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【東征】五つ尾決戦

マスター:龍河流

シナリオ形態
シリーズ(続編)
難易度
難しい
オプション
参加費
1,300
参加人数
現在10人 / 4~10人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
2日
プレイング締切
2015/08/07 22:00
リプレイ完成予定
2015/08/16 22:00

オープニング

※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。

 ●妖狐
 人から五つ尾と呼び名を付けられた、五本の尾を持つ妖狐は憤っていた。
 九尾の配下にあって、同じく狐の外見を持ち、尾の数が多い妖狐は、だが軍勢の中ではけっして高い位を得てはいなかった。
 今までは、それでも同族の中では上位にいたことに満足していた。
 しかし、御庭番衆の席が幾つか空いたという。山本五郎座衛門もいなくなった今、九尾の側仕えに昇る機会が来たと考えても、おかしなことではないだろう。
 同じことを狙う同族に比べると、さほどの知恵は持たない妖狐は、その願望が無謀だとは思わなかった。
 つい先ほど、人に手酷い目に遭わされて逃げて来たばかりだが、早くも攻撃の意欲を回復させている。

 くええぇぇぇ

 付き従う四本尾の妖狐に、適当な戦力を見繕うように命じて、五つ尾は逃がした連中がどこに向かったかと考え始めた。


●小高砦の生き残り
 仲間の半数以上を失った鳴月家の家臣達は、ハンター達に救出されると、取り乱すことなく撤退を始めていた。
 当初は少数ずつでも砦跡から逃がすつもりでいた怪我人達は、砦跡から掘り返された戸板に乗せられたり、他の者に背負われている。何人かは馬に乗っているが、意識が明朗で、揺れが傷に響かないとなると人が限られて、案外少ない人数だ。
 それでも、多数いた軽傷者はハンターの聖導士のおかげで、かなり動きが良くなっていた。九人の重傷者も、命に別条はないと安堵出来る状態だ。
 けれども、失血や三日に渡る戦闘での疲労感は重く、徐々に歩みが遅れる者が増えたことに気付いた牡丹は、休息を命じた。
 いつ歪虚の軍勢に見付かるか分からないが、このまま移動しているところを襲われれば大変だ。ハンター達も、この休息を歓迎した。
「もう一度、ヒーリングスフィアを使ってみよう」
 獣道のような細い道が通る山間の森の合間、やや拓けた草地で野宿することにした一行の中、聖導士が重体の二人の様子を確かめている。砦の聖導士は三人いたが、一人は戦死、もう一人はもうスキルを使い切って、残る一人が治療される立場。頼りはハンターの彼だけだ。
「お水、汲んできましたよ。湧水だから、このまま飲んでも大丈夫って」
 近くに水場があると聞いて、砦の人々に混じって水を汲んで来た年若い魔術師が、重体の二人に水が飲めないと、慌てて自分の荷物をがさがさしはじめた。やがて取り出したのは、ハンカチだ。
 これで水を含ませれば、少しは元気が出るのではないかと、自分が飲まないうちに怪我人の世話を焼いている。
「当直を決めとこうぜ。五つ尾か、あいつがどう出るか分からんから、人は多めにしないとな」
「目的地までは、あとどのくらいなの? 近いんなら、明日は出発を遅くして、休息を十分にした方が得策だとボクは思うよ」
「んだな、オレ達は全員交代出来るとして、お嬢達はろくに寝てないだろ。良く休んでもらわなきゃな」
 怪我人と、少しばかり掘り出せた食料を上手く分配しようとしている年少者達を中心に置いた人の円の端で、闘狩人達が鳴月 牡丹と夜営中の見張りについて話し合っていた。牡丹をお嬢と呼ぶのは、生き残りにも結構な数がいて、ハンターも数人がそれに倣っている。
 勿論、鳴月家の代々の家臣と思しき年配の面々には顔をしかめられていたが、命の恩人相手に文句を言う者は今のところいない。牡丹当人が平気なので、言う訳にもいかないのだろう。
「ね、何人か、手が空いてるなら薪になる枝を拾って来よう。山の中は案外冷えるだろ」
「俺が行く」
 疾影士の女性が、ハンター仲間に声を掛け、リアルブルー生まれの機導師の青年がすぐに応じた。近くには、生まれた世界もクラスも同じ青年がもう一人いたが、こちらは草の上にハンカチを敷いて、ぺたりと座り込んでいる。
「いってらっしゃい」
「おや、根っこが生えたでござるな。……拙者は馬の世話を任されたいでござるよ」
 うっかりはぐれてしまいそうだと、邪気のない笑顔の疾影士の青年に、先の二人が小さく息をついた。それなら二人で馬を頼むと、森の中に分け入っていった。

