ゲスト
(ka0000)
Rest in peace
マスター:坂上テンゼン

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/05/04 15:00
- リプレイ完成予定
- 2016/05/13 15:00
オープニング
●Daily tragedy
「――ジョンの魂が光と共にあらんことを」
院長は悲痛な顔でそう言い、目を閉じた。――誰もが悲痛な顔をしていた。
ジョンはまだ6歳だった。この修道院にある孤児院の子供の一人だった。共に過ごした年月は短かかったが、修道女である私にとっては自分の子供も同然だった。
その子供を奪われたのだ。
小さな棺に土が被せられていくのを見ながら思い出す。
二日前の夕方の事だった。
泥だらけになったテレーズが泣きながら帰ってきたのは。
「化け物が」――それだけは何とか口にできた。
テレーズは他の子供たちと一緒に近くの森で遊んでいたのだったが、慌てて私達を呼びにきた。急いでテレーズの示す場所に行ってみると、そこには衝撃的な光景が広がっていた。
ジョンはそこにいた。うつぶせになって、自らの血でできた池の上に。
そうして哀れなジョンの遺体は、今ではあの小さな棺の中に収められている。
何の罪もないいたいけな子供が、何故殺されなければならなかったのか……。
やり場のない想いを抱えた私を含む修道院の有志数名が現場を調べた所、不可思議な足跡をみつけた。あれは人間のものではなかった。
サイズは人間とそう変わらないものであったが、ひどく細長い。
無秩序に徘徊した形跡があるが明らかに特定の方向から伸びていた。
その方向にあるものは打ち捨てられた古い聖堂だけだ。
色々な理由で使われなくなり、現在は封鎖されている。中には入れないから、どんな物好きの隠棲者がいたとしてもそこには住んでいないはずだ。
しかし足跡を追ってみれば、行き着く先はその古い聖堂だった。
恐る恐る近づいて見てみた。封鎖されていたはずなのに、扉が開いていた……。
中に入るのは危険と見て、私達はそこで引き返した。
テレーズは彼女が見たという化け物について語ってくれた。
幼い彼女の知識ではそれが何なのかはわからなかったこともあったようだが、それでも一生懸命に語ってくれたので、大体の想像はついた。
それはスケルトンだ。歪虚である。
半年ほど前から、歪虚によって巡礼者が襲撃されるという事件が相次いでいた。
私のいる修道院も巡礼路の一点であり、他人事ではなかったという認識はあった。
しかし襲われるのは巡礼者だけだと、どこかで思い込んでいたのかもしれない……。
巡礼路はもはや昔通りのものではなくなった。巡礼者を襲っていた歪虚そのものでなくとも、巡礼路でそれだけの事件が起これば、負のマテリアルが蓄積し、雑魔が発生することも充分に考えられるのかもしれない。何を隠そう例の古い聖堂も巡礼路に連なっているのだ。
今のグラズヘイム王国では……いやクリムゾンウエストという世界では、いつどこで歪虚が発生するかまったく予測がつかないのだ。
●Unforgiven
私は――アハズヤ・ナルガイは覚醒者である。
修道女となったのちにそれが発覚し、それからはハンターとして活動していた。
それが光の導きだと信じて……いや、そう思いたかっただけかもしれない。
少なくとも周囲は信じていた。家族も修道院の皆も誰もが喜んで戦いの道を勧めた。
だが、戦場で歪虚と戦う事は修道院で祈りを捧げるのとは全く違い……早い話が過度のストレスだった。
それを適切に処理できず、私は道を外した。
窃盗、強盗、恐喝……同じ様な奴らと一緒に非行を働いた。全てが憎かった……私に責任を押し付けた周囲も……こんな道を歩ませた自分の能力も……この生き方を神聖視する信仰も……。
だから信仰を汚す意味合いもこめて、わざと修道服を着て非行に走っていたぐらいだ。
だが、そんな日々も長くは続かなかった。悪事を聞きつけたハンター達が派遣され、捕縛されてしまったのだ。
