ゲスト
(ka0000)
【蒼乱】まだ見ぬ赤龍の故郷へ 後
マスター:葉槻

- シナリオ形態
- シリーズ(続編)
関連ユニオン
APV- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,300
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 4日
- プレイング締切
- 2016/08/29 12:00
- リプレイ完成予定
- 2016/09/07 12:00
オープニング
●
イズン・コスロヴァ(kz0144)は人生でこれ以上無いぐらいに困惑していた。
「何モナイガ、ユックリ、シテクレ」
カタコトの言葉を操るその人物は、正しくは人では無い。
亜人――コボルドだった。
帝国でコボルドと言えば、鉱山や牧場区に群れを成して現れては臣民の生活を脅かすものの筆頭と言って良い。
繁殖能力が高く、幼児並みの知性があるため、棒や剣で武装されるとそこそこに厄介な存在となる。
たが、彼らが言葉を操るなんていうのは聞いたことがなかった。
「ホレ、コレモ、食エ」
ずぃっと出された固い木の根を受け取り、イズンは曖昧な会釈を返す。
どうしてこんな事になったのか。
それは時間を1時間ほど遡る。
南方大陸と思わしき大地に降り立ったイズン達は、この青い布を纏ったコボルド達と対面していた。
最初はまだ距離もあった為、コボルドだとは判らず、ただ、何かしらの違和感のようなものは誰もが感じていた。
「……オマエタチ、何者ダ」
酷く聞き取りにくいカタコトの言葉。だが、その言葉の色には敵意は無い。純粋に好奇心から聞いているような、そんなニュアンスを感じていた。
「私はゾンネンシュトラール帝国、第六師団副師団長のイズン・コスロヴァです。あなた達は?」
「私ハ、ケン。チズムのワ王のムスコ」
その時、ケンと名乗った少年(だと思った、この時は)の背後にいた人物から悲鳴が上がった。
ケンの後ろに一体のサンドワームが現れたのだ。
ハンター達は咄嗟に各々の得物を取り出し、銃や剣による見事な連携プレイとスキルを用いてトドメを刺し、あっさりとサンドワームを塵へと還した。
18人もハンターがいれば、サンドワームの1匹ぐらい敵ではない。
すると、おもむろに青い布を纏った5人がハンター達の方へ向き、うつむき膝を付いていた。
「メシア様……!」
「いえ、我々は……」
メシア――救世主と呼ばれ、イズンは居心地が悪くなり慌ててケンの顔を上げさせようと近寄った。
はらり、と頭部を覆っていた布が落ちた。
見えたのは、獣の耳……犬の耳。
スレンダーな黒色の短い毛並みとスッと長い鼻。
「コボルド……!?」
「ズット、待ッテタ。メシア様……!」
イズンが驚いて見つめれば、はち切れんばかりに尻尾を振りながら嬉しそうなケンが「ナンデス?」と問う。
サンドワームから助けたこともあってか、驚くほど敵対心が無く、無邪気に懐いてくるコボルド達に囲まれ、ハンター達も戸惑いを隠せない。
「オイデオイデ」と誘うコボルド達を信用していいものか。
ハンター達と相談した結果、言葉がしゃべられるのであればとりあえず話しを聞いてみようという結果となり、ケンの後に付いて行くと、そこは滾々と真水が湧き出るオアシスのほとり、小さな村……というにはあまりに寂しい、確かに砂岩を乱雑に積んで出来た四角い小屋が何件か立っている場所に出た。
その中の一つ、広い小屋へとイズンと6名のハンターそして術者2名が代表として招かれていた。
他のハンター12名と術者4人は隣の別室で待機してもらっている。
「イズン様」
先ほどまでコボルド達を見て顔面蒼白となっていたエルフハイムの術者達が、そっとイズンを呼んだ。
「恐らく、ここなら植樹出来ます」
「このオアシスそのものが太い龍脈の上。だから、水が汚染されずに湧き出るのです」
イニシャライザー(と、パルムと神霊樹)が入った御輿を担ぎ、ここまで歩いて来た術者達は、最初に頃こそ非力そうに見えたが実はそれなりにパワー型なのかと、少し関係無いことを思いながらイズンは思案する。
どうするべきなのか。
ここで植樹出来るのであれば、彼らに頼めば儀式をやらせて貰えるのか。
そもそも彼らを信用して良いのか。
人の言葉を操れる分、狡猾なコボルドであれば逆にこちらを安心させた所を襲うかも知れない。
