ゲスト
(ka0000)
輸送依頼『鉄鳥の亡骸』
マスター:蒼かなた

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/08/11 09:00
- リプレイ完成予定
- 2015/08/20 09:00
オープニング
●暗い倉庫の奥
辺境と帝国の間に位置する要塞都市ノアーラ・クンタウ。
その一角にある古い倉庫の鍵が取り外された。軋む音を立てながら開く扉、その奥は明かり1つなく、真っ暗である。
松明を片手に数名の男が奥へと進む。数年は放って置かれた倉庫なのだろう、歩くたびに地面に積もった埃が舞う。
そして数メートルも中に入れば、そこには布で覆いかぶされた大きな物体の前へと辿り着いた。
「外してください」
数名いる男達の中で、唯一身形の良いスーツ姿の1人の男が、他の者達に指示を飛ばす。
すぐさま布は取り払われ、同時に壁に吊るしてあったランプにも火が灯されて、その全体像をしっかりと照らし出した。
「久しぶりですね、この『鉄の鳥』を見るのも」
それは奇妙な形をしていた。翼のように左右に丸みを帯びた平たい板が伸ばされているが、その片方は半ばからその先を失っている。
尾にあたる部分は完全に喪失し、そこにどんなものがくっついていたのかは検討もつかない。
そして頭に当たる部分には捩れる形をした左右対称の平たい棒が突き出ているが、全体が罅割れており少し触っただけで割れてしまいそうだ。
さらに良く見れば、その翼や胴体の部分に無数の丸い傷穴が開いているのが分かる。
「やはり、取っておいて良かった。役に立つときが来ると思っていましたよ」
そう独り言を呟く男は、半分も形が残っていないその『鉄の鳥』の亡骸を撫でる。
これがリアルブルーからの漂流物であることは当初も分かっていたことだが、使い方も分からず、そもそも壊れているようで何をしても動くことはなかった。
その為に最初は溶鉱炉で溶かして再利用する話も上がったのだが、それに待ったをかけた男がいた。それが今ここにいるスーツ姿の男、ノールド・セッテントリオーネである。
「さて、それではまず運び易いように分解してください。くれぐれも、これ以上傷つけないように」
ノールドはそう指示をして、倉庫を後にした。次は、執務室でペンを取らなければと考えながら。
●開発部での一幕
サルヴァトーレ・ロッソの技術開発部、そこは日々様々な研究と開発が行われている。
最近輩出されたもので言えば、魔導バイクが記憶に新しいことだろう。今もその改良や、さらなる発展型の開発に余念がない。
「たーだいまっと。皆の愛するリーダーがお帰りだぞ」
そんな開発部の1つの班のリーダーであるトーマス・W・ヴィンチが、丁度自分の開発室に戻ってきたところだ。
「愛とか反吐がでるんでやめてくれませんか。セクハラで訴えますよ」
「同じく。気分が悪くなったんで早退していいっすか?」
「はははっ、そんな照れ隠しなんてしなくていいんだぞ、お前達」
それに対して愛すべき彼の部下達は、その胸に言葉のナイフを突き立てた。トーマスのほうは全く堪えている様子はないが。
「それでリーダー。会議のほうはどうだったの?」
「ああ、色々と難航してるよ。上層部はやっぱり頭が固くてね。新しいことはやりたがらない」
サルヴァトーレ・ロッソ、もとい地球連合では定期的に会議が開かれている。それは様々な案件の報告であったり、新たな議題の討論だったり色々だ。
このトーマスも技術開発部の一員としてその会議に参加している。彼は技術畑の人間なのでそのあたりの話でよく口を開くことになるのだが、どうにも会議の参加者への受けはあまりよくない。
技術開発部は金食い虫なのだ。成果が出るか出ないかは試してみないと分からない。その試すのにはお金が必要で、成功してもやっぱりさらにお金がいる。だから、中々新しい試みへのGOサインは出してくれない。
トーマスは肩を竦めながら、自分のデスクへと腰を下ろす。と、そのデスクの上に一枚のメモが置かれていることに気づいた。
「ああ、それはさっき連絡があったんっすけど。リーダーにアポを取りたいって用件らしいっす」
トーマスがメモに目を通す前に、班員の1人がその内容をざっくりと教えてくれる。トーマスはふむと唸りながら改めてそのメモに目を通す。
「ああ、何だ。ノールドからか」
そこにあるアポを取りたいという相手は、商業管理事務所『ゴルドゲイル』のノールド・セッテントリオーネであった。
辺境の商人ギルドのトップである彼とは、色々と縁がある。リアルブルーからの漂流物である機械や本、クリムゾンウェストの貴重な鉱石なんかも融通して貰ったこともあったから、トーマスもよく覚えている。
そんな彼がわざわざ同盟の端っこにあるこのリゼリオに来るというのであれば、会わないわけにはいかないだろう。
「また面白いものでも持ってきてくれるのかね。楽しみだ」
●ハンターオフィス
その日、1つの依頼が張り出された。
辺境にある要塞都市ノアーラ・クンタウから、同盟の隅っこにあたる位置にある冒険都市リゼリオまでの護衛任務だ。