その後はハンターとして復帰する道もあったが、私は真っ当に生きていた頃に所属していた修道院に戻った。戦いから離れたかったからだ。
私の望みは叶えられた。誰も、それを咎めはしなかった……。
しかし……戦わないという選択は、奪われることを黙って見ているということにもなり得ると……
私は大切なものを失って初めて気づいた…………。
気づけば、かつてハンターとして活動していた頃の装備を確認していた。
アサルトライフルの重みが、妙に頼もしく思えた。こんな風に感じた事は、初めてだった。
●Sister Act
「……それでは依頼の説明をさせて頂きますね。依頼人はこちらの、元ハンターの……」
「元ハンター『崩れ』、よ」
王都イルダーナのハンターオフィスで、私は依頼の説明をする職員を遮ってそう言った。院長の名で出された依頼であるが、私が同行することも許可を得ている。
遮ったのは、私がこれからハンターに復帰するつもりだからだ。
「アハズヤ・ナルガイ、聖導師……同行させてもらう。よろしく頼むわ」
そして集まったハンター達に説明を始めた。
……二度とジョンの様な犠牲者を生みたくはない。もう失うのは嫌だ。
説明している間もそんな考えに支配されていた。
「――ジョンの魂が光と共にあらんことを」
院長は悲痛な顔でそう言い、目を閉じた。――誰もが悲痛な顔をしていた。
ジョンはまだ6歳だった。この修道院にある孤児院の子供の一人だった。共に過ごした年月は短かかったが、修道女である私にとっては自分の子供も同然だった。
その子供を奪われたのだ。
小さな棺に土が被せられていくのを見ながら思い出す。
二日前の夕方の事だった。
泥だらけになったテレーズが泣きながら帰ってきたのは。
「化け物が」――それだけは何とか口にできた。
テレーズは他の子供たちと一緒に近くの森で遊んでいたのだったが、慌てて私達を呼びにきた。急いでテレーズの示す場所に行ってみると、そこには衝撃的な光景が広がっていた。
ジョンはそこにいた。うつぶせになって、自らの血でできた池の上に。
そうして哀れなジョンの遺体は、今ではあの小さな棺の中に収められている。
何の罪もないいたいけな子供が、何故殺されなければならなかったのか……。
やり場のない想いを抱えた私を含む修道院の有志数名が現場を調べた所、不可思議な足跡をみつけた。あれは人間のものではなかった。
サイズは人間とそう変わらないものであったが、ひどく細長い。
無秩序に徘徊した形跡があるが明らかに特定の方向から伸びていた。
その方向にあるものは打ち捨てられた古い聖堂だけだ。
色々な理由で使われなくなり、現在は封鎖されている。中には入れないから、どんな物好きの隠棲者がいたとしてもそこには住んでいないはずだ。
しかし足跡を追ってみれば、行き着く先はその古い聖堂だった。
恐る恐る近づいて見てみた。封鎖されていたはずなのに、扉が開いていた……。
中に入るのは危険と見て、私達はそこで引き返した。
テレーズは彼女が見たという化け物について語ってくれた。
幼い彼女の知識ではそれが何なのかはわからなかったこともあったようだが、それでも一生懸命に語ってくれたので、大体の想像はついた。
それはスケルトンだ。歪虚である。
半年ほど前から、歪虚によって巡礼者が襲撃されるという事件が相次いでいた。
私のいる修道院も巡礼路の一点であり、他人事ではなかったという認識はあった。
しかし襲われるのは巡礼者だけだと、どこかで思い込んでいたのかもしれない……。
巡礼路はもはや昔通りのものではなくなった。巡礼者を襲っていた歪虚そのものでなくとも、巡礼路でそれだけの事件が起これば、負のマテリアルが蓄積し、雑魔が発生することも充分に考えられるのかもしれない。何を隠そう例の古い聖堂も巡礼路に連なっているのだ。
今のグラズヘイム王国では……いやクリムゾンウエストという世界では、いつどこで歪虚が発生するかまったく予測がつかないのだ。
