ゲスト
(ka0000)
人の味を覚えた害獣
マスター:石田まきば

- シナリオ形態
- イベント
関連ユニオン
APV- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在25人 / 1~25人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/05/19 15:00
- リプレイ完成予定
- 2015/05/28 15:00
オープニング
●出発
その日、エルヴィンバルト要塞からは2台の魔導車が出発しようとしていた。
一台は魔導トラック、荷台に人が乗りやすいよう座席をつけたタイプで、簡単ではあるが日除けの幌もついている。その大きさに合わせて乗れる数も多い。
もう一台も魔導トラックではあるのだが、その規模は小さめだ。座席も車内に設置されているのみで、荷台は小さく作られている。
それぞれに集まったハンター達が乗り込んだことを確認して、第三師団長カミラ・ゲーベルが声をあげた。
「いいか、相手は人の味を覚えた害獣だ! この機会に駆逐しなければ帝国民に新たな被害が増えてしまう可能性がある。だからこそ皆の手を借り退治に向かう事になった」
滔々と語っているが、何かを振り切ろうとしているようにも見える。
「しかしその目撃情報は不確かなものだ。待ち受けているものが本当にグリフォンであるとは限らない。しかし、害獣であることは確かだ……とにかく、対処は早いに越したことは無い」
だから二手に分かれるのだ、と理由が続く。
「是非協力を頼む。……なお、相手はあくまでも害獣だ、歪虚ではない」
こほん、と一息間をあけた。
「つまり肉が残る。場合によっては卵もだ」
調理器具も最低限は詰んである。そのカミラの言葉が示す通り、荷台に乗っている組み立て式の竃の設営用具がハンター達の視界に映った。
「退治したあとは皆で祝杯を交わしても問題ない。私も可能な限り腕を振るおう」
どちらにも同行できないのが残念だ、とその顔に書いてある。
「どちらもグリフォンであることを祈る。……食べたいというのもあるが、もし卵があるなら帝国軍の貴重な財産になる可能性があるからな!」
どうみても『食べたい』が本音だろうと思いながらも、ハンター達は沈黙を守った。
●前日
第三師団都市マーフェルス。エルヴィンバルト要塞の食堂で、その日カミラはとある噂話を耳にしていた。
「人食いグリフォンが出ただと!?」
部下達の談笑話にも容赦なく顔を突っ込み、詳しい話を聞きだしていく。対する部下達はその勢いに驚きはしたものの、素直に話を提供してくれる。
もともと食に拘りのあるこの師団長は常日頃から新たな食材を求めていて、何か関係のありそうな話があればすぐに教えるようにと部下達に通達しているほどである(具体的には師団配属時の顔合わせで言い含めるらしい)。部下の方も改めてカミラに伝えるつもりであった話で、それよりも早くカミラが聞きつけた、と。とにかくそういう事情だった。
「人食いなら問題なく食材に出来るな……卵もあればなおいい……」
うっとり。
心ここにあらずといった表情は珍しいがそれも仕方のないことであった。エルフハイムを挟んで第五師団ヒンメルリッターと隣接している第三師団シュラーフドルンは、その協力関係においてグリフォンを見る機会が比較的多い。強行手段に出るようなことは無いが、彼らの騎乗し操るグリフォンをも見るたび、
「グリフォンを食べる機会はないだろうか」
……などと呟くのがカミラの日常であったりするのだった。
「ロルフに聞いておいたのだが、人食いグリフォンなら食べても問題ないらしい」
これも口癖に含まれているのは、部下達全員の知るところだったのだ。
調教して乗りこなせる個体は多い方がいい、グリフォンは可食生物だが、第五師団での有用性から食用にするには厳密なルールが存在していた。それを一言で表すとこうだ。
『人の味を覚えたかどうか』
一度でも人肉を口にしたグリフォンはそれを繰り返す可能性がある……そうなると殺処分となる。つまり食べてもいいという事なのだが。
当たり前だが軍事利用を前提に調教・飼育されている第五師団のグリフォンが人を襲うことは無い。ともすればそれ以外のグリフォンということになるが……なかなか他の場所でグリフォンを見かけることもなかった。山岳部に住むというグリフォンを探すためだけに出かけられるほど、帝国軍は暇ではないのだ。
しかし。
