ゲスト
(ka0000)
【闇光】戦の指揮を、伝話のつながる吐息に
マスター:DoLLer

このシナリオは3日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/12/23 07:30
- リプレイ完成予定
- 2016/01/04 07:30
オープニング
北伐からの歪虚王率いる軍勢はついに帝国を攻撃し始めた。辺境との境長城ノアーラクンタウ、港ベルトルード、王国との国境である橋上都市ピースホライズン。そして帝都バルトアンデルス。あちこちで戦の狼煙があがったことは、それぞれの都市を守備する師団兵士のみならず、帝国国民の大半がすぐに知ることになった。
歪虚の攻撃は苛烈であるし、商人や師団を管轄する都市の住民には避難命令で出るのだ。
そこに現状、不安なものなど何もない。と隠し通す余裕すらないことは一般市民にとっては恐怖に浮き上がらせるのに十分だった。
だが、常日ごろから歪虚と戦い続けてきた帝国の信念、そしてそれがこんな日を生み出すこともまた知っていた。恐怖はすれども、絶望したりはしない。
ゾンネンシュトラール帝国民は兵士でなくとも勇敢であるのだから。
「地方にも歪虚、多分雑魔レベルのスケルトンが出ております。地方内務課が現在状況を確認しておるが……」
方々のツテを辿って情報を集めた帝国貴族ベント伯の言葉に、旧帝国の姫クリームヒルトの参謀として付き従うアミィは諸手を挙げて万歳し、そのままの勢いでベッドに転がるほどに狂喜した。
「きゃっほー。現政権のお株ダダ下がりじゃん! 歪虚王に勝てると信じて北荻に踏み込んで返り討ち。その上、帝国本土を総攻撃なんて。あははは!! 姫様、良かったね。このままヴィルヘルミナがくたばれば政権取り戻せるかも?」
クリームヒルトは旧政権、12年前に革命によって失った皇帝モンドシャッテ家の忘れ形見でもあった。
まだ20才にもならない彼女は過激派組織に利用されたりもしたが、それでも帝国国民が誇りを持って、また満足してこの帝国に根付いてくれるならという想いで活動をしてきたのだ。
今では少ないながらも支えてくれる人間もいる。
アミィのような危なっかしい人間もいるわけだが。
「アミィ。不謹慎よ!」
クリームヒルトはぴしゃりとアミィを叱りつけた。クリームヒルトは別に政権を取り戻してどうこうという気はないし、人の不幸を喜ぶような性格も持ち合わせてはいない。
「近郊師団都市から対処は……?」
「難しいでしょう。全師団がそれぞれの守備地域で歪虚王ハヴァマールの軍勢に対抗しているようです。歪虚軍の大量流入を許せば、それこそ本土決戦を迫られるのですから。多少の被害は捨て置くでしょうな」
ダムっ!!!
ベント伯の冷静な言葉に対して、机に諸手を叩きつけたのはクリームヒルトだった。
「雑魔が発生した場所はどこ? 被害状況は?」
「ず、ズェーデン・ユーベルヴァルン州南部の村2つ……です。クリームヒルト様、しかし、被害はそれだけでは……」
「ブレーネンフーフで忠誠を誓ってくれた人達に連絡しなさい。アミィ、各州に彼らあての連絡員いるんでしょ」
睨みつけるクリームヒルトに思わず息をのむベント伯の横で、アミィは不満の声を上げてベッドから起き上がった。
「そりゃいるけどさー。いいじゃん。この責任、全部ヴィルヘルミナになすりつけられるチャンスなんだよ? 今は動く必要なんてないよ」
と最後まで言い終わらないうちにクリームヒルトはアミィを鋭く叱責した。
「黙りなさい! 私は政治ゲームをしたいわけじゃないのよ。ベント伯は各地の被害を速やかに確認したらハンター、傭兵に派遣要請を。騒動が終わったら村から報酬として救援物資をもらい受け確保してください。きっと他の場所でも使うから」
クリームヒルトの矢継ぎ早な指示に、やや強面のベント伯も、悪賢さでは群を抜くアミィも思わず呆然とした。
「返事は!」
その言葉に二人は正気に戻り、反射的に最敬礼をした。
●
「そして、本当にすまん……」
ベント伯の呼びかけによって集まったハンターの前で。依頼主の彼は深々とお辞儀をした。
ベント伯の主であるクリームヒルトはおらず、代わりに置かれているのは一般者でも利用できる魔導短伝話だった。
『もしもし、クリームヒルトです。今近郊の村にも雑魔が出現したということで手が足りないので、私が向かっているんだけど……』
伝話口から苦笑いを含んだクリームヒルトの声が響いてきた。
集まった館の窓の向こう。眼下に広がる丘の向こうにある小さな町に彼女はいるらしいが、さすがにここからではどこに彼女がいるのかは目には見えない。
「ゾンビが一体、民家の中に侵入してるの。家の中にいた子を襲おうとしてたから、つい飛び込んだんだけど……どうすればいいかな?」
唖然とするハンターの目の前で、ベント伯は額に手を押さえ、申し訳ないやら、頭が痛いやらというポーズをした。
本来はここにいるハンターでその町を襲撃した雑魔を倒してもらう予定だったのだが、無理して多くの人を動かしたものだから、貴族のベント伯すらも走り回る事態を生み、そしてクリームヒルト自身も恐らく急報を受けたのだろう。頼む相手がいなくなってしまった彼女は自分の足で現場に向かってしまったようだった。