●Unforgiven
私は――アハズヤ・ナルガイは覚醒者である。
修道女となったのちにそれが発覚し、それからはハンターとして活動していた。
それが光の導きだと信じて……いや、そう思いたかっただけかもしれない。
少なくとも周囲は信じていた。家族も修道院の皆も誰もが喜んで戦いの道を勧めた。
だが、戦場で歪虚と戦う事は修道院で祈りを捧げるのとは全く違い……早い話が過度のストレスだった。
それを適切に処理できず、私は道を外した。
窃盗、強盗、恐喝……同じ様な奴らと一緒に非行を働いた。全てが憎かった……私に責任を押し付けた周囲も……こんな道を歩ませた自分の能力も……この生き方を神聖視する信仰も……。
だから信仰を汚す意味合いもこめて、わざと修道服を着て非行に走っていたぐらいだ。
だが、そんな日々も長くは続かなかった。悪事を聞きつけたハンター達が派遣され、捕縛されてしまったのだ。
その後はハンターとして復帰する道もあったが、私は真っ当に生きていた頃に所属していた修道院に戻った。戦いから離れたかったからだ。
私の望みは叶えられた。誰も、それを咎めはしなかった……。
しかし……戦わないという選択は、奪われることを黙って見ているということにもなり得ると……
私は大切なものを失って初めて気づいた…………。
気づけば、かつてハンターとして活動していた頃の装備を確認していた。
アサルトライフルの重みが、妙に頼もしく思えた。こんな風に感じた事は、初めてだった。
●Sister Act
「……それでは依頼の説明をさせて頂きますね。依頼人はこちらの、元ハンターの……」
「元ハンター『崩れ』、よ」
王都イルダーナのハンターオフィスで、私は依頼の説明をする職員を遮ってそう言った。院長の名で出された依頼であるが、私が同行することも許可を得ている。
遮ったのは、私がこれからハンターに復帰するつもりだからだ。
「アハズヤ・ナルガイ、聖導師……同行させてもらう。よろしく頼むわ」
そして集まったハンター達に説明を始めた。
……二度とジョンの様な犠牲者を生みたくはない。もう失うのは嫌だ。
説明している間もそんな考えに支配されていた。
解説
目標:
古びた聖堂にいる歪虚を全て退治する
敵:
スケルトン
聖堂の地下に納められていた人骨が負のマテリアルの影響を受け歪虚となったもの。聖堂の各所に徘徊している。骨格はばらばらに出来るため、狭い場所に潜む事もできる。
スキル:
乱刃 自分の前と斜め左右の3スクエアを攻撃。敵味方識別可
肋骨投げ 射程0~5の射撃攻撃
可燃 光・火属性のダメージが1.5倍
数:多数
スケルトン・メイジ
高濃度の負のマテリアルを保有する個体。少数が徘徊している。
スキル:
魔法の矢 射程0~20の魔法攻撃
可燃 光・火属性のダメージが1.5倍
数:少数
ボーン・アッセンブリー
濃厚な負のマテリアルと死者の想念が納骨堂に納められた無数の人骨と結びつき変化した歪虚。無数の骨の集まりであり、自由に形を変える巨大な骨の彫刻のような姿をしている。言葉のようなものを発するが知性はなく、会話は不可能。サイズ2。最下層の納骨堂に陣取っている。
スキル:
ネガティヴ・ファイア 射程1~12、範囲直径5スクエアの闇属性魔法攻撃。敵味方識別化。
ネガティヴ・ブリザード 射程1~13、範囲直径3スクエアの闇属性魔法攻撃。敵味方識別化。
可燃 光・火属性のダメージが1.5倍
数:一体
地形:
聖堂の中は暗く、通路は狭いので大きな武器は振り回せないだろう。銃を使うなら跳弾にも注意をする必要がある。通路に並べるのは2人まで。障害物も多く敵が潜む場所も多い。
一方で広い部屋もあり、ここでは全員が隊列を気にせず、武器も選ばずに戦えるだろう。入り口近くの礼拝堂、最奥の納骨堂は広い。
敵は徘徊しているか待ち伏せしている。徘徊しているものは斥候や聞き耳などで検知可能。待ち伏せしているものは先に見つけるしかない。
戦力:
同行NPC一人
