ゲスト
(ka0000)
【審判】【刻令】トライアングル・ゲーム
マスター:赤山優牙

このシナリオは3日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
アム・シェリタ―揺籃館―- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/03/25 07:30
- リプレイ完成予定
- 2016/04/06 07:30
オープニング
●???
いかにも柄の悪そうな男が犬を蹴り上げた。
「おら、邪魔だぞ!」
蹴られた犬は地面を転がると、弱々しく鳴いた。
老女が慌てて、その犬に駆け寄り――大事そうに抱きかかえる。
「あんたは、なにをするんだい!」
「うるせぇ、ばばぁ! それはこっちの台詞だ!」
男は老女の孫であった。
決して広いとは言えない農地を持っていた老女だったが、放蕩な孫に見かねて、農地の権利書を隠したのだ。
孫はそれが気に入らなかったのだ。普段から説教臭い老女にもともと苛立っていたのもある。
「権利書をどこやった!」
「し、死んでも、あんたみたいな子にゃ、教えないよ!」
「んじゃ、死ねよ! ばばぁ!」
犬ごと老女を渾身の力で蹴り飛ばした。
畑の隅まで転がると、老女は動かなくなった。
冷たい雨が全身を濡らした。
‘それ’が目を覚ました時、主人である老女の身体は冷え切って動かなくなっていた。
「きゅ~ん、きゅ~ん」
必死で顔を舐めまわすが、反応はない。
優しくて温かい微笑みをいつも返してくれる主人は、ピクリともしない。
それが、なにを意味するのか、‘それ’は本能的に理解した。
悲しみが雨と共に流れ、怒りが内側から溢れだす。
真っ黒な空を見上げ――‘それ’は大きく吠えた。
帝国領から戻る歪虚ネル・ベルは王国領内でテスカ教団の巡礼者が通過した小さい集落に通りがかった。
集落は巡礼者という名の歪虚によって壊滅し、新たな巡礼者を得て、なおも移動している。
「……畜生か」
畑の隅で老女の遺体の傍に居た犬と目が合った。
今にも死にそうな程、弱々しい。だが、瞳に宿る力は強かった。老女と犬、交互に視線を向けた。
「畜生よ、この私と来るか? 復讐の手助け位はしてやるぞ」
と、犬に向かってネル・ベルは言った。
しばしの静寂の後、鼻を鳴らしてネル・ベルは歩き出した。畜生が人の言葉を理解するとは思えない。
だが……
ふと、気配を感じて振り返ったネル・ベル。
彼の後を着いてくるように、犬は弱々しく歩きだしていた。
●フレッサ領のとある村の近く
「人としては長く生きてきたと自認していましたが、これは初めて見ますのぉ」
歪虚ネル・ベルの従者であるオキナは困ったような表情を主である歪虚と、‘それ’に向けていた。
‘それ’は歪虚だった。雑魔ではない。契約を結んだ堕落者ともいうべきかもしれない。とにかく、異常というか、特別というか、レアケースだろう。
「コノ人間、悪イ人間?」
‘それ’が片言で言葉を発した。
パッと見、人の姿をしている。胴体や四肢は人のそれに近いだろう。だが、腰周りや二の腕から先、脛から先は犬のそれであった。
顔も人間らしいが、頭はふわふわの黄土色の髪から、ピョンとした耳が飛び出ている。極め付けは、お尻のあたりからもふもふの尻尾がふりふりしている。
「この爺は、私の従者だ。つまり、貴様の先輩という存在だな」
「フーン」
興味無さそうに言うと、尻尾をぶんぶんとしながら主であるネル・ベルにしがみ付いた。
「テスカ教団の巡礼集団がフレッサの領内に近付いています」
気を取り直してオキナはネル・ベルに報告した。
