ゲスト
(ka0000)
背徳のドグマ
マスター:坂上テンゼン

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在10人 / 4~10人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/05/23 09:00
- リプレイ完成予定
- 2015/06/01 09:00
オープニング
●或る貴族の述懐
ただ、死にたくなかった。誰がそれを責められよう?
私は貴族として生まれ、それなりに勤めを果たし、それなりにいい暮らしをしてきた。
しかし世の中は安定せぬものらしい。
ここ最近になって、歪虚の活動が活発化してきた。
私の領地はグラズヘイム王国では、歪虚どもの本拠地であるイスルダ島に程近い。
いつか来るのではないかと思っていたが、私の領地にも歪虚が出た。
命あっての物種である。すぐさま王都に逃げ込んだ。
王都イルダーナは六つの壁に護られた都市。ここより安全な場所はグラズヘイム王国にはあるまい。そう思った――
――が、その期待は粉々に打ち砕かれた。
『ベリアル』と言っただろうか、あの歪虚どもの首魁は。
王都の防衛網を突破し、玉座の間まで至ったという。
最終的には王都が占拠されることは防げた。しかしベリアルは未だ存命であり、イスルダ島にて今も悠々と侵攻の機会を待っていると言う。
もはや逃げ道は何処にも無い。
ただ絶望しかなかった――
そんな私だったが、ある日素晴らしい教えを耳にした。
『司祭』が語るには、人類は脆弱であり、王国はもはや絶体絶命だという。
どれだけ戦っても、人類は歪虚に勝てない。
しかし、歪虚と共に生きることはできるのだそうだ。
祈りと学びの日々を送れば、ただの人間でも『歪虚の仲間になれる』らしい。
そうすれば、やがて来る人類の終末をも越えて、生き続けることができるのだという。
生き永らえる手段。それは希望と呼ぶべきだ。
誰が私を責められるだろう?
●一家団欒
「お母様。ヒューお兄様をお連れ致しましたわ」
子爵婦人マハ・スフォルツァは、執務室にて末娘ジョセファが長男ヒューバートを伴って入ってくるのを迎えた。
「ご苦労です。首尾はどうですか?」
はるばる王都から帰ってきた――イルダーナからハルトフォートまでは覚醒者のジョセファに連れられて転移門でだが――長男に対し、事務的に聞いた。
それが母だと、ジョセファもヒューバートもよく解っていた。
「お元気そうで何より……報告はこちらに纏めてありますよ、母上」
乾いた笑いを浮かべ、書簡をマハの机に置いた。
マハは何も言わずにそれに目を通し始めた。
「よく調べてくれました」
はじめて労いのような響きが込められた言葉を、マハは発した。もっとも息子は、そんなものに素直に喜ぶような性根ではなかったが。
ヒューバートは、母にいいように使われている事を知りながら、それをどうすることもできない自身を自嘲しているのだ。
この関係は当分、もしかしたら生涯、変わらないだろう。
「見直してもらいたいね。割と危ない橋も渡ったのですよ?」
「危ない橋を渡ったのは雇った探偵でしょう? お兄様」
「私が雇ったのだから私の手柄さジョセファ!」
「……母上?」
母が沈黙したまま調書を凝視しているのを、息子と娘はある種の緊張感を持って認めた。
「ヒュー。場所は突き止めているのですね?」
「はい、母上」
「ジョセファ、ギョームとピエを呼びなさい。ヒュー、追って指示は伝えます」
調書にはこう書かれていた。
