ゲスト
(ka0000)
スサノオ作戦
マスター:DoLLer

このシナリオは2日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在25人 / 1~25人
- 報酬
- 寸志
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/10/08 07:30
- リプレイ完成予定
- 2014/10/19 07:30
オープニング
「おい、歪虚は見つかったのか?」
村が雇った女ハンターにいらだった様子で男は問いただした。
「あのね、こんなに広大で障害物だらけの中で、小さな蛇一匹見つけろって無茶言わないでよ」
女ハンターの方も随分と苛立った顔でそう返した。見なさいよ、と手を伸ばした先には、広大な地下のワインセラーが広がっている。元々地下道を利用して作られたこのワインセラーは、恐らく日の光が差したとしてもその先を見通すことはできないだろう。それ程長い道に延々とワイン樽が年代順に並べられ、保管されている場所だった。
問題はここに歪虚が発生したらしい、ということだった。らしい、というのは推測であって、誰一人その姿を確認できていないからである。
「あんたが歪虚をみつけなきゃ、酒が腐らされちまうんだ! この村の主産業はこのワインなんだぜ!? それは俺たちの生活もかかってるんだ!」
「その言葉は耳にタコができるくらい聞いたわよ。ここの障害物、全部取っ払っていいならすぐにでも退治してあげるけど?」
歪虚の発見は難航を極めた。それは醸造されている酒樽の数々だった。村の主産業、というだけあって、その樽の数は膨大で、しかもこれらを動かすことに村人たちは強く反対していた。他に移す場所もなければ、外に出そうものなら酸化して味が落ちる。売り物として質が落ちれば、村の存亡にかかわると。おかげで女ハンターは動かすことも壊すこともできないこの厄介な『障害物』に阻まれて、歪虚を捕らえることがなかなかできずにいた。その姿が小さな蛇であることを確認できただけでも僥倖と言えよう。
「何度言ったらわかるんだ。酒樽は動かせない!」
女ハンターはため息をついた。彼らは酒全部が腐ってダメになるまで、酒造りのプライドとやらにこだわり続けるのだろう。迷惑な話だ。
さて、どうしたものか。女ハンターは考えた。
恐らく歪虚とはいっても被害は酒を腐らせる程度で、正面から戦えば全く脅威のない雑魔なのは明らかだ。めんどくさいなのは人間の方。
酒が飲める依頼だと聞いて参加したのに、これはかなり骨が折れる。しかもこのワインセラーが少しずつ穢され始めている。今、雑魔を倒しても新たな歪虚が発生するかもしれないし、この先、いい酒は作れないだろう。
結局、文句言われる。美味しい酒も飲めない。
もはや歪虚を倒すだけじゃ解決は無理。
ならば、合法的に、合理的に美味しい酒にありつくには。
女ハンターは指を鳴らした。
「酒樽を動かせないのは、ワインの品質が落ちるからよね?」
「そうだ」
「ここの酒、新酒じゃないわよね?」
「ああ、新酒はまだずっと向こうの方だ。来月には解禁日を迎えるが……、それがどうかしたのか?」
女ハンターはにぃっと邪悪な笑みを浮かべた。聖導士が持つイメージとはかけ離れたその笑みを男が気付けなかった。
「いい方法があるわ。歪虚を簡単に見つける方法。酒をね、どかせるのよ」
「何度言わせるんだ、酒樽は動かすな!! このワインは人に至福を与えるものなんだ。それを落胆させるものにすることはできん!」
「あら、要するに酒が傷まないようにすればいいんでしょう?」
「な、何を言ってるんだ? そんなことが……」
「できるわよ、胃の中にうつせば、傷む間もなく人々を至福に導けるわよ。どうせ、秋祭の時に、保存に見切りをつけるものは全部空けちゃうんでしょう?」
男の時間が止まった。女ハンターの言葉が理解できてないようだった。
「歪虚が潜んでいるだろうエリアにある樽の数は50ってとこね。ま、20人もいれば楽勝ね。ああ、依頼が成功すれば、ここのワイン飲み放題にしてくれるって言ってたわよね。先に無くなるか、後でなくなるかくらいの違いでしかないから安心しなさいな」
女ハンターは鼻歌混じりに魔導伝話を操作し始める中、男は歪虚が出てきたと言った時より遥かに真っ青な顔をして女ハンターにしがみついた。
「お、おい。大切な商品なんだ……それを50樽も飲み干すだって!?」
