ゲスト
(ka0000)
【王臨】政治的な軍事作戦 1
マスター:京乃ゆらさ

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- シリーズ(新規)
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,300
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- ユニット参加人数
- 現在4 / 0~6
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/12/19 22:00
- リプレイ完成予定
- 2017/01/02 22:00
オープニング
「義勇軍を編成しろ」
グラズヘイム王国、大公ウェルズ・クリストフ・マーロウが命じると、部屋の片隅に控えていた青年が音もなく立ち上がった。
「小規模に、でしょうか」
「うむ。できる限り継続したい」
「期間は」
「まずは三ヶ月。その後は適宜指示と支援を送ろう」
「……かしこまりました。活動している、との実績を重視して動きます」
「そうだ、それでいい」
打てば響くようなやり取りはマーロウの気分を高揚させる。
流石によその配下にまでそれを求めるつもりなどないが、自分の周りは呼吸を把握できる人材で固めたいものだ。
宿の外からは夜になっても未だ終わらぬ音楽祭の賑やかな声が聞こえてくる。マーロウはそれにゆったりと浸りながら、青年に目をやった。
「……お前も少しは楽しんできてよいのだぞ」
「大公閣下にお仕えすることこそが、私の楽しみです」
「そうか」
「義勇軍はどこに展開いたしますか」
念の為に、というよりも「形式的に一応訊いておいた方が格好がつく」とでも考えているような声色だった。マーロウは鼻で笑い、茶番に乗った。
「リベルタース。あの穢れどもに息つく暇を与えるな」
●政治的バランス
現在のグラズヘイム王国を事実上動かしているはずのセドリック・マクファーソン(kz0026)は、今、若干の焦燥感を抱きながら一連の報告書と号外新聞を凝視していた。
そこには抑えきれない喜色を示すようにこんな文言が踊っている。
ウェルズ・クリストフ・マーロウ大公、仇敵ベリアルを撃退!!
何とも目を引く見出し文だ。これが王国各地の街で配られており、主要都市の人々の多くが既にこの事実を知っているというのが、セドリックの苦悩の種だった。
――騎士団員も、奴と関係のないハンターたちも従軍していたのだがな……。
ガンナ・エントラータ近郊でのベリアル軍との激突。それに従軍したのは貴族の私兵だけではない。組織し、総大将として後ろに控えていたのがマーロウだっただけだ。
が、それこそが国民感情と政治にとっては重要だった。初動で主導権を握られたのがつくづく痛い。
セドリックは深呼吸して資料を放ると、席を立った。行先は二つ。聖堂教会と王国騎士団本部だ。
マーロウや連携した他の貴族の活躍により、貴族どもは近いうちにやれ褒美を寄越せだのやれ権利を寄越せだのと要求してくるだろう。ならばその前にこちら――王家・王国側も戦功を挙げねばならない。可及的速やかにだ。ユグディラとの恒久的友好関係の構築に忙しい王女殿下に話を通す時間など、当然ない。
――理想を言えば、ぜひともイスルダ島を奪還してしまいたい……。
一足飛びにそんなことができるわけがないというのは、軍事に疎いセドリックにも分かる。が、理想はそれだ。
そしてその為には……。
セドリックは聖堂教会の戦士団のもとへ向かうと、小隊長の一人という男にそれを告げた。
「特殊作戦隊を編成する」
隊員は聖堂戦士団より一部隊、王国騎士団より一部隊、そしてハンターを含む義勇兵だ。
●軍事的目標
王国西部、リベルタース地方。
現在はアイテルカイトの本拠地となっている西方沖のイスルダ島に最も近く、常日頃からアイテルカイトや雑魔の攻勢に直面しているこの地だが、この時ばかりはハルトフォート砦の士気が違った。
ガンナ・エントラータ近郊まで侵攻してきたベリアル軍はリベルタース西岸にまで後退し、追撃軍が敵を狩りに狩った。
その機を逃す者など、いるはずが、ない。
「待機中の奴らは総員出陣じゃあ! 細かな指示は追って伝える! とにかく全員外に出やがれい!!」
司令ラーズスヴァンの号令一下、ハルトフォートが動き出す。
一通りの指示を出したラーズスヴァンは、作戦指揮所に入るなり王都からやって来た彼らを睨めつけた。
聖堂戦士団の小隊長、ザンハ。
王国騎士団青の隊所属、シャイネ・リュエ。
そしてハンターたち。
『援軍』などという名目で派兵されてきたわけだが、ひたすら面倒になりそうな予感しかしなかった。
「ああ……それで? あんた方サマには何をすればよろしいワケで?」
「我々は援軍です。ご自由にお使いください」
青の隊の女騎士シャイネが堅苦しく直立したまま言う。
それだけで、ラーズスヴァンは彼らに深く関わる気が失せた。
――政治なぞ上の方で勝手にやっておれ、クソどもが!
