ゲスト
(ka0000)
【王臨】虚無へ向かうacademia
マスター:坂上テンゼン

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
アム・シェリタ―揺籃館―- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 7日
- プレイング締切
- 2017/03/30 22:00
- リプレイ完成予定
- 2017/04/08 22:00
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
●実験レポート 王国歴1017年2月9日実施
――高威力かつ広範囲の攻撃は評価できる。しかしながら、ハンター複数に対するには課題が多い。
問題点として、ハンターは多種多様なスキル、装備、幻獣やゴーレム、魔導機械、異世界の機械等を使役することにより、あらゆる状況に対応が可能である点が挙げられる。
単純な火力だけで撃破するのは難しい。
また、かの個体は制御不能であるため、他の戦力との連携が不可能であることを考えると、欠点を補う事は困難。
汎用性が高く、連携の取れる集団、または敵の連携を乱す方法をもってこれにあたる必要があると思われる。
●歪虚研究者
「こんなものか……」
何処とも知れぬ部屋の中、机に向かい文章を纏めている歪虚がいた。
薄暗い部屋の中でも一際目立つほどの黒づくめの服装に身を包んでいる。しかし、その背中には毒々しいほどに目立つ赤い模様があった。その姿は人間の女と変わらないものであったが、人間らしさはグロテスクなまでに感じさせない。
彼女は一通り書き終わり、椅子にもたれて一息つく。見直しは暫く時間を置いてからだ。
そして思い出す。あの被験体のことを。
(茨小鬼などという素材には二度とお目にかかれまい……。
本当なら保存するべきだったのかもしれないが、あそこまで手を加えてはそれすらも叶うまい。
どのみち崩壊はまぬがれぬ体だった。
むしろ、あそこまで持ったのが驚きだ。さすがは希少素材といったところか。
戦闘データまで記録できたのは上々の結果だったと言えるだろう。
それでも……惜しいと思うのは……
もっと安定させ、かつ、制御可能な上で戦闘力を発揮できていれば、効果的な戦力となったであろうが……
それは今後の課題だな。
実現するには……例えば……)
「ドクター! ドクター・レッドバック!」
歪虚が幾多の仮定と実現方法を内的世界で模索にふけっていると、部屋の外から呼びかける声があった。
「入りますぜ! 入るぜ入っちゃうぜ! いいよね入ってもどうせ気づくめえ!」
半ば自棄気味な言葉とともにドアが開かれ、声の主が入ってきた。
人間の姿ではない。コウモリを無理矢理人間の、それもかなりひょろ長いサイズに伸ばしたような姿をしている。顔は犬に似ていたが、そういうコウモリもまた存在するので、おおよそコウモリの化け物といって差し支えない見た目をしている。それは、やはり歪虚だった。
コウモリ人間型歪虚は、自らがドクター・レッドバックと呼んだ女歪虚のすぐ横、間違いなく視界に入る場所に、ふんぞり返るようにして立った。
そして気づいてくれるのを待った。
……
「何の用だ、パダギエ」
「うん時間にしておよそ六分というところだね。今時の若い奴なら到底待ってはいられねー」
「結果を得るためには時間に縛られるべきではないと、私はお前達にも言ってあるはずだが」
「へーへーお邪魔して申し訳ありません。
さておき兵器の製造の方なんですが、数が揃いましたってんでご報告に来たんですよ」
「…………それはもしかして報告か?」
「そう言ってますがな。もうちょっとコミュニケーション能力持って下さいよ頼むから」
「………………なるほど、理解した」
「理解遅ぇ」
「戦闘員を召集し、完成した兵器を配備せよ。いつでも出撃できる準備をしておけ。指示は戻り次第伝える」
レッドバックはそう言うなり、突如として立ち上がって部屋を出て行った。
「そして行動早ぇ……」
あとにはパダギエと呼ばれたコウモリ人間型歪虚がたった一人部屋に残るのみだった。
●ベリアル軍 前線基地の一つ
「私だ。戦闘準備が整った。
なるべく戦闘の機会が多そうな所に配備してもらいたい」
