ゲスト
(ka0000)
憤慨のゼナイド
マスター:朝臣あむ

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
APV- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/07/27 19:00
- リプレイ完成予定
- 2014/08/05 19:00
オープニング
帝国第十師団が拠点を置く「アネリブーベ」。
厳重な監視と設備の元に存在する都市は通称「監獄都市」と呼ばれ、都市の中央には師団の本拠地である「アネリの塔」がある。
天に剣を伸ばしているかのような塔の中で、師団長のゼナイド(kz0052)は書類を手に眉を潜めていた。
「アネリブーベ周辺で目撃された歪虚のものですわね」
ゼナイドはそう言うと歪虚に関する情報が載っている書類を差し出した。
「ゾンビ型歪虚の討伐依頼、か。直ちに派兵するかの?」
「いえ。同盟領の歪虚の事もありますし、陛下の詳しい考えをお伺いするまでは下手に兵士は動かせませわ。とは言え、やたらと戦地に送る訳にも参りませんけど」
第十師団は帝国内の囚人や亜人などが集められて兵士にされている関係上、何も考えずに派兵する訳にはいかないのだ。
もしやたらに派兵して騒動を起こせば帝国、同盟間の国際問題になってしまう。
「2層の囚人は動かせんかの?」
「ダメですわね。彼等こそ体力を温存して貰わなければなりませんし、3層も却下ですわ」
「となると純粋な派兵は厳しいのぉ」
師団の内部は階層制度を取っており、各階層によって戦闘の分野や扱いが違う。歪虚を扱えるのは2・3層の兵士なのだが、ゼナイド曰く「今は使えない」らしい。
「ああ、そうですわ。ハンターを使いましょう」
「ハンターを?」
確かに彼等に頼めば兵力の削減に繋がる。しかし先日ハンターと歪虚討伐に向かった彼女は言ってなかっただろうか。彼等の戦力は未熟だ、と。
「確かに彼等の力は未熟ですわ。わたくしの足元にも及びません。ですが、折角使える駒があるんですもの。使って何が悪いんですの?」
堂々と胸を張る彼女に思わず苦笑してしまう。
「まだタングラムに仕事を振ったことを根に持っておるのかの」
騎士議会に参加した際、ヴィルヘルミナ・ウランゲル(kz0021)はタングラム(kz0016)に――いや、正確にはAPVに仕事を振った。
本来であれば自身に振って欲しい仕事をタングラムに振ったのだ。
勿論面白くないゼナイドは反論したが、それでもヴィルヘルミナはタングラムを、ハンターを選んだ。
「陛下があそこまでハンターを好むのでしたら、わたくしも使って差し上げないといけませんわ。それがどんな仕事であろうと」
そうですわよね? ゼナイドはそう微笑むと、履いていたブーツを脱いでマンゴルトの頭に投げつけた。
どうやら仕事こそ真面目にこなしているが、怒りは収まっていなかったようだ。
「そうですわ。折角ですし同行して可愛がって差し上げるのもありですわね。駄タングラムのアホ面には及びませんけど面白そうですわぁ♪」
不機嫌を一転、楽しげに笑い声を零すゼナイドにマンゴルトはやれやれと肩を竦める。
その上で手にしていた書類に目を落とすと、ブーツのぶつかった禿げ頭を摩った。
「仕方ないの……ハンターには少しばかり申し訳ないが動いて貰うかのぉ」
そう言うと彼はゼナイドの指示通りに動き始めた。
●
アネリブーベから僅かに離れた土地。
廃村となって久しいその場所に、ハンター派遣の前にと偵察に寄越された兵士3人が足を踏み入れていた。
「ここが団長の言っていた死者の村、か」
「確かに気味が悪いな。昼間だってのに嫌な気配がプンプンするぜ」
兵士の言うように今は昼間だ。
何故この時間に偵察に向かわせたのか。それにはいくつかの理由があるが、大きな理由は廃村で目撃されると言う歪虚がゾンビであると言うことだ。
「団長はゾンビを目撃しなくて良いって言ってたけど、何でだ?」
「出現場所と現地の状況がわかれば良いんだとよ」
過去の資料からゾンビ型の歪虚は主に夜出没することがわかっている。その点を顧みて危険の少ない昼間に偵察に向かわせたのだ。
「廃村の地理と、可能であれば歪虚の住処を特定出来れば良いってさ」
「あー……つまり面倒なことはハンターに押し付けるって寸法か」
兵士等は顔を見合わせると苦笑して足を進めた。
廃村は人がいなくなって新しいのか、3棟の家が無傷で残っていた。
