ゲスト
(ka0000)
惨殺乙女人形奇譚
マスター:えーてる

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 不明
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/08/28 19:00
- リプレイ完成予定
- 2014/09/06 19:00
オープニング
●
遺言を執行する。
それはそのために生まれたのだから、そこに善悪を差し挟むことはない。
「執行します」
この世の邪なる現実に、敬愛する主の遺言を執り行う。
縁を切る、意図を切る、衣を切るために、その手に鋏。
恐怖に歪んだその顔を、貴様は何度見てきただろうか。
譫言のような命乞いを、貴様は何度踏みにじったのか。
それら全ては感覚質を伴わない虚構であり、情緒ではなく、ただ刺激に対して然るべき処理を行った結果である。
即ち、便宜的に彼女と呼ばれるそれに刻まれた、指向性という遺言。
遺言を執行する。
それが存在意義であるから、善悪などは問うことがない。
情緒を感じさせる仕草も、悲哀を思わせる表情も――それはマテリアルのうねりが再現する上辺だけの反応だ。
そこにあるのは妄執の産物、終わらない悲劇、悪意の権化……血に濡れた人形、それと。
裁断された人の皮――。
●
男は悪党であった。
弱者を虐げて利を得て欲を成す事を好んでいた。
盗みを働いた貧民街の孤児を見せしめに殺害し、借金のカタに魔術師の娘をバラして売り捌き、人を攫っては違法な業務に従事させ、露見すれば責任をなすりつけた。
そうして得た金で娼館へ出向き、酒を飲み、食道楽をして暮らしていた。
嗜虐的な人間であった。それなりの武力も保持していた。
女も金も酒も、不自由はしなかった。男は人生の絶頂にいた。
それが来るまでは。
路地裏の深い所で、男は借金を返せなくなった女を組み伏せていた。
そこにふらりとそれはやってきた。
「執行します」
鋏。
そして、人形である。
そのドレスの斑な黒が凝固した血の色だと、暴力に慣れた男はすぐに気付いた。
「貴方ですか」
その顔がいつか惨殺した少女の顔だということも、すぐに気付いた。
女を追い詰めるために男は袋小路にいたわけであり、逃げ場がないことも――すぐに――鋏が開く――背に壁――笑う人形――。
「私と同じにしてあげます」
――じょき。
●
ここ一月、その都市では不可解な殺人事件が頻発している。
路地裏、廃墟、そういった人の寄り付かない場所の中でも後ろ暗い住人が使う区域で、ズタズタに刻まれた男の死体が散見されるようになった。
「犠牲者の男の殆どは、悪どい商売や違法な取引を生業にする者でした。鋏に類するかなり大型の裁断用具によって四肢と首を落とされ、腹を開かれていたようです」
殆ど、という言い回しに違和感を覚え、尋ね返す。
眼鏡の凛々しい受付の美女も小さく頷いた。
「残る一部は、その男たちによって搾取を受けた被害者たちです。少数の男性と、多くの女性が。異質なのは、それら『真っ当な被害者』の死に方なのです」
彼らは、男の殺害に巻き込まれて死んでいたらしい。組み伏せられたり、殴られて地に倒れていた結果、男の裁断時に纏めて切断されたようだ。
「状況、状態に関わらず、真っ当ではない男性を狙って殺害し、その結果巻き込まれて搾取されていた被害者も死んでいる。目標の選定基準からして怨恨の線と見て間違いありませんが、一方でその犯行は無差別的で、二次被害を考慮していない」
真っ当でないなどと言うならば、一番おかしいのはこれをやっている犯人だ。
「さて、ここまでであれば我々ハンターズソサエティの管轄外なのですが、つい先日進展がありました。真っ当な被害者が、生きて帰ってきたのです」
足首から下を綺麗に喪失したその被害者は、警察機関にこう語ったのだ。
曰く――『泣き笑いをした女人形の雑魔が、馬鹿げた膂力で男を振り回して叩きのめすと、身の丈ほどの大きさの鋏でじょきじょきと切り開いた』。