マハの夫、ヘスディン・スフォルツァ子爵は山の中にある地下礼拝堂で歪虚信仰を行っている、と。
●精鋭の声明
「……まるで物扱いッス」
子爵夫人の私兵団『光輝なる盾』の一員にして覚醒者のギョーム・ペリエは、告げられた任務について、そう感想を漏らした。
「”ヘスディン・スフォルツァをいかなる手段を用いても持ち帰れ”って……なんとも思わないの? お嬢様」
同じく一員であるピエ・ドゥメールが、その持ち帰るよう言われた対象の娘であるジョセファに聞いた。
「何とも思いませんわ!」
元気良く言い放った。そして豪奢な意匠の施された拳銃を掲げた。
「わたくしは銃さえ撃てれば満足」
「はぁ……」
聖職者の娘であるピエだったが、説く説話が見つからなかった。
「ピエも親父さんが依頼を出すって話になって大変だよな」
「当主が歪虚信仰だなんて世間に知られたら洒落にならないもんね……
一番大変なのは奥様だよ」
「すると俺達も名乗らないほうがいいのかな?」
「依頼を受けるハンターに? 別行動でしょ?」
「現場で顔を合わすかも知れないだろ」
「わたくしはハンター! 訳あって名乗れませんわ!」
黒いゴシックドレス姿で二丁の豪奢な拳銃を構え、ジョセファが名乗れないなりに名乗って見せた。
(名前ってなんだっけ)
ギョームとピエは思った。
●求む、ハンター
某日、イルダーナのハンターオフィスに一つの依頼が届けられた。
依頼人の名は、ウジェーヌ・ドゥメール。地方の聖職者である。
縁者が行方不明になっており、行方を追っているうちにその人物が歪虚信仰に嵌まってしまっていることがわかり、歪虚信仰をしている集団が明らかになったという。
イルダーナから街道沿いに東に行き、途中で街道を外れ北に行った地点にある、自然洞窟を改造した地下礼拝堂を拠点に活動を行っているらしい。
その試みを阻止して欲しい。
尚、一般人は全員生還させる事。
なお、この依頼に関して別の任務を負って行動している者達がいる。
かれらの手助けも可能な限り出来ると望ましい。
ただ、死にたくなかった。誰がそれを責められよう?
私は貴族として生まれ、それなりに勤めを果たし、それなりにいい暮らしをしてきた。
しかし世の中は安定せぬものらしい。
ここ最近になって、歪虚の活動が活発化してきた。
私の領地はグラズヘイム王国では、歪虚どもの本拠地であるイスルダ島に程近い。
いつか来るのではないかと思っていたが、私の領地にも歪虚が出た。
命あっての物種である。すぐさま王都に逃げ込んだ。
王都イルダーナは六つの壁に護られた都市。ここより安全な場所はグラズヘイム王国にはあるまい。そう思った――
――が、その期待は粉々に打ち砕かれた。
『ベリアル』と言っただろうか、あの歪虚どもの首魁は。
王都の防衛網を突破し、玉座の間まで至ったという。
最終的には王都が占拠されることは防げた。しかしベリアルは未だ存命であり、イスルダ島にて今も悠々と侵攻の機会を待っていると言う。
もはや逃げ道は何処にも無い。
ただ絶望しかなかった――
そんな私だったが、ある日素晴らしい教えを耳にした。
『司祭』が語るには、人類は脆弱であり、王国はもはや絶体絶命だという。
どれだけ戦っても、人類は歪虚に勝てない。
しかし、歪虚と共に生きることはできるのだそうだ。
祈りと学びの日々を送れば、ただの人間でも『歪虚の仲間になれる』らしい。
そうすれば、やがて来る人類の終末をも越えて、生き続けることができるのだという。
生き永らえる手段。それは希望と呼ぶべきだ。
誰が私を責められるだろう?
