ゲスト
(ka0000)
道を、花を、縁を……
マスター:石田まきば

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在25人 / 1~25人
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2016/05/08 19:00
- リプレイ完成予定
- 2016/05/22 19:00
オープニング
●一年の間に
カレンダーの日付を見れば、そろそろ四月も終わりの頃合。
「もうすぐ五月、か」
特別何かがあったというわけではないが、これまでの道のりを振り返るには十分だった。
マーフェルスの事務所に居るのは基本的に、自分と、パウラ。自分の考えに賛同してくれる仲間。人目はあまり気にしないで済む。パウラの役割はわかっているが、これまで傍に置いていて、特別不利益にはなっていない。
これまで通りにしていれば、大きな動きが無い事も確信が持てていた。
それはともかくだ。
この事務所を構えてからは一年と少し。新しい動きを学ぶためにもと、イベントの真似事をしたのがちょうど、一年前。
それからの一年間に何があったかと言えば……ありすぎたと、言わざるを得ない。
茶番の如き選挙に立候補してから、いや、今の思想を持つに至ってから……そもそも、自分の行動が先か、別の何かの意思が先か。ユレイテルの四十年余の生を母数とするなら、この出来事の頻度、そして濃度……密度はどれほどのものか。
(状況が動いている証拠じゃないか)
良くも悪くも、変わることは必要だと思っているのだ。その中から良いものに変わるものを選んでいけばいい。
もう一度、カレンダーを見つめる。
(イベントと呼ぶのもおこがましいかもしれないが)
少しずつではあるが状況が落ち着いてきたと思う、ピースホライズンがどうなっているのか、その確認も必要だろう。実働に入った浄化術の輸出も、ここらで知名度を上げておきたい。
……建前はこんなところだろうか。
今の自分は、目的も、本音も、建前も、全て紙一重だ。同じようで、違うようで。全てを揃えているようで。
そういう生き方ばかりしてきたからなのか、そればかり考えて、その道ばかりを選んでいく。
幸せな事のはずだ。自ら選び取っていることには違いない。
「ユレイテル様、どちらへ?」
席を立つ上司に、書き物をしていたパウラが声をかける。お仕事ならお供しますと腰を上げる彼女をユレイテルはそのまま待った。
「ピースホライズンに申請と……ナデルに戻って、支度になるだろうな」
先方の返答次第だけれど。
「去年の下積みを無駄にするのも良くないだろう」
計画の一部を口にする。それだけでパウラは何のことかわかったようだった。
「……息抜きも、必要です!」
互いに、小さく笑みが浮かんだ。
●協力と一計と
「それで、ピースホライズンの一画を貸してもらう事は出来たの」
「あとはスズランと、人手ってことになるわけだね?」
「そう、それで場所を教えてほしいのだけれど……」
少しだけ言いよどむパウラに、デリアはくすりと笑う。かたや維新派長老の秘書、かたや恭順派浄化術の巫子。オプストハイムに居たころからの面識を軸に、去年のミュゲのイベントからともに時間を過ごし、最近では浄化術の輸出の都合でナデルで顔を合わせることも多かった二人。年頃も近い女子二人は、気付けば随分と親しい間柄になっていた。
だから二人で話す時は、親しい口調で。
「私達巫子が摘んだスズランなら、それだけでも関心は集められる……ってこと、かな? 私も、そう思うよ。正直に言って大丈夫。パウラちゃんったら、遠慮しないで、大丈夫だよ?」
去年だって、お祈りつきって触れ込みがあったくらいだもの。
「ありがと。デリアちゃん、人前に出るのも、ずいぶん慣れてきたものね」
表情を緩めるパウラにデリアも微笑む。森の外に出た時期はパウラの方が早い。だがデリアはフュネについて遠い地域へもどんどん出ていくようになっていた。パウラも時々はユレイテルについて同道するが、他の仕事もあるためそう毎度は出ていられない。
年の近い妹のように思っていたのだけれど、状況は随分変わってしまった。今は対等な友人、仕事の上でも頼れる大切な仲間だ。
「それなら、お願いしちゃうね」
「あっ……」
