ゲスト
(ka0000)
【詩天】淡月見上げる香散見草
マスター:鷹羽柊架

- シナリオ形態
- シリーズ(続編)
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,300
- 参加制限
- LV1~LV22
- 参加人数
- 現在10人 / 4~10人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/07/02 09:00
- リプレイ完成予定
- 2016/07/11 09:00
オープニング
上弦へと向かう三日月の夜、詩天では、失踪事件が起きていた。
首都警備隊、通称『即疾隊』は失踪事件の調査を命じられ、人手不足から、即疾隊はハンターを仮隊士として依頼し、調査に当たらせる。
即疾隊の信用度は低く、調査にも難航したが、いくつかの情報を得ることが出来た。
屯所へ報告しに行く帰り道、ハンターと新人隊士の壬生和彦は正気とは思えない浪人と遭遇し、取り押さえることに成功する。
うっすら目を開いた浪人は薄暗い明かりを頼りに見知らぬ部屋であることに気づくのはそう遅くはなかった。
「こ、ここは……」
記憶にないところで目が覚めたので、浪人は驚いて周囲を見やる。
「首都警備隊、即疾隊の屯所だ」
副局長の前沢恭吾が浪人を見下ろして言えば、目を丸くして和彦達を見た。
「な、なぜ、俺が即疾隊の屯所に!?」
驚く浪人に和彦は一度ため息をついて浪人に向き直る。
「貴方は繁華街の用水桶の付近で私達、即疾隊に対して斬りかかってきた」
「なんだと……」
呆然と返す浪人は身に覚えがないといわんばかりの様子。
「貴方が斬りかかった者は覚醒者であり、貴方は術を受けてもなお斬りかかってきた。我々に対し、良からぬ考えを持つ者なのか、答えよ!」
語気を強くした和彦より年上だろう浪人は「ひぃ!」と声をあげて肩を竦める。
「俺は何も知らない、即疾隊に対して斬りかかれなんか言われたことがない!」
金切り声の如くに浪人はまくし立てる。
「ここのところの記憶がないんだ! 店で飲んでたのが最後で、何も覚えてないんだ! 頼む! 殺さないでくれ!!」
身体をばたばたさせて叫ぶ浪人に、前沢切れ長の瞳を更に細める。
「嘘偽りはないか」
「誓う! 俺はあんた達に殺すようなことはない!」
その場にいた全員が浪人の言葉を信じるかどうか悩み、沈黙する。
「帰しときなよ。前沢ちゃん」
茶化した声で入ってきた局長の江邨雄介に前沢は江邨を睨みつけた。
「尋問中です。局長」
気が立ったと思わせるとげのある声で前沢が言うと、「悪りぃ、悪りぃ」と江邨は手刀を切って人だかりを分けて浪人の前に出る。
「お前さんが飲んでる店はどの辺りだ」
江邨が浪人に尋ねると、繁華街の奥まったところにある飲み屋の辺りだと言った。場末のドブ板に薄汚れた安い飲み屋が軒を連ねて営業をしている。
その辺りの飲み屋は和彦やハンターに聞き覚えがあった場所に近い通りだ。
「ウチには、お前さんを尋問する為に出す飯もろくにねぇんだ。とっとと帰んな」
「局長!?」
驚く声に局長は気にもせずに縄を解き、浪人を急かして帰した。
それから日が経ち、和彦は蒔き割り当番を終えて、稽古に入ろうと道場へと向かおうとしたら、世話役の摩耶に声をかけられた。
「壬生君?」
「はい?」
摩耶の声はどこか怪訝そうであり、和彦はどうしたのかという表情になってしまう。
「何かあった?」
気を使う摩耶の声音に和彦の意識の中では特に心当たりはなかった。
「別段ないのですが……」
「そう、局長が呼んでるよ」
じっと、和彦の顔を見つつ、摩耶が用件を伝える。
「わかりました」
和彦が局長の部屋に行くと、局長と副局長が揃っていた。
「この間の浪人だがな、どうにも、場末のドブ板で妙な誘いを仕掛ける奴がいるようだ」
扇子で扇ぎつつ、江邨が言葉を続ける。
「妙な?」
「お前さん達が報告してくれた浪人に金儲けの話をするやつがいたって報告があってよ」
いつの間に動いていたんだろうかと和彦が目を瞬いた。即疾隊の面子が動けば、騒ぎになると言うのに。
江邨は「人員が足りなくってよ。それくらいしか動けなかったんだよ」と言う。
人手不足は分かるので、高慢な態度をとらない礼儀をわきまえている先輩隊士の誰かがやったのだろうかと和彦は考える。
「浪人達へ誘いをかけたのは豊後屋の若衆の一人によく似てるそうだ」