巡礼路を通りながら、自分たちに都合の悪い人々を見つけると襲いかかっていくのだ。運悪く遭遇した被害者は、新たな巡礼者として集団に加わっていくので、規模が膨らんでいく。
「捨てて置けんな。あの領主にはまだまだ利用価値があるのだ」
「……分かりました。領主に伝えてきます」
害を成すのであれば、誰であろうと粉砕するのみ。
「タイミングは任せるが……まぁ、最悪、損害が無ければ構わぬ」
「御意……。それと、これを」
オキナが懐から古びた地図を取りだすと、歪虚に渡した。
「恐らく、大峡谷の一部の地図だと思いますが、『聖火の氷』に関連するかもしれないので」
「……ふむ。引き続き、情報を集めておけ」
そう命令すると、ネル・ベルは‘それ’を伴って出口に向かう。
その後ろ姿を見てオキナは感じとった。
(以前よりも、強くなったような、そんな気がするのう……)
●フレッサ領内を通る巡礼路にて
純白の翼を広げ、天使を想像させる者が両手を広げながら歩いている。
天使の背後には多くの巡礼者が着いて歩いていた。
「さぁ、迷う事はありません。我々は、このまま行進すればいいのです。さすれば、我々は安寧へと導かれるのです」
巡礼者からは返事は無い。
当然だ。天使の後ろを行く巡礼者達は、死んでいるのだから。
「おや、我々の逝く道を塞ぐのは誰ぞ」
天使の眼前には、幾何学模様が美しい角を持つ歪虚と、犬でも人でもない‘それ’が道を塞いでいた。
行進を止めた天使の両脇を白灰色した2頭の狼が並ぶ。その背後には十数人にもなる死人の群れ。
「ここから先には進めない。迂回するのだな」
「それは、いけません! 貴方こそ、偉大なるベリト様に盾突くおつもりですか?」
どこかで聞いた名だとネル・ベルは思ったが、記憶の糸を辿るのを止めた。
「……知らんな」
「なら、押し通すのみです。貴方のような悪魔は、この私めが退治致しましょう」
「悪魔だと? ふん。こっちの台詞だ」
ネル・ベルは気合いの声を上げると背中から白銀の翼を生やす。
両腕は同色の龍鱗のようなもので包まれる。
「コイツ等、主ノ敵。ワタシ、戦ウ」
‘それ’が口を広げて牙を剥きだした。
いかにも柄の悪そうな男が犬を蹴り上げた。
「おら、邪魔だぞ!」
蹴られた犬は地面を転がると、弱々しく鳴いた。
老女が慌てて、その犬に駆け寄り――大事そうに抱きかかえる。
「あんたは、なにをするんだい!」
「うるせぇ、ばばぁ! それはこっちの台詞だ!」
男は老女の孫であった。
決して広いとは言えない農地を持っていた老女だったが、放蕩な孫に見かねて、農地の権利書を隠したのだ。
孫はそれが気に入らなかったのだ。普段から説教臭い老女にもともと苛立っていたのもある。
「権利書をどこやった!」
「し、死んでも、あんたみたいな子にゃ、教えないよ!」
「んじゃ、死ねよ! ばばぁ!」
犬ごと老女を渾身の力で蹴り飛ばした。
畑の隅まで転がると、老女は動かなくなった。
冷たい雨が全身を濡らした。
‘それ’が目を覚ました時、主人である老女の身体は冷え切って動かなくなっていた。
「きゅ~ん、きゅ~ん」
必死で顔を舐めまわすが、反応はない。
優しくて温かい微笑みをいつも返してくれる主人は、ピクリともしない。
それが、なにを意味するのか、‘それ’は本能的に理解した。
悲しみが雨と共に流れ、怒りが内側から溢れだす。
真っ黒な空を見上げ――‘それ’は大きく吠えた。
帝国領から戻る歪虚ネル・ベルは王国領内でテスカ教団の巡礼者が通過した小さい集落に通りがかった。
集落は巡礼者という名の歪虚によって壊滅し、新たな巡礼者を得て、なおも移動している。
「……畜生か」
畑の隅で老女の遺体の傍に居た犬と目が合った。
今にも死にそうな程、弱々しい。だが、瞳に宿る力は強かった。老女と犬、交互に視線を向けた。
