ゲスト
(ka0000)
【王臨】大地の瘴
マスター:坂上テンゼン

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- ユニット参加人数
- 現在6 / 0~8
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/01/30 09:00
- リプレイ完成予定
- 2017/02/08 09:00
オープニング
●夜半、ベリアル軍陣営にて
「制御不能の巨大歪虚?
そんなものが役に立つのか」
「愚問だな。
駒が役に立つかどうかは、指揮官次第だ」
「ふん……」
ベリアル軍の士官はそれだけ言って黙った。相対している相手の主君は、本当に彼の主君を見下しているため、何を言っても無駄だと思ったのだ。
「ただ、これは言わば歩く魔法公害だ。
歩いた所は即座に汚染される。
人間の注意を惹くことだけは保証しよう」
相手は、聞かれはしなかったが必要と思い、それだけ語った。
女である。丈の長い上着を着ていた。服装は全て黒で統一していたが、背中にだけ毒々しい赤い文様があった。
怜悧な顔には感情が微塵も浮かんでいなかった。
さっきから彼女が説明しているものは、馬車の荷台の上で、厳重に布が被されて眠っていた。
「解放したらすぐに逃げることだ。
殺されるおそれがある」
「何故そんな癖の強いものを寄越した?」
「……言わなくてはならんのか?
普通の戦力ではもはや勝利は叶うまい」
逡巡したにも関わらず言った。
ベリアル軍の士官はいかめしい羊の顔をゆがめる。
「……貴公らは悲観的に見過ぎている」
「そうでもない。こうして援軍を送っているのだから。
勝てないとわかればきっぱり見限るさ」
本気で困っている士官を前に、女はまるで表情も変えずに言った。
(もっとも……私はどっちでも良いがな)
そして未だ何か言いたげな士官から視線を外し、馬車の荷台を見た。
(さて……こいつはどれほどの結果を出してくれるのか?)
彼女の胸中には、残酷なまでに純粋な知的好奇心があるのみだった。
●悔恨
俺の一生は一体何だったのだ。
茨を取って、ホロム・ゴブリンとなったというのに、結局ニンゲンには勝てなかった。
そして、もう一度敗北を喫した。
かつては寄る辺を失ったが、今度は自由を失った。
王国北部でのゴブリンの一斉蜂起……。
何もかもが輝いていたあの頃……。
戦乱と、破壊と、死に酔いしれていた。
俺達で人間の王国を混乱に陥れてやった。
だが全ては、もうない。
茨の王は死んだ。
そして…………俺は生き残った。
こんなことなら、俺もあの時死んでおくべきだったのかもしれない。
捕らえられ、監禁され、好きなように身体を弄られ、あらゆる苦痛を味わった挙げ句、とんでもない化け物になってしまった今に比べれば、名もないゴブリンの一人としてニンゲンに殺された方がまだマシだった。
奴らは、ニンゲンより恐ろしい。
ニンゲンは死を与えるが、奴らは死の後にも支配する。
得体の知れぬ衝動……。
命を奪いたい……生きることを否定したい。
”負”へと向かう感情。
自分が別のものへと変じてしまった感覚。
もはや理性は、衝動に従って動く肉体を遠くから眺めることしかできない。
だが、一つだけ善いことがあるとすれば、それは……
またニンゲンを殺すことが出来るということだけだ。
●敵対者
グラズヘイム王国、リベルタース地方のとある場所でそれは彷徨っていた。
明確な意思があったわけではない。当てもなく歩いていた。
見た目はいびつに肥大化したゴブリンに見える。片目が潰れている他、多くの傷が見られる。血を噴き出しながら不規則に歩いており、歩いた後ではその体液が汚らわしい色の気体に変わっていた。その土は、凄まじい速さで負のマテリアルに汚染されている。
もしそれの視界に人間が入ったならば、戸惑いなく殺すだろう。それはそういう存在だ。
否、視界に入る必要すらなかった。もともと地の属性と親和性が高いそれは、目に入らなくとも地面の振動から、遠く離れた存在の姿形が解る。
たとえ理性を失っていたとしても、人間だけは他と間違えない。
なぜならそれにとって人間は天敵だからだ。倒すべき敵だからだ。
歪虚となる前からそうだった。
それは種として、人間にとっても倒すべき存在だった。倒すために存在していたと言っても過言ではないくらい、ありふれた敵だった。
だが、生物ではあった。そして今のそれは生きた物ではない。
最大の違いはそこだ。
その固体はかつてはこう名乗っていた。『大地の禍』と。
しかし今であれば、さながら『大地の瘴』といった所だろうか。
「制御不能の巨大歪虚?
