ゲスト
(ka0000)
大いなる狩猟
マスター:湖欄黒江

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/10/18 22:00
- リプレイ完成予定
- 2014/10/27 22:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●
ウィック伯爵は悩んでいた。
今年で16歳になるたったひとりの息子が突然、ハンターになりたい、などと言い出したからだ。
ウィック家は由緒正しい貴族の名家、
その大事な跡継ぎがハンター稼業に乗り出すなど以ての外な話だった。
単に、ひ弱な身体と根性を鍛え直したい、程度の希望なら叶えてやっただろう――
数年ばかり軍隊に入れて、彼と同じ貴族の子弟が名を連ねるような、
麗々しい名前と安全な配属地を持ったお飾りの部隊などへ配属してもらうくらいなら、まぁ構わない。
しかし、ハンターというのはあまりに危険過ぎる。
第一、息子のジャックは別段武芸に優れている訳でも、魔術の心得がある訳でもなく、
覚醒者でもなければ身体も大して頑丈でないのだ。
これまでは日がな絵を描いたり、詩の朗読会へ参加したり、
音楽や演劇の勉強をしてみたりと、穏やかな趣味ばかりを好んでいた筈。
それがハンター志望などと、どう考えても唐突かつ無理のある話だが、
年老いてからようやく授かった長男ということもあり、父も母も、彼をさんざ甘やかして育ててきた。
お蔭でジャックは、ごねれば大概の望みは叶えてもらえるものだと思っていて全く後に引かない。
●
「父上、私は何としてもハンターになりたいのです!
確かに今の私は軟弱者かも知れません。
ハンターになる為の試験があれば、最初は落ちるかも知れません。
しかし決心は固いのです。これから然るべき訓練を受ければ、必ずや一人前のハンターとなり、
この西方世界の平和に貢献出来るものと信じております!
お願いです父上、私に男を上げる機会を下さいませ!」
「いや、その、何だねジャック、身体を鍛えたいのであればせめてもっとちゃんとした軍隊とかにだね」
「軍ではいけません! 私は、ただひとり確固たる技量を備えた、独立独歩の戦士になりたいのです!
己が力のみで名を上げなければならないのです! それにはハンターが最適と考えたのです!」
「そんなこと言ったってお前、剣もろくに握ったことがないだろうに」
「今から握ります! いや、既に握っています!
決心をしてからは一日じゅ……千本の素振りをしています!
馬や弓の稽古も始めよう……始めています! ご覧下さいこの筋肉!」
「嘘はいけないよジャック、全然変わってないじゃないか相変わらず細い腕だよ。
いやね、確かに我々は、お前が強くなれるような機会を与えてやれなかったかも知れない。
でもそれはお前が大事だからなんだよお前の身に何かあったら母さんは泣くし家は潰れるしで」
「どうしてもお許し頂けないのであれば、どうぞ今この場で私を勘当なさって下さい!
それほどの決心なのです、父上! 本当に私めが可愛いと思って下さるのであれば、どうか!」
●
頭を抱えるウィック伯爵。
一体全体、息子に何があったというのか。
使いをやって、息子の友人たちにこっそり尋ねて回らせたところ、
彼が数年来恋焦がれ、恋文など送っていた女性が――といっても劇場の女優なのだが、
ハンター上がりの屈強な男に口説かれて最近結婚を決めたらしい、と分かった。
それをどうも、自分が坊ちゃん育ちの貧相な、家柄だけの男だったせいでチャンスをふいにした、
などと思い込み、なれば自らハンターとなって恋敵以上の強い男になってやろう、と考えたらしい。
お前が思っているような甘い世界ではないよ、と口先で言うのは簡単だが、
