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【猫譚】ユグディラ戦記――肉球乱舞――

マスター:坂上テンゼン

このシナリオは3日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
寸志
相談期間
5日
プレイング締切
2016/09/09 15:00
リプレイ完成予定
2016/09/21 15:00

オープニング

●ユグディライダー 三度目の接触は土下座の香り
 ヘザー・スクロヴェーニ(kz0061)のバイクには『ユグディラ・キャリアー』という愛称が付けられている(別名『にゃんこ輸送機』)。
 理由はユグディラに盗まれたからだ。二回も。
 一度目は去年の夏、二度目は先々月のことだ。
 いずれもバイクを超絶技巧で乗り回す三匹のユグディラ達だった。リーチを補うため一匹がハンドルを握り、他の二匹が左右のペダルを踏むという考えるのが馬鹿馬鹿しくなるような方法で運転する奴らだ。
 バイクを盗まれたこと自体は腹立たしいことだが、それを追いかけること自体は面白おかしかったし、事件を通じて他のハンターとも知り合えたりと、そう悪いことばかりではなかったと感じている。そのため、バイクを盗まれた経験はメモリアルな出来事だった。
 勿論、もう絶対に盗まれない! と硬く決意しているのだが。

 そして、今日ヘザーがバイク置き場にいくと……
 自分のバイクに何かモフモフしたものがくっついているのに気づいた。
 やはりというべきか、それはユグディラだった。ここは王都だというのに!
「残念だったな! 今日はちゃんとキーを抜いているぞ!」
 誇らしくキーを見せ付けるヘザー。威張るほどの事か。
「ニャーアアアアアアーーーッ!」
「オゥォゥ……ワァオァアアーーーーゥ!」
「ヌギャアアアーーーーーーゥ!」
 前回・前々回と同じキジトラ・ハチワレ・クロの三匹だった。まるでそれぞれが「やはり現れたな!」「ここで待っていれば来ると思っていたぞ!」「来なければどうしようかと不安になっていたところだ!」とでも言うような勢いでポーズをとりつつ鳴いた。鳴いたのだ。
「おのれ……ここで会ったが百年目だ!
 ひっ捕らえて街中の猫好きという猫好きにモフり倒させてくれるわ!」
 ヘザーが両腕を前方に出して構え、ユグディラ達に距離を詰めていく。
 するとユグディラ達は獣特有の瞬発力をもって動き、一列に並んだ。
 その姿勢は……土下座だった。

「なっ……?!」
 逃げるでも反撃でもなく誠意ある態度を見せられてヘザーは戸惑う。
 ユグディラたちの硝子玉のような眼はヘザーに向けられていた。
 ヘザーがそれに気づいた時には、風景が裏返るように変わっていた。
 何かの映像を見せられていると、すぐに気づいた。

 武器を持った人影……
 背丈と同じくらいのルーサーンハンマーを持った者が四人いる……。
 いずれも女性だ……それぞれ顔は違うが、緑色の巻き毛……胸や腰はふわふわした毛に覆われ……頭には捩れた角があるのが共通している……腰にも短剣があった……。
 人型だが一目で歪虚とわかった。
 草原で何かを探し回っている……一人が籠を設置した荷車を引いていた……籠の中にはユグディラ……。
 茂みから飛び出すユグディラ……
 歪虚の一体がネットを投げる……絡め取られて暴れるユグディラ……

「……話はわかった……」
 ヘザーは構えを解いた。
「本来ならばお前たちはバイクを盗んだ罪人。
 しかし、お前たちは力なき存在で、私に助けを求めるのなら無碍にはできん……」
 ヘザーは拳を握り、力強く頷いた。

 ユグディラ達はバイクに乗っていた(例のフォーメーションで)。
「当然のように私のバイクに乗るなあ!」

 なんとかしてユグディラを引き剥がしたヘザーは、ハンターオフィスへと向かう……。


●緑の草原で少女達は無邪気に焦る
 ここはグラズヘイム王国南部、シエラリオ地方のとある草原。
 世界有数の穀倉地として名高いこの地方は比較的、歪虚の活動も少ない地方であった。
 草原は晩夏の日差しを受けて緑色に輝き、それを貫くように伸びた道は巡礼路の一部に連なっていた。
 その道を歩いている人影が四つあった。

「ねぇ、なんでこんなコトしなきゃいけないのかな?」
「めんどくさいね!」「くさいね!」
「仕方がないよ! これもベリアル様のためなんだよ!」
「でも本隊はリベルタース地方に行ってるんだよね?」
「それ言っちゃダメぇ!」

