ゲスト
(ka0000)
【不動】戦場のtaboo
マスター:坂上テンゼン

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 4~7人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/04/14 12:00
- リプレイ完成予定
- 2015/04/23 12:00
オープニング
見渡せば目に入るのは、むき出しの土と蹂躙された草だけ。南からはナナミ河の湿気を孕んだ風が吹き付けてくる。
ここは辺境。
辺境部族が苛酷な環境に負けず、昔ながらの生活を送る土地であったが、
今は怠惰と呼ばれる巨人どもが好き勝手に暴れまわる、暴力の大地だ。
ここはCAM実験場、通称『ホープ』より、ナナミ河をまたいで北の地点。ナナミ河撃滅戦での勝利により、人類側の領土となっている。とはいえ、重要拠点であるホープの近くでもあるこの地点が全くの無防備であるはずはなく、またマギア砦など最前線への補給線の確保の意味も兼ねて、いくつかの部隊が周辺に配置されていた。ここはそんな地点の一つだった。
ここには主に王国騎士団とハンターで構成された部隊が天幕を張っていた。かの激戦地ナナミ河から程近かったが、今は周囲の安全は確保されていた。
昼を少し回った頃。若い団員二人が警戒の任務に当たっていた。そこに、さらに二人の騎士がやってきた所だ。
「よう。交代だ」
「お疲れさん。平和なもんだよ」
迎えた若い騎士たちは、簡易テーブルに腰掛けマグカップで飲み物を飲んでいた。
「そうか。敵ももう少し頑張ってもよさそうな所だな」
「おいおい……剣呑だな」
「俺は手柄をあげたいからな……」
交代に来た騎士の一人が、笑みを作ってそう言った。大柄な体格の男だ。頭部を覆うオープンヘルムの脳天に付けられた、赤い兜飾り(クレスト)が印象的だ。
相手が同年代で気安い間柄だったこともあって、彼は続けた。
「俺は隊の中では目立たないが……
必ずここで手柄を立てて王都に帰り、出世するつもりだ」
「気負ってるな……故郷に女でもいるのか?」
「……まあな。帰ったら……婚約を申し込もうかと思ってる」
聞いた方が飲み物を噴出した。
言った方は大真面目だったのでこの反応を不思議に思ったが、興が乗ってきたので続けた。
「彼女の作るパインサラダが美味いんだ」
聞いている二人はもはや気の毒そうな顔で彼を見つめていた。
やがて二人の騎士が帰り、しばらくは静かな時間が続いた。
「静かなものだな……」
口を開いたのは、やはり赤い兜飾りの件の騎士だった。
「ま、俺達もあれだけ戦ったんだ……
こんな所には攻めてこないか。
俺は大した手柄もあげられなかったが……」
辺境での歪虚との戦いでは、彼も何度か参加していた。
決して実力がないわけではないのだが、何故かこれまで活躍の機会には恵まれていなかった。
「敵を斬りたくてうずうずしてるってか。しかし……」
もう一人の騎士の言葉は、「しかし、まともにやりあえるだけの戦力はここにはない」と続けられる予定であったがしかし、最後まで続けられることはなかった。
「おい……あれ……」
指を指した。
複数の黒い点が見えた――それはよく見ると人型で、もっとよく見ると武器を持っており、しばらく見ていると人間よりはるかに巨体であることがわかる。
怠惰の歪虚――そう判断しなくてはならなかった。
「こんな所に敵襲だと?! こんな所に!」
「敵襲ー! 敵襲ーー!」
驚愕はしたものの、流石は王国騎士団。彼等の行動は迅速だった。
その声に応えるように、天幕の中で動きが起こった。
「『ホープ』に援軍を要請しに行く!」
「任せる。だが撃退してしまっても構わんのだろう?」
「?!」
騎士の一人は不敵な笑みを見せ、剣を抜いた。
「念願のローレル・ラインも手に入れたんだ!」
「念願のだと?!」
「何?」
「ああいや……早まったマネはするな!
いいか! くれぐれも『ここは俺に任せて行け』とか言い出すなよ!」
「ここは俺にまか、ハッ!?」
騎士の一人が走り去り、連絡用の馬に跨った。
「所詮は図体ばかりでかい奴ら……器用に立ち回れば勝てる!