「……何故、私たちのことを“メシア”だと?」
イズンの問いに、ケンは両耳をぴこぴこと動かして「ハイ」と答えた。
「私タチ、本当の家、モット、ムコウ。ソコニ、書イテアッタ。鼻の無イ、不思議ナ、力、使ウモノ。ソレガ、メシア。私タチヲ 竜カラ、救ッテクレル」
「書いてあった?」
「ソウ。ムレの王、カシコクナイト、ナレナイ」
意味が分からず、イズンがもう少し詳しく話しを聞こうとしたその時、ケンと同じく青い布を被ったコボルドが凄い勢いで転がり込んで来た。
「…………!! ………! ……………!!!」
何を言っているのかさっぱり判らないが、ただとんでも無いことが起こったのだろう事は口調から予想が付いた。
「どうしたんですか?」
イズンが問いかけると、ケンは眉間にしわを寄せ、犬歯を剥いた。
「……ヤツラガ、来タ……!」
●
「あ、本当に人でち」「ホントでち。犬っころじゃないでち」
「「初めて見たでち」」
クスクスと笑う一見4~5歳ぐらいの双子らしい幼女2人が砂漠の上にいた。
……正しく、空を飛んで、上にいる。
「あの海を渡ったんでちか」「すごいでちね」
「「でもここでお終いでち!」」
2人は人のような外見だが、尻尾だけがドラゴンのそれだった。
共に白い尾をうねらせてクスクスと笑う。
「マシュと」「マロが」
「「お前達をごーとぅーへる! でち!!」」
……どっと虚脱感に襲われるのは何故だろうか。
イズンは眉間を抑えながら砂山の向こうにいる双子を見る。
しかし、その後ろに蠢くようにして現れたリザードマンの群れを見て、イズンは奥歯を噛み締めたのだった。
イズン・コスロヴァ(kz0144)は人生でこれ以上無いぐらいに困惑していた。
「何モナイガ、ユックリ、シテクレ」
カタコトの言葉を操るその人物は、正しくは人では無い。
亜人――コボルドだった。
帝国でコボルドと言えば、鉱山や牧場区に群れを成して現れては臣民の生活を脅かすものの筆頭と言って良い。
繁殖能力が高く、幼児並みの知性があるため、棒や剣で武装されるとそこそこに厄介な存在となる。
たが、彼らが言葉を操るなんていうのは聞いたことがなかった。
「ホレ、コレモ、食エ」
ずぃっと出された固い木の根を受け取り、イズンは曖昧な会釈を返す。
どうしてこんな事になったのか。
それは時間を1時間ほど遡る。
南方大陸と思わしき大地に降り立ったイズン達は、この青い布を纏ったコボルド達と対面していた。
最初はまだ距離もあった為、コボルドだとは判らず、ただ、何かしらの違和感のようなものは誰もが感じていた。
「……オマエタチ、何者ダ」
酷く聞き取りにくいカタコトの言葉。だが、その言葉の色には敵意は無い。純粋に好奇心から聞いているような、そんなニュアンスを感じていた。
「私はゾンネンシュトラール帝国、第六師団副師団長のイズン・コスロヴァです。あなた達は?」
「私ハ、ケン。チズムのワ王のムスコ」
その時、ケンと名乗った少年(だと思った、この時は)の背後にいた人物から悲鳴が上がった。
ケンの後ろに一体のサンドワームが現れたのだ。
ハンター達は咄嗟に各々の得物を取り出し、銃や剣による見事な連携プレイとスキルを用いてトドメを刺し、あっさりとサンドワームを塵へと還した。
18人もハンターがいれば、サンドワームの1匹ぐらい敵ではない。
すると、おもむろに青い布を纏った5人がハンター達の方へ向き、うつむき膝を付いていた。
「メシア様……!」
「いえ、我々は……」
メシア――救世主と呼ばれ、イズンは居心地が悪くなり慌ててケンの顔を上げさせようと近寄った。
はらり、と頭部を覆っていた布が落ちた。
見えたのは、獣の耳……犬の耳。
スレンダーな黒色の短い毛並みとスッと長い鼻。
「コボルド……!?」
「ズット、待ッテタ。メシア様……!」
イズンが驚いて見つめれば、はち切れんばかりに尻尾を振りながら嬉しそうなケンが「ナンデス?」と問う。
サンドワームから助けたこともあってか、驚くほど敵対心が無く、無邪気に懐いてくるコボルド達に囲まれ、ハンター達も戸惑いを隠せない。
「オイデオイデ」と誘うコボルド達を信用していいものか。
ハンター達と相談した結果、言葉がしゃべられるのであればとりあえず話しを聞いてみようという結果となり、ケンの後に付いて行くと、そこは滾々と真水が湧き出るオアシスのほとり、小さな村……というにはあまりに寂しい、確かに砂岩を乱雑に積んで出来た四角い小屋が何件か立っている場所に出た。