中を伺えば家具なども揃っており、周囲の環境さえ整えれば再び人が住めるのではと思えるほどだ。
だが気になるものを1つ見付けた。
「井戸が死んでるな」
念のために汲み上げた水が黒い。しかも粘着質で手に纏わり付くような印象がある。
「こりゃ、人も住めなくなるわけだ」
兵士はそう言うと井戸に水を戻そうとした。が、次の瞬間、兵士は何かに捕まれて引っ張られた。
「!」
目を向けた先には井戸がある。しかし先程と明らかに違うものがそこにはあった。
「なっ、何だ、これ……!」
片手に纏わり付く泥の塊のようなモノ。それが腕を這い上がる様にして締め付けて来たのだ。
その力は振り払おうと腕を振っても剥がれない程。
「今助ける!」
兵士の1人は、駆け付けると同時に剣を振り上げた。そして纏わり付く物を両断しようとするのだが、それが別の泥によって阻まれた。
よく見ると、井戸から顔のようなものが見える。その周囲には泥の個体がいくつも見受けられ、明らかに尋常ではないことを物語っている。
「なんだこの固さ……それに、この泥……っ!?」
剣を撃ち込んだ場所から響く振動に眉を潜めた兵士の目が周囲に向かう。そうして気付いた。
2人の兵士はいつの間にか泥状の何かに囲まれていたのだ。
「は、離れ――ぅわあっ!!!」
泥に纏わり付かれた兵士の1人が井戸に落ちた。それに次いでもう1人の兵士も井戸に引きずり込まれる。
「た、助けッ!」
蒼い顔で手を伸ばす兵士に、残った兵士は目を見開いて後じさった。
「あ、あ……ああ……」
兵士は見てしまった。
井戸から顔を覗かせた顔の溶けた人間を。そしてそれによって井戸に引きずり込まれてゆく兵士の姿を。
「……ほ、報告をしないと……っ!」
残った兵士は震える足を引き摺る様にして駆け出すと、今見たことを報告すべくアネリブーベに戻ったのだった。
厳重な監視と設備の元に存在する都市は通称「監獄都市」と呼ばれ、都市の中央には師団の本拠地である「アネリの塔」がある。
天に剣を伸ばしているかのような塔の中で、師団長のゼナイド(kz0052)は書類を手に眉を潜めていた。
「アネリブーベ周辺で目撃された歪虚のものですわね」
ゼナイドはそう言うと歪虚に関する情報が載っている書類を差し出した。
「ゾンビ型歪虚の討伐依頼、か。直ちに派兵するかの?」
「いえ。同盟領の歪虚の事もありますし、陛下の詳しい考えをお伺いするまでは下手に兵士は動かせませわ。とは言え、やたらと戦地に送る訳にも参りませんけど」
第十師団は帝国内の囚人や亜人などが集められて兵士にされている関係上、何も考えずに派兵する訳にはいかないのだ。
もしやたらに派兵して騒動を起こせば帝国、同盟間の国際問題になってしまう。
「2層の囚人は動かせんかの?」
「ダメですわね。彼等こそ体力を温存して貰わなければなりませんし、3層も却下ですわ」
「となると純粋な派兵は厳しいのぉ」
師団の内部は階層制度を取っており、各階層によって戦闘の分野や扱いが違う。歪虚を扱えるのは2・3層の兵士なのだが、ゼナイド曰く「今は使えない」らしい。
「ああ、そうですわ。ハンターを使いましょう」
「ハンターを?」
確かに彼等に頼めば兵力の削減に繋がる。しかし先日ハンターと歪虚討伐に向かった彼女は言ってなかっただろうか。彼等の戦力は未熟だ、と。
「確かに彼等の力は未熟ですわ。わたくしの足元にも及びません。ですが、折角使える駒があるんですもの。使って何が悪いんですの?」
堂々と胸を張る彼女に思わず苦笑してしまう。
「まだタングラムに仕事を振ったことを根に持っておるのかの」
騎士議会に参加した際、ヴィルヘルミナ・ウランゲル(kz0021)はタングラム(kz0016)に――いや、正確にはAPVに仕事を振った。
本来であれば自身に振って欲しい仕事をタングラムに振ったのだ。
勿論面白くないゼナイドは反論したが、それでもヴィルヘルミナはタングラムを、ハンターを選んだ。
「陛下があそこまでハンターを好むのでしたら、わたくしも使って差し上げないといけませんわ。それがどんな仕事であろうと」
そうですわよね? ゼナイドはそう微笑むと、履いていたブーツを脱いでマンゴルトの頭に投げつけた。
どうやら仕事こそ真面目にこなしているが、怒りは収まっていなかったようだ。
「そうですわ。折角ですし同行して可愛がって差し上げるのもありですわね。駄タングラムのアホ面には及びませんけど面白そうですわぁ♪」