ダンテ隊長だって戦いで勝って出世したんだ……俺だって!」
剣を構え、近づいてくる敵を見据えた。
「俺は! 赤の隊だッ!!」
今彼は、不吉な脚光を浴びていた。
ここは辺境。
辺境部族が苛酷な環境に負けず、昔ながらの生活を送る土地であったが、
今は怠惰と呼ばれる巨人どもが好き勝手に暴れまわる、暴力の大地だ。
ここはCAM実験場、通称『ホープ』より、ナナミ河をまたいで北の地点。ナナミ河撃滅戦での勝利により、人類側の領土となっている。とはいえ、重要拠点であるホープの近くでもあるこの地点が全くの無防備であるはずはなく、またマギア砦など最前線への補給線の確保の意味も兼ねて、いくつかの部隊が周辺に配置されていた。ここはそんな地点の一つだった。
ここには主に王国騎士団とハンターで構成された部隊が天幕を張っていた。かの激戦地ナナミ河から程近かったが、今は周囲の安全は確保されていた。
昼を少し回った頃。若い団員二人が警戒の任務に当たっていた。そこに、さらに二人の騎士がやってきた所だ。
「よう。交代だ」
「お疲れさん。平和なもんだよ」
迎えた若い騎士たちは、簡易テーブルに腰掛けマグカップで飲み物を飲んでいた。
「そうか。敵ももう少し頑張ってもよさそうな所だな」
「おいおい……剣呑だな」
「俺は手柄をあげたいからな……」
交代に来た騎士の一人が、笑みを作ってそう言った。大柄な体格の男だ。頭部を覆うオープンヘルムの脳天に付けられた、赤い兜飾り(クレスト)が印象的だ。
相手が同年代で気安い間柄だったこともあって、彼は続けた。
「俺は隊の中では目立たないが……
必ずここで手柄を立てて王都に帰り、出世するつもりだ」
「気負ってるな……故郷に女でもいるのか?」
「……まあな。帰ったら……婚約を申し込もうかと思ってる」
聞いた方が飲み物を噴出した。
言った方は大真面目だったのでこの反応を不思議に思ったが、興が乗ってきたので続けた。
「彼女の作るパインサラダが美味いんだ」
聞いている二人はもはや気の毒そうな顔で彼を見つめていた。
やがて二人の騎士が帰り、しばらくは静かな時間が続いた。
「静かなものだな……」
口を開いたのは、やはり赤い兜飾りの件の騎士だった。
「ま、俺達もあれだけ戦ったんだ……
こんな所には攻めてこないか。
俺は大した手柄もあげられなかったが……」
辺境での歪虚との戦いでは、彼も何度か参加していた。
決して実力がないわけではないのだが、何故かこれまで活躍の機会には恵まれていなかった。
「敵を斬りたくてうずうずしてるってか。しかし……」
もう一人の騎士の言葉は、「しかし、まともにやりあえるだけの戦力はここにはない」と続けられる予定であったがしかし、最後まで続けられることはなかった。
「おい……あれ……」
指を指した。
複数の黒い点が見えた――それはよく見ると人型で、もっとよく見ると武器を持っており、しばらく見ていると人間よりはるかに巨体であることがわかる。
怠惰の歪虚――そう判断しなくてはならなかった。
「こんな所に敵襲だと?! こんな所に!」
「敵襲ー! 敵襲ーー!」
驚愕はしたものの、流石は王国騎士団。彼等の行動は迅速だった。
その声に応えるように、天幕の中で動きが起こった。
「『ホープ』に援軍を要請しに行く!」
「任せる。だが撃退してしまっても構わんのだろう?」
「?!」
騎士の一人は不敵な笑みを見せ、剣を抜いた。
「念願のローレル・ラインも手に入れたんだ!」
「念願のだと?!」
「何?」
「ああいや……早まったマネはするな!
いいか! くれぐれも『ここは俺に任せて行け』とか言い出すなよ!」
「ここは俺にまか、ハッ!?」
騎士の一人が走り去り、連絡用の馬に跨った。
「所詮は図体ばかりでかい奴ら……器用に立ち回れば勝てる!
