ゲスト
(ka0000)
【審判】堕とされた巡礼者
マスター:馬車猪

このシナリオは3日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2016/04/07 07:30
- リプレイ完成予定
- 2016/04/19 07:30
オープニング
グラズヘイム王国で不穏な出来事が続いている。
怪しげな教団が勢いを増し、高位の貴族が歪虚への内通を疑われ、いわゆる天使の外見をした敵まで現れる。
千年に渡って王国と共存共栄してきた聖堂教会も、今が非常時であると判断し神経を尖らせていた。
少なくとも聖堂教会中枢の一部はそう考えていた。
●平穏だった巡礼路
「はいではチェックを始めます。出来次第報告お願いねー」
『3番隊異常なし』
『4番隊異常なし』
『5番隊、野犬の群れに遭遇し現在排除中。マテリアルに異常はありません』
『6番隊です。巡礼のご一家と遭遇し今、ってお嬢ちゃん危ないからメイス触ったらダメ!』
トランシーバーを介し報告が入ってくる。
「便利な機械が出来たもんですなぁ」
古株のクルセイダーが笑みでしわを深くしながら、指揮官の私物を物珍しそうに眺めている。
青い空に白い雲が浮かび、鳥達がのんびり飛んでいる。
王国中央の混乱とはかけ離れた、徹底的に平和な光景だった。
「工夫しないと訓練の時間もとれませんから」
古株に比べれば若い女性クルセイダーが、部下達から聞き取った内容を報告書にまとめていく。
「2番隊、何か異常があった?」
まだ報告の無い部下に連絡する。
指揮官直属の1番隊の人員は、のんびりしているように見えても即座に救援に向かえる体勢だ。
『はいいえ、報告が遅れて申し訳ありません。不審なものは見かけないのですが気配が……』
指揮官と古株か視線をかわす。
「6番隊は念のため巡礼の方達を避難させなさい」
3から5には警戒と合流を命じ、指揮官は1番隊を率いて2番隊の受け持ち地域へ駆けだした。
そこには巡礼路以外何もないはずだった。
人通りは少ないとはいえ宗教的にも意味がある路だ。今回だけでなく定期的に歪虚の捜索と討伐が行われている。だから万一歪虚が現れたとしてもたいした規模にはならないはずだったのだ。
「何よ……これ」
負のマテリアルを帯びた霧が巡礼路沿いに広がっていた。
霧の密度は低い。感覚の鋭いものでなければ気付き辛いだろう。
「2番隊は再訓練ですな」
軽口を叩く古株も緊張を隠せない。
神経を研ぎ澄ませて周囲を探るが歪虚の気配は無い。
「2番隊! 直ちに王都に向かい現状の報告と浄化のための増援要請を行いなさい。これ報告書と割り符。急いで!」
「りょ、了解しました!」
1つの隊全員が乗用馬に乗って南へ走る。
「6番隊は巡礼者を最寄りに街まで護送、1と5は巡礼路の封鎖と歪虚出現時の駆除を開始。3と4はテントを張って無理でも夕方まで休みなさい。……多分、長期戦になるわ」
汚れた霧は風でも散らず、低速ではあるが確実に量を増しつつある。
浄化のための人材招集に機材搬入、儀式と護衛とその後の確認と、全てが終わるまで長い時間が必要かもしれなかった。
●かつても危険であった巡礼路
「みなさーん、大丈夫ですからゆっくり着いてきてくださいねー」
聖堂戦士団が巡礼者を先導する。
巡礼路というと宗教色が強く苛酷な道に聞こえるかもしれない。
実際には僻地以外にも巡礼路はあり、ここから子供の足で1時間でハンターズソサエティ支部がある街につく。
「隊長、あの霧どこから出てきたんでしょう?」
暇に飽いた若手の団員が尋ねると、あまり歳の変わらない6番隊隊長は巡礼の女性に愛想を振りまきつつ答えた。
「歪虚の仕業だ。けど負のマテリアルとはいえ薄かったからなぁ。雑魔1匹か2匹と思うぞ」
答える声は小声。振りまく愛想も変わらない。周囲に対する警戒も怠らない。
覚醒者としての格は低くても、信者の護り手としては合格レベルの存在だ。
「お母さん、あそこに人がいるよ?」
頑丈なブーツに旅装束の子供が、同じく金のかかった装備の女性巡礼者の手を引っ張った。
複数の視線が子供が示す場所に向く。
男が足を引きずりながらこちらに向かってくる。
