ない話さ……」
 ヘザーはそう言って包帯で覆われた傷を撫でた。
「ランネルどのとは一度一緒に仕事をしたことがあったのじゃ……」
 転移者である閃姫は当時、ランネルが熟練のハンターであることを知らなかった。見た目や言動からそう思えなかったという。
 偉そうな態度が気に入らなくて罵倒してしまったのだ。
「今思うと玄人から新米に忠告してただけじゃったのかのう」
 初対面の相手に罵倒する彼女も彼女なのだが、相手の方は、なんとそれが原因で入れ込んでしまったらしい。
「気品がある若い女に罵倒されるのって経験したことあるか? 割といいものだぞ、そういう趣味はないが」
 ヘザーが実にどうでもいい解説をした。
「ヘザーどのの言はまことじゃ。言い寄って来た時に本人がそう言うておった……どうしようもない変態じゃ……そこで皆にランネルどのを捕まえて欲しいのじゃ。
 きゃつは人の話など聞かぬであろうな。説得とかではなく説得(物理)でお願いしたい」
 物理……素敵な言葉だ、とヘザーが悦に入った。
「オフィスのほうでは住所は把握してないのか?」
「ランネルさんは、住所不定なんです」
 問うたヘザーに職員が応えた。これで無職ならばさらに格好がついただろう。
「実は今度の土曜は想い人と逢瀬なのじゃ」
 閃姫は少し乙女めいた口調になって言った。
「おそらくは敵はそのこと知っておろう……必ず邪魔をしに現れるはず。彼には余計な心配をかけとうない。ゆえに賊を追いながらも、妾に接触するのを阻んで欲しい」
 ちなみにきゃつとか賊とか言われているのが件のランネルのことだ。
「しかしランネルさんは熟練のハンター、それも疾影士です。面と向かってならともかく、本気で逃げ回られたら捕まえるのは容易ではないでしょう。それと街中でのお仕事になると思います、皆さんの行動も制限されるでしょう」
 職員が諸注意を述べる。
「もちろん殺人は許容されません」
 無表情で怖い事を付け足した。

解説

目的:
 閃姫のデートを成功させつつストーカーを捕らえよ!
 逃げられたりデートをぶち壊しにされたりしたら失敗!

 なお捕らえたら司法官権に引き渡してくれというのが依頼人の意向です。

障害:
 熟練のハンター(変質者) 説得は効かない
   
デートコース:
 公園→商店街→レストラン→劇場 となる
(注)デートを見守るシナリオではありません。デートが成功してもストーカーを捕まえられないと失敗になります。

舞台:
『王都イルダーナ第三街区』
 中流家庭の一戸建て、良質な集合住宅、幅広い事業を展開する大商店などがある。その他目ぼしいものは王国騎士団本部(+騎士の宿舎+厩舎)、ハンターズソサエティ支部、商人ギルドの商店街、服飾通りなど。
 
登場人物:
『細川 閃姫』
 人間(リアルブルー)17歳女。猟撃士。大和撫子的な容姿をしている。戦国時代の姫マニアであり、転移という非日常な出来事をきっかけに日常の自分を脱ぎ捨て、好きなように振舞っている。作戦には参加しない。ちなみに偽名。

『ランネル・メッテルニヒ』
 人間(クリムゾンウェスト)46歳男。疾影士。風采は上がらない。薄くなってきた髪、バランスが悪いほど大きい目と口が特徴。人間関係に関しては思い込みが激しく自意識過剰で人の話を聞かないが、ハンターとしての実力は確か。

『ヘザー・スクロヴェーニ』
 同行する。詳細はステータス参照。

諸注意:
 街中で銃などの飛び道具を目標の遠くから撃つのは危険です。
 遠距離攻撃スキルや範囲魔法も止めた方がいいでしょう。
 人や物に被害を出してしまった場合、ハンターへの超法規的措置が適用されるためよほど悪質でない限り罰されることはありません。
 ランネルは全てのタイミングで閃姫の近くに必ず潜んでいます。仕掛けるタイミングを絞って一気に行くのがいいでしょう。
 ランネルはPCが一対一で戦うと負けるレベルですが、戦って勝てないと悟ると逃げ出します。

マスターより

 坂上テンゼンに候。
 
 おっさんとの追いかけっこです。
 王都にはいろいろなものがあるので色々なシチュエーションを想定してみてください。
 PLのアイデアがバラエティ豊かなだけ面白くなると思います。
 でもさすがにMSが「これは無いだろ!」と判断したものはプレイングに反映されませんが。

 帝国ではないので魔導機械とかはめったにありません。
 王宮に行くこともできません。

関連NPC


  • ヘザー・スクロヴェーニ(kz0061
    人間(クリムゾンウェスト)|26才|女性|疾影士(ストライダー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/02/17 22:35

参加者一覧

  • THE SAMURAI
    シオン・アガホ(ka0117
    エルフ|15才|女性|魔術師
  • 鍛鉄の盾
    イーディス・ノースハイド(ka2106
    人間(紅)|16才|女性|闘狩人
  • くノ一
    藤林みほ(ka2804
    人間(蒼)|18才|女性|闘狩人
  • 恋愛導師
    はるな(ka3307
    人間(蒼)|18才|女性|魔術師
  • 運命の回答者
    リサ=メテオール(ka3520
    人間(紅)|16才|女性|聖導士

  • 葵・ミコシバ(ka4010
    人間(蒼)|14才|女性|霊闘士
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/02/08 21:38:16
アイコン 相談卓
リサ=メテオール(ka3520
人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2015/02/13 21:04:09
アイコン 質問はこちら
ヘザー・スクロヴェーニ(kz0061
人間(クリムゾンウェスト)|26才|女性|疾影士(ストライダー)
最終発言
2015/02/11 09:09:35