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  • 日常

【不動】帝国皇子の親征は帰るまでが遠征

マスター:稲田和夫

このシナリオは1日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート
難易度
易しい
オプション
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
少なめ
相談期間
3日
プレイング締切
2015/05/22 07:30
リプレイ完成予定
2015/06/01 07:30

オープニング

※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。

「失礼いたします。カッテ・ウランゲル皇帝代理人殿下。第一師団憲兵大隊オレーシャ兵長到着いたしました」
「同師団ゲロルト兵長も帯同しておりますぜ」
「どうぞ」
 カッテの返事を確認したオレーシャとゲロルトは、部屋に入ると同時に敬礼を行う。
 一方、ここノアーラ・クンタウに設けられた簡素な執務室で、聖地奪還作戦の事後処理に追われるカッテはそんな煩雑さを感じさせない暖かい笑みで二人の兵長を迎えた。
「お忙しい所申し訳ありません。ですが、どうしても確認させていただきたいことがあり、参上いたしました」
 オレーシャが単刀直入に切り出した。
「はい。なんでしょうか」
 笑みを絶やさぬまま、首を傾げるカッテ。
「先ほど、憲兵大隊に出された新しい命令の内容について、急遽確認を――」
「間違いはありません」
 オレーシャの言葉はカッテの上げた片手に遮られた。
「僕がノアーラ・クンタウに移動する際に使用した機導トラックは、護衛車両として帯同して来た物も含めて、全て重傷者の搬送とホープ復興の土木作業用に転用してください。僕自身の帝都帰還の日程についても、既に計画書は出ている筈です」
「……しかし!」
 オレーシャは言葉に詰まった。
「今回の被害は、二人も承知している筈です」
 カッテの言う通りだった。
 確かに、人類は勝った。だが、ホープはアイゼンハンダーの襲撃で大きな被害を受けている。また、ガエル・ソトとの決戦においても、確かにガエルは討ち取ったが、前線に大きな被害が出たのも事実だった。
 結果として負傷者は帝国軍だけでも当初の想定を大きく上回っており、使えるトラックの増加はそのまま負傷者を設備の整った帝国領内に搬送する効率に直結する。復興作業に伴う土木作業におけるトラックの有用性は勿論だ。
「知っての通り、陛下はお忍びで辺境に来た上に大怪我までされたので、仕事が溜まっており、一足先に帝都に帰還されています。なので、転位門も使えませんが……大丈夫ですよ。お二人も、ハンターの皆さんのお力が信用に足ることは承知していますよね?」
「それは……そうですが……」
 ここ最近ハンターと共に戦う機会も多かったオレーシャは強く言い返せなかった。
「ハン。俺は連中をそこまで信用はしていませんがね……ま、万が一に備えて俺も同行するんだ。ゴチャゴチャ言っても仕方がねえさ」
 ゲロルトが口を挟む。
「しかし……兵士たちとて、覚悟の上での従軍です! わざわざ御身を危険に晒すのは……」
「おい」
 どんっ、とゲロルトが少し強めにオレーシャを小突いた。
「つっ……」
 小突かれたオレーシャはゲロルトの目つきを見て、気付いた。
「……申し訳ございません。差し出がましい事を申しました」
「いいえ。オレーシャの立場も分かりますから」
 改めて微笑むカッテ。しかし、その表情には微かな陰りがあったのにオレーシャも気づいた。
(……皇子なりの償い、か)
 そう胸中で呟いたオレーシャはゲロルトと共に退出する。
 帝都へ帰還するカッテを護衛する依頼が、ノアーラ・クンタウとリゼリオに張り出されたのはそれから間もなくであった。


