ゲスト
(ka0000)
【黒祀】黒き波濤
マスター:京乃ゆらさ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 6~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 4日
- プレイング締切
- 2014/10/22 19:00
- リプレイ完成予定
- 2014/10/31 19:00
オープニング
海のにおい。
風に乗って仄かに漂う潮の香りが鼻腔をくすぐり、ハンターたちは西の方を見やった。地上からでは分からないが、もっと高い所に上れば西の先には水平線が見えるだろう。そして同時に、あの島――イスルダ島も。
イスルダ島。王国が喉元に突きつけられた、歪虚の刃だ。
5年前の戦争以降、王国が常に悩まされ続けている存在。この駐屯地から少し足を伸ばせば眺めることができるほど近く、しかし今の戦力では踏み入ることのできない遠き島。
それがイスルダ島であり、その島を監視する為に作られたのがこの駐屯地であった。
「お疲れ様です。物資のチェックも無事終わりましたので、皆さんの依頼も終了となります。ハルトフォートに帰還後、報酬を受け取ってください」
「了解」
手元の資料と目の前の輜重の山を相手に格闘していた男が、心なしか荒い息を吐きながらハンターに告げる。ハンターの1人が倉まで運ぼうかと声をかけると、滅相もないと全力で首を横に振られた。
お互いの仕事をきっちりとしたいのか、あまりこちらにこの駐屯地を出歩かれたくないのか。どちらでもいいか、と別のハンターが肩を竦めて背を向けた。
駐屯地は人数の割にそこそこ広く、また倉庫らしき建物が様々な所にいくつもあった。無秩序に建てられたかのようなそれらは単純に考えると非常に使い勝手が悪そうで、最前線の駐屯地がそんな状態でいいのだろうかと不安になる。どこかから微かに漂ってくる火薬か何かのような臭いに、ハンターがやや顔を顰めた。
先ほど輜重運搬の手伝いを申し出たハンターが、辺りを見回しておずおずと言った。
「人が少ないようですけど、巡回か何かですか?」
「ええ、それもあります。後は……、ああ! そうだ外に出るまでお送りしますよ!」
「え?」
「いえね、入る時に気付かれたかもしれませんが、周囲は土塁や堀や……まぁ色々と囲まれておりますから。何も知らずに出入りしようとすると危険なんですよ」
「あぁ、はい、お願いします」
厳重に防備を固めた周囲と、無秩序な倉庫群。どこかチグハグな印象に首を傾げるが、ともあれ依頼は終了である。長居することもないであろう場所についてアレコレ考えたところで大して意味はない。
ハンターたちが帰路につこうとした――次の瞬間。
「敵襲! 敵襲――ッ!!」
物見塔の鉦が、けたたましく鳴り響いた。
「状況は?」
「3m大の蟻のような敵が群となって接近中です!」
「なるほど。具体的な数は?」
ひとまず駐屯地に留まったハンターが訊く。物見塔から慌てて下りてきた兵が逡巡していると、輜重受け取りに立ち合った男が首肯して促した。
「おそらく10体ほどかと。ひと塊となってこちらに向かってきています!」
「10体だと!? 今、駐屯地の戦力は……」
男が素早く計算する。
聖堂戦士団の聖導士が1人、非覚醒者の従騎士が15人、志願兵が20人、非戦闘員が若干名、そしてやはり覚醒者ではない自分。つまり覚醒者は1人きりだ。――目の前にいる、ハンターたちを除けば。
「……、っ」
栄えある王国騎士団に所属しているとはいえたかが下っ端騎士に過ぎない自分が、勝手にハンターを頼っていいのか。まずは急ぎ巡回中の覚醒者に知らせ、彼らが来るまでどうにかして防戦した方がいいのではないか。そ、それにもし依頼料が自腹だったら。だが敵。10体の巨大蟻が土塁を、柵を、一直線に抜けてきたらどうする。どうにもならない。時間。ない。歪虚が何故ここに。こんなこと今までほとんどなかった。あってももっと少数で……れ、連絡、あぁ連絡を早くせねば……!