「確か、宿屋の……」
「そうだ。まだ確証はないが、調べる価値はあると思っている」
前沢の言わんとしていることを和彦はわかっていた。
「ハンターを呼ぶのですね」
「そうだ。前回もお前が担当したんだから、今回もお前が調査につけ」
江邨が言えば、和彦は気づかれないように逡巡したのち「畏まりました」と返事をした。
和彦の様子を見ていた江邨はそっと、ため息をついて少しだけ口の端を緩める。
「お前さん。ハンターと会って、どう思った」
江邨の質問に和彦は黙り込んでしまう。
前回、ハンターは報告する事柄を選別した。
局長や副局長を蔑ろにしかねない事柄であると和彦は内心腹を立てた。
彼らは事件解決のため、即疾隊の損失までも考えての事を考えてのこと。
前回の事で、伏せられたことは即疾隊に伝えてない。
それは、現実に番所の繋がりや街の人々が抱いた印象を拭い去ったのは、ハンターの働きあってのことだ。
「彼らは……即疾隊の印象向上に礼を尽くし、情報を得ることが出来ました。私は、彼らを嫌いではありません。
また、彼らと共に行動を共にし、調査にあたりたいです」
きっぱりと言い切った和彦に江邨と前沢はどこか嬉しそうな表情をして聞いていた。
「調査に関しちゃ、お前さん方を信じるしかねぇ。頼むぞ」
穏やかに江邨が言うと、和彦は力強く頷く。
話を終えた和彦は廊下を歩いていて、空が曇っていることに気づく。
長い前髪は自分を落ち着かせてくれるが、自分が見落としがないのか時折不安に駆られてしまう。
ドブ板の飲み屋も紙問屋の息子が通っていたと言われる裏路地の飲み屋街は近くはないのだが、豊後屋はそれぞれ近いのだ。
とりあえず、和彦が記憶上残っているのは、豊後屋はどちらかと言えば、現詩天寄りの立場だった覚えがある。
そこまで思案した和彦はため息をつく。
人は争うものであり、自身が持つ刀は人の命を奪いかねないもの。
奪われた命は、戻るものではない。しかし、守りたいものの為には強くなるしかないと和彦は考えている。
割り切れない自分はまだまだだと思いながら和彦はハンターへの依頼へと向かった。
首都警備隊、通称『即疾隊』は失踪事件の調査を命じられ、人手不足から、即疾隊はハンターを仮隊士として依頼し、調査に当たらせる。
即疾隊の信用度は低く、調査にも難航したが、いくつかの情報を得ることが出来た。
屯所へ報告しに行く帰り道、ハンターと新人隊士の壬生和彦は正気とは思えない浪人と遭遇し、取り押さえることに成功する。
うっすら目を開いた浪人は薄暗い明かりを頼りに見知らぬ部屋であることに気づくのはそう遅くはなかった。
「こ、ここは……」
記憶にないところで目が覚めたので、浪人は驚いて周囲を見やる。
「首都警備隊、即疾隊の屯所だ」
副局長の前沢恭吾が浪人を見下ろして言えば、目を丸くして和彦達を見た。
「な、なぜ、俺が即疾隊の屯所に!?」
驚く浪人に和彦は一度ため息をついて浪人に向き直る。
「貴方は繁華街の用水桶の付近で私達、即疾隊に対して斬りかかってきた」
「なんだと……」
呆然と返す浪人は身に覚えがないといわんばかりの様子。
「貴方が斬りかかった者は覚醒者であり、貴方は術を受けてもなお斬りかかってきた。我々に対し、良からぬ考えを持つ者なのか、答えよ!」
語気を強くした和彦より年上だろう浪人は「ひぃ!」と声をあげて肩を竦める。
「俺は何も知らない、即疾隊に対して斬りかかれなんか言われたことがない!」
金切り声の如くに浪人はまくし立てる。
「ここのところの記憶がないんだ! 店で飲んでたのが最後で、何も覚えてないんだ! 頼む! 殺さないでくれ!!」
身体をばたばたさせて叫ぶ浪人に、前沢切れ長の瞳を更に細める。
「嘘偽りはないか」
「誓う! 俺はあんた達に殺すようなことはない!」
その場にいた全員が浪人の言葉を信じるかどうか悩み、沈黙する。
「帰しときなよ。前沢ちゃん」
茶化した声で入ってきた局長の江邨雄介に前沢は江邨を睨みつけた。
「尋問中です。局長」
気が立ったと思わせるとげのある声で前沢が言うと、「悪りぃ、悪りぃ」と江邨は手刀を切って人だかりを分けて浪人の前に出る。
「お前さんが飲んでる店はどの辺りだ」
江邨が浪人に尋ねると、繁華街の奥まったところにある飲み屋の辺りだと言った。場末のドブ板に薄汚れた安い飲み屋が軒を連ねて営業をしている。
その辺りの飲み屋は和彦やハンターに聞き覚えがあった場所に近い通りだ。