最近、それ以外の地域でグリフォンを見かけるようになってきたという話が回ってきている。
それが人食いグリフォンであれば、被害が大きくなる前に大手を振って退治に行ける。
そのついでに倒したグリフォンを食べても誰も咎めないし、カミラもそこに居ればグリフォンが食べられる。
……以上、証明終了。
「目撃情報はどこだ? ……なに、二カ所だと?」
折角明日は非番だというのに、二か所どちらも回れるだろうか……等と本気で考え込むカミラ。部下達も上司がそう考えるだろうと想像できていたからこそ、情報の真偽を確かめてから伝えようと思っていた、と言う話なのだが。
「調べている合間に被害が広がってしまったら意味がないだろう」
部下の言い分を封殺しながら、ぽんと手をうった。
「ハンターを二班呼ぶしかないか……」
私が同行できるのは一方だけ、それは賭けになってしまうが、仕方ない。
●待っていたのは
「……確かに羽根はあるな」
目撃情報のあった場所に近づくにつれ、カミラの声は残念そうな響きを帯び始めていた。
『羽のある獣が人里を襲っている』その情報は確かに間違いではなかった。しかし羽と言っても翼だったり羽根だったり翅だったりと色々と種類があると言うもの。そして視界の隅に小さく見える獣の背に見えるのは……皮膜状の羽根、というべきだろう。
間違ってもグリフォンの背にあるような鳥の翼ではなかった。
「まあ、害獣には間違いない。せめて数があればいい。そして卵もな」
怪獣が美味しいという話はあまり聞かないが、食べられるという事は知っている。そんな呟きを続けながら、周辺を警戒している様子のウイングラプターを見据える。
あいつらは今が繁殖期だっただろうか、だとしたら卵も望めそうだな、などと切り替えは早い。
「グリフォンでないのは残念だが……あいつらはあいつらで楽しめるはずだ」
食べたことがないのは同じだからな。
(この人は、食べられればいいのだろうか……)
彼女の呟きを耳にしたハンター達がそう思ったのは言うまでもない。
カミラは本来非番の日だから、自由に振る舞っているだけである。業務中は模範的な師団長だという事を、念のためここに記しておく。
その日、エルヴィンバルト要塞からは2台の魔導車が出発しようとしていた。
一台は魔導トラック、荷台に人が乗りやすいよう座席をつけたタイプで、簡単ではあるが日除けの幌もついている。その大きさに合わせて乗れる数も多い。
もう一台も魔導トラックではあるのだが、その規模は小さめだ。座席も車内に設置されているのみで、荷台は小さく作られている。
それぞれに集まったハンター達が乗り込んだことを確認して、第三師団長カミラ・ゲーベルが声をあげた。
「いいか、相手は人の味を覚えた害獣だ! この機会に駆逐しなければ帝国民に新たな被害が増えてしまう可能性がある。だからこそ皆の手を借り退治に向かう事になった」
滔々と語っているが、何かを振り切ろうとしているようにも見える。
「しかしその目撃情報は不確かなものだ。待ち受けているものが本当にグリフォンであるとは限らない。しかし、害獣であることは確かだ……とにかく、対処は早いに越したことは無い」
だから二手に分かれるのだ、と理由が続く。
「是非協力を頼む。……なお、相手はあくまでも害獣だ、歪虚ではない」
こほん、と一息間をあけた。
「つまり肉が残る。場合によっては卵もだ」
調理器具も最低限は詰んである。そのカミラの言葉が示す通り、荷台に乗っている組み立て式の竃の設営用具がハンター達の視界に映った。
「退治したあとは皆で祝杯を交わしても問題ない。私も可能な限り腕を振るおう」
どちらにも同行できないのが残念だ、とその顔に書いてある。
「どちらもグリフォンであることを祈る。……食べたいというのもあるが、もし卵があるなら帝国軍の貴重な財産になる可能性があるからな!」
どうみても『食べたい』が本音だろうと思いながらも、ハンター達は沈黙を守った。
●前日
第三師団都市マーフェルス。エルヴィンバルト要塞の食堂で、その日カミラはとある噂話を耳にしていた。
「人食いグリフォンが出ただと!?」
部下達の談笑話にも容赦なく顔を突っ込み、詳しい話を聞きだしていく。対する部下達はその勢いに驚きはしたものの、素直に話を提供してくれる。
もともと食に拘りのあるこの師団長は常日頃から新たな食材を求めていて、何か関係のありそうな話があればすぐに教えるようにと部下達に通達しているほどである(具体的には師団配属時の顔合わせで言い含めるらしい)。部下の方も改めてカミラに伝えるつもりであった話で、それよりも早くカミラが聞きつけた、と。とにかくそういう事情だった。