それは商人がよく出す商隊の護衛依頼であるように見えたが、どうも今回のものはそうではないらしい。
まず報酬が随分と高い。普通のものの倍の額はあるだろうか。その上で違約金や罰則が結構厳密に設定されている。
まあ、それでもこれくらいならば、何か重要な品を運ぶのだろうと納得がいくところであろう。
だが、最後の備考の欄にさりげなく書いてある一文が、これを読むハンターに僅かな警戒心を生じさせた。
『尚、この護送には商業管理事務所『ゴルドゲイル』のノールド・セッテントリオーネも同行する』
辺境と帝国の間に位置する要塞都市ノアーラ・クンタウ。
その一角にある古い倉庫の鍵が取り外された。軋む音を立てながら開く扉、その奥は明かり1つなく、真っ暗である。
松明を片手に数名の男が奥へと進む。数年は放って置かれた倉庫なのだろう、歩くたびに地面に積もった埃が舞う。
そして数メートルも中に入れば、そこには布で覆いかぶされた大きな物体の前へと辿り着いた。
「外してください」
数名いる男達の中で、唯一身形の良いスーツ姿の1人の男が、他の者達に指示を飛ばす。
すぐさま布は取り払われ、同時に壁に吊るしてあったランプにも火が灯されて、その全体像をしっかりと照らし出した。
「久しぶりですね、この『鉄の鳥』を見るのも」
それは奇妙な形をしていた。翼のように左右に丸みを帯びた平たい板が伸ばされているが、その片方は半ばからその先を失っている。
尾にあたる部分は完全に喪失し、そこにどんなものがくっついていたのかは検討もつかない。
そして頭に当たる部分には捩れる形をした左右対称の平たい棒が突き出ているが、全体が罅割れており少し触っただけで割れてしまいそうだ。
さらに良く見れば、その翼や胴体の部分に無数の丸い傷穴が開いているのが分かる。
「やはり、取っておいて良かった。役に立つときが来ると思っていましたよ」
そう独り言を呟く男は、半分も形が残っていないその『鉄の鳥』の亡骸を撫でる。
これがリアルブルーからの漂流物であることは当初も分かっていたことだが、使い方も分からず、そもそも壊れているようで何をしても動くことはなかった。
その為に最初は溶鉱炉で溶かして再利用する話も上がったのだが、それに待ったをかけた男がいた。それが今ここにいるスーツ姿の男、ノールド・セッテントリオーネである。
「さて、それではまず運び易いように分解してください。くれぐれも、これ以上傷つけないように」
ノールドはそう指示をして、倉庫を後にした。次は、執務室でペンを取らなければと考えながら。
●開発部での一幕
サルヴァトーレ・ロッソの技術開発部、そこは日々様々な研究と開発が行われている。
最近輩出されたもので言えば、魔導バイクが記憶に新しいことだろう。今もその改良や、さらなる発展型の開発に余念がない。
「たーだいまっと。皆の愛するリーダーがお帰りだぞ」
そんな開発部の1つの班のリーダーであるトーマス・W・ヴィンチが、丁度自分の開発室に戻ってきたところだ。
「愛とか反吐がでるんでやめてくれませんか。セクハラで訴えますよ」
「同じく。気分が悪くなったんで早退していいっすか?」
「はははっ、そんな照れ隠しなんてしなくていいんだぞ、お前達」
それに対して愛すべき彼の部下達は、その胸に言葉のナイフを突き立てた。トーマスのほうは全く堪えている様子はないが。
「それでリーダー。会議のほうはどうだったの?」
「ああ、色々と難航してるよ。上層部はやっぱり頭が固くてね。新しいことはやりたがらない」
サルヴァトーレ・ロッソ、もとい地球連合では定期的に会議が開かれている。それは様々な案件の報告であったり、新たな議題の討論だったり色々だ。
このトーマスも技術開発部の一員としてその会議に参加している。彼は技術畑の人間なのでそのあたりの話でよく口を開くことになるのだが、どうにも会議の参加者への受けはあまりよくない。
技術開発部は金食い虫なのだ。成果が出るか出ないかは試してみないと分からない。その試すのにはお金が必要で、成功してもやっぱりさらにお金がいる。だから、中々新しい試みへのGOサインは出してくれない。
トーマスは肩を竦めながら、自分のデスクへと腰を下ろす。と、そのデスクの上に一枚のメモが置かれていることに気づいた。
「ああ、それはさっき連絡があったんっすけど。リーダーにアポを取りたいって用件らしいっす」
トーマスがメモに目を通す前に、班員の1人がその内容をざっくりと教えてくれる。トーマスはふむと唸りながら改めてそのメモに目を通す。
「ああ、何だ。ノールドからか」
そこにあるアポを取りたいという相手は、商業管理事務所『ゴルドゲイル』のノールド・セッテントリオーネであった。
辺境の商人ギルドのトップである彼とは、色々と縁がある。リアルブルーからの漂流物である機械や本、クリムゾンウェストの貴重な鉱石なんかも融通して貰ったこともあったから、トーマスもよく覚えている。
そんな彼がわざわざ同盟の端っこにあるこのリゼリオに来るというのであれば、会わないわけにはいかないだろう。