その中の一つ、広い小屋へとイズンと6名のハンターそして術者2名が代表として招かれていた。
他のハンター12名と術者4人は隣の別室で待機してもらっている。
「イズン様」
先ほどまでコボルド達を見て顔面蒼白となっていたエルフハイムの術者達が、そっとイズンを呼んだ。
「恐らく、ここなら植樹出来ます」
「このオアシスそのものが太い龍脈の上。だから、水が汚染されずに湧き出るのです」
イニシャライザー(と、パルムと神霊樹)が入った御輿を担ぎ、ここまで歩いて来た術者達は、最初に頃こそ非力そうに見えたが実はそれなりにパワー型なのかと、少し関係無いことを思いながらイズンは思案する。
どうするべきなのか。
ここで植樹出来るのであれば、彼らに頼めば儀式をやらせて貰えるのか。
そもそも彼らを信用して良いのか。
人の言葉を操れる分、狡猾なコボルドであれば逆にこちらを安心させた所を襲うかも知れない。
「……何故、私たちのことを“メシア”だと?」
イズンの問いに、ケンは両耳をぴこぴこと動かして「ハイ」と答えた。
「私タチ、本当の家、モット、ムコウ。ソコニ、書イテアッタ。鼻の無イ、不思議ナ、力、使ウモノ。ソレガ、メシア。私タチヲ 竜カラ、救ッテクレル」
「書いてあった?」
「ソウ。ムレの王、カシコクナイト、ナレナイ」
意味が分からず、イズンがもう少し詳しく話しを聞こうとしたその時、ケンと同じく青い布を被ったコボルドが凄い勢いで転がり込んで来た。
「…………!! ………! ……………!!!」
何を言っているのかさっぱり判らないが、ただとんでも無いことが起こったのだろう事は口調から予想が付いた。
「どうしたんですか?」
イズンが問いかけると、ケンは眉間にしわを寄せ、犬歯を剥いた。
「……ヤツラガ、来タ……!」
●
「あ、本当に人でち」「ホントでち。犬っころじゃないでち」
「「初めて見たでち」」
クスクスと笑う一見4~5歳ぐらいの双子らしい幼女2人が砂漠の上にいた。
……正しく、空を飛んで、上にいる。
「あの海を渡ったんでちか」「すごいでちね」
「「でもここでお終いでち!」」
2人は人のような外見だが、尻尾だけがドラゴンのそれだった。
共に白い尾をうねらせてクスクスと笑う。
「マシュと」「マロが」
「「お前達をごーとぅーへる! でち!!」」
……どっと虚脱感に襲われるのは何故だろうか。
イズンは眉間を抑えながら砂山の向こうにいる双子を見る。
しかし、その後ろに蠢くようにして現れたリザードマンの群れを見て、イズンは奥歯を噛み締めたのだった。
解説
【前後編通しての目的】
無事暗黒海域を越え、南方大陸へ上陸し、神霊樹の分樹を植え、儀式を行う
【後編での目的】
1.「マシュ」と「マロ」からオアシスを守る
2.オアシスの麓で転移門を開く為の儀式を行う
●あなた達の役割
敵は砂山の向こうに姿を現したばかりであり、こちらから討って出れば戦場そのものをオアシスから遠ざけることが可能。
リザードマンの群れは基本的に他のハンター達に任せ、双子竜を食い止めて下さい。
●敵
・「マシュ」と「マロ」
ケン曰く、『攻撃のマシュと支援のマロ』とのことだが、見た目からはどちらがどちらか今は判断不可。
いつもコボルド達を痛めつけては楽しんでいる嗜虐趣味の双子竜。
子供のような外見だが、相当な実力竜であると推測される。
リザードマンが全て倒されると撤退する。
・リザードマンの群れ
30体の強欲のリザードマン。
属性はバラバラ。人語は理解不能。
●味方
・イズン
基本的にあなた達と共に行動。
プレイングの指示によって違う行動も可能。
・12人のハンター
他の船に乗っていたハンター達。
彼・彼女達がリザードマンの群れを担当。
・6人のエルフ術者
彼・彼女達は結界術を使うエキスパートだが、戦闘は不得手。
・コボルド(青の一族)
戦えるが、非常に弱い。術者達の護衛に付いて貰う体で待機予定。
ただし、指示次第では別の動きを取ることも可能。
●戦闘後
無事双子竜を退けることが出来ればコボルド達は完全にあなた達を“メシア”と認識するので、転移門の設置が可能となる。
転移門が無事開通すれば、そこから行き来が出来るようになり、目標達成となる。
●注意事項
・あなた達は船に乗って来たので、騎乗動物は連れてきていません。
・道中船の上でスキルを発動させているので、一つに付き2/3回しか使えません
