• 戦闘

玻璃の瓦礫―遊戯部屋―

マスター:佐倉眸

シナリオ形態
シリーズ(続編)
難易度
やや難しい
参加費
1,300
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2016/05/07 07:30
リプレイ完成予定
2016/05/16 07:30

オープニング


 赤い階段を昇る先に見付けるドアプレート。
 それを読み上げる前に背後で崩れる音を聞いた。
 竦むほどの高さが合った螺旋階段は跡形も無く、彼等が昇ってきた足下に続く木目のささくれた古い階段は、丁度3階くらいの高さだろうか。
 飾り気の無い板と細い手摺り。
 けれど吹き抜けの底に散らかる瓦礫は、確かに道中排除し続けてきた鎧や人形、或いは砕けた石や硝子片。
 謀られたような、それでいて傷を受けた場所は癒えて尚痛みを覚えていて、それらを破壊した音も感触も覚えている。
 気味の悪さと不快感を振り切るようにすぐ先のドアを睨んだ。

『遊戯部屋』

 ドアプレートにはそう綴られていた。
 細く開いて覗く室内には、ここまで追ってきた歪虚が微笑を浮かべている。
 その歪虚の背後、天井から垂れた白いレースにもう1体の影が映り、傍に置かれたアームチェアに、寝かされたユリアは青い顔でぐったりとしているが、穏やかに上下する胸が彼女がまだ生きていることを教える。
 レースに映る影が僅かに動いた。
 歪虚がハンター達へ手を振り翳した。
 その手の先には鋭い爪が、長い黒髪が解けるとその側頭には一対の角が。

●side ユリア
 ハナに手を引かれて街を走って、どこか知らない場所に着いたことは何となく覚えている。
 それから急に眠くなって、立っていられなくなって……
 すごく大きな音が聞こえて目を覚ましたら、錆びたような腐ったような、酷い臭いのする場所で、ハンターさん達が武器を向けてきた。
 知っている人もいたはずなのに、それが、怖くて、それから、ええと……
 私、また眠っちゃったのかな。
 ロロさんも、モニカも心配してるだろうな。

 次に気が付いたのはどこかの部屋の中。
 毛足の長い絨毯が敷いてあって、両側の壁には人形が飾ってある。白い陶器のユーモラスな人形。
 ギョロッとした目に赤い口。沢山並んでいるのが少し怖い。
 部屋は奥行きが長くて、湿気った空気が纏わり付くような嫌な感じがする。
 ハナは大丈夫だと言うけれど。
 ハナがそう言うなら、大丈夫なのかしら。

 椅子を勧められて、それに座る。
 空気の湿気って冷たい感じが急に濃くなって、苦しくて、目も開けていられない。
 近付いてくる足音が聞こえる。
 知っている人の声が混ざっているような気がする。
 ハナはいじめっ子が来たって言って、そっちに行ってしまった。
「……ハナちゃん、その人たちは、……いじめっ子じゃ、ない、の」
 私は、知っているのに。声が届かない。
 ハナは友達なのに。どうして、私は動けないの。

 絡み付く様な空気が不意に私に囁いてくる。

――あの子を助ける力を差し上げましょうか?――


 歪虚の手が加わっていた螺旋階段の突破により、廃墟内上階への進入経路が確保された。
 歪虚の待つ部屋へも元あった階段が簡易的に補強される。
 ハンター達へ、3度目の依頼が提示された。
『歪虚、自称ハナの撃破』『ユリアの回収』『嫉妬歪虚(仮)の撃破』
 庭や階段の演出、また用いられた鎧や人形を操る状況から、廃墟内が嫉妬歪虚の管理下、所謂ホラーハウスとして機能しているものとされ、遊戯部屋もその一角であると資料に加えられる。
 ユリアの状況について、保護することを諦めてはいないけれど、と拠点を出た職員が廃墟を見上げる。
「負のマテリアルが強すぎて衰弱しきっていることでしょう、生存していたとしても、そちらに固執して歪虚を逃すことの方が厄介です……彼女とは、何度か話したことがあるんです。ほら、よく困っているお客さんにハンターを紹介しているからって。優しくて情の深い娘さんです。きっと、分かってくれるはずです」

解説

目的 廃墟内全ての歪虚の撃退

●エネミー
傲慢歪虚(ハナ)
振り袖に厚底の草履、小柄な少女の姿をしているが、長い髪の合間から角が生え、手には鋭い爪が生えている
針の投擲(対象1~3、最大射程5程度を確認)による攻撃を確認済み
また爪による攻撃を行う場合がある
生命力は高く、攻撃の威力は高いが貫通するような攻撃は未確認
3つの針の内、回避されなければ2以上は当たる程度の命中
防護点は低くは無いが不明
(※威力、射程、防護点等が以前より変化している可能性がある)

嫉妬歪虚
廃墟をホラーハウス化している
ユリアとの契約を終え次第戦闘に参加
無機物を自在に操る事が出来る
他、攻撃手段の詳細は不明
(PL情報として:
 参戦に至った場合は、周囲の人形を操って爆発させます)
 契約には数分~数十分、その後ユリアの参戦には更に数分要します)

●部屋
奥行き30メートル程度
幅は6メートル程度(3スクエア程度)
両側の棚に大量の爆発する人形

●NPC
ユリア
救出対象、店長代理を務める喫茶店では、客の悩みごとをハンターオフィスへ仲介していた。
憔悴気味。契約を持ちかけられている。
(ロロさん、モニカ:共に店員)

マスターより

よろしくお願いします。
第三話です。

要約:ハナちゃんをぶっ飛ばして下さい!

※ユリアの契約完了前に保護:大成功にてシリーズ完結
 その他は次回に続きます。

関連NPC

  • 店長代理
    ユリア・エーレンフリート(kz0155
    人間(クリムゾンウェスト)|26才|女性|一般人
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/05/16 17:48

参加者一覧

  • 弾雨のイェーガー
    冬樹 文太(ka0124
    人間(蒼)|29才|男性|猟撃士
  • 支援巧者
    ロニ・カルディス(ka0551
    ドワーフ|20才|男性|聖導士
  • 真白き抱擁
    カリアナ・ノート(ka3733
    人間(紅)|10才|女性|魔術師
  • 盾の矜持
    リディア・ノート(ka4027
    人間(紅)|13才|女性|闘狩人
  • 乙女の護り
    レイア・アローネ(ka4082
    人間(紅)|24才|女性|闘狩人
  • 拳で語る男
    輝羽・零次(ka5974
    人間(蒼)|17才|男性|格闘士
依頼相談掲示板
アイコン 相談
カリアナ・ノート(ka3733
人間(クリムゾンウェスト)|10才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2016/05/07 02:31:01
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/05/02 23:23:51