ブーツは泥だらけ、外套は色あせすり切れ、聞き取れない小さな声で何かをつぶやいている。
顔には長年の辛苦が刻まれて皺ばかり。俯いているので目は見えない。
「あら。危ないわ。呼びかけないと」
若い女性が良心に従い精一杯大きな声を出す。
男の巡礼達がいいところを見せようと駆け出す。
そして聖堂戦士団達が、違和感にようやく気づいて顔を真っ青にした。
「止まってください! あれは……」
追いかけようとするが、遅い。
『エクラ、エクラ、エクラと……。死を、死を、死を……』
全く同じ内容が途切れることなく繰り返されている。
1つ1つの単語に込められた悪意と憎悪は、気づいた男の巡礼が真っ青になるほどだ。
「人間? まさか人型の歪虚!?」
聖堂戦士団が構えるメイスが震えた。
人型をとれる歪虚はだいたい高位だ。仮に高位歪虚なら全員でかかっても足止めすらできない。
『安息の死を』
汚れた巡礼者から薄い霧のようなものが生まれる。
急速に広がり視認が困難になり、気づかず近寄ってしまった巡礼者数名が意識を失いその場に倒れた。
「大丈夫です。我々が食い止めます。急がず街へ向かってください」
隊長が必死に平静を保って避難を促す。
団員達は前に出て倒れた巡礼者を回収する。
汚れた巡礼者は相変わらずだ。足を引きずりながら同じ言葉を延々とつぶやいている。
「隊長!」
「巡礼者の避難を優先させろ。我らが囮に……」
「反対側からも似たのが接近中です!」
隊長の奥歯が鳴った。
「2人連れて足止めに向かえ。急げ!」
新し物好きの部隊長に持たされた発煙筒に火をつける。
既に本隊との距離は離れていて街の方が近い。
巡礼を死守する気はある。
だが街が異常事態に気付いて救援を送り込むまで守り切る自信は正直全くなかった。
●依頼
あなたが転移装置を使おうとしたとき、支部の責任者が真っ青な顔で飛び込んできた。
「巡礼が歪虚に襲われています。馬はお貸ししますので救援にっ」
あなたは現地に向かってもいいし、現地に向かうハンターを見送ってもいい。
怪しげな教団が勢いを増し、高位の貴族が歪虚への内通を疑われ、いわゆる天使の外見をした敵まで現れる。
千年に渡って王国と共存共栄してきた聖堂教会も、今が非常時であると判断し神経を尖らせていた。
少なくとも聖堂教会中枢の一部はそう考えていた。
●平穏だった巡礼路
「はいではチェックを始めます。出来次第報告お願いねー」
『3番隊異常なし』
『4番隊異常なし』
『5番隊、野犬の群れに遭遇し現在排除中。マテリアルに異常はありません』
『6番隊です。巡礼のご一家と遭遇し今、ってお嬢ちゃん危ないからメイス触ったらダメ!』
トランシーバーを介し報告が入ってくる。
「便利な機械が出来たもんですなぁ」
古株のクルセイダーが笑みでしわを深くしながら、指揮官の私物を物珍しそうに眺めている。
青い空に白い雲が浮かび、鳥達がのんびり飛んでいる。
王国中央の混乱とはかけ離れた、徹底的に平和な光景だった。
「工夫しないと訓練の時間もとれませんから」
古株に比べれば若い女性クルセイダーが、部下達から聞き取った内容を報告書にまとめていく。
「2番隊、何か異常があった?」
まだ報告の無い部下に連絡する。
指揮官直属の1番隊の人員は、のんびりしているように見えても即座に救援に向かえる体勢だ。
『はいいえ、報告が遅れて申し訳ありません。不審なものは見かけないのですが気配が……』
指揮官と古株か視線をかわす。
「6番隊は念のため巡礼の方達を避難させなさい」
3から5には警戒と合流を命じ、指揮官は1番隊を率いて2番隊の受け持ち地域へ駆けだした。
そこには巡礼路以外何もないはずだった。
人通りは少ないとはいえ宗教的にも意味がある路だ。今回だけでなく定期的に歪虚の捜索と討伐が行われている。だから万一歪虚が現れたとしてもたいした規模にはならないはずだったのだ。
「何よ……これ」
負のマテリアルを帯びた霧が巡礼路沿いに広がっていた。
霧の密度は低い。感覚の鋭いものでなければ気付き辛いだろう。
「2番隊は再訓練ですな」
軽口を叩く古株も緊張を隠せない。
神経を研ぎ澄ませて周囲を探るが歪虚の気配は無い。
「2番隊! 直ちに王都に向かい現状の報告と浄化のための増援要請を行いなさい。これ報告書と割り符。急いで!」