 やがて。
「鬼が、我らの心配をするわけはないっ。貴方達は騙されたんだ!」
 二人は薪の山と一緒に、小高砦が攻められたと耳にして、状況を確認に来たという人と鬼とを数人連れ戻ってきた。その鬼に対して敵意を見せる鳴月勢の大半を制したのは、牡丹ではなくハンターの一人だった。
「待ってくれ。まだ内密なのかもしれないが、彼らは朝廷に下ったんだ。オレはここに来る前に、その騒動に関わったんで、少し知っている」
 詳細を説明されたとて、納得には程遠い空気が漂っていたが、鬼と共に来た武人の名前を牡丹が言い当てて、変化が訪れた。
「朱夏様の家臣の一人だな」
「はい。ですが……姫将軍に見覚えていただく機会があったでしょうか」
「去年、あの方と一緒に歩いていたのを見た。それだけだもので、思い出すのに時間が掛かってしまったな」
 ハンター達が何かと思っている間に、鳴月勢はそれなら一応信用してもよさそうだとやや態度を和らげた。彼らは牡丹の記憶力に、全幅の信頼を置いているらしい。
 なんとか話を聞いてもらえると、朱夏の使者が安堵した様子で伝えてくれた状況は、けっして良いものばかりではない。それでも、朱夏達が砦の一行と合流を目指そうしていたとの知らせは、牡丹達を力付けたようだ。
 他の、この周辺にはいまだ歪虚の軍勢が多数存在し、各所で戦闘が起きていることを聞かされた時の不安も、鬼の一族が本当に味方になるのかという懸念も、それで随分と和らいでいる。
「朱夏様には申し訳ないが、この半死半生を連れて馳せ参じるとはいかぬ。今夜はここに宿りて、明日にはこちらも動き出そう」
 半死半生がたとえではない者も多数抱えた鳴月勢の状態に、使者もそれが良いと同意した。怪我人連れで日が暮れてからの移動など、今の状態ではハンターの助力があっても無茶に過ぎる。
 それでその場に陣が敷かれたが、人はともかく鬼と一緒に夜営はしたくないと言うものが鳴月勢に多く、朱夏から使わされた一行は鳴月勢との間にハンター達が収まる形で、端に宿ることになった。
「俺自身は西方の生まれなんで、こっちの事情に詳しくないんだけどさ、きみら、今はどういう立場なの?」
 先祖は東方にいた役人だという猟撃士が、夜明けの一服をしに起き出して、たまたま行き合った鬼と世間話をしようとした。
 その時に、ふと見付けたのだ。

 まだほとんどが眠っている夜営地を囲む森の木々の向こう側。
 尻尾が二本の狐が、こちらの様子を窺っている姿を。
 相手はまだ、こちらが気付いたことを知らずにいる。
 しかし、こちらも五つ尾達がどこにいるのか、分からない状態だ。
 打って出るか、それともこの場で迎え撃つか。
 検討する時間は、幾らか残されている。