「家にいるのはわたしを含めて非覚醒者ばかり5人。今は2階建ての家の二階にわたし達はいて、ゾンビは一階をうろついているの」
走って助けに行かなければ。
だが、伝話の最大有効距離は1kmだから、恐らく数百メートル先にいるのだろうが。どの建物か把握して見つけ出している間にゾンビがクリームヒルト達にいつ襲い掛かるかわかったものではない。
「なんとか、生き延びるようにするから指示をください。皆さんが来るまでなんとか堪えてみせますので」
伝話の向こうから伝わってくるクリームヒルトの声は少し申し訳ないような、恥ずかしいような。
だが、決して楽観しているわけでもなければ、悲愴に満ちているわけでもないようだった。
歪虚の攻撃は苛烈であるし、商人や師団を管轄する都市の住民には避難命令で出るのだ。
そこに現状、不安なものなど何もない。と隠し通す余裕すらないことは一般市民にとっては恐怖に浮き上がらせるのに十分だった。
だが、常日ごろから歪虚と戦い続けてきた帝国の信念、そしてそれがこんな日を生み出すこともまた知っていた。恐怖はすれども、絶望したりはしない。
ゾンネンシュトラール帝国民は兵士でなくとも勇敢であるのだから。
「地方にも歪虚、多分雑魔レベルのスケルトンが出ております。地方内務課が現在状況を確認しておるが……」
方々のツテを辿って情報を集めた帝国貴族ベント伯の言葉に、旧帝国の姫クリームヒルトの参謀として付き従うアミィは諸手を挙げて万歳し、そのままの勢いでベッドに転がるほどに狂喜した。
「きゃっほー。現政権のお株ダダ下がりじゃん! 歪虚王に勝てると信じて北荻に踏み込んで返り討ち。その上、帝国本土を総攻撃なんて。あははは!! 姫様、良かったね。このままヴィルヘルミナがくたばれば政権取り戻せるかも?」
クリームヒルトは旧政権、12年前に革命によって失った皇帝モンドシャッテ家の忘れ形見でもあった。
まだ20才にもならない彼女は過激派組織に利用されたりもしたが、それでも帝国国民が誇りを持って、また満足してこの帝国に根付いてくれるならという想いで活動をしてきたのだ。
今では少ないながらも支えてくれる人間もいる。
アミィのような危なっかしい人間もいるわけだが。
「アミィ。不謹慎よ!」
クリームヒルトはぴしゃりとアミィを叱りつけた。クリームヒルトは別に政権を取り戻してどうこうという気はないし、人の不幸を喜ぶような性格も持ち合わせてはいない。
「近郊師団都市から対処は……?」
「難しいでしょう。全師団がそれぞれの守備地域で歪虚王ハヴァマールの軍勢に対抗しているようです。歪虚軍の大量流入を許せば、それこそ本土決戦を迫られるのですから。多少の被害は捨て置くでしょうな」
ダムっ!!!
ベント伯の冷静な言葉に対して、机に諸手を叩きつけたのはクリームヒルトだった。
「雑魔が発生した場所はどこ? 被害状況は?」
「ず、ズェーデン・ユーベルヴァルン州南部の村2つ……です。クリームヒルト様、しかし、被害はそれだけでは……」
「ブレーネンフーフで忠誠を誓ってくれた人達に連絡しなさい。アミィ、各州に彼らあての連絡員いるんでしょ」
睨みつけるクリームヒルトに思わず息をのむベント伯の横で、アミィは不満の声を上げてベッドから起き上がった。
「そりゃいるけどさー。いいじゃん。この責任、全部ヴィルヘルミナになすりつけられるチャンスなんだよ? 今は動く必要なんてないよ」
と最後まで言い終わらないうちにクリームヒルトはアミィを鋭く叱責した。
「黙りなさい! 私は政治ゲームをしたいわけじゃないのよ。ベント伯は各地の被害を速やかに確認したらハンター、傭兵に派遣要請を。騒動が終わったら村から報酬として救援物資をもらい受け確保してください。きっと他の場所でも使うから」
クリームヒルトの矢継ぎ早な指示に、やや強面のベント伯も、悪賢さでは群を抜くアミィも思わず呆然とした。
「返事は!」
その言葉に二人は正気に戻り、反射的に最敬礼をした。
●
「そして、本当にすまん……」
ベント伯の呼びかけによって集まったハンターの前で。依頼主の彼は深々とお辞儀をした。
ベント伯の主であるクリームヒルトはおらず、代わりに置かれているのは一般者でも利用できる魔導短伝話だった。
『もしもし、クリームヒルトです。今近郊の村にも雑魔が出現したということで手が足りないので、私が向かっているんだけど……』
伝話口から苦笑いを含んだクリームヒルトの声が響いてきた。
集まった館の窓の向こう。眼下に広がる丘の向こうにある小さな町に彼女はいるらしいが、さすがにここからではどこに彼女がいるのかは目には見えない。
「ゾンビが一体、民家の中に侵入してるの。家の中にいた子を襲おうとしてたから、つい飛び込んだんだけど……どうすればいいかな?」
唖然とするハンターの目の前で、ベント伯は額に手を押さえ、申し訳ないやら、頭が痛いやらというポーズをした。