「……、み、皆さん……もうひと仕事、して、いただけませんか……!」
迷ううちに、いつの間にか口に出していた。輜重の男が意を決したように勢い込んで頭を下げる。
「輜重輸送護衛の依頼とは別の依頼となります、報酬も別に払います! 歪虚討伐に、ご協力いただきたい……!」
顔を見合わせて思案するハンターたち。そのうち1人が答えようとした、その時。
「敵だぁ――――! 村に、シラート村に向かった連中が襲われてる!!」
再び、緊急事態を告げる鉦が鳴った。
暗雲。
逢魔時に近付きつつある空は雲一つないにもかかわらず、何故か低く、こちらを圧迫してくるかのようだった……。
風に乗って仄かに漂う潮の香りが鼻腔をくすぐり、ハンターたちは西の方を見やった。地上からでは分からないが、もっと高い所に上れば西の先には水平線が見えるだろう。そして同時に、あの島――イスルダ島も。
イスルダ島。王国が喉元に突きつけられた、歪虚の刃だ。
5年前の戦争以降、王国が常に悩まされ続けている存在。この駐屯地から少し足を伸ばせば眺めることができるほど近く、しかし今の戦力では踏み入ることのできない遠き島。
それがイスルダ島であり、その島を監視する為に作られたのがこの駐屯地であった。
「お疲れ様です。物資のチェックも無事終わりましたので、皆さんの依頼も終了となります。ハルトフォートに帰還後、報酬を受け取ってください」
「了解」
手元の資料と目の前の輜重の山を相手に格闘していた男が、心なしか荒い息を吐きながらハンターに告げる。ハンターの1人が倉まで運ぼうかと声をかけると、滅相もないと全力で首を横に振られた。
お互いの仕事をきっちりとしたいのか、あまりこちらにこの駐屯地を出歩かれたくないのか。どちらでもいいか、と別のハンターが肩を竦めて背を向けた。
駐屯地は人数の割にそこそこ広く、また倉庫らしき建物が様々な所にいくつもあった。無秩序に建てられたかのようなそれらは単純に考えると非常に使い勝手が悪そうで、最前線の駐屯地がそんな状態でいいのだろうかと不安になる。どこかから微かに漂ってくる火薬か何かのような臭いに、ハンターがやや顔を顰めた。
先ほど輜重運搬の手伝いを申し出たハンターが、辺りを見回しておずおずと言った。
「人が少ないようですけど、巡回か何かですか?」
「ええ、それもあります。後は……、ああ! そうだ外に出るまでお送りしますよ!」
「え?」
「いえね、入る時に気付かれたかもしれませんが、周囲は土塁や堀や……まぁ色々と囲まれておりますから。何も知らずに出入りしようとすると危険なんですよ」
「あぁ、はい、お願いします」
厳重に防備を固めた周囲と、無秩序な倉庫群。どこかチグハグな印象に首を傾げるが、ともあれ依頼は終了である。長居することもないであろう場所についてアレコレ考えたところで大して意味はない。
ハンターたちが帰路につこうとした――次の瞬間。
「敵襲! 敵襲――ッ!!」
物見塔の鉦が、けたたましく鳴り響いた。
「状況は?」
「3m大の蟻のような敵が群となって接近中です!」
「なるほど。具体的な数は?」
ひとまず駐屯地に留まったハンターが訊く。物見塔から慌てて下りてきた兵が逡巡していると、輜重受け取りに立ち合った男が首肯して促した。
「おそらく10体ほどかと。ひと塊となってこちらに向かってきています!」
「10体だと!? 今、駐屯地の戦力は……」
男が素早く計算する。
聖堂戦士団の聖導士が1人、非覚醒者の従騎士が15人、志願兵が20人、非戦闘員が若干名、そしてやはり覚醒者ではない自分。つまり覚醒者は1人きりだ。――目の前にいる、ハンターたちを除けば。
「……、っ」
栄えある王国騎士団に所属しているとはいえたかが下っ端騎士に過ぎない自分が、勝手にハンターを頼っていいのか。まずは急ぎ巡回中の覚醒者に知らせ、彼らが来るまでどうにかして防戦した方がいいのではないか。そ、それにもし依頼料が自腹だったら。だが敵。10体の巨大蟻が土塁を、柵を、一直線に抜けてきたらどうする。どうにもならない。時間。ない。歪虚が何故ここに。こんなこと今までほとんどなかった。あってももっと少数で……れ、連絡、あぁ連絡を早くせねば……!