そんなものが役に立つのか」
「愚問だな。
駒が役に立つかどうかは、指揮官次第だ」
「ふん……」
ベリアル軍の士官はそれだけ言って黙った。相対している相手の主君は、本当に彼の主君を見下しているため、何を言っても無駄だと思ったのだ。
「ただ、これは言わば歩く魔法公害だ。
歩いた所は即座に汚染される。
人間の注意を惹くことだけは保証しよう」
相手は、聞かれはしなかったが必要と思い、それだけ語った。
女である。丈の長い上着を着ていた。服装は全て黒で統一していたが、背中にだけ毒々しい赤い文様があった。
怜悧な顔には感情が微塵も浮かんでいなかった。
さっきから彼女が説明しているものは、馬車の荷台の上で、厳重に布が被されて眠っていた。
「解放したらすぐに逃げることだ。
殺されるおそれがある」
「何故そんな癖の強いものを寄越した?」
「……言わなくてはならんのか?
普通の戦力ではもはや勝利は叶うまい」
逡巡したにも関わらず言った。
ベリアル軍の士官はいかめしい羊の顔をゆがめる。
「……貴公らは悲観的に見過ぎている」
「そうでもない。こうして援軍を送っているのだから。
勝てないとわかればきっぱり見限るさ」
本気で困っている士官を前に、女はまるで表情も変えずに言った。
(もっとも……私はどっちでも良いがな)
そして未だ何か言いたげな士官から視線を外し、馬車の荷台を見た。
(さて……こいつはどれほどの結果を出してくれるのか?)
彼女の胸中には、残酷なまでに純粋な知的好奇心があるのみだった。
●悔恨
俺の一生は一体何だったのだ。
茨を取って、ホロム・ゴブリンとなったというのに、結局ニンゲンには勝てなかった。
そして、もう一度敗北を喫した。
かつては寄る辺を失ったが、今度は自由を失った。
王国北部でのゴブリンの一斉蜂起……。
何もかもが輝いていたあの頃……。
戦乱と、破壊と、死に酔いしれていた。
俺達で人間の王国を混乱に陥れてやった。
だが全ては、もうない。
茨の王は死んだ。
そして…………俺は生き残った。
こんなことなら、俺もあの時死んでおくべきだったのかもしれない。
捕らえられ、監禁され、好きなように身体を弄られ、あらゆる苦痛を味わった挙げ句、とんでもない化け物になってしまった今に比べれば、名もないゴブリンの一人としてニンゲンに殺された方がまだマシだった。
奴らは、ニンゲンより恐ろしい。
ニンゲンは死を与えるが、奴らは死の後にも支配する。
得体の知れぬ衝動……。
命を奪いたい……生きることを否定したい。
”負”へと向かう感情。
自分が別のものへと変じてしまった感覚。
もはや理性は、衝動に従って動く肉体を遠くから眺めることしかできない。
だが、一つだけ善いことがあるとすれば、それは……
またニンゲンを殺すことが出来るということだけだ。
●敵対者
グラズヘイム王国、リベルタース地方のとある場所でそれは彷徨っていた。
明確な意思があったわけではない。当てもなく歩いていた。
見た目はいびつに肥大化したゴブリンに見える。片目が潰れている他、多くの傷が見られる。血を噴き出しながら不規則に歩いており、歩いた後ではその体液が汚らわしい色の気体に変わっていた。その土は、凄まじい速さで負のマテリアルに汚染されている。
もしそれの視界に人間が入ったならば、戸惑いなく殺すだろう。それはそういう存在だ。
否、視界に入る必要すらなかった。もともと地の属性と親和性が高いそれは、目に入らなくとも地面の振動から、遠く離れた存在の姿形が解る。
たとえ理性を失っていたとしても、人間だけは他と間違えない。
なぜならそれにとって人間は天敵だからだ。倒すべき敵だからだ。
歪虚となる前からそうだった。
それは種として、人間にとっても倒すべき存在だった。倒すために存在していたと言っても過言ではないくらい、ありふれた敵だった。
だが、生物ではあった。そして今のそれは生きた物ではない。