 かしましい四人の少女達だった。だがその姿は人のそれとは微妙に違っていた。いずれも緑色の巻き毛の髪で、胸と腰は羊の毛に覆われており、頭には捩れた角があった。容姿とは不釣合いなルーサーンハンマーを持ち、腰には左右一対の短剣を下げていた。見るものが見れば一目で歪虚とわかる。

「いーい、ぜったいにここで成功させなきゃいけないの!」
「手柄を立ててベリアル様に認めてもらうんだよね!」
「ベリアル様、私達に冷たいけどー」
「いまに見直してもらうんだから!」
 元気ではあったがどこか哀愁の漂う四人の少女達は、空に拳を突き上げお互いを鼓舞し合った。

 この歪虚達はベリアル配下で、ハンター達に倒されたフラベル・クラベルの後釜となることを期待された幹部候補生達であった。
 フラベル・クラベルと特徴の似たものを集め、特別に育成された歪虚達なのだが……
 肝心のベリアル本人はあまり気に入らなかったらしく、このままでは万年候補生で終わってしまう可能性が高い。
 彼女等が焦っているのはそのためだ。
 ちなみに、ここにいるのは全員フラベルの役割を想定された者ばかりだ。

 そして彼女達の一人が、籠を載せた荷車を引いていた。
 その籠の中には複数のユグディラが閉じ込められ、不安げに縮こまって空を見上げていた。
 また、彼女らが拠点としている天幕でも、ユグディラたちが震えながら助けを待っている……。

解説

(以下ヘザーが解説)
押忍! ヘザーだ!
私と一緒に悪を倒そう!

●目的
今回はユグディラの頼みを受けて、歪虚に捕らわれたユグディラ達を助けにいく!

●場所
同行するユグディラが案内してくれることになっている。映像を見る限りではなだらかな平原が戦場となるだろう。

●敵戦力
四人の歪虚だ。あれは……かつて王国に侵攻してきたベリアルの配下、フラベルに特徴が似ているようだった。

量産型フラベルと名付けよう!

量産型フラベル×4。
高い身体能力を持ち、武器の扱いに秀でていることが予想される。得物のハンマーのみならずサブウェポンや素手での格闘も考慮に入れるべきだろう。

●味方戦力
王国の影番ことヘザー・スクロヴェーニが同行する! 私のステータスは当てにならないから参照しないでくれ。装備も撮影用だしな……疾影士とだけわかってくれていればいい。

そして、ユグディラ!
(ヘザーが指した方向でシャドーボクシングやミット打ちをしているユグディラたち)
…………
当てにはしないほうがいいな。
(ズコー ×3)
一応、幻術とか使える。

バイク? 絶対運転させない。

こんなところか! よろしく頼む!

マスターより

坂上テンゼンに候。
ジャンルをコメディにするか否か迷いまして候。

過去のシナリオ「ユグディラ幻想 或いはヘザーの以下略」と登場人物が一部共通していますが、続編というよりは『原因を同じくする別の事件』です。

さておき今回の敵はフラベルに特徴が似ていますが、量産型は所詮量産型。
フラベルの特徴は資料館の2014年【黒祀】リプレイなどをご覧ください。
http://www.wtrpg10.com/event/bt002/replay/3/1

なお、報酬はヘザーの財布から出ているので額はお察し。

関連NPC


  • ヘザー・スクロヴェーニ(kz0061
    人間(クリムゾンウェスト)|26才|女性|疾影士(ストライダー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/09/17 18:52

参加者一覧

  • 聖なる焔預かりし者
    瀬織 怜皇(ka0684
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 【魔装】の監視者
    星輝 Amhran(ka0724
    エルフ|10才|女性|疾影士
  • 緑龍の巫女
    Uisca=S=Amhran(ka0754
    エルフ|17才|女性|聖導士
  • 其の霧に、籠め給ひしは
    ヴィルマ・レーヴェシュタイン(ka2549
    人間(紅)|23才|女性|魔術師
  • 東方帝の正室
    アシェ-ル(ka2983
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • 唯一つ、その名を
    Holmes(ka3813
    ドワーフ|8才|女性|霊闘士
  • コル・レオニス
    ミコト=S=レグルス(ka3953
    人間(蒼)|16才|女性|霊闘士
  • スカイラブハリケーン
    リツカ=R=ウラノス(ka3955
    人間(蒼)|18才|女性|疾影士
依頼相談掲示板
アイコン 【相談卓】もふもふを求めて
アシェ-ル(ka2983
人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2016/09/08 04:00:16
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/09/04 20:56:15