「人食いなら問題なく食材に出来るな……卵もあればなおいい……」
うっとり。
心ここにあらずといった表情は珍しいがそれも仕方のないことであった。エルフハイムを挟んで第五師団ヒンメルリッターと隣接している第三師団シュラーフドルンは、その協力関係においてグリフォンを見る機会が比較的多い。強行手段に出るようなことは無いが、彼らの騎乗し操るグリフォンをも見るたび、
「グリフォンを食べる機会はないだろうか」
……などと呟くのがカミラの日常であったりするのだった。
「ロルフに聞いておいたのだが、人食いグリフォンなら食べても問題ないらしい」
これも口癖に含まれているのは、部下達全員の知るところだったのだ。
調教して乗りこなせる個体は多い方がいい、グリフォンは可食生物だが、第五師団での有用性から食用にするには厳密なルールが存在していた。それを一言で表すとこうだ。
『人の味を覚えたかどうか』
一度でも人肉を口にしたグリフォンはそれを繰り返す可能性がある……そうなると殺処分となる。つまり食べてもいいという事なのだが。
当たり前だが軍事利用を前提に調教・飼育されている第五師団のグリフォンが人を襲うことは無い。ともすればそれ以外のグリフォンということになるが……なかなか他の場所でグリフォンを見かけることもなかった。山岳部に住むというグリフォンを探すためだけに出かけられるほど、帝国軍は暇ではないのだ。
しかし。
最近、それ以外の地域でグリフォンを見かけるようになってきたという話が回ってきている。
それが人食いグリフォンであれば、被害が大きくなる前に大手を振って退治に行ける。
そのついでに倒したグリフォンを食べても誰も咎めないし、カミラもそこに居ればグリフォンが食べられる。
……以上、証明終了。
「目撃情報はどこだ? ……なに、二カ所だと?」
折角明日は非番だというのに、二か所どちらも回れるだろうか……等と本気で考え込むカミラ。部下達も上司がそう考えるだろうと想像できていたからこそ、情報の真偽を確かめてから伝えようと思っていた、と言う話なのだが。
「調べている合間に被害が広がってしまったら意味がないだろう」
部下の言い分を封殺しながら、ぽんと手をうった。
「ハンターを二班呼ぶしかないか……」
私が同行できるのは一方だけ、それは賭けになってしまうが、仕方ない。
●待っていたのは
「……確かに羽根はあるな」
目撃情報のあった場所に近づくにつれ、カミラの声は残念そうな響きを帯び始めていた。
『羽のある獣が人里を襲っている』その情報は確かに間違いではなかった。しかし羽と言っても翼だったり羽根だったり翅だったりと色々と種類があると言うもの。そして視界の隅に小さく見える獣の背に見えるのは……皮膜状の羽根、というべきだろう。
間違ってもグリフォンの背にあるような鳥の翼ではなかった。
「まあ、害獣には間違いない。せめて数があればいい。そして卵もな」
怪獣が美味しいという話はあまり聞かないが、食べられるという事は知っている。そんな呟きを続けながら、周辺を警戒している様子のウイングラプターを見据える。
あいつらは今が繁殖期だっただろうか、だとしたら卵も望めそうだな、などと切り替えは早い。
「グリフォンでないのは残念だが……あいつらはあいつらで楽しめるはずだ」
食べたことがないのは同じだからな。
(この人は、食べられればいいのだろうか……)
彼女の呟きを耳にしたハンター達がそう思ったのは言うまでもない。
カミラは本来非番の日だから、自由に振る舞っているだけである。業務中は模範的な師団長だという事を、念のためここに記しておく。
解説
※ このシナリオは十野誠MSと連動しております
シナリオの形式上、どちらにも参加することが可能となっております
同じタイミングでの展開となりますので、両方に参加しますとドッペルゲンガー現象が起こります
シナリオとしては別のお話ですので、特にペナルティが課せられるわけではありません
時系列等に拘りのある方はご注意くださいませ
*目的
害獣認定された人食いグリフォンを退治せよ!
そして美味しく堪能せよ!
……と言う名目で集められましたが
目撃情報を頼りに向かった先で皆さんが見つけたのはウイングラプターの群でした、残念!
*真の目的
ウイングラプターを退治せよ!