「前触れもなく突然やってきたかと思えば……」
ベリアル軍の士官は頭を抑えた。
本当に痛むのは頭よりも胃だったが、なぜか反射的に頭を抑えた。
「必要ないなら自らの判断で動く。
ハルトフォートに攻撃を仕掛けても」
「待て。早まるな。必要ないとは言っておらん。こちらも色々考えることがあるのだ。何せ我らが主がああなっては……そんなことはいい。地図を見ろ」
そう言って士官は地図を示した。地図上には配備されたベリアル軍の戦力や、人類側の戦力、そしてその動きを示す矢印が示されている。
「レッドバック。貴公はこの位置に陣取り、敵の補給線を断って頂こう。
ここは敵にとっても重要な点であるはずだ。占領されれば必ず戦力を差し向けられる」
「良いだろう。実験には申し分ない」
「貴公……
我らの戦いを実験のついでにされては困るのだが」
「進歩するための実験だ。
やがて勝つことに繋がる。
では、攻撃の時期は……」
レッドバックは半ば無理矢理に話を進め、作戦の概要を話し合った……。
●落日
そして打ち合わせを終え、外に出た所でレッドバックは脚を止めた。
背後から殺気を感じたからだ。
振り向くとそこには羊顔の歪虚が二体いる。いずれも武器を構えていた。
「貴公の態度には我慢がならぬ」
「正しい振る舞い方、体に覚えて頂こう……」
武器を構えてにじり寄る歪虚二体。
しかし、レッドバックの姿は、歪虚達の眼前で空気に溶けるように消え去った。
「消えた……だと!?」
歪虚達が面食らっていると、発砲音が轟き、一体の持っている武器が強力な力で弾かれた。
「これもまた実験の産物。
携帯性を優先したため、威力には劣るがね」
声だけが聞こえる。
「より大型のものの量産に成功した。威力、射程距離ともにこれとは比較にならん。
私の協力は貴公らの無駄にはならんと知って頂こう」
軌道を変えて銃弾が次々と飛んでくる。それらは歪虚の体に当たることはないが、すれすれで周辺の地面に撃ちこまれて来る。
「ふ、ふん、そんな卑怯な方法を使う者など俺は相手にせぬ!」
「そうだ恥を知るがいい! これ以上関わっておれんわ!」
飛び道具を持つ、目に見えない敵に対処できず、歪虚二人は口では強がりを言いながらたまらずに逃げた……。
「もういいのか。ではデモンストレーションはこれまでだな」
レッドバックを覆う不可視の膜が消え、再び姿を表す。
「ベリアル軍も、もう終わりだな……
役には立ってくれた……」
その呟きを聞いた者はなかった。
ただ静かに、日が落ちていく。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
●実験レポート 王国歴1017年2月9日実施
――高威力かつ広範囲の攻撃は評価できる。しかしながら、ハンター複数に対するには課題が多い。
問題点として、ハンターは多種多様なスキル、装備、幻獣やゴーレム、魔導機械、異世界の機械等を使役することにより、あらゆる状況に対応が可能である点が挙げられる。
単純な火力だけで撃破するのは難しい。
また、かの個体は制御不能であるため、他の戦力との連携が不可能であることを考えると、欠点を補う事は困難。
汎用性が高く、連携の取れる集団、または敵の連携を乱す方法をもってこれにあたる必要があると思われる。
●歪虚研究者
「こんなものか……」
何処とも知れぬ部屋の中、机に向かい文章を纏めている歪虚がいた。
薄暗い部屋の中でも一際目立つほどの黒づくめの服装に身を包んでいる。しかし、その背中には毒々しいほどに目立つ赤い模様があった。その姿は人間の女と変わらないものであったが、人間らしさはグロテスクなまでに感じさせない。
彼女は一通り書き終わり、椅子にもたれて一息つく。見直しは暫く時間を置いてからだ。
そして思い出す。あの被験体のことを。
(茨小鬼などという素材には二度とお目にかかれまい……。
本当なら保存するべきだったのかもしれないが、あそこまで手を加えてはそれすらも叶うまい。
どのみち崩壊はまぬがれぬ体だった。
むしろ、あそこまで持ったのが驚きだ。さすがは希少素材といったところか。
戦闘データまで記録できたのは上々の結果だったと言えるだろう。
それでも……惜しいと思うのは……
もっと安定させ、かつ、制御可能な上で戦闘力を発揮できていれば、効果的な戦力となったであろうが……