本来はここにいるハンターでその町を襲撃した雑魔を倒してもらう予定だったのだが、無理して多くの人を動かしたものだから、貴族のベント伯すらも走り回る事態を生み、そしてクリームヒルト自身も恐らく急報を受けたのだろう。頼む相手がいなくなってしまった彼女は自分の足で現場に向かってしまったようだった。
「家にいるのはわたしを含めて非覚醒者ばかり5人。今は2階建ての家の二階にわたし達はいて、ゾンビは一階をうろついているの」
走って助けに行かなければ。
だが、伝話の最大有効距離は1kmだから、恐らく数百メートル先にいるのだろうが。どの建物か把握して見つけ出している間にゾンビがクリームヒルト達にいつ襲い掛かるかわかったものではない。
「なんとか、生き延びるようにするから指示をください。皆さんが来るまでなんとか堪えてみせますので」
伝話の向こうから伝わってくるクリームヒルトの声は少し申し訳ないような、恥ずかしいような。
だが、決して楽観しているわけでもなければ、悲愴に満ちているわけでもないようだった。
解説
とある帝国の小さな町にゾンビが襲撃しています。
その中に単独で救援に向かったクリームヒルトが二階建ての民家に立てこもり、ゾンビの襲撃から身を隠しています。
皆さんは伝話越しに彼女に行動を指示しつつ、現場に急行してゾンビを退治してください。
●敵情報
ゾンビ 3体
肉体を機械で改造されているタイプです。
基本はウロウロ歩き回り、爪や噛みつきで攻撃してきます。
スキル
銃撃 身体に仕込まれた銃で撃ってきます。5回
自爆 爆発します。
配置は町中に2体。ウロウロしては生き物を見境なく襲っています。
1体はクリームヒルトの隠れる民家に侵入しています。
●舞台
集まった場所(館)から500mから町の門があります。
小規模な町です。
住民は200人程度。戦闘経験者は0。覚醒者もいません。
●クリームヒルトの状況
町のどこかにある2階建ての建物の2階で潜伏。
同じ部屋にクリームヒルト、男の子と女の子の兄妹、その父母がいます。
クリームヒルトはどこかにいますが、本人もあまり詳しい町ではないので詳しい居場所は本人も分かっていません。
ゾンビは1階をうろついていますが、クリームヒルト達の存在を感知していますので、直に上がってきます。
具体的なところは相談卓で会話をしつつ場所を類推してください。
クリームヒルトも非覚醒者です。
その中に単独で救援に向かったクリームヒルトが二階建ての民家に立てこもり、ゾンビの襲撃から身を隠しています。
皆さんは伝話越しに彼女に行動を指示しつつ、現場に急行してゾンビを退治してください。
●敵情報
ゾンビ 3体
肉体を機械で改造されているタイプです。
基本はウロウロ歩き回り、爪や噛みつきで攻撃してきます。
スキル
銃撃 身体に仕込まれた銃で撃ってきます。5回
自爆 爆発します。
配置は町中に2体。ウロウロしては生き物を見境なく襲っています。
1体はクリームヒルトの隠れる民家に侵入しています。
●舞台
集まった場所(館)から500mから町の門があります。
小規模な町です。
住民は200人程度。戦闘経験者は0。覚醒者もいません。
●クリームヒルトの状況
町のどこかにある2階建ての建物の2階で潜伏。
同じ部屋にクリームヒルト、男の子と女の子の兄妹、その父母がいます。
クリームヒルトはどこかにいますが、本人もあまり詳しい町ではないので詳しい居場所は本人も分かっていません。
ゾンビは1階をうろついていますが、クリームヒルト達の存在を感知していますので、直に上がってきます。
具体的なところは相談卓で会話をしつつ場所を類推してください。
クリームヒルトも非覚醒者です。
マスターより
戦闘はとても簡単な。登録して間もなくのPCでも危なげなく勝てる相手です。
3体でもまず負けないでしょう。
しかし一般人にとってはそんなゾンビですら歯が立ちません。
貴方の戦術能力と、それを一般人に伝えて実行してもらう会話能力がカギです。
3体でもまず負けないでしょう。
しかし一般人にとってはそんなゾンビですら歯が立ちません。
貴方の戦術能力と、それを一般人に伝えて実行してもらう会話能力がカギです。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/12/29 14:25
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/12/19 02:16:32 |
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![]() |
伝話指令室 クリームヒルト・モンドシャッテ(kz0054) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/12/23 00:26:28 |
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![]() |
指示と救援 音羽 美沙樹(ka4757) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2015/12/23 00:02:26 |