「……、み、皆さん……もうひと仕事、して、いただけませんか……!」
迷ううちに、いつの間にか口に出していた。輜重の男が意を決したように勢い込んで頭を下げる。
「輜重輸送護衛の依頼とは別の依頼となります、報酬も別に払います! 歪虚討伐に、ご協力いただきたい……!」
顔を見合わせて思案するハンターたち。そのうち1人が答えようとした、その時。
「敵だぁ――――! 村に、シラート村に向かった連中が襲われてる!!」
再び、緊急事態を告げる鉦が鳴った。
暗雲。
逢魔時に近付きつつある空は雲一つないにもかかわらず、何故か低く、こちらを圧迫してくるかのようだった……。
解説
▼目的
駐屯地防衛。
▼状況
時刻は1530時前後。天候は晴れ。
PCは物資輸送の護衛として来て、そこで巻き込まれたことになる。物資は既に駐屯地内部にあり、非戦闘員が倉庫に運び込もうとしていた。
現在、駐屯地にいる戦闘員は、非覚醒者の騎士1人・従騎士15人・志願兵20人、聖導士1人。要請すれば共闘可能だが、しっかり連携を取りたい場合はそれなりのことが必要だろう。
歪虚との戦闘経験は1vs多の集団戦闘が主。装備は一通り揃っている。
また駐屯地の外には、今まさにこちらに向かってきている避難民とその護衛の小集団がおり、彼らも歪虚に追われているようだ。
避難民は1輌の馬車に乗っており、殿軍に覚醒者2人を含めた10人の従騎士がついている。2人のクラスは闘狩人と猟撃士。魔導短伝話を所持している。
巨蟻の方が駐屯地に近く、避難民一行はやや離れている。
駐屯地は平地ながら柵や土塁、3m幅の空堀などに囲まれている。
▼略図(1文字が1スクエアではない)
北
▼
▽
――――――――出―――――――
| ======撃======
▲▲ |┃ 路
▲▲ |┃
|┃
出撃路
|┃
|┃
▲:巨蟻 ▼:羊型と虎型 ▽:避難民一行
=・┃:防柵 ―・|:外から見て空堀、土塁の順
※出撃路には橋が架かっている
▼敵情報
巨蟻:10体前後
体長3mの雑魔。黒い集団となって突き進んできている。
突進や噛み付き、酸などの攻撃が予想される。
羊型:4体
半人半羊の歪虚。二足歩行、というか全力で走っている。
遠目には武器は持っていないようだ。
虎型:1体
体長3m前後の雑魔。羊に交じって馬車を追っている。牙が異様に発達している。
▼???
黒き波濤とは……?
▼補足情報
依頼成功度は駐屯地の被害状況+αによって判定される。
周辺状況を充分に活用することが重要かと思われる。
駐屯地防衛。
▼状況
時刻は1530時前後。天候は晴れ。
PCは物資輸送の護衛として来て、そこで巻き込まれたことになる。物資は既に駐屯地内部にあり、非戦闘員が倉庫に運び込もうとしていた。
現在、駐屯地にいる戦闘員は、非覚醒者の騎士1人・従騎士15人・志願兵20人、聖導士1人。要請すれば共闘可能だが、しっかり連携を取りたい場合はそれなりのことが必要だろう。
歪虚との戦闘経験は1vs多の集団戦闘が主。装備は一通り揃っている。
また駐屯地の外には、今まさにこちらに向かってきている避難民とその護衛の小集団がおり、彼らも歪虚に追われているようだ。
避難民は1輌の馬車に乗っており、殿軍に覚醒者2人を含めた10人の従騎士がついている。2人のクラスは闘狩人と猟撃士。魔導短伝話を所持している。
巨蟻の方が駐屯地に近く、避難民一行はやや離れている。
駐屯地は平地ながら柵や土塁、3m幅の空堀などに囲まれている。
▼略図(1文字が1スクエアではない)
北
▼
▽
――――――――出―――――――
| ======撃======
▲▲ |┃ 路
▲▲ |┃
|┃
出撃路
|┃
|┃
▲:巨蟻 ▼:羊型と虎型 ▽:避難民一行
=・┃:防柵 ―・|:外から見て空堀、土塁の順
※出撃路には橋が架かっている
▼敵情報
巨蟻:10体前後
体長3mの雑魔。黒い集団となって突き進んできている。
突進や噛み付き、酸などの攻撃が予想される。
羊型:4体
半人半羊の歪虚。二足歩行、というか全力で走っている。
遠目には武器は持っていないようだ。
虎型:1体
体長3m前後の雑魔。羊に交じって馬車を追っている。牙が異様に発達している。
▼???
黒き波濤とは……?
▼補足情報
依頼成功度は駐屯地の被害状況+αによって判定される。
周辺状況を充分に活用することが重要かと思われる。
マスターより
どうもです。京乃です。
簡単に言うと敵が近付きつつある駐屯地を防衛する依頼です。
柵や土塁や駐屯地の人など、利用できるものは色々と利用すれば楽しくなるような気がします。駐屯地の備蓄物資も利用できるならしてもよいですが、あんまり使いすぎると輜重の人が泣きます。
今回の羊は全力疾走してます。二足歩行の羊が全力で迫ってくる……ちょっと怖い(
「▼???」については……君は何かの予兆を感じてもいいし、感じなくてもいい(
簡単に言うと敵が近付きつつある駐屯地を防衛する依頼です。
柵や土塁や駐屯地の人など、利用できるものは色々と利用すれば楽しくなるような気がします。駐屯地の備蓄物資も利用できるならしてもよいですが、あんまり使いすぎると輜重の人が泣きます。
今回の羊は全力疾走してます。二足歩行の羊が全力で迫ってくる……ちょっと怖い(
「▼???」については……君は何かの予兆を感じてもいいし、感じなくてもいい(
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/10/29 03:30
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/10/20 02:22:06 |
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![]() |
駐屯地緊急防衛作戦会議室! 守原 有希弥(ka0562) 人間(リアルブルー)|19才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2014/10/22 18:44:36 |