それは今後の課題だな。
実現するには……例えば……)
「ドクター! ドクター・レッドバック!」
歪虚が幾多の仮定と実現方法を内的世界で模索にふけっていると、部屋の外から呼びかける声があった。
「入りますぜ! 入るぜ入っちゃうぜ! いいよね入ってもどうせ気づくめえ!」
半ば自棄気味な言葉とともにドアが開かれ、声の主が入ってきた。
人間の姿ではない。コウモリを無理矢理人間の、それもかなりひょろ長いサイズに伸ばしたような姿をしている。顔は犬に似ていたが、そういうコウモリもまた存在するので、おおよそコウモリの化け物といって差し支えない見た目をしている。それは、やはり歪虚だった。
コウモリ人間型歪虚は、自らがドクター・レッドバックと呼んだ女歪虚のすぐ横、間違いなく視界に入る場所に、ふんぞり返るようにして立った。
そして気づいてくれるのを待った。
……
「何の用だ、パダギエ」
「うん時間にしておよそ六分というところだね。今時の若い奴なら到底待ってはいられねー」
「結果を得るためには時間に縛られるべきではないと、私はお前達にも言ってあるはずだが」
「へーへーお邪魔して申し訳ありません。
さておき兵器の製造の方なんですが、数が揃いましたってんでご報告に来たんですよ」
「…………それはもしかして報告か?」
「そう言ってますがな。もうちょっとコミュニケーション能力持って下さいよ頼むから」
「………………なるほど、理解した」
「理解遅ぇ」
「戦闘員を召集し、完成した兵器を配備せよ。いつでも出撃できる準備をしておけ。指示は戻り次第伝える」
レッドバックはそう言うなり、突如として立ち上がって部屋を出て行った。
「そして行動早ぇ……」
あとにはパダギエと呼ばれたコウモリ人間型歪虚がたった一人部屋に残るのみだった。
●ベリアル軍 前線基地の一つ
「私だ。戦闘準備が整った。
なるべく戦闘の機会が多そうな所に配備してもらいたい」
「前触れもなく突然やってきたかと思えば……」
ベリアル軍の士官は頭を抑えた。
本当に痛むのは頭よりも胃だったが、なぜか反射的に頭を抑えた。
「必要ないなら自らの判断で動く。
ハルトフォートに攻撃を仕掛けても」
「待て。早まるな。必要ないとは言っておらん。こちらも色々考えることがあるのだ。何せ我らが主がああなっては……そんなことはいい。地図を見ろ」
そう言って士官は地図を示した。地図上には配備されたベリアル軍の戦力や、人類側の戦力、そしてその動きを示す矢印が示されている。
「レッドバック。貴公はこの位置に陣取り、敵の補給線を断って頂こう。
ここは敵にとっても重要な点であるはずだ。占領されれば必ず戦力を差し向けられる」
「良いだろう。実験には申し分ない」
「貴公……
我らの戦いを実験のついでにされては困るのだが」
「進歩するための実験だ。
やがて勝つことに繋がる。
では、攻撃の時期は……」
レッドバックは半ば無理矢理に話を進め、作戦の概要を話し合った……。
●落日
そして打ち合わせを終え、外に出た所でレッドバックは脚を止めた。
背後から殺気を感じたからだ。
振り向くとそこには羊顔の歪虚が二体いる。いずれも武器を構えていた。
「貴公の態度には我慢がならぬ」
「正しい振る舞い方、体に覚えて頂こう……」
武器を構えてにじり寄る歪虚二体。
しかし、レッドバックの姿は、歪虚達の眼前で空気に溶けるように消え去った。
「消えた……だと!?」
歪虚達が面食らっていると、発砲音が轟き、一体の持っている武器が強力な力で弾かれた。
「これもまた実験の産物。
携帯性を優先したため、威力には劣るがね」
声だけが聞こえる。
「より大型のものの量産に成功した。威力、射程距離ともにこれとは比較にならん。
私の協力は貴公らの無駄にはならんと知って頂こう」
軌道を変えて銃弾が次々と飛んでくる。それらは歪虚の体に当たることはないが、すれすれで周辺の地面に撃ちこまれて来る。
「ふ、ふん、そんな卑怯な方法を使う者など俺は相手にせぬ!」
「そうだ恥を知るがいい! これ以上関わっておれんわ!」
飛び道具を持つ、目に見えない敵に対処できず、歪虚二人は口では強がりを言いながらたまらずに逃げた……。
「もういいのか。ではデモンストレーションはこれまでだな」