「ふん……だったら自由に行動せい! 戦況は逐次入ってくる。それでも見て適当に討伐に出ろ。あるいは砦に居残っておる奴らと訓練するのもいいだろう。戦略目標をわしに進言してくるのも勝手よ。ああそうだの、最近Gnomeが正式配備され始めたんだがの、搭乗員の慣熟訓練に付き合ってもらうと『わしは』助かる。だがまあ、ともかく」
まくし立てていたラーズスヴァンは一拍置くと、苛立ちを奥深くに押し込めてハンターに同情の視線を向けてやった。
「ハンター諸君、お前らはご愁傷様だったな。政治主導の軍事作戦にようこそ」
グラズヘイム王国、大公ウェルズ・クリストフ・マーロウが命じると、部屋の片隅に控えていた青年が音もなく立ち上がった。
「小規模に、でしょうか」
「うむ。できる限り継続したい」
「期間は」
「まずは三ヶ月。その後は適宜指示と支援を送ろう」
「……かしこまりました。活動している、との実績を重視して動きます」
「そうだ、それでいい」
打てば響くようなやり取りはマーロウの気分を高揚させる。
流石によその配下にまでそれを求めるつもりなどないが、自分の周りは呼吸を把握できる人材で固めたいものだ。
宿の外からは夜になっても未だ終わらぬ音楽祭の賑やかな声が聞こえてくる。マーロウはそれにゆったりと浸りながら、青年に目をやった。
「……お前も少しは楽しんできてよいのだぞ」
「大公閣下にお仕えすることこそが、私の楽しみです」
「そうか」
「義勇軍はどこに展開いたしますか」
念の為に、というよりも「形式的に一応訊いておいた方が格好がつく」とでも考えているような声色だった。マーロウは鼻で笑い、茶番に乗った。
「リベルタース。あの穢れどもに息つく暇を与えるな」
●政治的バランス
現在のグラズヘイム王国を事実上動かしているはずのセドリック・マクファーソン(kz0026)は、今、若干の焦燥感を抱きながら一連の報告書と号外新聞を凝視していた。
そこには抑えきれない喜色を示すようにこんな文言が踊っている。
ウェルズ・クリストフ・マーロウ大公、仇敵ベリアルを撃退!!