父であるウィック伯爵自身、運動も荒事も大の苦手で、
実際のハンター稼業がどんなものか説明し説得するようなことが出来る人間ではない。
息子の無謀な決心を挫くには、もっと説得力のある材料が必要だ。
散々悩んだ挙句、伯爵はどうにか一計を案じた。
息子には可哀想だが、本物のハンターがどれほど強く、どれほど大変な仕事をしてきたのか、
ご本人たちからひとつ講釈をぶってもらおう。そして彼の心を折ってもらおう。
何せジャックは血を見るのが大嫌いで、動物相手の狩りだってしたことがないような青年だ。
えげつない実体験を迫力たっぷりに語られたら、きっと諦めてくれるだろう。
●
かくして、ハンターオフィスに一件の依頼が舞い込むこととなった。
『ハンター志望の我が息子へ、実際のハンターの生活について説明して下さる方を募集します。
息子は痛そうな話、恐ろしい話が大変苦手です。運動もあまり出来ません。覚醒者でもありません。
ハンターが如何に厳しい仕事であるか、たっぷりと教えてやって下さい。
お話の内容や、実演その他の方法はお任せします。
注意:
とはいえ大事な跡取り息子ですので、どうか怪我をさせることはなきよう、くれぐれもお願い申し上げます』
●
ウィック伯爵は悩んでいた。
今年で16歳になるたったひとりの息子が突然、ハンターになりたい、などと言い出したからだ。
ウィック家は由緒正しい貴族の名家、
その大事な跡継ぎがハンター稼業に乗り出すなど以ての外な話だった。
単に、ひ弱な身体と根性を鍛え直したい、程度の希望なら叶えてやっただろう――
数年ばかり軍隊に入れて、彼と同じ貴族の子弟が名を連ねるような、
麗々しい名前と安全な配属地を持ったお飾りの部隊などへ配属してもらうくらいなら、まぁ構わない。
しかし、ハンターというのはあまりに危険過ぎる。
第一、息子のジャックは別段武芸に優れている訳でも、魔術の心得がある訳でもなく、
覚醒者でもなければ身体も大して頑丈でないのだ。
これまでは日がな絵を描いたり、詩の朗読会へ参加したり、
音楽や演劇の勉強をしてみたりと、穏やかな趣味ばかりを好んでいた筈。
それがハンター志望などと、どう考えても唐突かつ無理のある話だが、
年老いてからようやく授かった長男ということもあり、父も母も、彼をさんざ甘やかして育ててきた。
お蔭でジャックは、ごねれば大概の望みは叶えてもらえるものだと思っていて全く後に引かない。
●
「父上、私は何としてもハンターになりたいのです!
確かに今の私は軟弱者かも知れません。
ハンターになる為の試験があれば、最初は落ちるかも知れません。
しかし決心は固いのです。これから然るべき訓練を受ければ、必ずや一人前のハンターとなり、
この西方世界の平和に貢献出来るものと信じております!
お願いです父上、私に男を上げる機会を下さいませ!」
「いや、その、何だねジャック、身体を鍛えたいのであればせめてもっとちゃんとした軍隊とかにだね」
「軍ではいけません! 私は、ただひとり確固たる技量を備えた、独立独歩の戦士になりたいのです!
己が力のみで名を上げなければならないのです! それにはハンターが最適と考えたのです!」
「そんなこと言ったってお前、剣もろくに握ったことがないだろうに」
「今から握ります! いや、既に握っています!
決心をしてからは一日じゅ……千本の素振りをしています!
馬や弓の稽古も始めよう……始めています! ご覧下さいこの筋肉!」
「嘘はいけないよジャック、全然変わってないじゃないか相変わらず細い腕だよ。
いやね、確かに我々は、お前が強くなれるような機会を与えてやれなかったかも知れない。
でもそれはお前が大事だからなんだよお前の身に何かあったら母さんは泣くし家は潰れるしで」
「どうしてもお許し頂けないのであれば、どうぞ今この場で私を勘当なさって下さい!