「今回の依頼は、その雑魔の破壊、停止です。依頼概要は以上です」
遺言を執行する。
それはそのために生まれたのだから、そこに善悪を差し挟むことはない。
「執行します」
この世の邪なる現実に、敬愛する主の遺言を執り行う。
縁を切る、意図を切る、衣を切るために、その手に鋏。
恐怖に歪んだその顔を、貴様は何度見てきただろうか。
譫言のような命乞いを、貴様は何度踏みにじったのか。
それら全ては感覚質を伴わない虚構であり、情緒ではなく、ただ刺激に対して然るべき処理を行った結果である。
即ち、便宜的に彼女と呼ばれるそれに刻まれた、指向性という遺言。
遺言を執行する。
それが存在意義であるから、善悪などは問うことがない。
情緒を感じさせる仕草も、悲哀を思わせる表情も――それはマテリアルのうねりが再現する上辺だけの反応だ。
そこにあるのは妄執の産物、終わらない悲劇、悪意の権化……血に濡れた人形、それと。
裁断された人の皮――。
●
男は悪党であった。
弱者を虐げて利を得て欲を成す事を好んでいた。
盗みを働いた貧民街の孤児を見せしめに殺害し、借金のカタに魔術師の娘をバラして売り捌き、人を攫っては違法な業務に従事させ、露見すれば責任をなすりつけた。
そうして得た金で娼館へ出向き、酒を飲み、食道楽をして暮らしていた。
嗜虐的な人間であった。それなりの武力も保持していた。
女も金も酒も、不自由はしなかった。男は人生の絶頂にいた。
それが来るまでは。
路地裏の深い所で、男は借金を返せなくなった女を組み伏せていた。
そこにふらりとそれはやってきた。
「執行します」
鋏。
そして、人形である。
そのドレスの斑な黒が凝固した血の色だと、暴力に慣れた男はすぐに気付いた。
「貴方ですか」
その顔がいつか惨殺した少女の顔だということも、すぐに気付いた。
女を追い詰めるために男は袋小路にいたわけであり、逃げ場がないことも――すぐに――鋏が開く――背に壁――笑う人形――。
「私と同じにしてあげます」
――じょき。
●
ここ一月、その都市では不可解な殺人事件が頻発している。
路地裏、廃墟、そういった人の寄り付かない場所の中でも後ろ暗い住人が使う区域で、ズタズタに刻まれた男の死体が散見されるようになった。
「犠牲者の男の殆どは、悪どい商売や違法な取引を生業にする者でした。鋏に類するかなり大型の裁断用具によって四肢と首を落とされ、腹を開かれていたようです」
殆ど、という言い回しに違和感を覚え、尋ね返す。
眼鏡の凛々しい受付の美女も小さく頷いた。
「残る一部は、その男たちによって搾取を受けた被害者たちです。少数の男性と、多くの女性が。異質なのは、それら『真っ当な被害者』の死に方なのです」
彼らは、男の殺害に巻き込まれて死んでいたらしい。組み伏せられたり、殴られて地に倒れていた結果、男の裁断時に纏めて切断されたようだ。
「状況、状態に関わらず、真っ当ではない男性を狙って殺害し、その結果巻き込まれて搾取されていた被害者も死んでいる。目標の選定基準からして怨恨の線と見て間違いありませんが、一方でその犯行は無差別的で、二次被害を考慮していない」
真っ当でないなどと言うならば、一番おかしいのはこれをやっている犯人だ。
「さて、ここまでであれば我々ハンターズソサエティの管轄外なのですが、つい先日進展がありました。真っ当な被害者が、生きて帰ってきたのです」
足首から下を綺麗に喪失したその被害者は、警察機関にこう語ったのだ。
曰く――『泣き笑いをした女人形の雑魔が、馬鹿げた膂力で男を振り回して叩きのめすと、身の丈ほどの大きさの鋏でじょきじょきと切り開いた』。
「今回の依頼は、その雑魔の破壊、停止です。依頼概要は以上です」
解説
●目標
雑魔の撃破
●敵情報
・雑魔
等身大の女人形の姿を取る雑魔です。
頑丈であり、攻撃力も高く、身の丈ほどの巨大な鋏で武装しています。