(全部で9回使えるスキルなら、3回使っていて残り6回。※端数切り上げ=10回使えるスキルなら残り7回)
無事暗黒海域を越え、南方大陸へ上陸し、神霊樹の分樹を植え、儀式を行う
【後編での目的】
1.「マシュ」と「マロ」からオアシスを守る
2.オアシスの麓で転移門を開く為の儀式を行う
●あなた達の役割
敵は砂山の向こうに姿を現したばかりであり、こちらから討って出れば戦場そのものをオアシスから遠ざけることが可能。
リザードマンの群れは基本的に他のハンター達に任せ、双子竜を食い止めて下さい。
●敵
・「マシュ」と「マロ」
ケン曰く、『攻撃のマシュと支援のマロ』とのことだが、見た目からはどちらがどちらか今は判断不可。
いつもコボルド達を痛めつけては楽しんでいる嗜虐趣味の双子竜。
子供のような外見だが、相当な実力竜であると推測される。
リザードマンが全て倒されると撤退する。
・リザードマンの群れ
30体の強欲のリザードマン。
属性はバラバラ。人語は理解不能。
●味方
・イズン
基本的にあなた達と共に行動。
プレイングの指示によって違う行動も可能。
・12人のハンター
他の船に乗っていたハンター達。
彼・彼女達がリザードマンの群れを担当。
・6人のエルフ術者
彼・彼女達は結界術を使うエキスパートだが、戦闘は不得手。
・コボルド(青の一族)
戦えるが、非常に弱い。術者達の護衛に付いて貰う体で待機予定。
ただし、指示次第では別の動きを取ることも可能。
●戦闘後
無事双子竜を退けることが出来ればコボルド達は完全にあなた達を“メシア”と認識するので、転移門の設置が可能となる。
転移門が無事開通すれば、そこから行き来が出来るようになり、目標達成となる。
●注意事項
・あなた達は船に乗って来たので、騎乗動物は連れてきていません。
・道中船の上でスキルを発動させているので、一つに付き2/3回しか使えません
(全部で9回使えるスキルなら、3回使っていて残り6回。※端数切り上げ=10回使えるスキルなら残り7回)
マスターより
初めまして、もしくは、またお目にかかれて光栄です。葉槻(はづき)です。
サツバツとした南方大陸に来たと思ったら、わんこと双子のでちこう幼女というファンシーな世界が広がっていました……!
な、何を言っているのかわからない? いやいや、世の中こんな事もあるもんなんですねぇ。
あ、今回はジャンル:戦闘です。そして難易度は普通となっております。
ゆるーい双子竜ですがリザードマン達を従えられるくらいには立派に強い竜ですので、努々油断なさらぬようお願いいたします。
不明点にはイズンがお答えいたしますので質問卓にてお気軽にお問い合わせ下さい。
それでは、あなたらしいプレイングをお待ちしております。
サツバツとした南方大陸に来たと思ったら、わんこと双子のでちこう幼女というファンシーな世界が広がっていました……!
な、何を言っているのかわからない? いやいや、世の中こんな事もあるもんなんですねぇ。
あ、今回はジャンル:戦闘です。そして難易度は普通となっております。
ゆるーい双子竜ですがリザードマン達を従えられるくらいには立派に強い竜ですので、努々油断なさらぬようお願いいたします。
不明点にはイズンがお答えいたしますので質問卓にてお気軽にお問い合わせ下さい。
それでは、あなたらしいプレイングをお待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/09/02 00:40
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
質問卓 フィルメリア・クリスティア(ka3380) 人間(リアルブルー)|25才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2016/08/29 00:50:01 |
|
![]() |
オアシス防衛・転移門開通に向け フィルメリア・クリスティア(ka3380) 人間(リアルブルー)|25才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2016/08/29 09:58:36 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/08/24 22:48:49 |