●一家団欒
「お母様。ヒューお兄様をお連れ致しましたわ」
子爵婦人マハ・スフォルツァは、執務室にて末娘ジョセファが長男ヒューバートを伴って入ってくるのを迎えた。
「ご苦労です。首尾はどうですか?」
はるばる王都から帰ってきた――イルダーナからハルトフォートまでは覚醒者のジョセファに連れられて転移門でだが――長男に対し、事務的に聞いた。
それが母だと、ジョセファもヒューバートもよく解っていた。
「お元気そうで何より……報告はこちらに纏めてありますよ、母上」
乾いた笑いを浮かべ、書簡をマハの机に置いた。
マハは何も言わずにそれに目を通し始めた。
「よく調べてくれました」
はじめて労いのような響きが込められた言葉を、マハは発した。もっとも息子は、そんなものに素直に喜ぶような性根ではなかったが。
ヒューバートは、母にいいように使われている事を知りながら、それをどうすることもできない自身を自嘲しているのだ。
この関係は当分、もしかしたら生涯、変わらないだろう。
「見直してもらいたいね。割と危ない橋も渡ったのですよ?」
「危ない橋を渡ったのは雇った探偵でしょう? お兄様」
「私が雇ったのだから私の手柄さジョセファ!」
「……母上?」
母が沈黙したまま調書を凝視しているのを、息子と娘はある種の緊張感を持って認めた。
「ヒュー。場所は突き止めているのですね?」
「はい、母上」
「ジョセファ、ギョームとピエを呼びなさい。ヒュー、追って指示は伝えます」
調書にはこう書かれていた。
マハの夫、ヘスディン・スフォルツァ子爵は山の中にある地下礼拝堂で歪虚信仰を行っている、と。
●精鋭の声明
「……まるで物扱いッス」
子爵夫人の私兵団『光輝なる盾』の一員にして覚醒者のギョーム・ペリエは、告げられた任務について、そう感想を漏らした。
「”ヘスディン・スフォルツァをいかなる手段を用いても持ち帰れ”って……なんとも思わないの? お嬢様」
同じく一員であるピエ・ドゥメールが、その持ち帰るよう言われた対象の娘であるジョセファに聞いた。
「何とも思いませんわ!」
元気良く言い放った。そして豪奢な意匠の施された拳銃を掲げた。
「わたくしは銃さえ撃てれば満足」
「はぁ……」
聖職者の娘であるピエだったが、説く説話が見つからなかった。
「ピエも親父さんが依頼を出すって話になって大変だよな」
「当主が歪虚信仰だなんて世間に知られたら洒落にならないもんね……
一番大変なのは奥様だよ」
「すると俺達も名乗らないほうがいいのかな?」
「依頼を受けるハンターに? 別行動でしょ?」
「現場で顔を合わすかも知れないだろ」
「わたくしはハンター! 訳あって名乗れませんわ!」
黒いゴシックドレス姿で二丁の豪奢な拳銃を構え、ジョセファが名乗れないなりに名乗って見せた。
(名前ってなんだっけ)
ギョームとピエは思った。
●求む、ハンター
某日、イルダーナのハンターオフィスに一つの依頼が届けられた。
依頼人の名は、ウジェーヌ・ドゥメール。地方の聖職者である。
縁者が行方不明になっており、行方を追っているうちにその人物が歪虚信仰に嵌まってしまっていることがわかり、歪虚信仰をしている集団が明らかになったという。
イルダーナから街道沿いに東に行き、途中で街道を外れ北に行った地点にある、自然洞窟を改造した地下礼拝堂を拠点に活動を行っているらしい。
その試みを阻止して欲しい。
尚、一般人は全員生還させる事。
なお、この依頼に関して別の任務を負って行動している者達がいる。
かれらの手助けも可能な限り出来ると望ましい。
解説
目的:
歪虚信仰の主犯格の退治
一般人の保護
敵戦力:
司祭(傲慢の歪虚)×6人
・スキル
突撃:
前方3スクエアに存在する対象全てへ攻撃。敵味方識別可。攻撃後、3スクエア前方へ移動する。
ガード:
自身が攻撃を受けた際に、受防を+10する。
逃走:
イニシアチブに+1を取得する。このイニシアチブボーナスは重複しない。自分の手番には必ず逃走(に繋がる行動)を行わなければならない
魔法の矢:
マテリアルの塊を矢の形にして飛ばし、攻撃する。射程:0~20
変容:
意図して何らかの姿、別の形状を取る事に優れている。特定個人や特定の物体に化ける事は出来ないが、一般的な種族、物に擬態する事は可能。無害な物に擬態していた場合、ファーストアクションで宣言し、不意打ちを行うラウンドのみ、行動阻害:5の効果を持つ。