ダンテ隊長だって戦いで勝って出世したんだ……俺だって!」
剣を構え、近づいてくる敵を見据えた。
「俺は! 赤の隊だッ!!」
今彼は、不吉な脚光を浴びていた。
解説
目的:
騎士シモンを生存させる
状況:
騎士シモン・ツンベルクがいる。
PCはOPの地点に居合わせている。天幕の中で待機中だった。
ほかに二人の騎士がいて、敵襲の報せを聞き天幕から外に出ようとしている。
この二人は「従騎士」騎士団では下っ端。シモンより強くないが、危険度は何故かシモンの方がはるかに上。
シモン、従騎士いずれも剣と盾、弓矢を装備している。
シモンにはすぐに合流できる。
ほか、ホープに救援を求めに行った騎士がいる。
敵:
オーガ×6
・スキル
強打:渾身の力を込めることで、力強い一撃を与える。
突撃:前方3スクエアに存在する対象全てへ攻撃。敵味方識別可。攻撃後、3スクエア前方へ移動する。
NPC:
シモン・ツンベルク 22歳 男 闘狩人
グラズヘイム王国騎士団・赤の隊所属。
体格に恵まれており、実力はあるのだが、自分は実力に見合った活躍をする機会に恵まれなかったと思っている。紛れもない事実ではあるのだが、実力者ぞろいの赤の団では決して突出した存在ではない。
好物はパインサラダとステーキ。恋人の名前はアメリア。
前日に恋人に当てた手紙を書いている。
しかも「もしかしたらこれを読んでいる時には俺はこの世にいないかもしれない」で始まっている。
現在ホープに居る軍医に、母の形見の指輪を預けている。
備考:
このままだと仮に敵を退けても、なんらかの力によりシモンは死ぬ。
原因は彼の言動にある。
物理的な力だけではその「なんらかの力」を退けることは不可能である。
騎士シモンを生存させる
状況:
騎士シモン・ツンベルクがいる。
PCはOPの地点に居合わせている。天幕の中で待機中だった。
ほかに二人の騎士がいて、敵襲の報せを聞き天幕から外に出ようとしている。
この二人は「従騎士」騎士団では下っ端。シモンより強くないが、危険度は何故かシモンの方がはるかに上。
シモン、従騎士いずれも剣と盾、弓矢を装備している。
シモンにはすぐに合流できる。
ほか、ホープに救援を求めに行った騎士がいる。
敵:
オーガ×6
・スキル
強打:渾身の力を込めることで、力強い一撃を与える。
突撃:前方3スクエアに存在する対象全てへ攻撃。敵味方識別可。攻撃後、3スクエア前方へ移動する。
NPC:
シモン・ツンベルク 22歳 男 闘狩人
グラズヘイム王国騎士団・赤の隊所属。
体格に恵まれており、実力はあるのだが、自分は実力に見合った活躍をする機会に恵まれなかったと思っている。紛れもない事実ではあるのだが、実力者ぞろいの赤の団では決して突出した存在ではない。
好物はパインサラダとステーキ。恋人の名前はアメリア。
前日に恋人に当てた手紙を書いている。
しかも「もしかしたらこれを読んでいる時には俺はこの世にいないかもしれない」で始まっている。
現在ホープに居る軍医に、母の形見の指輪を預けている。
備考:
このままだと仮に敵を退けても、なんらかの力によりシモンは死ぬ。
原因は彼の言動にある。
物理的な力だけではその「なんらかの力」を退けることは不可能である。
マスターより
死なんと戦へば生き、生きんと戦へば必ず死すものなり
家を出ずるより帰らじと思えばまた帰る、帰ると思えばぜひ帰らぬものなり
――上杉謙信
というわけで、坂上テンゼンに候
(やだ……武士っぽい……!)
今回戦っていただくのは「死亡フラグ」です。
ストーリー上は『不動』とあまり関わりのないシナリオ。
死亡フラグには死亡フラグである理由があると思うのです。
それを覆すなら、その原因が何か考えることが必要となってくるのでしょう。
よろしくおねがいします。
家を出ずるより帰らじと思えばまた帰る、帰ると思えばぜひ帰らぬものなり
――上杉謙信
というわけで、坂上テンゼンに候
(やだ……武士っぽい……!)
今回戦っていただくのは「死亡フラグ」です。
ストーリー上は『不動』とあまり関わりのないシナリオ。
死亡フラグには死亡フラグである理由があると思うのです。
それを覆すなら、その原因が何か考えることが必要となってくるのでしょう。
よろしくおねがいします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/04/20 05:59
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/04/09 20:29:16 |
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相談卓【阻止限界点】 屋外(ka3530) 人間(リアルブルー)|25才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/04/13 18:08:09 |