ゲスト
(ka0000)
とあるエルフの、生きる力(みち)
マスター:DoLLer

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/04/17 09:00
- リプレイ完成予定
- 2016/04/26 09:00
オープニング
ここはエルフハイム。エルフの一大集落とされる帝国南部の巨大な森。
永らくの人間達との確執と、少しずつ失われゆく種の限界に立たされた長命不老の彼らは、外と交流しようとする維新派、今までの鎖国然とした体制を貫く恭順派と派閥を作り内部でも虎視眈々と同族と睨みあう、表向きには穏やかだけれども。そんな世界を作り上げていた。
だが、そんなエルフも命は命。人より長いと言えどもいずれは尽きて自然に還る。
マテリアルと親和性の高いエルフ達はとかくマテリアルの歪みを恐れる。正のマテリアルに満ちた空間は彼らの意識を高次元に導くが、負のマテリアルにさらされれば身体も精神も歪み、死の病と隣り合わせになってしまう。
だから、維新派も恭順派も。すべからく命を昇華した後はエルフハイムから外れる。死は負のマテリアルを生み出す可能性があるから、極力エルフハイムを外れた森の中に埋葬する。大地は負のマテリアルを生まないようにゆっくりとその死骸を包み込んで、新たな生を作り、そして森を広げていくのだ。
故に森はエルフ達にとって祖先であり、家族であり、兄弟であるため、振り返ることなどそうはない。いつも身近に彼らはいる。
それでも人間達が墓標に祈りを捧げるように、近親者の死後を悼み埋葬した場所に花を送ることも珍しくはなかった。
今日、エルフの娘、サイアが自らの両親が眠る場所にやって来たのもそれが理由であった。
「まったく……ミーファったらお父様とお母様の御命日にも帰ってこないなんて」
彼女の妹は人間社会に飛び出たまま、手紙はよこすが顔は見せない。
サイアだって外が賑やかで楽しい世界であることは知っている。だが、エルフが住むような世界ではないし、何より自分たちを育ててくれたこの森での役目を放棄して飛び出す妹の思考が理解できなかった。
何よりマテリアルの歪み、自然ならざる世界の臭い。サイアは好きになれなかった。
そう、目の前から漂うような、様々な臭いが入り混じり吐き気を催すような……
「!」
サイアは異変に気が付いて足を止めた。この胸苦しさは森では感じたことはなかった。
恐る恐る繁みに隠れ、その向こうに広がる若い森を覗き込むと。そいつはいた。
巨人だった。4mはあろうか。
筋ばかりで顔はなく、ところどころに毛が生えているばかり。いや違う。頭も顔も、首も胸も腕も腹も。全部死体で作られていた。腕を上げたままの死体を7体か8体と組み合わせて一つの脚とし、ところどころに映える毛とは髪の毛であった。男もいれば女もいる。腐り落ちてほぼ白骨化したものもいれば、ぐずぐずの腐敗のど真ん中にいるものもいる。
それはゆっくりと木の手前にうずくまると肋骨で作った指で、地面をほじくり返していた。
「やめて……」
そこは大切な人が眠る場所なの。
ぽそりと呟いたその言葉は巨人に届くはずもない。
『オォ ミツケタゾォイ』
どこから声を出しているのか、くぐもった翁の声を上げたその巨人はずるると骨を引きずり出した。
「やめて」
巨人の身体がぐにゃりと歪んで胸元に大きな穴が現れ、その中に骨をねじ込んでいく。さも嬉しそうに。
自分の親が食われていく。大切な想い出が。自らの心の支えが。
「やめてぇぇぇぇっ!!!!」
サイアは叫んだ。戦ったことなど一度もない。一般人なのだ。
だが、神聖な領域荒らす者をサイアは指をくわえて見ているほど冷静な臆病にはなれなかった。
『イイ素体ジャナア 身体ハゾンビニ 血ハ剣ニ使オウカ』
どこで音を出しているのかわからないが、翁のような声が天から降ってくるころには、サイアは吹き飛ばされて大樹に磔にされていた。
痛みで身体が悲鳴を上げ、衝撃で呼吸ができず、サイアはくらくらとした。
だが、負けるわけにはいかない。
その想いが、奇跡を呼んだのか。
一つは打ち付けられた大樹からを這うツタが、彼女の怒りに応えてマテリアル風と共に渦巻き、力を貸してくれたこと。
そして、もう一つは、『あなた』達が巨人との間に立っていたことだった。
永らくの人間達との確執と、少しずつ失われゆく種の限界に立たされた長命不老の彼らは、外と交流しようとする維新派、今までの鎖国然とした体制を貫く恭順派と派閥を作り内部でも虎視眈々と同族と睨みあう、表向きには穏やかだけれども。そんな世界を作り上げていた。
だが、そんなエルフも命は命。人より長いと言えどもいずれは尽きて自然に還る。
マテリアルと親和性の高いエルフ達はとかくマテリアルの歪みを恐れる。正のマテリアルに満ちた空間は彼らの意識を高次元に導くが、負のマテリアルにさらされれば身体も精神も歪み、死の病と隣り合わせになってしまう。
だから、維新派も恭順派も。すべからく命を昇華した後はエルフハイムから外れる。死は負のマテリアルを生み出す可能性があるから、極力エルフハイムを外れた森の中に埋葬する。大地は負のマテリアルを生まないようにゆっくりとその死骸を包み込んで、新たな生を作り、そして森を広げていくのだ。