雑魔(四足獣)×15体
・一箇所に固められており、司祭に管理されている
・スキル
強襲:ダメージ増加
信者(一般人:約60人程)
教えを信じているので自ら帰ろうとはしない。
全員生還させること。
地形……
人が生活する自然洞窟。灯りはついている。
それほど広いとは言えない。
内部構造は不明。
入り口では司祭の一人が見張りをして居る。
共同体での彼らの生活……
朝……食事、礼拝
昼……共同体での様々な仕事
夜……夕拝、食事、就寝
期限は特に設けられていない。
別行動をとる味方:
聖導師ピエ・ドゥメール
闘狩人ギョーム・ペリエ
猟撃士ジョセファ・スフォルツァ
(ただし名前は明らかにされない)
かれらは任務を果たすべく自分達で判断して動く。
歪虚信仰の主犯格の退治
一般人の保護
敵戦力:
司祭(傲慢の歪虚)×6人
・スキル
突撃:
前方3スクエアに存在する対象全てへ攻撃。敵味方識別可。攻撃後、3スクエア前方へ移動する。
ガード:
自身が攻撃を受けた際に、受防を+10する。
逃走:
イニシアチブに+1を取得する。このイニシアチブボーナスは重複しない。自分の手番には必ず逃走(に繋がる行動)を行わなければならない
魔法の矢:
マテリアルの塊を矢の形にして飛ばし、攻撃する。射程:0~20
変容:
意図して何らかの姿、別の形状を取る事に優れている。特定個人や特定の物体に化ける事は出来ないが、一般的な種族、物に擬態する事は可能。無害な物に擬態していた場合、ファーストアクションで宣言し、不意打ちを行うラウンドのみ、行動阻害:5の効果を持つ。
雑魔(四足獣)×15体
・一箇所に固められており、司祭に管理されている
・スキル
強襲:ダメージ増加
信者(一般人:約60人程)
教えを信じているので自ら帰ろうとはしない。
全員生還させること。
地形……
人が生活する自然洞窟。灯りはついている。
それほど広いとは言えない。
内部構造は不明。
入り口では司祭の一人が見張りをして居る。
共同体での彼らの生活……
朝……食事、礼拝
昼……共同体での様々な仕事
夜……夕拝、食事、就寝
期限は特に設けられていない。
別行動をとる味方:
聖導師ピエ・ドゥメール
闘狩人ギョーム・ペリエ
猟撃士ジョセファ・スフォルツァ
(ただし名前は明らかにされない)
かれらは任務を果たすべく自分達で判断して動く。
マスターより
坂上テンゼンに候。
グラズヘイム王国の貴族の腐敗を遠まわしに描くシリーズ。
(広義のシリーズ)
以下のシナリオと登場人物が共通しています。
http://www.wtrpg10.com/scenario/replay/701
http://www.wtrpg10.com/scenario/replay/1226
さて、今回は歪虚信仰の共同体の制圧です。
色々できると思います。
制約もいくつかあると思うので、考えてみて下さい。
皆様の華麗なプレイングをお待ちしており候。
グラズヘイム王国の貴族の腐敗を遠まわしに描くシリーズ。
(広義のシリーズ)
以下のシナリオと登場人物が共通しています。
http://www.wtrpg10.com/scenario/replay/701
http://www.wtrpg10.com/scenario/replay/1226
さて、今回は歪虚信仰の共同体の制圧です。
色々できると思います。
制約もいくつかあると思うので、考えてみて下さい。
皆様の華麗なプレイングをお待ちしており候。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/05/27 20:20
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 神楽(ka2032) 人間(リアルブルー)|15才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2015/05/23 08:21:01 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/05/21 00:50:27 |