解説

※前回シナリオから時系列が連続していますが、PCのスキル使用回数やアクティブスキルは、ハンターオフィスで依頼を受けたのと同様に回復、変更が可能です


・現在の状態
 小高砦の生き残りを、楠木香らのいる安全圏への移動護衛中に、妖狐・五つ尾の追撃が追いついてきたようです
 敵の斥候にこちらの位置がばれましたが、向こうの主勢力は居場所不明
 現在、鳴月勢との合流を目指して朱夏やアカシラが率いる軍勢が移動中
 最低限、遅くて当日正午ごろに予想される合流まで、小高砦生き残りの大半を維持するのが目標となります
 現在時間、午前五時

 鳴月勢は、戦闘可能な人数が格闘師十二人、聖導士一人、舞刀士二人、魔術師一人の計十六人。ただし、スキルの使用可能数は通常の半分程度です
 重体二人、重傷九人は急激な移動不可
 残る十三人は移動可能ですが、走れません

 これに加えて、エトファリカに投降したアカシラはじめとする鬼の一行を迎えに出た朱夏が、小高砦の状況確認に寄越した舞刀士一人、闘狩人二人、鬼五人がいます

 現在地は小高砦から半日ほど離れた、山がちの森の中、直径十五メートル程度の拓けた草地で夜営中です
 周辺は、獣道がある以外は鬱蒼とした森になっています
 現在地から離れるにつれ、起伏が大きくなります
 大半が寝込んでいますが、合計八名ほどが周辺警戒に見回りをしていました


 これからの行動方指針には、ハンターの意向が反映しやすくなります
 鳴月勢が良しとしないのは、負傷者を置き捨てての避難と、自分達が誰一人五つ尾との戦闘に加わらないことの二点だけです


・妖狐 五つ尾
 四本妖狐と、新たにかき集めた手勢(妖狐四体、雑魔四十体)を連れて、小高砦生き残りの殲滅に出直して来た
 今度はハンター達を指揮官とみなしており、牡丹のみに気を取られることはない

 五つ尾と他の妖狐達は、視界内にハンターを認めると、最初から炎を吐いての猛撃を展開するつもり

マスターより

 シリーズ第二話は、いささか変則的な状況設定とスキル取扱いにてお届けします。シリーズが常にこういう時間軸で動くわけではありません。
 何はともあれ、今度は怪我人連れで五つ尾と大決戦。
 五つ尾を放置すると、二時間から五時間後のどこかで襲ってきますので、待ち伏せるか、打って出るか、じっくり煮たり焼いたりするための作戦相談をお願いいたします。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/08/12 19:50

参加者一覧

  • 支援巧者
    ロニ・カルディス(ka0551
    ドワーフ|20才|男性|聖導士
  • 赤髪の勇士
    エヴァンス・カルヴィ(ka0639
    人間(紅)|29才|男性|闘狩人
  • オールラウンドプレイヤー
    柊 真司(ka0705
    人間(蒼)|20才|男性|機導師
  • 英雄譚を終えし者
    ミリア・ラスティソード(ka1287
    人間(紅)|20才|女性|闘狩人
  • 月日星の剣
    烏丸 薫(ka1964
    人間(蒼)|18才|男性|疾影士
  • 王国騎士団“黒の騎士”
    レイオス・アクアウォーカー(ka1990
    人間(蒼)|20才|男性|闘狩人
  • 白煙の狙撃手
    伊勢 渚(ka2038
    人間(紅)|25才|男性|猟撃士
  • 巡るスズラン
    リュー・グランフェスト(ka2419
    人間(紅)|18才|男性|闘狩人
  • 茨の王
    アルト・ヴァレンティーニ(ka3109
    人間(紅)|21才|女性|疾影士
  • 轟雷の巫女
    七夜・真夕(ka3977
    人間(蒼)|17才|女性|魔術師

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 作戦会議室
ミリア・ラスティソード(ka1287
人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2015/08/07 21:12:21
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/08/06 08:27:30