「このワインセラーは歪虚に穢され始めているから、退治したところで酒作ってもいいのできないわよ。その浄化も含んでいるんだから。安いものよ?」
男はがっくりと膝をついていた。そんな男に女ハンターは優しく肩を叩いた。
「ちょっと早いけど、秋祭りだと思えばいいのよ。海千山千のハンターに酒を飲んでもらえるのよ? もしかしたら彼らが方々に宣伝してくれて来年は売れ行き良くなるかもしれないわね」
確かに酒を傷ませずに、すみやかに歪虚を倒して、来年以降も酒造りを続けるにはこれしかないのかもしれない。
もうそこまで言われたら、男も腹をくくるしかなかった。
「だぁぁぁぁ! わかった! 酒全部もってきやがれーーーーーっ!!!」
ヤケになる男を横目に、女ハンターは伝話で話す。
「あ、もしもし? 悪いけどオフィスに連絡してくれる? 酒盛りするから20人ばかり、応援きてくれって。酒のみだけ連れてこないでね。料理できる人も欲しいし、楽しい芸できる人も絶賛募集ってしておいてくれる? なにって、作戦よ、作戦!! リアルブルーの伝承にひっかけて名づけてスサノオ作戦ねっ!」
村が雇った女ハンターにいらだった様子で男は問いただした。
「あのね、こんなに広大で障害物だらけの中で、小さな蛇一匹見つけろって無茶言わないでよ」
女ハンターの方も随分と苛立った顔でそう返した。見なさいよ、と手を伸ばした先には、広大な地下のワインセラーが広がっている。元々地下道を利用して作られたこのワインセラーは、恐らく日の光が差したとしてもその先を見通すことはできないだろう。それ程長い道に延々とワイン樽が年代順に並べられ、保管されている場所だった。
問題はここに歪虚が発生したらしい、ということだった。らしい、というのは推測であって、誰一人その姿を確認できていないからである。
「あんたが歪虚をみつけなきゃ、酒が腐らされちまうんだ! この村の主産業はこのワインなんだぜ!? それは俺たちの生活もかかってるんだ!」
「その言葉は耳にタコができるくらい聞いたわよ。ここの障害物、全部取っ払っていいならすぐにでも退治してあげるけど?」
歪虚の発見は難航を極めた。それは醸造されている酒樽の数々だった。村の主産業、というだけあって、その樽の数は膨大で、しかもこれらを動かすことに村人たちは強く反対していた。他に移す場所もなければ、外に出そうものなら酸化して味が落ちる。売り物として質が落ちれば、村の存亡にかかわると。おかげで女ハンターは動かすことも壊すこともできないこの厄介な『障害物』に阻まれて、歪虚を捕らえることがなかなかできずにいた。その姿が小さな蛇であることを確認できただけでも僥倖と言えよう。
「何度言ったらわかるんだ。酒樽は動かせない!」
女ハンターはため息をついた。彼らは酒全部が腐ってダメになるまで、酒造りのプライドとやらにこだわり続けるのだろう。迷惑な話だ。
さて、どうしたものか。女ハンターは考えた。
恐らく歪虚とはいっても被害は酒を腐らせる程度で、正面から戦えば全く脅威のない雑魔なのは明らかだ。めんどくさいなのは人間の方。
酒が飲める依頼だと聞いて参加したのに、これはかなり骨が折れる。しかもこのワインセラーが少しずつ穢され始めている。今、雑魔を倒しても新たな歪虚が発生するかもしれないし、この先、いい酒は作れないだろう。
結局、文句言われる。美味しい酒も飲めない。
もはや歪虚を倒すだけじゃ解決は無理。
ならば、合法的に、合理的に美味しい酒にありつくには。
女ハンターは指を鳴らした。
「酒樽を動かせないのは、ワインの品質が落ちるからよね?」
「そうだ」
「ここの酒、新酒じゃないわよね?」
「ああ、新酒はまだずっと向こうの方だ。来月には解禁日を迎えるが……、それがどうかしたのか?」
女ハンターはにぃっと邪悪な笑みを浮かべた。聖導士が持つイメージとはかけ離れたその笑みを男が気付けなかった。
「いい方法があるわ。歪虚を簡単に見つける方法。酒をね、どかせるのよ」
「何度言わせるんだ、酒樽は動かすな!! このワインは人に至福を与えるものなんだ。それを落胆させるものにすることはできん!」
「あら、要するに酒が傷まないようにすればいいんでしょう?」
「な、何を言ってるんだ? そんなことが……」
「できるわよ、胃の中にうつせば、傷む間もなく人々を至福に導けるわよ。どうせ、秋祭の時に、保存に見切りをつけるものは全部空けちゃうんでしょう?」