レッドバックを覆う不可視の膜が消え、再び姿を表す。
「ベリアル軍も、もう終わりだな……
役には立ってくれた……」
その呟きを聞いた者はなかった。
ただ静かに、日が落ちていく。
解説
(ヒューバート・スフォルツァ子爵の名で依頼が出されている。内容は以下)
ハンター各位
ハルトフォートへと通じる街道上、補給路として戦略上重要な地点に歪虚が確認された。これを撃破されたし。
以下に敵呼称と数、使用スキルを述べる
妖魔戦闘員 甲型 ×4
・薙ぎ払い 180度前方
・攻めの構え 近接命中・威力上昇 回避・受け低下
・守りの構え 回避・受け上昇 近接命中・威力低下
妖魔戦闘員 乙型 ×2
・ファイアーボール 射程1~18 火属性 直径5スクエア
・ライトニングボルト 射程1~13 風属性 一直線
・アイスボルト 射程1~18 一体 水属性 行動阻害
妖魔戦闘員 丙型 ×2
・ヒール 射程8回復
・ヒーリングスフィア 自中3×3回復
・シャドウブリット 射程18闇属性
以上はいずれも長射程の銃を装備
また別に、それぞれの戦闘方法に合わせた装備も準備している
性能はBランク相当
レッドバック
指揮にのみ徹し、攻撃は行わない
妖魔戦闘員が全滅したら撤退する
何らかの手段で姿が見えなくなっており、認識は困難。倒すのは現実的ではない
この個体の指揮により戦闘員は統制のとれた行動をとり、状況に応じて方針を変える
以下は地形について
想定される戦場は橋の上であり、障害物はない
幅は8スクエア
以上
ハンター諸兄の健闘を祈る
ハンター各位
ハルトフォートへと通じる街道上、補給路として戦略上重要な地点に歪虚が確認された。これを撃破されたし。
以下に敵呼称と数、使用スキルを述べる
妖魔戦闘員 甲型 ×4
・薙ぎ払い 180度前方
・攻めの構え 近接命中・威力上昇 回避・受け低下
・守りの構え 回避・受け上昇 近接命中・威力低下
妖魔戦闘員 乙型 ×2
・ファイアーボール 射程1~18 火属性 直径5スクエア
・ライトニングボルト 射程1~13 風属性 一直線
・アイスボルト 射程1~18 一体 水属性 行動阻害
妖魔戦闘員 丙型 ×2
・ヒール 射程8回復
・ヒーリングスフィア 自中3×3回復
・シャドウブリット 射程18闇属性
以上はいずれも長射程の銃を装備
また別に、それぞれの戦闘方法に合わせた装備も準備している
性能はBランク相当
レッドバック
指揮にのみ徹し、攻撃は行わない
妖魔戦闘員が全滅したら撤退する
何らかの手段で姿が見えなくなっており、認識は困難。倒すのは現実的ではない
この個体の指揮により戦闘員は統制のとれた行動をとり、状況に応じて方針を変える
以下は地形について
想定される戦場は橋の上であり、障害物はない
幅は8スクエア
以上
ハンター諸兄の健闘を祈る
マスターより
坂上テンゼンに候。
今回の敵は、サルマンのウルク=ハイといって判る人にはイメージがつかめると思います。
この戦いはパーティ対パーティ。
思考し連携する敵集団が相手です。
相談は大事だけど、だからって相談掲示板でケンカするなよ! テンゼンとの約束だ!
なお、今回の依頼人は自分の軍隊を所持していますが、シナリオ中に援軍はありません。
今回の敵は、サルマンのウルク=ハイといって判る人にはイメージがつかめると思います。
この戦いはパーティ対パーティ。
思考し連携する敵集団が相手です。
相談は大事だけど、だからって相談掲示板でケンカするなよ! テンゼンとの約束だ!
なお、今回の依頼人は自分の軍隊を所持していますが、シナリオ中に援軍はありません。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/04/07 18:45
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 ウィーダ・セリューザ(ka6076) エルフ|17才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2017/03/28 17:07:43 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/03/24 10:51:18 |