「また面白いものでも持ってきてくれるのかね。楽しみだ」
●ハンターオフィス
その日、1つの依頼が張り出された。
辺境にある要塞都市ノアーラ・クンタウから、同盟の隅っこにあたる位置にある冒険都市リゼリオまでの護衛任務だ。
それは商人がよく出す商隊の護衛依頼であるように見えたが、どうも今回のものはそうではないらしい。
まず報酬が随分と高い。普通のものの倍の額はあるだろうか。その上で違約金や罰則が結構厳密に設定されている。
まあ、それでもこれくらいならば、何か重要な品を運ぶのだろうと納得がいくところであろう。
だが、最後の備考の欄にさりげなく書いてある一文が、これを読むハンターに僅かな警戒心を生じさせた。
『尚、この護送には商業管理事務所『ゴルドゲイル』のノールド・セッテントリオーネも同行する』
解説
【依頼内容】
馬車の護衛
【依頼詳細】
商業管理事務所『ゴルドゲイル』、通称GGから護送依頼が出された。
内容は辺境の要塞ノアーラ・クンタウから、冒険都市リゼリオまでの間の積荷の護衛である。
馬車は全部で4台あり、そのうちの2台に重要な積荷を載せているとのこと。
残り2台は食料や水、馬などを持たないハンターを乗せる為に用意されたものとなっている。
よって、積荷を載せている3台を最優先で守るようにハンター達には言い渡されている。
【輸送ルート】
基本的には整備された街道を使う。
その為、日中や道中の町や村の近くにいる間は安全とされている。
ただし、夜営中や山や森に入る場所では、賊や雑魔による襲撃を受ける可能性がある。
【同行者】
・ノールド・セッテントリオーネ
商業管理事務所『ゴルドゲイル』という辺境の商人ギルドのトップを勤める男。
噂を聞く限りではその商才は確かで、金の匂いのするところには真っ先にその姿を現すらしい。
一般人であり、ただの商人であるため、戦闘などは行えない。
・使用人
ノールドの雇っている使用人。全員で10人いる。
基本は彼らが馬車の御者を勤め、夜営の準備や食事も彼らが用意してくれる。
全員一般人なので、戦闘には参加できない。
馬車の護衛
【依頼詳細】
商業管理事務所『ゴルドゲイル』、通称GGから護送依頼が出された。
内容は辺境の要塞ノアーラ・クンタウから、冒険都市リゼリオまでの間の積荷の護衛である。
馬車は全部で4台あり、そのうちの2台に重要な積荷を載せているとのこと。
残り2台は食料や水、馬などを持たないハンターを乗せる為に用意されたものとなっている。
よって、積荷を載せている3台を最優先で守るようにハンター達には言い渡されている。
【輸送ルート】
基本的には整備された街道を使う。
その為、日中や道中の町や村の近くにいる間は安全とされている。
ただし、夜営中や山や森に入る場所では、賊や雑魔による襲撃を受ける可能性がある。
【同行者】
・ノールド・セッテントリオーネ
商業管理事務所『ゴルドゲイル』という辺境の商人ギルドのトップを勤める男。
噂を聞く限りではその商才は確かで、金の匂いのするところには真っ先にその姿を現すらしい。
一般人であり、ただの商人であるため、戦闘などは行えない。
・使用人
ノールドの雇っている使用人。全員で10人いる。
基本は彼らが馬車の御者を勤め、夜営の準備や食事も彼らが用意してくれる。
全員一般人なので、戦闘には参加できない。
マスターより
皆さんこんにちわ。蒼かなたです。
辺境の商人と、サルヴァトーレ・ロッソの技術開発部でちょっとした動きが。
まだ始まってもいない、スタートラインに進むための一歩目。その最初の場面として、この護送依頼が行われます。
宜しければ、皆様のご参加をお待ちしております。
辺境の商人と、サルヴァトーレ・ロッソの技術開発部でちょっとした動きが。
まだ始まってもいない、スタートラインに進むための一歩目。その最初の場面として、この護送依頼が行われます。
宜しければ、皆様のご参加をお待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/08/14 06:42
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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質問卓 ジュード・エアハート(ka0410) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2015/08/06 19:54:06 |
|
![]() |
相談卓 ジュード・エアハート(ka0410) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2015/08/11 07:30:59 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/08/07 12:14:47 |