鋏による切断攻撃は二ターン連続して行われ、武器・防具の破損が起こりえます。
一度目で対象を鋏で捉えます。高めのダメージと共に移動不能状態にします。次の行動で力を込めた切断攻撃を行います。移動不能状態の場合必中です。
一度目が命中した場合、抵抗を目標値にした判定に成功すれば状態異常は回避出来ます。失敗した場合は次ラウンドのファーストアクションでもう一度判定を行います。
鋏を閉じたまま打撃攻撃する場合、標準的な威力を持ちますが、二回攻撃となります。
他、素手での格闘なども考えられますが、威力は当然上記二つに劣ります。
仕込み武器の類はなく、膂力と武器による戦闘を主とします。
言語・行動に対して反応し、言語や行動を返しますが、それは知性からくるものではありません。
危機を察知した犬が吠えるのと同じ、外界の刺激への反射的な応答です。
決められた行動以外を取ることはありませんし、言語を解するわけでもありません。
●状況
雑魔は主に人気のない裏路地や廃墟、スラム街を巡回しています。
人目を避けるように行動しつつ、人間を観察して殺害対象を選定しています。
路地は場所によって一から二スクエア。
スラムの道は二から三スクエア。
廃墟は概ね八~十スクエア四方を四分割した二階建てであることが多いです。崩壊している場所もあるでしょう。
雑魔の撃破
●敵情報
・雑魔
等身大の女人形の姿を取る雑魔です。
頑丈であり、攻撃力も高く、身の丈ほどの巨大な鋏で武装しています。
鋏による切断攻撃は二ターン連続して行われ、武器・防具の破損が起こりえます。
一度目で対象を鋏で捉えます。高めのダメージと共に移動不能状態にします。次の行動で力を込めた切断攻撃を行います。移動不能状態の場合必中です。
一度目が命中した場合、抵抗を目標値にした判定に成功すれば状態異常は回避出来ます。失敗した場合は次ラウンドのファーストアクションでもう一度判定を行います。
鋏を閉じたまま打撃攻撃する場合、標準的な威力を持ちますが、二回攻撃となります。
他、素手での格闘なども考えられますが、威力は当然上記二つに劣ります。
仕込み武器の類はなく、膂力と武器による戦闘を主とします。
言語・行動に対して反応し、言語や行動を返しますが、それは知性からくるものではありません。
危機を察知した犬が吠えるのと同じ、外界の刺激への反射的な応答です。
決められた行動以外を取ることはありませんし、言語を解するわけでもありません。
●状況
雑魔は主に人気のない裏路地や廃墟、スラム街を巡回しています。
人目を避けるように行動しつつ、人間を観察して殺害対象を選定しています。
路地は場所によって一から二スクエア。
スラムの道は二から三スクエア。
廃墟は概ね八~十スクエア四方を四分割した二階建てであることが多いです。崩壊している場所もあるでしょう。
マスターより
えーてるです。球体関節が好きです。
今回は下手を打つと首がちょきんといってしまうかもしれません。
皆様の知力と武力の限りを尽くしたプレイングをお待ちしています。
今回は下手を打つと首がちょきんといってしまうかもしれません。
皆様の知力と武力の限りを尽くしたプレイングをお待ちしています。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/08/30 23:22
参加者一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 マッシュ・アクラシス(ka0771) 人間(クリムゾンウェスト)|26才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2014/08/28 01:38:36 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/08/23 17:40:06 |