「ウチには、お前さんを尋問する為に出す飯もろくにねぇんだ。とっとと帰んな」
「局長!?」
驚く声に局長は気にもせずに縄を解き、浪人を急かして帰した。
それから日が経ち、和彦は蒔き割り当番を終えて、稽古に入ろうと道場へと向かおうとしたら、世話役の摩耶に声をかけられた。
「壬生君?」
「はい?」
摩耶の声はどこか怪訝そうであり、和彦はどうしたのかという表情になってしまう。
「何かあった?」
気を使う摩耶の声音に和彦の意識の中では特に心当たりはなかった。
「別段ないのですが……」
「そう、局長が呼んでるよ」
じっと、和彦の顔を見つつ、摩耶が用件を伝える。
「わかりました」
和彦が局長の部屋に行くと、局長と副局長が揃っていた。
「この間の浪人だがな、どうにも、場末のドブ板で妙な誘いを仕掛ける奴がいるようだ」
扇子で扇ぎつつ、江邨が言葉を続ける。
「妙な?」
「お前さん達が報告してくれた浪人に金儲けの話をするやつがいたって報告があってよ」
いつの間に動いていたんだろうかと和彦が目を瞬いた。即疾隊の面子が動けば、騒ぎになると言うのに。
江邨は「人員が足りなくってよ。それくらいしか動けなかったんだよ」と言う。
人手不足は分かるので、高慢な態度をとらない礼儀をわきまえている先輩隊士の誰かがやったのだろうかと和彦は考える。
「浪人達へ誘いをかけたのは豊後屋の若衆の一人によく似てるそうだ」
「確か、宿屋の……」
「そうだ。まだ確証はないが、調べる価値はあると思っている」
前沢の言わんとしていることを和彦はわかっていた。
「ハンターを呼ぶのですね」
「そうだ。前回もお前が担当したんだから、今回もお前が調査につけ」
江邨が言えば、和彦は気づかれないように逡巡したのち「畏まりました」と返事をした。
和彦の様子を見ていた江邨はそっと、ため息をついて少しだけ口の端を緩める。
「お前さん。ハンターと会って、どう思った」
江邨の質問に和彦は黙り込んでしまう。
前回、ハンターは報告する事柄を選別した。
局長や副局長を蔑ろにしかねない事柄であると和彦は内心腹を立てた。
彼らは事件解決のため、即疾隊の損失までも考えての事を考えてのこと。
前回の事で、伏せられたことは即疾隊に伝えてない。
それは、現実に番所の繋がりや街の人々が抱いた印象を拭い去ったのは、ハンターの働きあってのことだ。
「彼らは……即疾隊の印象向上に礼を尽くし、情報を得ることが出来ました。私は、彼らを嫌いではありません。
また、彼らと共に行動を共にし、調査にあたりたいです」
きっぱりと言い切った和彦に江邨と前沢はどこか嬉しそうな表情をして聞いていた。
「調査に関しちゃ、お前さん方を信じるしかねぇ。頼むぞ」
穏やかに江邨が言うと、和彦は力強く頷く。
話を終えた和彦は廊下を歩いていて、空が曇っていることに気づく。
長い前髪は自分を落ち着かせてくれるが、自分が見落としがないのか時折不安に駆られてしまう。
ドブ板の飲み屋も紙問屋の息子が通っていたと言われる裏路地の飲み屋街は近くはないのだが、豊後屋はそれぞれ近いのだ。
とりあえず、和彦が記憶上残っているのは、豊後屋はどちらかと言えば、現詩天寄りの立場だった覚えがある。
そこまで思案した和彦はため息をつく。
人は争うものであり、自身が持つ刀は人の命を奪いかねないもの。
奪われた命は、戻るものではない。しかし、守りたいものの為には強くなるしかないと和彦は考えている。
割り切れない自分はまだまだだと思いながら和彦はハンターへの依頼へと向かった。
解説
依頼内容
豊後屋周辺の調査、摘発
皆様は再び即疾隊の依頼に応じて詩天に向かってもらいます。
前の依頼にて、紙問屋の息子が飲みに行っていた飲み屋周辺と襲ってきた浪人が行っていた飲み屋は離れてますが、それぞれ豊後屋に近い場所です。
飲み屋で見かけたのは豊後屋の若衆は斉鹿(さいが)という二十代前半の男によく似ているとのこと。
その男はまだ金のない浪人へ金儲けの話があると誘っている可能性があり、張り込み調査の最中に浪人を誘っていたら取り押さえもお願いします。
豊後屋は繁華街の中にある宿屋です。
前回、ハンターの皆様が拠点としていた宿屋とは別です。
入り口は表口と勝手口があります。
二階建て。
一階は台所をはじめ、従業員の住いや仕事部屋が主。
二階は客室。ざっと五部屋。