「りょ、了解しました!」
1つの隊全員が乗用馬に乗って南へ走る。
「6番隊は巡礼者を最寄りに街まで護送、1と5は巡礼路の封鎖と歪虚出現時の駆除を開始。3と4はテントを張って無理でも夕方まで休みなさい。……多分、長期戦になるわ」
汚れた霧は風でも散らず、低速ではあるが確実に量を増しつつある。
浄化のための人材招集に機材搬入、儀式と護衛とその後の確認と、全てが終わるまで長い時間が必要かもしれなかった。
●かつても危険であった巡礼路
「みなさーん、大丈夫ですからゆっくり着いてきてくださいねー」
聖堂戦士団が巡礼者を先導する。
巡礼路というと宗教色が強く苛酷な道に聞こえるかもしれない。
実際には僻地以外にも巡礼路はあり、ここから子供の足で1時間でハンターズソサエティ支部がある街につく。
「隊長、あの霧どこから出てきたんでしょう?」
暇に飽いた若手の団員が尋ねると、あまり歳の変わらない6番隊隊長は巡礼の女性に愛想を振りまきつつ答えた。
「歪虚の仕業だ。けど負のマテリアルとはいえ薄かったからなぁ。雑魔1匹か2匹と思うぞ」
答える声は小声。振りまく愛想も変わらない。周囲に対する警戒も怠らない。
覚醒者としての格は低くても、信者の護り手としては合格レベルの存在だ。
「お母さん、あそこに人がいるよ?」
頑丈なブーツに旅装束の子供が、同じく金のかかった装備の女性巡礼者の手を引っ張った。
複数の視線が子供が示す場所に向く。
男が足を引きずりながらこちらに向かってくる。
ブーツは泥だらけ、外套は色あせすり切れ、聞き取れない小さな声で何かをつぶやいている。
顔には長年の辛苦が刻まれて皺ばかり。俯いているので目は見えない。
「あら。危ないわ。呼びかけないと」
若い女性が良心に従い精一杯大きな声を出す。
男の巡礼達がいいところを見せようと駆け出す。
そして聖堂戦士団達が、違和感にようやく気づいて顔を真っ青にした。
「止まってください! あれは……」
追いかけようとするが、遅い。
『エクラ、エクラ、エクラと……。死を、死を、死を……』
全く同じ内容が途切れることなく繰り返されている。
1つ1つの単語に込められた悪意と憎悪は、気づいた男の巡礼が真っ青になるほどだ。
「人間? まさか人型の歪虚!?」
聖堂戦士団が構えるメイスが震えた。
人型をとれる歪虚はだいたい高位だ。仮に高位歪虚なら全員でかかっても足止めすらできない。
『安息の死を』
汚れた巡礼者から薄い霧のようなものが生まれる。
急速に広がり視認が困難になり、気づかず近寄ってしまった巡礼者数名が意識を失いその場に倒れた。
「大丈夫です。我々が食い止めます。急がず街へ向かってください」
隊長が必死に平静を保って避難を促す。
団員達は前に出て倒れた巡礼者を回収する。
汚れた巡礼者は相変わらずだ。足を引きずりながら同じ言葉を延々とつぶやいている。
「隊長!」
「巡礼者の避難を優先させろ。我らが囮に……」
「反対側からも似たのが接近中です!」
隊長の奥歯が鳴った。
「2人連れて足止めに向かえ。急げ!」
新し物好きの部隊長に持たされた発煙筒に火をつける。
既に本隊との距離は離れていて街の方が近い。
巡礼を死守する気はある。
だが街が異常事態に気付いて救援を送り込むまで守り切る自信は正直全くなかった。
●依頼
あなたが転移装置を使おうとしたとき、支部の責任者が真っ青な顔で飛び込んできた。
「巡礼が歪虚に襲われています。馬はお貸ししますので救援にっ」
あなたは現地に向かってもいいし、現地に向かうハンターを見送ってもいい。
解説
戦闘依頼です
●敵
・堕落者
人間が死体を経ずに歪虚化したものです
人格もどれだけ残っているか分かりません
近くで見ると少し人間と異なっていることが分かります。フード付きの外套と、金属で出来た杖を持っています
移動力は1。射撃能力無し。スリープクラウドに似た術を回数制限無しで行使可能です
同じ場所に何度も術を使うと怪しげな霧が生じるようです
男性型と女性型が1体ずついます
効果範囲 3×3スクエア
効果対象 空間
効果時間 一瞬
射程 1~8スクエア
付与ST 行動不能
強度 1
・子供?