そして美味しく堪能せよ!(ここは大事なのでもう一度書きました)
*敵情報
ウイングラプター
羽根の生えた小さな怪獣
空を飛ぶわけではないのですが、羽根を活かしたジャンプ力など、すばしっこさには定評があります
近隣の人里を襲撃した情報が入っているため害獣認定済、憂いなく退治して問題ありません
大きさ2m程度
通常攻撃…噛みつき
突撃…前方5スクエアに居る敵すべてに体当たりの形で攻撃可能、攻撃後は5スクエア前方へ移動している
数…30匹くらい
他…何かを守っているような布陣→彼らの後方には卵があります、結構な大きさでごろごろ
*特記
ウイングラプターも食べられます、卵も同様
退治後、近くの人里で多少の食材、調味料は調達可能とします
主に羊乳とか芋とか、帝国領ですので大人数分の食材をぽんと出せるかと言うと……種類が限られますが
*NPC
カミラが同行しています
得物は日本刀、サブで投擲用のナイフ
大きい卵で大きいプリンが食べたいそうです、積極的にプリン作りに励みます
*注意
白紙はリプレイに描写できません、ご注意くださいませ
参加したらとりあえず『巨大プリン!』とでも送信しておきましょう
シナリオの形式上、どちらにも参加することが可能となっております
同じタイミングでの展開となりますので、両方に参加しますとドッペルゲンガー現象が起こります
シナリオとしては別のお話ですので、特にペナルティが課せられるわけではありません
時系列等に拘りのある方はご注意くださいませ
*目的
害獣認定された人食いグリフォンを退治せよ!
そして美味しく堪能せよ!
……と言う名目で集められましたが
目撃情報を頼りに向かった先で皆さんが見つけたのはウイングラプターの群でした、残念!
*真の目的
ウイングラプターを退治せよ!
そして美味しく堪能せよ!(ここは大事なのでもう一度書きました)
*敵情報
ウイングラプター
羽根の生えた小さな怪獣
空を飛ぶわけではないのですが、羽根を活かしたジャンプ力など、すばしっこさには定評があります
近隣の人里を襲撃した情報が入っているため害獣認定済、憂いなく退治して問題ありません
大きさ2m程度
通常攻撃…噛みつき
突撃…前方5スクエアに居る敵すべてに体当たりの形で攻撃可能、攻撃後は5スクエア前方へ移動している
数…30匹くらい
他…何かを守っているような布陣→彼らの後方には卵があります、結構な大きさでごろごろ
*特記
ウイングラプターも食べられます、卵も同様
退治後、近くの人里で多少の食材、調味料は調達可能とします
主に羊乳とか芋とか、帝国領ですので大人数分の食材をぽんと出せるかと言うと……種類が限られますが
*NPC
カミラが同行しています
得物は日本刀、サブで投擲用のナイフ
大きい卵で大きいプリンが食べたいそうです、積極的にプリン作りに励みます
*注意
白紙はリプレイに描写できません、ご注意くださいませ
参加したらとりあえず『巨大プリン!』とでも送信しておきましょう
マスターより
こんにちは、それともこんばんは、石田まきばです。
珍味ハンターグリフォン編……とは名ばかりの、プリン回です。
大きな卵があったらプリンが食べたくなりますね、そういう事です。
どうしてもグリフォンが食べたい方は十野MSのシナリオにふるってご参加くださいませ。
ウイングラプター、特別強いわけではありません、なにせ歪虚でもありませんので。
戦闘・調理・食事……と大きく分けて3つのシーンに分かれることになると思いますが、
イベントシナリオですので、描写量があまり多くないことは予めご了承の上、どこの行動を重視するかを意識してプレイングをお書きいただければと思います。
それでは、よろしくお願い致します。
珍味ハンターグリフォン編……とは名ばかりの、プリン回です。
大きな卵があったらプリンが食べたくなりますね、そういう事です。
どうしてもグリフォンが食べたい方は十野MSのシナリオにふるってご参加くださいませ。
ウイングラプター、特別強いわけではありません、なにせ歪虚でもありませんので。
戦闘・調理・食事……と大きく分けて3つのシーンに分かれることになると思いますが、
イベントシナリオですので、描写量があまり多くないことは予めご了承の上、どこの行動を重視するかを意識してプレイングをお書きいただければと思います。
それでは、よろしくお願い致します。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/05/27 00:18
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/05/18 23:29:50 |
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役割分担という名の意識調査 ティーア・ズィルバーン(ka0122) 人間(リアルブルー)|22才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2015/05/19 04:55:24 |