アハズヤ・ナルガイ 聖堂師 クリムゾンウエスト人
武器:アサルトライフル、ホーリーメイス
※アサルトライフルを狭い所でぶっ放さない程度の判断力はある
古びた聖堂にいる歪虚を全て退治する
敵:
スケルトン
聖堂の地下に納められていた人骨が負のマテリアルの影響を受け歪虚となったもの。聖堂の各所に徘徊している。骨格はばらばらに出来るため、狭い場所に潜む事もできる。
スキル:
乱刃 自分の前と斜め左右の3スクエアを攻撃。敵味方識別可
肋骨投げ 射程0~5の射撃攻撃
可燃 光・火属性のダメージが1.5倍
数:多数
スケルトン・メイジ
高濃度の負のマテリアルを保有する個体。少数が徘徊している。
スキル:
魔法の矢 射程0~20の魔法攻撃
可燃 光・火属性のダメージが1.5倍
数:少数
ボーン・アッセンブリー
濃厚な負のマテリアルと死者の想念が納骨堂に納められた無数の人骨と結びつき変化した歪虚。無数の骨の集まりであり、自由に形を変える巨大な骨の彫刻のような姿をしている。言葉のようなものを発するが知性はなく、会話は不可能。サイズ2。最下層の納骨堂に陣取っている。
スキル:
ネガティヴ・ファイア 射程1~12、範囲直径5スクエアの闇属性魔法攻撃。敵味方識別化。
ネガティヴ・ブリザード 射程1~13、範囲直径3スクエアの闇属性魔法攻撃。敵味方識別化。
可燃 光・火属性のダメージが1.5倍
数:一体
地形:
聖堂の中は暗く、通路は狭いので大きな武器は振り回せないだろう。銃を使うなら跳弾にも注意をする必要がある。通路に並べるのは2人まで。障害物も多く敵が潜む場所も多い。
一方で広い部屋もあり、ここでは全員が隊列を気にせず、武器も選ばずに戦えるだろう。入り口近くの礼拝堂、最奥の納骨堂は広い。
敵は徘徊しているか待ち伏せしている。徘徊しているものは斥候や聞き耳などで検知可能。待ち伏せしているものは先に見つけるしかない。
戦力:
同行NPC一人
アハズヤ・ナルガイ 聖堂師 クリムゾンウエスト人
武器:アサルトライフル、ホーリーメイス
※アサルトライフルを狭い所でぶっ放さない程度の判断力はある
マスターより
坂上テンゼンに候。
来月でMSを始めて2年になりますので、初心に帰ってオーソドックスなシナリオをと思い、今回のシナリオをリリースしました。
尚、アハズヤは以前のシナリオ『愉愚泥羅疾風録』に登場したハンター崩れの一人です。今更感溢れてますが再登場の機会を得て今回出てくる事になりました。
余談ですがボーン・アッセンブリーの姿は『セドレツ納骨堂』を検索していただけるとイメージが湧くと思います。
納骨堂と聞いてDiabroを思い浮かべた方はそれで大体合ってます。
よろしくお願いいたします。
来月でMSを始めて2年になりますので、初心に帰ってオーソドックスなシナリオをと思い、今回のシナリオをリリースしました。
尚、アハズヤは以前のシナリオ『愉愚泥羅疾風録』に登場したハンター崩れの一人です。今更感溢れてますが再登場の機会を得て今回出てくる事になりました。
余談ですがボーン・アッセンブリーの姿は『セドレツ納骨堂』を検索していただけるとイメージが湧くと思います。
納骨堂と聞いてDiabroを思い浮かべた方はそれで大体合ってます。
よろしくお願いいたします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/05/11 20:34
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 長良 芳人(ka3874) 人間(リアルブルー)|20才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2016/05/04 12:47:23 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/05/01 18:03:38 |