何とも目を引く見出し文だ。これが王国各地の街で配られており、主要都市の人々の多くが既にこの事実を知っているというのが、セドリックの苦悩の種だった。
――騎士団員も、奴と関係のないハンターたちも従軍していたのだがな……。
ガンナ・エントラータ近郊でのベリアル軍との激突。それに従軍したのは貴族の私兵だけではない。組織し、総大将として後ろに控えていたのがマーロウだっただけだ。
が、それこそが国民感情と政治にとっては重要だった。初動で主導権を握られたのがつくづく痛い。
セドリックは深呼吸して資料を放ると、席を立った。行先は二つ。聖堂教会と王国騎士団本部だ。
マーロウや連携した他の貴族の活躍により、貴族どもは近いうちにやれ褒美を寄越せだのやれ権利を寄越せだのと要求してくるだろう。ならばその前にこちら――王家・王国側も戦功を挙げねばならない。可及的速やかにだ。ユグディラとの恒久的友好関係の構築に忙しい王女殿下に話を通す時間など、当然ない。
――理想を言えば、ぜひともイスルダ島を奪還してしまいたい……。
一足飛びにそんなことができるわけがないというのは、軍事に疎いセドリックにも分かる。が、理想はそれだ。
そしてその為には……。
セドリックは聖堂教会の戦士団のもとへ向かうと、小隊長の一人という男にそれを告げた。
「特殊作戦隊を編成する」
隊員は聖堂戦士団より一部隊、王国騎士団より一部隊、そしてハンターを含む義勇兵だ。
●軍事的目標
王国西部、リベルタース地方。
現在はアイテルカイトの本拠地となっている西方沖のイスルダ島に最も近く、常日頃からアイテルカイトや雑魔の攻勢に直面しているこの地だが、この時ばかりはハルトフォート砦の士気が違った。
ガンナ・エントラータ近郊まで侵攻してきたベリアル軍はリベルタース西岸にまで後退し、追撃軍が敵を狩りに狩った。
その機を逃す者など、いるはずが、ない。
「待機中の奴らは総員出陣じゃあ! 細かな指示は追って伝える! とにかく全員外に出やがれい!!」
司令ラーズスヴァンの号令一下、ハルトフォートが動き出す。
一通りの指示を出したラーズスヴァンは、作戦指揮所に入るなり王都からやって来た彼らを睨めつけた。
聖堂戦士団の小隊長、ザンハ。
王国騎士団青の隊所属、シャイネ・リュエ。
そしてハンターたち。
『援軍』などという名目で派兵されてきたわけだが、ひたすら面倒になりそうな予感しかしなかった。
「ああ……それで? あんた方サマには何をすればよろしいワケで?」
「我々は援軍です。ご自由にお使いください」
青の隊の女騎士シャイネが堅苦しく直立したまま言う。
それだけで、ラーズスヴァンは彼らに深く関わる気が失せた。
――政治なぞ上の方で勝手にやっておれ、クソどもが!
「ふん……だったら自由に行動せい! 戦況は逐次入ってくる。それでも見て適当に討伐に出ろ。あるいは砦に居残っておる奴らと訓練するのもいいだろう。戦略目標をわしに進言してくるのも勝手よ。ああそうだの、最近Gnomeが正式配備され始めたんだがの、搭乗員の慣熟訓練に付き合ってもらうと『わしは』助かる。だがまあ、ともかく」
まくし立てていたラーズスヴァンは一拍置くと、苛立ちを奥深くに押し込めてハンターに同情の視線を向けてやった。
「ハンター諸君、お前らはご愁傷様だったな。政治主導の軍事作戦にようこそ」
解説
▼目的
戦功を挙げる
▼状況
PCはセドリック大司教の依頼で義勇兵として特殊作戦隊に参加することになる。
大司教と司令から細かい指示はなく、上記目的の為に自由に行動してよい。
隊は聖堂戦士団から20人、王国騎士団から20人、PC含む義勇兵から12人。
覚醒者は聖導士と闘狩人を中心に35人+PC。PCを除いた平均レベルは20。
PC以外にユニット保持者なし。
砦の戦力は多くが出ているが、非番で砦に残った者等もいる。
提案すればPC以外の戦力を動かすことも可能(特に特殊作戦隊員)
▼ハルトフォート砦
砦だが一大拠点となっており、内部に非戦闘員が商売をする区画や居住区等もある。
Gnomeや砲撃特化型試作ゴーレムが多少配備されており、訓練中。
司令はラーズスヴァン。
▼現在のリベルタース地方
砦の戦力が広範に索敵・交戦しつつ、西部への進出を窺っている。薄く広く展開中。
マーロウの私兵が中部で活動している(PL情報)
西岸に生き残ったベリアル軍がいるのではないかと思われる。
▼現在の主な情報(☆:救援要請)
・砦
非戦闘員が大半
Gnome搭乗員は訓練中
特殊作戦隊が待機中(提案なければ砦近郊で行動)
ラーズスヴァンがいる
・砦近郊
北西の廃村に雑魔集団(総数不明)
南東の丘陵に人型の影のような敵集団(約15体)
・リベルタース中部