思い出したように声が漏れるデリアに、首を傾げるパウラ。まだ何かあっただろうか。
「どうしたの?」
「巫子は、私だけじゃ足りないよね。それに、去年のことを知っている子の方がいい、そうだよね?」
「勿論、その方が説明も少なくて……あっ」
パウラもデリアの考えに気付く。去年は自分達だけではなくて、双子の友人達も居た。今は離れ離れになってしまっているけれど……
少し前に、オプストに戻ってきた彼女の顔が気にかかるの、そうデリアは囁いて。
「この話、お仕事の一環だって言えば、連れだせるし、手伝ってくれるはず」
だって私達『巫子』が花を摘むことに意味があるのだから。ネームバリューが必要で、彼女は自分と同じく巫子だ。
「長老様のお名前使うことになってしまうけど、大丈夫?」
「大丈夫、むしろその方が都合がいいと思うの。……代わりに私があの子に手紙を出すね。外にいる私の方が、森の外へのお手紙は出しやすい。……だよね?」
「当日に顔を出してくれないか、言ってみるんでしょう? 是非お願い!」
時々ね、お手紙は来ているみたいだけど。やっぱり直接会って話してほしいよね。
少女達の企みは、果たして達成されるのか、どうか――
●スズラン配り
「「幸せのお裾分けに、スズランはいかがですか?」」
スズランがたくさん入った花籠を持つ少女達。彼女達は時折言葉を重ねて、ミュゲの日を盛り上げようとする。
「家族に、恋人に、友人に……誰かが幸せになるように、そんな気持ちを形にしませんか?」
声には少し緊張が残るものの、はっきりと話しかけるパウラ。
「そのお手伝いが出来るよう、摘んできたスズランです……ぜひ、どうぞっ」
デリアがはにかむように笑って、道行く人にスズランを差し出す。
けれど彼女達は、他にも何か気になることがあるようで。
(……ああ、そうか)
スズランの花を籠に詰め直す作業をしながら様子を伺うユレイテルは、二人の視線の動きで気付く。
彼女達は頻繁に、もう一人の巫子の様子を伺い、そして曲がり角や物陰に視線を向ける。仕事に支障が出ない程度に。ただ、時折そわそわと。
待っているのだ、彼女の妹が現れないだろうかと。
(あの二人にとって、それが彼女たちの幸せだと思える、そういうことだろうか)
カレンダーの日付を見れば、そろそろ四月も終わりの頃合。
「もうすぐ五月、か」
特別何かがあったというわけではないが、これまでの道のりを振り返るには十分だった。
マーフェルスの事務所に居るのは基本的に、自分と、パウラ。自分の考えに賛同してくれる仲間。人目はあまり気にしないで済む。パウラの役割はわかっているが、これまで傍に置いていて、特別不利益にはなっていない。
これまで通りにしていれば、大きな動きが無い事も確信が持てていた。
それはともかくだ。
この事務所を構えてからは一年と少し。新しい動きを学ぶためにもと、イベントの真似事をしたのがちょうど、一年前。
それからの一年間に何があったかと言えば……ありすぎたと、言わざるを得ない。
茶番の如き選挙に立候補してから、いや、今の思想を持つに至ってから……そもそも、自分の行動が先か、別の何かの意思が先か。ユレイテルの四十年余の生を母数とするなら、この出来事の頻度、そして濃度……密度はどれほどのものか。
(状況が動いている証拠じゃないか)
良くも悪くも、変わることは必要だと思っているのだ。その中から良いものに変わるものを選んでいけばいい。
もう一度、カレンダーを見つめる。
(イベントと呼ぶのもおこがましいかもしれないが)
少しずつではあるが状況が落ち着いてきたと思う、ピースホライズンがどうなっているのか、その確認も必要だろう。実働に入った浄化術の輸出も、ここらで知名度を上げておきたい。
……建前はこんなところだろうか。
今の自分は、目的も、本音も、建前も、全て紙一重だ。同じようで、違うようで。全てを揃えているようで。
そういう生き方ばかりしてきたからなのか、そればかり考えて、その道ばかりを選んでいく。
幸せな事のはずだ。自ら選び取っていることには違いない。
「ユレイテル様、どちらへ?」
席を立つ上司に、書き物をしていたパウラが声をかける。お仕事ならお供しますと腰を上げる彼女をユレイテルはそのまま待った。
「ピースホライズンに申請と……ナデルに戻って、支度になるだろうな」