 出発日の早朝、ノアーラ・クンタウの城外に集まったあなたたちハンターに、カッテはにこやかに挨拶する。
「この度はありがとうございます。詳しい予定はお配りした資料で確認してください」
 カッテがこう言った直後、要塞の中から何やら荷物を抱えたゲロルトが姿を現した。
「準備完了です。それと、エイゼンシュテイン副長から例の物を差し入れて貰いました。……朝飯は、まだでしたかね?」
「ありがとうございます……そうだ、皆さんも如何ですか?」
 差し出されたそれは、白い何かの塊であった。首を傾げるハンターたちにカッテは事も無げに言い放つ。
「すみません……これは、サーロと言って豚の脂身を塩漬けにした保存食です」
 その言葉に何人かは固まってしまうだろうか。確かに言われてみればそんな感じだが、これをどうしようというのだろうか? まさか、そのまま生で食べろとでも言うのだろうか。
「こうやって、黒パンに乗せて食べると美味しいですよ」
 ゲロルトは手早くパンと脂身を切り、カッテと自分の分を用意した。
 一方、ハンターたちが誰も手を出さないのを見たカッテはぽんっと手を打つ。
「そうでした。流石にこれだけでは食べにくいですよね。ゲロルト」
「用意してありますぜ」
 そう言ってゲロルトが取り出したのは、生のニンニクである。彼はそれもナイフで器用に剥き、薄くスライスしたものを黒パンとサーロの上にちょこんと載せた。
「すみません。急に決まったことなので、食料はこれしか用意できなくて……でも、明日の夜は宿に泊れますから、大丈夫ですよね?」

解説

★目的
ノアーラ・クンタウから首都バルトアンデルスに帰還するカッテの護衛。

★道中
一日目はサンクトケルンテンベルク州とフレーベルニンゲン州の州境付近で野営。
二日目にはバルテス=ヴュルテンシュタット州北部の宿場町で、小さな宿に宿泊する。
道中は旧道を通る。これは現在は使用されていない街道で、一応石畳で舗装されているものの現在は朽ち果てており、石畳の間から草木が生えている。通過する場所も、林の中や、峠道など見通しの悪い場所が多い。

★サーロ
リアルブルーにおいては主に、東欧及びロシアやウクライナで食されている食品。
OPの通り豚の脂身を塩漬けにして食べる。ただそれだけである。
今回のようにレーション(戦闘糧食)として食べる場合は、生のニンニクや黒パンと一緒に食べたりもする。
今回のリプレイにおいて特に他にやりたいことが無い、という場合にはこの食品についてのPCのリアクションを書いてみても良いかもしれない。
例:王国や同盟出身のPCが「こんなモン食えるか!」と大騒ぎする、とか。

★リプレイとプレイング
道中、戦闘は発生しない。
基本的には二泊三日の道中を書く日常系シナリオとなる。
帝国の度を楽しんでも良いし、カッテと交流しても良い。サーロにうんざりしても良い。
また、真面目に警備しても良いし、ひたすら、今回の聖地奪還を回想するような形も自由である。
なお、カッテは現地で急遽調達した小さな荷馬車に乗る。
ハンターたちは馬での移動となるため、馬を持っていない者には一時的に貸与される。

★NPC
カッテの他に、第一師団のゲロルト兵長が参戦する。
モヒカン頭でガラの悪い男だが、これでもベテランの疾影士である。
今回はカッテの護衛という名目ではあるが、どちらかというと荷馬車の中でカッテの書類仕事の補佐をしていることが多いようだ。
【選挙】喜劇の幕は誰が上げる
【剣機】血は対価 購うは凱歌
淀みし闇への親征
などに登場。

マスターより

少々ご無沙汰してしまい申し訳ございません。稲田です。
解説の通り、聖地奪還に伴う帝国軍の日常、その一部を扱う日常系シナリオとなっております。一応、カッテが居たり絡むべきネタは用意してありますが、解説の通り完全に個人の心情を吐露するような形でも一向に大歓迎です。
なお、日常系ということもあり相談期間が短めになっておりますのでご注意ください。
大規模の疲れをいやす一幕として、お目に止めていただければ幸いです。

関連NPC

  • 帝国皇子
    カッテ・ウランゲル(kz0033
    人間(クリムゾンウェスト)|10才|男性|一般人
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/05/31 23:13

参加者一覧

  • 缶ビールマイスター
    鈴木悠司(ka0176
    人間(蒼)|20才|男性|闘狩人
  • 【ⅩⅧ】また"あした"へ
    十色・T・ エニア(ka0370
    人間(蒼)|15才|男性|魔術師
  • 戦場に咲く白い花
    コーネリア・デュラン(ka0504
    エルフ|16才|女性|疾影士
  • 約束を重ねて
    シェリル・マイヤーズ(ka0509
    人間(蒼)|14才|女性|疾影士
  • ツィスカの星
    アウレール・V・ブラオラント(ka2531
    人間(紅)|18才|男性|闘狩人
  • 燐光の女王
    ドロテア・フレーベ(ka4126
    人間(紅)|25才|女性|疾影士
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
鈴木悠司(ka0176
人間(リアルブルー)|20才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2015/05/22 04:08:41
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/05/19 13:01:50