不機嫌を一転、楽しげに笑い声を零すゼナイドにマンゴルトはやれやれと肩を竦める。
その上で手にしていた書類に目を落とすと、ブーツのぶつかった禿げ頭を摩った。
「仕方ないの……ハンターには少しばかり申し訳ないが動いて貰うかのぉ」
そう言うと彼はゼナイドの指示通りに動き始めた。
●
アネリブーベから僅かに離れた土地。
廃村となって久しいその場所に、ハンター派遣の前にと偵察に寄越された兵士3人が足を踏み入れていた。
「ここが団長の言っていた死者の村、か」
「確かに気味が悪いな。昼間だってのに嫌な気配がプンプンするぜ」
兵士の言うように今は昼間だ。
何故この時間に偵察に向かわせたのか。それにはいくつかの理由があるが、大きな理由は廃村で目撃されると言う歪虚がゾンビであると言うことだ。
「団長はゾンビを目撃しなくて良いって言ってたけど、何でだ?」
「出現場所と現地の状況がわかれば良いんだとよ」
過去の資料からゾンビ型の歪虚は主に夜出没することがわかっている。その点を顧みて危険の少ない昼間に偵察に向かわせたのだ。
「廃村の地理と、可能であれば歪虚の住処を特定出来れば良いってさ」
「あー……つまり面倒なことはハンターに押し付けるって寸法か」
兵士等は顔を見合わせると苦笑して足を進めた。
廃村は人がいなくなって新しいのか、3棟の家が無傷で残っていた。
中を伺えば家具なども揃っており、周囲の環境さえ整えれば再び人が住めるのではと思えるほどだ。
だが気になるものを1つ見付けた。
「井戸が死んでるな」
念のために汲み上げた水が黒い。しかも粘着質で手に纏わり付くような印象がある。
「こりゃ、人も住めなくなるわけだ」
兵士はそう言うと井戸に水を戻そうとした。が、次の瞬間、兵士は何かに捕まれて引っ張られた。
「!」
目を向けた先には井戸がある。しかし先程と明らかに違うものがそこにはあった。
「なっ、何だ、これ……!」
片手に纏わり付く泥の塊のようなモノ。それが腕を這い上がる様にして締め付けて来たのだ。
その力は振り払おうと腕を振っても剥がれない程。
「今助ける!」
兵士の1人は、駆け付けると同時に剣を振り上げた。そして纏わり付く物を両断しようとするのだが、それが別の泥によって阻まれた。
よく見ると、井戸から顔のようなものが見える。その周囲には泥の個体がいくつも見受けられ、明らかに尋常ではないことを物語っている。
「なんだこの固さ……それに、この泥……っ!?」
剣を撃ち込んだ場所から響く振動に眉を潜めた兵士の目が周囲に向かう。そうして気付いた。
2人の兵士はいつの間にか泥状の何かに囲まれていたのだ。
「は、離れ――ぅわあっ!!!」
泥に纏わり付かれた兵士の1人が井戸に落ちた。それに次いでもう1人の兵士も井戸に引きずり込まれる。
「た、助けッ!」
蒼い顔で手を伸ばす兵士に、残った兵士は目を見開いて後じさった。
「あ、あ……ああ……」
兵士は見てしまった。
井戸から顔を覗かせた顔の溶けた人間を。そしてそれによって井戸に引きずり込まれてゆく兵士の姿を。
「……ほ、報告をしないと……っ!」
残った兵士は震える足を引き摺る様にして駆け出すと、今見たことを報告すべくアネリブーベに戻ったのだった。
解説
●目的
廃村に出没する歪虚の討伐
●概要
帝国領・アネリブーベ周辺に存在する廃村でゾンビ型の歪虚が目撃されている。
既に偵察に向かった兵士2名が被害にあっている。ハンターは早急に現地へ向かい、歪虚の討伐にあたって欲しい。
生き残った兵士によれば、廃村にある井戸が歪虚の住処の様ようだ。
泥スライムらしき雑魔を従えている様子も見受けられ、油断は出来ないものと思い行動して欲しい。
兵士が目撃しただけで泥スライムの数は5を越えていたと言う。
尚、討伐時刻は周囲の見通しも考え昼間に行うものとする。
●敵戦力
・泥ゾンビ
泥を纏う成人男性位の大きさをした歪虚。武器らしきものは所持していない。
主な攻撃方法は「泥吐き」「噛み付き」「豪腕」の3種。この他に異様な固さを確認しているため、何かしらの特殊スキルがあるものと思われる。
泥吐き‥‥腐敗粘液の散布(武器の劣化には繋がらない)
噛み付き‥‥獲物を求めて噛み付く
豪腕‥‥掴んだらテコでも離さず井戸に引きずり込む
???‥‥異様な固さを作り出すスキル
・泥スライム
泥が固まってできたようなスライム型の雑魔。