先方の返答次第だけれど。
「去年の下積みを無駄にするのも良くないだろう」
計画の一部を口にする。それだけでパウラは何のことかわかったようだった。
「……息抜きも、必要です!」
互いに、小さく笑みが浮かんだ。
●協力と一計と
「それで、ピースホライズンの一画を貸してもらう事は出来たの」
「あとはスズランと、人手ってことになるわけだね?」
「そう、それで場所を教えてほしいのだけれど……」
少しだけ言いよどむパウラに、デリアはくすりと笑う。かたや維新派長老の秘書、かたや恭順派浄化術の巫子。オプストハイムに居たころからの面識を軸に、去年のミュゲのイベントからともに時間を過ごし、最近では浄化術の輸出の都合でナデルで顔を合わせることも多かった二人。年頃も近い女子二人は、気付けば随分と親しい間柄になっていた。
だから二人で話す時は、親しい口調で。
「私達巫子が摘んだスズランなら、それだけでも関心は集められる……ってこと、かな? 私も、そう思うよ。正直に言って大丈夫。パウラちゃんったら、遠慮しないで、大丈夫だよ?」
去年だって、お祈りつきって触れ込みがあったくらいだもの。
「ありがと。デリアちゃん、人前に出るのも、ずいぶん慣れてきたものね」
表情を緩めるパウラにデリアも微笑む。森の外に出た時期はパウラの方が早い。だがデリアはフュネについて遠い地域へもどんどん出ていくようになっていた。パウラも時々はユレイテルについて同道するが、他の仕事もあるためそう毎度は出ていられない。
年の近い妹のように思っていたのだけれど、状況は随分変わってしまった。今は対等な友人、仕事の上でも頼れる大切な仲間だ。
「それなら、お願いしちゃうね」
「あっ……」
思い出したように声が漏れるデリアに、首を傾げるパウラ。まだ何かあっただろうか。
「どうしたの?」
「巫子は、私だけじゃ足りないよね。それに、去年のことを知っている子の方がいい、そうだよね?」
「勿論、その方が説明も少なくて……あっ」
パウラもデリアの考えに気付く。去年は自分達だけではなくて、双子の友人達も居た。今は離れ離れになってしまっているけれど……
少し前に、オプストに戻ってきた彼女の顔が気にかかるの、そうデリアは囁いて。
「この話、お仕事の一環だって言えば、連れだせるし、手伝ってくれるはず」
だって私達『巫子』が花を摘むことに意味があるのだから。ネームバリューが必要で、彼女は自分と同じく巫子だ。
「長老様のお名前使うことになってしまうけど、大丈夫?」
「大丈夫、むしろその方が都合がいいと思うの。……代わりに私があの子に手紙を出すね。外にいる私の方が、森の外へのお手紙は出しやすい。……だよね?」
「当日に顔を出してくれないか、言ってみるんでしょう? 是非お願い!」
時々ね、お手紙は来ているみたいだけど。やっぱり直接会って話してほしいよね。
少女達の企みは、果たして達成されるのか、どうか――
●スズラン配り
「「幸せのお裾分けに、スズランはいかがですか?」」
スズランがたくさん入った花籠を持つ少女達。彼女達は時折言葉を重ねて、ミュゲの日を盛り上げようとする。
「家族に、恋人に、友人に……誰かが幸せになるように、そんな気持ちを形にしませんか?」
声には少し緊張が残るものの、はっきりと話しかけるパウラ。
「そのお手伝いが出来るよう、摘んできたスズランです……ぜひ、どうぞっ」
デリアがはにかむように笑って、道行く人にスズランを差し出す。
けれど彼女達は、他にも何か気になることがあるようで。
(……ああ、そうか)
スズランの花を籠に詰め直す作業をしながら様子を伺うユレイテルは、二人の視線の動きで気付く。
彼女達は頻繁に、もう一人の巫子の様子を伺い、そして曲がり角や物陰に視線を向ける。仕事に支障が出ない程度に。ただ、時折そわそわと。
待っているのだ、彼女の妹が現れないだろうかと。
(あの二人にとって、それが彼女たちの幸せだと思える、そういうことだろうか)
解説
*状況
ピースホライズンの一画で「ミュゲの日」今年もやります
スズランの花、スズランを模したお菓子や小物、アクセサリー……等々
街にはスズランに関連した品も並んでいますが、去年よりは規模が控えめに見えるかもしれません?
特に目的の設定はありません、皆様にとって、素敵な一日になりますように!