男の時間が止まった。女ハンターの言葉が理解できてないようだった。
「歪虚が潜んでいるだろうエリアにある樽の数は50ってとこね。ま、20人もいれば楽勝ね。ああ、依頼が成功すれば、ここのワイン飲み放題にしてくれるって言ってたわよね。先に無くなるか、後でなくなるかくらいの違いでしかないから安心しなさいな」
女ハンターは鼻歌混じりに魔導伝話を操作し始める中、男は歪虚が出てきたと言った時より遥かに真っ青な顔をして女ハンターにしがみついた。
「お、おい。大切な商品なんだ……それを50樽も飲み干すだって!?」
「このワインセラーは歪虚に穢され始めているから、退治したところで酒作ってもいいのできないわよ。その浄化も含んでいるんだから。安いものよ?」
男はがっくりと膝をついていた。そんな男に女ハンターは優しく肩を叩いた。
「ちょっと早いけど、秋祭りだと思えばいいのよ。海千山千のハンターに酒を飲んでもらえるのよ? もしかしたら彼らが方々に宣伝してくれて来年は売れ行き良くなるかもしれないわね」
確かに酒を傷ませずに、すみやかに歪虚を倒して、来年以降も酒造りを続けるにはこれしかないのかもしれない。
もうそこまで言われたら、男も腹をくくるしかなかった。
「だぁぁぁぁ! わかった! 酒全部もってきやがれーーーーーっ!!!」
ヤケになる男を横目に、女ハンターは伝話で話す。
「あ、もしもし? 悪いけどオフィスに連絡してくれる? 酒盛りするから20人ばかり、応援きてくれって。酒のみだけ連れてこないでね。料理できる人も欲しいし、楽しい芸できる人も絶賛募集ってしておいてくれる? なにって、作戦よ、作戦!! リアルブルーの伝承にひっかけて名づけてスサノオ作戦ねっ!」
解説
酒蔵に潜む歪虚を退治しその地を浄化する、のが目的ですが、その歪虚が隠れているであろう酒を飲んで騒ぐのがメインです。
歪虚は皆さん攻撃なら多分、瞬殺です。弱いです。積極的に探す場合以外はプレイングに書く必要はありません。見つかった時点ですぐ倒されますので。
女ハンターが50樽は20人いれば楽勝、とか言ってますがそんな訳ありません。明確な量は書きませんが、今回のケースでは一般的なワイン瓶なら軽く1000本以上とします。女ハンターのうわばみぶりは推して知るべし。
酒盛りするだけではつまらないという女ハンターの意向により、飲む以外の人も大募集します。
歌でも踊りでも料理でも、漫才でも演武でも決闘でも、修行でも恋の語らいでもなんでもござれです。
ちなみに女ハンターがやっていたように依頼が達成できる見込みがないから、他のハンターに協力依頼を出すのは普通は認められません。真似しませんように。
あなたの思うままにワインとバカ騒ぎを堪能してくださいませ。
女ハンターの名前はディアナさんとしときます。
歪虚は皆さん攻撃なら多分、瞬殺です。弱いです。積極的に探す場合以外はプレイングに書く必要はありません。見つかった時点ですぐ倒されますので。
女ハンターが50樽は20人いれば楽勝、とか言ってますがそんな訳ありません。明確な量は書きませんが、今回のケースでは一般的なワイン瓶なら軽く1000本以上とします。女ハンターのうわばみぶりは推して知るべし。
酒盛りするだけではつまらないという女ハンターの意向により、飲む以外の人も大募集します。
歌でも踊りでも料理でも、漫才でも演武でも決闘でも、修行でも恋の語らいでもなんでもござれです。
ちなみに女ハンターがやっていたように依頼が達成できる見込みがないから、他のハンターに協力依頼を出すのは普通は認められません。真似しませんように。
あなたの思うままにワインとバカ騒ぎを堪能してくださいませ。
女ハンターの名前はディアナさんとしときます。
マスターより
秋祭りです。
え、なんか違うだろうって? うん、そんな気もします。でも酒と肴があればそこはいつでもどこでもお祭り会場になるんですよ!
お祭りは皆様の手で生み出されるものなのです!
それでは皆様、よい酒盛りを。
え、なんか違うだろうって? うん、そんな気もします。でも酒と肴があればそこはいつでもどこでもお祭り会場になるんですよ!
お祭りは皆様の手で生み出されるものなのです!
それでは皆様、よい酒盛りを。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/10/18 23:30