「畜生よ、この私と来るか? 復讐の手助け位はしてやるぞ」
と、犬に向かってネル・ベルは言った。
しばしの静寂の後、鼻を鳴らしてネル・ベルは歩き出した。畜生が人の言葉を理解するとは思えない。
だが……
ふと、気配を感じて振り返ったネル・ベル。
彼の後を着いてくるように、犬は弱々しく歩きだしていた。
●フレッサ領のとある村の近く
「人としては長く生きてきたと自認していましたが、これは初めて見ますのぉ」
歪虚ネル・ベルの従者であるオキナは困ったような表情を主である歪虚と、‘それ’に向けていた。
‘それ’は歪虚だった。雑魔ではない。契約を結んだ堕落者ともいうべきかもしれない。とにかく、異常というか、特別というか、レアケースだろう。
「コノ人間、悪イ人間?」
‘それ’が片言で言葉を発した。
パッと見、人の姿をしている。胴体や四肢は人のそれに近いだろう。だが、腰周りや二の腕から先、脛から先は犬のそれであった。
顔も人間らしいが、頭はふわふわの黄土色の髪から、ピョンとした耳が飛び出ている。極め付けは、お尻のあたりからもふもふの尻尾がふりふりしている。
「この爺は、私の従者だ。つまり、貴様の先輩という存在だな」
「フーン」
興味無さそうに言うと、尻尾をぶんぶんとしながら主であるネル・ベルにしがみ付いた。
「テスカ教団の巡礼集団がフレッサの領内に近付いています」
気を取り直してオキナはネル・ベルに報告した。
巡礼路を通りながら、自分たちに都合の悪い人々を見つけると襲いかかっていくのだ。運悪く遭遇した被害者は、新たな巡礼者として集団に加わっていくので、規模が膨らんでいく。
「捨てて置けんな。あの領主にはまだまだ利用価値があるのだ」
「……分かりました。領主に伝えてきます」
害を成すのであれば、誰であろうと粉砕するのみ。
「タイミングは任せるが……まぁ、最悪、損害が無ければ構わぬ」
「御意……。それと、これを」
オキナが懐から古びた地図を取りだすと、歪虚に渡した。
「恐らく、大峡谷の一部の地図だと思いますが、『聖火の氷』に関連するかもしれないので」
「……ふむ。引き続き、情報を集めておけ」
そう命令すると、ネル・ベルは‘それ’を伴って出口に向かう。
その後ろ姿を見てオキナは感じとった。
(以前よりも、強くなったような、そんな気がするのう……)
●フレッサ領内を通る巡礼路にて
純白の翼を広げ、天使を想像させる者が両手を広げながら歩いている。
天使の背後には多くの巡礼者が着いて歩いていた。
「さぁ、迷う事はありません。我々は、このまま行進すればいいのです。さすれば、我々は安寧へと導かれるのです」
巡礼者からは返事は無い。
当然だ。天使の後ろを行く巡礼者達は、死んでいるのだから。
「おや、我々の逝く道を塞ぐのは誰ぞ」
天使の眼前には、幾何学模様が美しい角を持つ歪虚と、犬でも人でもない‘それ’が道を塞いでいた。
行進を止めた天使の両脇を白灰色した2頭の狼が並ぶ。その背後には十数人にもなる死人の群れ。
「ここから先には進めない。迂回するのだな」
「それは、いけません! 貴方こそ、偉大なるベリト様に盾突くおつもりですか?」
どこかで聞いた名だとネル・ベルは思ったが、記憶の糸を辿るのを止めた。
「……知らんな」
「なら、押し通すのみです。貴方のような悪魔は、この私めが退治致しましょう」
「悪魔だと? ふん。こっちの台詞だ」
ネル・ベルは気合いの声を上げると背中から白銀の翼を生やす。
両腕は同色の龍鱗のようなもので包まれる。
「コイツ等、主ノ敵。ワタシ、戦ウ」
‘それ’が口を広げて牙を剥きだした。
解説
●目的
天使討伐及び巡礼者集団の壊滅
●内容