*ミュゲの日
大事な人に、気になる相手に、スズランを渡して相手の幸せを祈る……フランスの伝統「ミュゲの日」に基づいたものです
ここはクリムゾンウエストのピースホライズンですので、多少の違いはあるかもしれませんね
(ここから下は、行動の参考資料としてどうぞ)
*スズラン配り
ピースホライズンの一角で、スズランを配っている一団が居ます
『エルフハイムの巫子が祈りを込めて摘んだ花』という触れ込みですが、エルフハイム産ではないですし、特別な効果もありません
強いて言えば清浄な花です
彼らからもらったり
その花を誰かに贈ったり
一緒にスズランを配るお手伝いでも
花の加工もOKですが、スズランは毒性のある植物ですので食べるのはNGです
*連動の醍醐味
DoLLerMSのシナリオ【標よ、花よ、縁を……】と連動しています
シナリオの枠を越えたスズランの受け渡しも可能です
が、参加者視点での描写に限定となりますし、相手のお名前は明記されません
視点の違いをお楽しみいただく場合にご利用ください
※ 実際のアイテムの受け渡しは同シナリオ参加者同士でも承っておりません、プレゼントは事前に贈った上でのご参加をお願いいたします
*NPC
デリア
エルフハイムの巫子
パウラ
ユレイテルの秘書
ユレイテル
エルフハイムの維新派長老
他NPC
シャイネ、カミラと第三師団については、プレイングでのお呼び出しがあれば登場します
御用がありましたらお声がけください
*注意
白紙はリプレイに描写できません、ご注意くださいませ
参加したらとりあえず『ミュゲの日を楽しむ』とでも送信しておきましょう
ピースホライズンの一画で「ミュゲの日」今年もやります
スズランの花、スズランを模したお菓子や小物、アクセサリー……等々
街にはスズランに関連した品も並んでいますが、去年よりは規模が控えめに見えるかもしれません?
特に目的の設定はありません、皆様にとって、素敵な一日になりますように!
*ミュゲの日
大事な人に、気になる相手に、スズランを渡して相手の幸せを祈る……フランスの伝統「ミュゲの日」に基づいたものです
ここはクリムゾンウエストのピースホライズンですので、多少の違いはあるかもしれませんね
(ここから下は、行動の参考資料としてどうぞ)
*スズラン配り
ピースホライズンの一角で、スズランを配っている一団が居ます
『エルフハイムの巫子が祈りを込めて摘んだ花』という触れ込みですが、エルフハイム産ではないですし、特別な効果もありません
強いて言えば清浄な花です
彼らからもらったり
その花を誰かに贈ったり
一緒にスズランを配るお手伝いでも
花の加工もOKですが、スズランは毒性のある植物ですので食べるのはNGです
*連動の醍醐味
DoLLerMSのシナリオ【標よ、花よ、縁を……】と連動しています
シナリオの枠を越えたスズランの受け渡しも可能です
が、参加者視点での描写に限定となりますし、相手のお名前は明記されません
視点の違いをお楽しみいただく場合にご利用ください
※ 実際のアイテムの受け渡しは同シナリオ参加者同士でも承っておりません、プレゼントは事前に贈った上でのご参加をお願いいたします
*NPC
デリア
エルフハイムの巫子
パウラ
ユレイテルの秘書
ユレイテル
エルフハイムの維新派長老
他NPC
シャイネ、カミラと第三師団については、プレイングでのお呼び出しがあれば登場します
御用がありましたらお声がけください
*注意
白紙はリプレイに描写できません、ご注意くださいませ
参加したらとりあえず『ミュゲの日を楽しむ』とでも送信しておきましょう
マスターより
こんにちは、それともこんばんは、石田まきばです。
DoLLerMSと連動だ!
今回は少しだけ『分かれての参加、視点の違いを楽しむの推奨』の空気を纏わせてあります。
しっかりグループ行動したい場合は、同じ側に参加したほうがいいかもしれません。そのあたりはお好みで。
おひとり様も大丈夫ですよ!
ミュゲの日については過去リプレイ【花の輪を繋いで 】、DoLLerMS側は【幸せの花渡し】を参考に、
リンク度合いは【海で遊ぼう(兄妹編)】、DoLLerMS側は【海で遊ぼう(双子編)】を参考にどうぞ。
相談日数と返却予定日、スケジュールの都合で延長しています、ご注意ください。
それでは、よろしくお願いします。
DoLLerMSと連動だ!
今回は少しだけ『分かれての参加、視点の違いを楽しむの推奨』の空気を纏わせてあります。
しっかりグループ行動したい場合は、同じ側に参加したほうがいいかもしれません。そのあたりはお好みで。
おひとり様も大丈夫ですよ!
ミュゲの日については過去リプレイ【花の輪を繋いで 】、DoLLerMS側は【幸せの花渡し】を参考に、
リンク度合いは【海で遊ぼう(兄妹編)】、DoLLerMS側は【海で遊ぼう(双子編)】を参考にどうぞ。
相談日数と返却予定日、スケジュールの都合で延長しています、ご注意ください。
それでは、よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/07/12 19:48