• 調査

『特効薬』を求めて

マスター:瀬良はひふ

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2014/07/25 15:00
リプレイ完成予定
2014/08/03 15:00

オープニング

 ある日、のハンターオフィス。
 ちょっとした依頼をこなして帰還したエニー・オイマトは、顔見知りの事務員、フィオ・リーリーの様子がおかしいことに気づいた。
「ハロー、フィオ。どうしたの、変な顔して」
「……あら、顔に出てたかしら」
「お得意の澄まし顔が台無しよ」
「困ったわね。大事な商売道具なのに」
 大して困っていないように笑う彼女だが、その表情にいつもの生気はない。
 重症かしら、と眉をひそめたエニーに、フィオはひらひらと手を振ってみせる。
「大したことないのよ。ただ、今朝から頭痛が酷くて」
「やぁね。二日酔い?」
「下戸なの、知ってるでしょ」
「頭痛持ちなのもね。いつもの薬、どうしたの」
「ん……例の薬師さん、遠くに引っ越したらしくてね……」
 今度は、本当に困ったようにフィオは笑った。
 遠くねぇ、とエニーは呟く。
 件の薬師の噂は、彼女も聞いたことがあった。腕はいいが、控えめに言って変わり者で、どこかに定住するということをしない人物。
 名前は、確か――
「アケルナル・ヴァオー」
「ええ。『忘却の』アケルナル。病を忘れるほど効き目のいい薬を創る……なんて触れ込みだったかしら。贔屓にしてたのに、残念だわ」
「行き先に心当たりとか、ないの?」
「さぁ……。最後に会った時は、リゼリオは賑やかすぎる、みたいなことを言ってたけど」
 冒険都市リゼリオ。
 ハンターズソサエティの本拠があるこの都市は、確かに静寂とは無縁だろう。
 もしも穏やかな環境を求めるならば、自由都市同盟やゾンネンシュトラール帝国も不適のはずだ。前者はリゼリオに近く、後者は物々しすぎる。
 消去法で、グラズヘイム王国か、あるいは辺境か、といったところか。真っ当ならば、王国なのだろうが。
 そこまで考えたところで、エニーは思い出したことがあった。辺境のとある部族の知人が、流れの医者もどきが小さな遺跡に住み着いた、と話していたのだ。
「……まぁ、無理は禁物よ。貴女がいないと、無茶を聞いてくれる人が減っちゃうの」
「ふふ、ありがとう」
 軽く手を挙げて別れると、エニーはオフィスの片隅で依頼を吟味していたハンター達のもとへと向かう。
 幸いにも、あるいは不幸にも、依頼を終えたばかりの彼女の懐は温かい。
 たまには、あの友人の驚く顔が見てみたい。そう考えたのだ。
「ハロー。暇なら、私の依頼、受けてみない?」
 ついでに、面白い話でも聞ければ最高だ。そんな下心も、ないわけではなかった。



 辺境に限った話ではないのだが、この世界には大小様々な遺跡がある。
 その数は、恐らく誰も把握しきれていないだろう。無論のこと、よほど重要なものでない限りは、荒れるままになっているものが大多数だ。
 そんな大多数のうちのひとつで、一人の男が起居していた。
 名は、アケルナル・ヴァオー。
 薬師であり、医者もどきであり、実は考古学者でもあり……つまりは、才能を持て余して隠者を決め込んでいる、そんな男だ。
「……これも、ダメだな。この程度では」
 茫洋とした瞳で、何かの結果を見つめながら、男は首を振る。
 わざわざ辺境の遺跡まで越してきたはいいが、今のところ成果ははかばかしくない。
「……気分を変えるか」
 本業の手慰みに、アケルナルは薬草の調合を始めた。
 『忘却の』という大層な二つ名とは裏腹に、彼にとっての薬師はあくまでも副業……いや、暇つぶしだ。
 請われれば処方するが、薬代などはもらったことのほうが少ない。これは同業者からは酷く嫌われる要因であった。
 お代を貰い忘れるから『忘却の』アケルナルなのさ、というのは、彼を嫌う者が好む言い回しである。
 もっとも、彼自身がそれを気に病んだことはない。
 彼にとっては、自らが興味を持っているもの以外は、全て認識の外だからだ。
 いずれにせよ、である。
 アケルナル・ヴァオーは、遺跡にいる。

解説

 ハンターであるエニー・オイマトからの、個人的な依頼です。
 辺境にある小さな遺跡にいると思われる、アケルナル・ヴァオーから頭痛薬をもらってきてください。
 なお、薬代は同行するエニーが負担します。道すがら、いろいろ話を聞きたい、とのことです。
 まとめると、次のとおりになります。

・目的地は、辺境にある小さな遺跡。
・おそらく、薬師であるアケルナル・ヴァオーが住んでいる。
・彼から、頭痛薬を入手して欲しい。薬代はエニーが支払う。
・道すがら、何か話してくれるとなおよい。

 同行するNPC、エニー・オイマトについて。
 ハンターであり、クラスはストライダー。
 その名のとおりオイマト族の出で、族長のバタルトゥともつながりがある。
 金色の髪をサイドテールにくくり、紅色の瞳。肌は、ハンターらしく小麦色に焼けてはいるものの、本来は白に近い肌色。
 そのバストは豊満であった。アイエエエエエ!?

 ※以下はお願いになります。
 プレイング提出の際は台詞を交える、PCの口調で書く等、PCの性格を把握しやすい形でお願いします。
 また、記載された台詞や行動はできる限り描写しますが、全てを拾える訳ではないことを御了承ください。

マスターより

 こんにちは。瀬良はひふです。
 今回の舞台は、辺境にある小さな遺跡。戦闘は発生しませんので、御安心を。

 単にお使いをこなすだけなら、行き帰りでエニーさんと会話するだけのシナリオになるでしょう。
 折角なので、自分語りをしてみてはいかがでしょうか。

 ところで、事務員さんについに名前がついてしまいました。
 フィオ・リーリーさんです。なんてこった。
 まず間違いなく美人さん。なんてこった。

 アケルナル・ヴァオーがどういう立ち位置のキャラなのかは、今のところ内緒です。バレバレですかね。
 関係ありませんが、僕は狂気という言葉が好きです。カッコいい。(病気)

 では、お使いという名の小旅行をお楽しみください。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2014/08/03 09:12

参加者一覧

  • 探し物屋
    牧 渉(ka0033
    人間(蒼)|20才|男性|疾影士
  • THE SAMURAI
    シオン・アガホ(ka0117
    エルフ|15才|女性|魔術師
  • 王国騎士団“黒の騎士”
    米本 剛(ka0320
    人間(蒼)|30才|男性|聖導士

  • ハル・シャイナー(ka0729
    エルフ|17才|男性|疾影士
  • アイドルの優しき導き手
    こなゆき(ka0960
    人間(紅)|24才|女性|霊闘士
  • エルフ式療法士
    ソナ(ka1352
    エルフ|19才|女性|聖導士
  • 山岳猟団即応員
    美作さくら(ka2345
    人間(蒼)|14才|女性|霊闘士
  • 大工房
    ソフィア =リリィホルム(ka2383
    ドワーフ|14才|女性|機導師
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2014/07/20 19:18:17
アイコン 相談卓
米本 剛(ka0320
人間(リアルブルー)|30才|男性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2014/07/25 07:26:22