街道に現れたテスカ教団の天使と巡礼者集団を壊滅させる
●状況
戦場は平地と街道。遮る物は特にない。
ハンター達はフレッサ領主からの依頼で領内を通過する巡礼者集団の討伐依頼を請けた事になっている
※初期配置は以下の通り※
ハ ネ 天巡
ハ:ハンター達
ネ:ネル・ベル+‘それ’
天:天使+白灰狼
巡:巡礼者集団(ゾンビ)
●ネル・ベル
詳細はNPC欄を詳細の事。
能力については過去依頼を確認して下さい。
●‘それ’
人と犬を足して割った感じの外見。武器は持っていない。能力は未解明。
メス。尻尾はもふもふ。カワイイ。片言。
ちなみに名前はネオピア。
●天使
天使の姿を模している歪虚
剣と盾で武装している、翼がある以外の能力は不明
●白灰狼
人の背丈ほどはある狼の雑魔
天使に忠実。噛みつきやひっかき以外の能力は不明
●巡礼集団
数十人のゾンビの群れ
武器を持っている様子はないが、数の暴力は侮れない
●その他
ネル・ベルはハンター達が攻撃して来ない限り、天使に攻撃を集中しています
ある条件に達した時点でネル・ベルは撤退します
天使討伐及び巡礼者集団の壊滅
●内容
街道に現れたテスカ教団の天使と巡礼者集団を壊滅させる
●状況
戦場は平地と街道。遮る物は特にない。
ハンター達はフレッサ領主からの依頼で領内を通過する巡礼者集団の討伐依頼を請けた事になっている
※初期配置は以下の通り※
ハ ネ 天巡
ハ:ハンター達
ネ:ネル・ベル+‘それ’
天:天使+白灰狼
巡:巡礼者集団(ゾンビ)
●ネル・ベル
詳細はNPC欄を詳細の事。
能力については過去依頼を確認して下さい。
●‘それ’
人と犬を足して割った感じの外見。武器は持っていない。能力は未解明。
メス。尻尾はもふもふ。カワイイ。片言。
ちなみに名前はネオピア。
●天使
天使の姿を模している歪虚
剣と盾で武装している、翼がある以外の能力は不明
●白灰狼
人の背丈ほどはある狼の雑魔
天使に忠実。噛みつきやひっかき以外の能力は不明
●巡礼集団
数十人のゾンビの群れ
武器を持っている様子はないが、数の暴力は侮れない
●その他
ネル・ベルはハンター達が攻撃して来ない限り、天使に攻撃を集中しています
ある条件に達した時点でネル・ベルは撤退します
マスターより
●ご挨拶
皆さん、いかがお過ごしですか。赤山です。【審判】関連のシナリオになります。
そして、これまた【刻令】タグ付き……おまけに、なにやら新キャラも?
●攻略のヒント
普通~成功は特に問題ないでしょう。
ですが、大成功を狙うとなると、難易度は跳ね上がります。
皆さん、いかがお過ごしですか。赤山です。【審判】関連のシナリオになります。
そして、これまた【刻令】タグ付き……おまけに、なにやら新キャラも?
●攻略のヒント
普通~成功は特に問題ないでしょう。
ですが、大成功を狙うとなると、難易度は跳ね上がります。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/04/02 04:29
参加者一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/03/20 09:56:55 |
|
![]() |
相談卓 米本 剛(ka0320) 人間(リアルブルー)|30才|男性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2016/03/24 21:40:09 |
|
![]() |
華麗なる相談卓 ネル・ベル(kz0082) 歪虚|22才|男性|歪虚(ヴォイド) |
最終発言 2016/03/23 08:23:50 |