最大の違いはそこだ。
その固体はかつてはこう名乗っていた。『大地の禍』と。
しかし今であれば、さながら『大地の瘴』といった所だろうか。
解説
概要:
リベルタース地方西部の一地域にて正体不明の巨大歪虚が出現。
詳細は不明だがベリアル軍と連動している疑いがある。
目標:
歪虚(詳細不明)の撃破
サイズ3。大地を変異させる能力を持つ。
スキルとして「周囲3スクエアに地属性攻撃+ランダムに障害物を生成」「地属性:幅2射程30の一直線範囲攻撃」を持つ。
周囲3スクエアとは以下の形を指す
○○○
○○○○○
○○○○○○○
○○○●●●○○○
○○○●●●○○○
○○○●●●○○○
○○○○○○○
○○○○○
○○○
●=歪虚 ○=有効範囲
かつては地面に潜る能力を所持していた形跡があるが、現在は体が巨大すぎるせいか潜ることはできない模様。
言葉らしきものを口にしているが、理性は確認できない。
戦場:
荒野
障害物・遮蔽物は、戦闘開始時点では無し。
リベルタース地方西部の一地域にて正体不明の巨大歪虚が出現。
詳細は不明だがベリアル軍と連動している疑いがある。
目標:
歪虚(詳細不明)の撃破
サイズ3。大地を変異させる能力を持つ。
スキルとして「周囲3スクエアに地属性攻撃+ランダムに障害物を生成」「地属性:幅2射程30の一直線範囲攻撃」を持つ。
周囲3スクエアとは以下の形を指す
○○○
○○○○○
○○○○○○○
○○○●●●○○○
○○○●●●○○○
○○○●●●○○○
○○○○○○○
○○○○○
○○○
●=歪虚 ○=有効範囲
かつては地面に潜る能力を所持していた形跡があるが、現在は体が巨大すぎるせいか潜ることはできない模様。
言葉らしきものを口にしているが、理性は確認できない。
戦場:
荒野
障害物・遮蔽物は、戦闘開始時点では無し。
マスターより
坂上テンゼンに候。
大地の禍改め、大地の瘴ソルデリ。
名前が変わってパワーアップかと思いきや彼も新シリーズでは前座にすぎません。
堕ちたものです。
(注)ソルデリとはテンゼンの【聖呪】に関連した過去シナリオに登場した敵です
今回のシナリオでは大作RPGのラスボスよろしく意味深な言葉を発しながら強力なスキルを連発しますが、会話はできません。
そのスキルは非常に強力。
心配ならあるユニットのスキルに注目してみるとよいでしょう。
もちろんそれだけが答えではないはず。
戦闘描写は演出重視となりそうです。どうかみなさま華麗に戦う準備を。
それでは、皆様のアツいプレイングをお待ちして候。
大地の禍改め、大地の瘴ソルデリ。
名前が変わってパワーアップかと思いきや彼も新シリーズでは前座にすぎません。
堕ちたものです。
(注)ソルデリとはテンゼンの【聖呪】に関連した過去シナリオに登場した敵です
今回のシナリオでは大作RPGのラスボスよろしく意味深な言葉を発しながら強力なスキルを連発しますが、会話はできません。
そのスキルは非常に強力。
心配ならあるユニットのスキルに注目してみるとよいでしょう。
もちろんそれだけが答えではないはず。
戦闘描写は演出重視となりそうです。どうかみなさま華麗に戦う準備を。
それでは、皆様のアツいプレイングをお待ちして候。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/02/07 21:14
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/01/28 10:44:55 |
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相談卓 仁川 リア(ka3483) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2017/01/28 14:11:51 |