故に森はエルフ達にとって祖先であり、家族であり、兄弟であるため、振り返ることなどそうはない。いつも身近に彼らはいる。
それでも人間達が墓標に祈りを捧げるように、近親者の死後を悼み埋葬した場所に花を送ることも珍しくはなかった。
今日、エルフの娘、サイアが自らの両親が眠る場所にやって来たのもそれが理由であった。
「まったく……ミーファったらお父様とお母様の御命日にも帰ってこないなんて」
彼女の妹は人間社会に飛び出たまま、手紙はよこすが顔は見せない。
サイアだって外が賑やかで楽しい世界であることは知っている。だが、エルフが住むような世界ではないし、何より自分たちを育ててくれたこの森での役目を放棄して飛び出す妹の思考が理解できなかった。
何よりマテリアルの歪み、自然ならざる世界の臭い。サイアは好きになれなかった。
そう、目の前から漂うような、様々な臭いが入り混じり吐き気を催すような……
「!」
サイアは異変に気が付いて足を止めた。この胸苦しさは森では感じたことはなかった。
恐る恐る繁みに隠れ、その向こうに広がる若い森を覗き込むと。そいつはいた。
巨人だった。4mはあろうか。
筋ばかりで顔はなく、ところどころに毛が生えているばかり。いや違う。頭も顔も、首も胸も腕も腹も。全部死体で作られていた。腕を上げたままの死体を7体か8体と組み合わせて一つの脚とし、ところどころに映える毛とは髪の毛であった。男もいれば女もいる。腐り落ちてほぼ白骨化したものもいれば、ぐずぐずの腐敗のど真ん中にいるものもいる。
それはゆっくりと木の手前にうずくまると肋骨で作った指で、地面をほじくり返していた。
「やめて……」
そこは大切な人が眠る場所なの。
ぽそりと呟いたその言葉は巨人に届くはずもない。
『オォ ミツケタゾォイ』
どこから声を出しているのか、くぐもった翁の声を上げたその巨人はずるると骨を引きずり出した。
「やめて」
巨人の身体がぐにゃりと歪んで胸元に大きな穴が現れ、その中に骨をねじ込んでいく。さも嬉しそうに。
自分の親が食われていく。大切な想い出が。自らの心の支えが。
「やめてぇぇぇぇっ!!!!」
サイアは叫んだ。戦ったことなど一度もない。一般人なのだ。
だが、神聖な領域荒らす者をサイアは指をくわえて見ているほど冷静な臆病にはなれなかった。
『イイ素体ジャナア 身体ハゾンビニ 血ハ剣ニ使オウカ』
どこで音を出しているのかわからないが、翁のような声が天から降ってくるころには、サイアは吹き飛ばされて大樹に磔にされていた。
痛みで身体が悲鳴を上げ、衝撃で呼吸ができず、サイアはくらくらとした。
だが、負けるわけにはいかない。
その想いが、奇跡を呼んだのか。
一つは打ち付けられた大樹からを這うツタが、彼女の怒りに応えてマテリアル風と共に渦巻き、力を貸してくれたこと。
そして、もう一つは、『あなた』達が巨人との間に立っていたことだった。
解説
●目的
死体をより合わせて作った巨人の撃退
●舞台
エルフハイムから外れ、外部の人間でも立ち入れるくらいの場所の開けた森です。
少しだけ開けた場所になっていますが、木々が生い茂っています。
時刻は朝
●敵情報
巨人(ゾンビ型)
たくさんの死体をより合わせて一体の巨人として作られた屍の塊です。
サイズ2、攻撃方法は魔獣の爪、押しつぶし、炎のブレス。
見た目の割には割と機敏です。
HPが大きく減少するか、一定時間経過で退場します。
●味方情報
サイア 覚醒したて 聖導士
HPが半減した状態で開始します。皆様の後ろにいることになります。
使えるスキルはヒールのみです。
エルフハイム以外の人には少し警戒する様子を見せますが、話をしないとか協力を拒むようなことはしません。
死体をより合わせて作った巨人の撃退
●舞台
エルフハイムから外れ、外部の人間でも立ち入れるくらいの場所の開けた森です。
少しだけ開けた場所になっていますが、木々が生い茂っています。
時刻は朝
●敵情報
巨人(ゾンビ型)
たくさんの死体をより合わせて一体の巨人として作られた屍の塊です。
サイズ2、攻撃方法は魔獣の爪、押しつぶし、炎のブレス。
見た目の割には割と機敏です。
HPが大きく減少するか、一定時間経過で退場します。
●味方情報
サイア 覚醒したて 聖導士
HPが半減した状態で開始します。皆様の後ろにいることになります。
使えるスキルはヒールのみです。
エルフハイム以外の人には少し警戒する様子を見せますが、話をしないとか協力を拒むようなことはしません。
マスターより
基本条件には入ってませんが、あんまり森を傷つけないであげてくださいね。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/04/25 19:02
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 リュカ(ka3828) エルフ|27才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2016/04/17 08:34:02 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/04/12 12:30:11 |