それほどの決心なのです、父上! 本当に私めが可愛いと思って下さるのであれば、どうか!」
●
頭を抱えるウィック伯爵。
一体全体、息子に何があったというのか。
使いをやって、息子の友人たちにこっそり尋ねて回らせたところ、
彼が数年来恋焦がれ、恋文など送っていた女性が――といっても劇場の女優なのだが、
ハンター上がりの屈強な男に口説かれて最近結婚を決めたらしい、と分かった。
それをどうも、自分が坊ちゃん育ちの貧相な、家柄だけの男だったせいでチャンスをふいにした、
などと思い込み、なれば自らハンターとなって恋敵以上の強い男になってやろう、と考えたらしい。
お前が思っているような甘い世界ではないよ、と口先で言うのは簡単だが、
父であるウィック伯爵自身、運動も荒事も大の苦手で、
実際のハンター稼業がどんなものか説明し説得するようなことが出来る人間ではない。
息子の無謀な決心を挫くには、もっと説得力のある材料が必要だ。
散々悩んだ挙句、伯爵はどうにか一計を案じた。
息子には可哀想だが、本物のハンターがどれほど強く、どれほど大変な仕事をしてきたのか、
ご本人たちからひとつ講釈をぶってもらおう。そして彼の心を折ってもらおう。
何せジャックは血を見るのが大嫌いで、動物相手の狩りだってしたことがないような青年だ。
えげつない実体験を迫力たっぷりに語られたら、きっと諦めてくれるだろう。
●
かくして、ハンターオフィスに一件の依頼が舞い込むこととなった。
『ハンター志望の我が息子へ、実際のハンターの生活について説明して下さる方を募集します。
息子は痛そうな話、恐ろしい話が大変苦手です。運動もあまり出来ません。覚醒者でもありません。
ハンターが如何に厳しい仕事であるか、たっぷりと教えてやって下さい。
お話の内容や、実演その他の方法はお任せします。
注意:
とはいえ大事な跡取り息子ですので、どうか怪我をさせることはなきよう、くれぐれもお願い申し上げます』
解説
今回の依頼の目的は、貴族の跡取り息子・ジャックに、
ハンター稼業にまつわる恐ろしい話や厳しい話等をして、
ハンターになりたがっている彼を思いとどまらせることです。
ジャックと面会する場所は、彼が住むウィック伯爵家の邸内となります。
家には広い庭もあり、馬を走らせたり簡単な実演を行うスペースは確保出来ます。
依頼主から提案されている説得の方法は以下、
1:恐ろしい話をする。
ハンターになればいずれ体験するであろう、世にも恐ろしい事件、敵、戦闘等について語って下さい。
例えば、見るもおぞましい歪虚に襲われた、仲間が殉職した、ひどい怪我を負って非常に苦しんだ、等々。
実際の体験談、誰かに聞いた話、あるいは全くの創作でも構いません
(あまりにもあり得ないような話だと、信じてもらえない恐れはありますが)。
2:厳しい話をする。
ハンターとして生き残る為には最低限これだけの技量が要るのだ、ということについて語って下さい。
剣や弓を使ってこんな技が出来なければならない、これだけの忍耐や度胸がなければならない、等々。
手がかからず安全なものであれば実演も可。
もっと広く人生訓を語る、もう少し優しいアドバイスをする等、
他に有効と思われる方法を取っても構いません。
ただし、ジャックが怪我をするような行為は認められませんので、ご注意下さい。
ハンター稼業にまつわる恐ろしい話や厳しい話等をして、
ハンターになりたがっている彼を思いとどまらせることです。
ジャックと面会する場所は、彼が住むウィック伯爵家の邸内となります。
家には広い庭もあり、馬を走らせたり簡単な実演を行うスペースは確保出来ます。
依頼主から提案されている説得の方法は以下、
1:恐ろしい話をする。
ハンターになればいずれ体験するであろう、世にも恐ろしい事件、敵、戦闘等について語って下さい。
例えば、見るもおぞましい歪虚に襲われた、仲間が殉職した、ひどい怪我を負って非常に苦しんだ、等々。
実際の体験談、誰かに聞いた話、あるいは全くの創作でも構いません
(あまりにもあり得ないような話だと、信じてもらえない恐れはありますが)。
2:厳しい話をする。
ハンターとして生き残る為には最低限これだけの技量が要るのだ、ということについて語って下さい。
剣や弓を使ってこんな技が出来なければならない、これだけの忍耐や度胸がなければならない、等々。
手がかからず安全なものであれば実演も可。
もっと広く人生訓を語る、もう少し優しいアドバイスをする等、
他に有効と思われる方法を取っても構いません。
ただし、ジャックが怪我をするような行為は認められませんので、ご注意下さい。
マスターより
ひとりの青年の心を折り、無茶な野望を挫くシナリオです。
と書くと大変ひどいことのように思えますが、
彼が本当に無茶をして死んでしまったりしたら、誰も幸せにはなれません。
心を鬼にして徹底的に脅かすか、
冷静に諭して自分を見つめ直させるか、
あるいは彼の本当の悩みを見つけて手助けしてやるか、
その方法は依頼を受けられるハンターの皆さんにお任せします。
と書くと大変ひどいことのように思えますが、
彼が本当に無茶をして死んでしまったりしたら、誰も幸せにはなれません。
心を鬼にして徹底的に脅かすか、
冷静に諭して自分を見つめ直させるか、
あるいは彼の本当の悩みを見つけて手助けしてやるか、
その方法は依頼を受けられるハンターの皆さんにお任せします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/10/21 18:59
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 オウカ・レンヴォルト(ka0301) 人間(リアルブルー)|26才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2014/10/18 18:41:38 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/10/18 16:52:34 |