町に羊型歪虚(総数不明)と黒巨人(上半身馬1体・上半身鳥1体)侵攻中 ☆
・リベルタース西部
詳細不明
※砦以外の三ヶ所は一人が複数行くことは不可(砦+西部等は可)
※PCが分散することは可
▼敵情報(PC情報)
黒巨人
馬面:巨大な戦斧と全身鎧装備。
鳥面:鋭い羽根を飛ばしてくる。高速移動する。
▼補足情報
目的を見据えて行動することが重要かと思われる。シリーズ全体での大成功フラグを狙うのも面白いかも。
シリーズは全三回を予定(行動により増減する可能性もある)
ユニットは機械系・幻獣系共に歓迎(生身も歓迎)
戦功を挙げる
▼状況
PCはセドリック大司教の依頼で義勇兵として特殊作戦隊に参加することになる。
大司教と司令から細かい指示はなく、上記目的の為に自由に行動してよい。
隊は聖堂戦士団から20人、王国騎士団から20人、PC含む義勇兵から12人。
覚醒者は聖導士と闘狩人を中心に35人+PC。PCを除いた平均レベルは20。
PC以外にユニット保持者なし。
砦の戦力は多くが出ているが、非番で砦に残った者等もいる。
提案すればPC以外の戦力を動かすことも可能(特に特殊作戦隊員)
▼ハルトフォート砦
砦だが一大拠点となっており、内部に非戦闘員が商売をする区画や居住区等もある。
Gnomeや砲撃特化型試作ゴーレムが多少配備されており、訓練中。
司令はラーズスヴァン。
▼現在のリベルタース地方
砦の戦力が広範に索敵・交戦しつつ、西部への進出を窺っている。薄く広く展開中。
マーロウの私兵が中部で活動している(PL情報)
西岸に生き残ったベリアル軍がいるのではないかと思われる。
▼現在の主な情報(☆:救援要請)
・砦
非戦闘員が大半
Gnome搭乗員は訓練中
特殊作戦隊が待機中(提案なければ砦近郊で行動)
ラーズスヴァンがいる
・砦近郊
北西の廃村に雑魔集団(総数不明)
南東の丘陵に人型の影のような敵集団(約15体)
・リベルタース中部
町に羊型歪虚(総数不明)と黒巨人(上半身馬1体・上半身鳥1体)侵攻中 ☆
・リベルタース西部
詳細不明
※砦以外の三ヶ所は一人が複数行くことは不可(砦+西部等は可)
※PCが分散することは可
▼敵情報(PC情報)
黒巨人
馬面:巨大な戦斧と全身鎧装備。
鳥面:鋭い羽根を飛ばしてくる。高速移動する。
▼補足情報
目的を見据えて行動することが重要かと思われる。シリーズ全体での大成功フラグを狙うのも面白いかも。
シリーズは全三回を予定(行動により増減する可能性もある)
ユニットは機械系・幻獣系共に歓迎(生身も歓迎)
マスターより
どうもです。京乃です。
簡単に言うと、ハルトフォート砦やリベルタース地方でやりたいことやる依頼です。なんか色々書いてますが、とりあえず全力で戦いたいという方も暴れられる戦場がありますのでご安心ください(
他にも訓練や提案や何やかや、かなり自由にできることがあったりなかったり。
ちょうどユニット強化システムがくるようなので、存分にユニットとイチャイチャしてもいいのよ?
【猫譚】が終わったと思ったら王国の新連動がきていた。そんな感じの【王臨】です!(
とはいえ本格稼働は年明けからで、このシリーズは【猫譚】と【王臨】の間のような話となっております。ぜひご期待ください!
簡単に言うと、ハルトフォート砦やリベルタース地方でやりたいことやる依頼です。なんか色々書いてますが、とりあえず全力で戦いたいという方も暴れられる戦場がありますのでご安心ください(
他にも訓練や提案や何やかや、かなり自由にできることがあったりなかったり。
ちょうどユニット強化システムがくるようなので、存分にユニットとイチャイチャしてもいいのよ?
【猫譚】が終わったと思ったら王国の新連動がきていた。そんな感じの【王臨】です!(
とはいえ本格稼働は年明けからで、このシリーズは【猫譚】と【王臨】の間のような話となっております。ぜひご期待ください!
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/01/02 04:31
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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相談卓 レイレリア・リナークシス(ka3872) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2016/12/19 09:49:18 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/12/18 18:32:51 |