自身の体で獲物を捕縛し動けなくする他、人体を傷付ける腐敗粘液を発している。
打撃攻撃には強いが、魔法攻撃には弱い。
●NPC
・ゼナイド(kz0052)
帝国第十師団・通称「マスケンヴァル」の師団長。
童顔に豊満な肉体を持つエルフで高飛車で傲慢な性格だが、実力は確かなもので明らかに重量オーバーなハンマーを軽々扱う。
顔半分を兜で隠しており、表情を伺えるのは口元のみ。
今回はハンターの逃走防止と、緊急時の援護と言う名目で依頼に同行するが、実際には陛下のお気に入りがムカついてるだけ。
よって戦闘中にヤジを飛ばす可能性は大いに有り。
※白紙防止に「がんばる」だけでも先に書いておきましょう。
※ご質問等ですが、ゼナイドはハンターに良い感情を抱いていないため答えるかどうか不明です。
廃村に出没する歪虚の討伐
●概要
帝国領・アネリブーベ周辺に存在する廃村でゾンビ型の歪虚が目撃されている。
既に偵察に向かった兵士2名が被害にあっている。ハンターは早急に現地へ向かい、歪虚の討伐にあたって欲しい。
生き残った兵士によれば、廃村にある井戸が歪虚の住処の様ようだ。
泥スライムらしき雑魔を従えている様子も見受けられ、油断は出来ないものと思い行動して欲しい。
兵士が目撃しただけで泥スライムの数は5を越えていたと言う。
尚、討伐時刻は周囲の見通しも考え昼間に行うものとする。
●敵戦力
・泥ゾンビ
泥を纏う成人男性位の大きさをした歪虚。武器らしきものは所持していない。
主な攻撃方法は「泥吐き」「噛み付き」「豪腕」の3種。この他に異様な固さを確認しているため、何かしらの特殊スキルがあるものと思われる。
泥吐き‥‥腐敗粘液の散布(武器の劣化には繋がらない)
噛み付き‥‥獲物を求めて噛み付く
豪腕‥‥掴んだらテコでも離さず井戸に引きずり込む
???‥‥異様な固さを作り出すスキル
・泥スライム
泥が固まってできたようなスライム型の雑魔。
自身の体で獲物を捕縛し動けなくする他、人体を傷付ける腐敗粘液を発している。
打撃攻撃には強いが、魔法攻撃には弱い。
●NPC
・ゼナイド(kz0052)
帝国第十師団・通称「マスケンヴァル」の師団長。
童顔に豊満な肉体を持つエルフで高飛車で傲慢な性格だが、実力は確かなもので明らかに重量オーバーなハンマーを軽々扱う。
顔半分を兜で隠しており、表情を伺えるのは口元のみ。
今回はハンターの逃走防止と、緊急時の援護と言う名目で依頼に同行するが、実際には陛下のお気に入りがムカついてるだけ。
よって戦闘中にヤジを飛ばす可能性は大いに有り。
※白紙防止に「がんばる」だけでも先に書いておきましょう。
※ご質問等ですが、ゼナイドはハンターに良い感情を抱いていないため答えるかどうか不明です。
マスターより
こんにちは、朝臣あむです。
夏と言えばお化け、肝試しにホラー映画とかいろいろありますが、こちらではゾンビ型の歪虚が出現で御座います。
うるさいNPCが引っ付いてきますが、気にせず歪虚退治に集中して下さい。
むしろしないともっとうるさくなる可能性もあります……やだ、小姑みたい!
何はともあれ敵は強めですので油断なきように!
皆様のご参加とプレイングを、心よりお待ちしております!!
夏と言えばお化け、肝試しにホラー映画とかいろいろありますが、こちらではゾンビ型の歪虚が出現で御座います。
うるさいNPCが引っ付いてきますが、気にせず歪虚退治に集中して下さい。
むしろしないともっとうるさくなる可能性もあります……やだ、小姑みたい!
何はともあれ敵は強めですので油断なきように!
皆様のご参加とプレイングを、心よりお待ちしております!!
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/08/04 02:01
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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相談卓 アウレール・V・ブラオラント(ka2531) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2014/07/27 10:55:03 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/07/24 11:46:30 |