人の出入りは基本、一、二組が泊まったり、出たり。
従業員は店主夫婦含めて六人。
夜は人の出入りはほぼなし。
摘発する際は二手に別れ、勝手口と正面入り口を押え、正面より、御用改めであることを告げ、中に入るように和彦は動きます。
動く時間帯は夜がよいと和彦は考えてます。
取り押さえるのは浪人が優先してほしいらしく、店の者は後でも大丈夫です。
一般の客がいる可能性がありますので気をつけてほしいそうです。
前回の調査の時、街の人々の好感度が上がりました。
今回の調査、摘発で市民への被害があった場合、高慢な態度を取った場合はまた好感度が下がります。
今回も壬生和彦(みぶ・かずひこ)が皆様に同行します。
前回の件、皆様の約束を守り、密告しておりません。
即疾隊が独自に動いた件についての情報を尋ねたい場合はプレイングにて局長にお尋ね下さい。
◆22レベルまでのハンターが参加可能。
プレイングを出さずに出発の時間を迎えますと、白紙提出とみなされます。
リプレイに一切お名前も出ません。
■テンプレート
【心情】
【準備】
【行動】
【その他】
プレイングはPC様の口調で書かれることをお奨めします。
豊後屋周辺の調査、摘発
皆様は再び即疾隊の依頼に応じて詩天に向かってもらいます。
前の依頼にて、紙問屋の息子が飲みに行っていた飲み屋周辺と襲ってきた浪人が行っていた飲み屋は離れてますが、それぞれ豊後屋に近い場所です。
飲み屋で見かけたのは豊後屋の若衆は斉鹿(さいが)という二十代前半の男によく似ているとのこと。
その男はまだ金のない浪人へ金儲けの話があると誘っている可能性があり、張り込み調査の最中に浪人を誘っていたら取り押さえもお願いします。
豊後屋は繁華街の中にある宿屋です。
前回、ハンターの皆様が拠点としていた宿屋とは別です。
入り口は表口と勝手口があります。
二階建て。
一階は台所をはじめ、従業員の住いや仕事部屋が主。
二階は客室。ざっと五部屋。
人の出入りは基本、一、二組が泊まったり、出たり。
従業員は店主夫婦含めて六人。
夜は人の出入りはほぼなし。
摘発する際は二手に別れ、勝手口と正面入り口を押え、正面より、御用改めであることを告げ、中に入るように和彦は動きます。
動く時間帯は夜がよいと和彦は考えてます。
取り押さえるのは浪人が優先してほしいらしく、店の者は後でも大丈夫です。
一般の客がいる可能性がありますので気をつけてほしいそうです。
前回の調査の時、街の人々の好感度が上がりました。
今回の調査、摘発で市民への被害があった場合、高慢な態度を取った場合はまた好感度が下がります。
今回も壬生和彦(みぶ・かずひこ)が皆様に同行します。
前回の件、皆様の約束を守り、密告しておりません。
即疾隊が独自に動いた件についての情報を尋ねたい場合はプレイングにて局長にお尋ね下さい。
◆22レベルまでのハンターが参加可能。
プレイングを出さずに出発の時間を迎えますと、白紙提出とみなされます。
リプレイに一切お名前も出ません。
■テンプレート
【心情】
【準備】
【行動】
【その他】
プレイングはPC様の口調で書かれることをお奨めします。
マスターより
お世話になります。
鷹羽柊架(たかば・しゅうか)と申します。
前回は調査に参加していただき、ありがとうございました。
少なからず、即疾隊の印象は上がっております。
今回は金に目が眩み、惑わされた浪人達を見つけ出して下さい。
宜しくお願いします。
鷹羽柊架(たかば・しゅうか)と申します。
前回は調査に参加していただき、ありがとうございました。
少なからず、即疾隊の印象は上がっております。
今回は金に目が眩み、惑わされた浪人達を見つけ出して下さい。
宜しくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/07/09 00:57
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/06/29 20:08:02 |
|
![]() |
相談卓 本多 七葵(ka4740) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|男性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2016/07/02 01:36:58 |