遠くからなら、フード付きのローブを着た子供に見えます。まるで翼が生えているかのように背中が膨らんでいます
移動力1未満、回避30、他能力低い
攻撃は近接のみ。射程1スクエア。命ある者に近づき殺そうとします
至近距離から観察すれば、この子供に見えるものが真っ当な生き物で無いことに気づけます
●味方
・聖堂戦士団
全員クルセイダーです。初心者ハンター並の練度。スキルは使い尽くしています
残り生命力も5割を切っています
全員メイスと厚めの皮鎧を装備。移動力2。徒歩
●地図(1文字縦横50メートル)
abcde
あ□歪□□□ □=平地。丈の低い草が一面に広がっています。縦横各50メートル
い□道□□□ 道=平地。幅2メートルの石畳の道が1本あります
う□道□□□ 霧=平地。道あり。薄い霧が立ちこめています。毎ターン強度1の抵抗に成功しないと「眠り」
え□1□□□ 1=平地。巡礼者9名。成人男性。混乱中。「bお」から「aお」に移動する可能性大
お道2道□□ 2=平地。巡礼者10名。女性と子供。道に沿って「eき」を目指す予定
か子□道□□ 歪=平地。道あり。人型1体と聖堂戦士団3人が戦闘中。歪虚優勢
き□□霧道ハ 子=平地。道あり。小型の敵2体が低速で「aお」へ移動中
く□□歪□□ ハ=平地。道あり。ハンター初期位置
●敵
・堕落者
人間が死体を経ずに歪虚化したものです
人格もどれだけ残っているか分かりません
近くで見ると少し人間と異なっていることが分かります。フード付きの外套と、金属で出来た杖を持っています
移動力は1。射撃能力無し。スリープクラウドに似た術を回数制限無しで行使可能です
同じ場所に何度も術を使うと怪しげな霧が生じるようです
男性型と女性型が1体ずついます
効果範囲 3×3スクエア
効果対象 空間
効果時間 一瞬
射程 1~8スクエア
付与ST 行動不能
強度 1
・子供?
遠くからなら、フード付きのローブを着た子供に見えます。まるで翼が生えているかのように背中が膨らんでいます
移動力1未満、回避30、他能力低い
攻撃は近接のみ。射程1スクエア。命ある者に近づき殺そうとします
至近距離から観察すれば、この子供に見えるものが真っ当な生き物で無いことに気づけます
●味方
・聖堂戦士団
全員クルセイダーです。初心者ハンター並の練度。スキルは使い尽くしています
残り生命力も5割を切っています
全員メイスと厚めの皮鎧を装備。移動力2。徒歩
●地図(1文字縦横50メートル)
abcde
あ□歪□□□ □=平地。丈の低い草が一面に広がっています。縦横各50メートル
い□道□□□ 道=平地。幅2メートルの石畳の道が1本あります
う□道□□□ 霧=平地。道あり。薄い霧が立ちこめています。毎ターン強度1の抵抗に成功しないと「眠り」
え□1□□□ 1=平地。巡礼者9名。成人男性。混乱中。「bお」から「aお」に移動する可能性大
お道2道□□ 2=平地。巡礼者10名。女性と子供。道に沿って「eき」を目指す予定
か子□道□□ 歪=平地。道あり。人型1体と聖堂戦士団3人が戦闘中。歪虚優勢
き□□霧道ハ 子=平地。道あり。小型の敵2体が低速で「aお」へ移動中
く□□歪□□ ハ=平地。道あり。ハンター初期位置
マスターより
敬虔なエクラ教信者の夫婦が巡礼の過程で子供を亡くし、その後ある存在に惑わされ……という背景もありますが無視しても全く問題なしです
今回登場する敵は全て、仮に元は人間であったとしても元に戻す方法は存在しません
この依頼は戦闘としての難易度は低めです。ロールプレイ重視のプレイングもお待ちしています
【審判】の他依頼に参加していても全く問題有りません。問題ない感じで判定および描写されます
今回登場する敵は全て、仮に元は人間であったとしても元に戻す方法は存在しません
この依頼は戦闘としての難易度は低めです。ロールプレイ重視のプレイングもお待ちしています
【審判】の他依頼に参加していても全く問題有りません。問題ない感じで判定および描写されます
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/04/17 15:36
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/04/05 22:34:30 |
|
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相談卓 火椎 帝(ka5027) 人間(リアルブルー)|19才|男性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2016/04/07 04:56:23 |