ゲスト
(ka0000)
【奏演】その胸中は
マスター:風亜智疾

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/06/25 22:00
- リプレイ完成予定
- 2017/07/09 22:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
■
動かないのは足だけのはずだったのに。
■
絵を描けなくなった。物語を綴ることが怖くなった。
自分が何かを作り上げることで、多くの人が不幸になるのではないかと思った。
「だって実際に、そうなんだよね……」
真っ白なスケッチブック。握られなくなった絵筆。木製のパレットの上は何一つ色を乗せていない。
ヴェロニカ・フェッロ(kz0147)はカーテンの隙間から外を覗き込んだ。
自分に求められたのは絵本の作成を中断することと、極力外出を控えることだけ。
けれど、それと恐怖心とはまた別の問題で。
絵本を作ろうとしたわけではなかった。
ただ、気分転換になにか描ければと思っただけだった。それなのに。
――ヴェロニカの絵筆は、ほんの僅かも動かなかった。
■
カーテンを閉め切り、隙間から怯えるように外を見るヴェロニカを見つつ、ディーノ・オルトリーニ(kz0148)は口元を隠したストールの奥で唇を噛みしめていた。
戦場から持ち帰った情報が彼女の心を酷く傷つけたのは、言うまでもない。
自身の絵本が悪意を持って使われている。
しかも一度ではなく、何度も。
そしてその真意は不明のまま。
目的は何なのか、誰が行っているのか。何故ヴェロニカの絵本でなくてはならなかったのか。
「……ヴェラ、窓を開けるくらいは構わんぞ?」
空気を入れ替えた方がいいだろう、というディーノの提案に、ヴェロニカは小さく首を横に振って拒否を示した。
「……やめておくわ。ごめん」
ディーノは元来口数も多くなく、こういう面のフォローには不向きだ。
剣を振り回し、敵を狩ることならばいくらでも出来るのに。
たった一人の人間を安心させる手段が、自分にはきっとない。
――ならば。
■
「ディーノ、お前さん今はヴェロニカ嬢の護衛についてるんじゃなかったのか」
顔馴染みの受付担当であるバルトロの問いに、ディーノは一度首を横に振ってみせる。
「身辺警護は出来る。だが……あれは俺にはどうにも出来ん」
思い出す。かつて自身が守れなかった小さな少女のことを。
たすけてくれてありがとう。
そう言ってくれた少女の足は、二度と駆けることは出来ない。
今の状況がそうでなくても、ディーノにとっても想像以上に今回のヴェロニカは不安で押しつぶされそうになっている。
「……絵を、描かない」
「絵本は中断って言われてるからじゃないのか?」
「いや……純粋に、描かない。……描けないんだろう」
体は守れても、心を回復させるには自分はヴェロニカと近すぎるのだ。あまりにも長く、傍にいたせいで。
だからどうか。誰か。どうか。と、ディーノは1件の依頼を提出することにした。
『塞ぎこんで絵筆を取れなくなった人を、救ってほしい』
■
動かないのは足だけのはずだったのに。
■
絵を描けなくなった。物語を綴ることが怖くなった。
自分が何かを作り上げることで、多くの人が不幸になるのではないかと思った。
「だって実際に、そうなんだよね……」
真っ白なスケッチブック。握られなくなった絵筆。木製のパレットの上は何一つ色を乗せていない。
ヴェロニカ・フェッロ(kz0147)はカーテンの隙間から外を覗き込んだ。
自分に求められたのは絵本の作成を中断することと、極力外出を控えることだけ。
けれど、それと恐怖心とはまた別の問題で。
絵本を作ろうとしたわけではなかった。
ただ、気分転換になにか描ければと思っただけだった。それなのに。
――ヴェロニカの絵筆は、ほんの僅かも動かなかった。
■
カーテンを閉め切り、隙間から怯えるように外を見るヴェロニカを見つつ、ディーノ・オルトリーニ(kz0148)は口元を隠したストールの奥で唇を噛みしめていた。
戦場から持ち帰った情報が彼女の心を酷く傷つけたのは、言うまでもない。
自身の絵本が悪意を持って使われている。
しかも一度ではなく、何度も。
そしてその真意は不明のまま。
目的は何なのか、誰が行っているのか。何故ヴェロニカの絵本でなくてはならなかったのか。
「……ヴェラ、窓を開けるくらいは構わんぞ?」
空気を入れ替えた方がいいだろう、というディーノの提案に、ヴェロニカは小さく首を横に振って拒否を示した。
「……やめておくわ。ごめん」
ディーノは元来口数も多くなく、こういう面のフォローには不向きだ。
剣を振り回し、敵を狩ることならばいくらでも出来るのに。
たった一人の人間を安心させる手段が、自分にはきっとない。
――ならば。
■
「ディーノ、お前さん今はヴェロニカ嬢の護衛についてるんじゃなかったのか」
顔馴染みの受付担当であるバルトロの問いに、ディーノは一度首を横に振ってみせる。
「身辺警護は出来る。だが……あれは俺にはどうにも出来ん」
思い出す。かつて自身が守れなかった小さな少女のことを。
たすけてくれてありがとう。
そう言ってくれた少女の足は、二度と駆けることは出来ない。
今の状況がそうでなくても、ディーノにとっても想像以上に今回のヴェロニカは不安で押しつぶされそうになっている。
「……絵を、描かない」
「絵本は中断って言われてるからじゃないのか?」
「いや……純粋に、描かない。……描けないんだろう」
体は守れても、心を回復させるには自分はヴェロニカと近すぎるのだ。あまりにも長く、傍にいたせいで。
だからどうか。誰か。どうか。と、ディーノは1件の依頼を提出することにした。
『塞ぎこんで絵筆を取れなくなった人を、救ってほしい』
解説
今回は非戦闘シナリオとなります。
今回のミッションクリア条件はただ一つ「ヴェロニカ・フェッロを元気づけ、再び絵筆を取れるようにすること」です。
現在ヴェロニカは、とある事件の影響で絵本どころか絵を描くことすら恐怖で出来なくなっています。
依頼人であるディーノは今回、敢えて席を外すようです(屋外での警護等は行っています)
家の中で会話をするもよし、屋外に連れ出すもよし。
日中でも夜でも構いませんが、どちらか一方にした方がより濃くヴェロニカと接することができるでしょう。
手段は相談の上決めて頂いて構いません。
ただし、現在ヴェロニカはソサエティ側から「事件の重要参考人」的な扱いであり、遠くまでの外出は許可が下りません。
もし出かける場合は、以下の場所が候補に出来るかもしれません。
・近所の公園(日中は子供たちが賑やかに遊んでいます。夜は灯りが少ないので注意が必要です)
・郊外にある小さな森林公園(人が少なめの、小動物や鳥がいます。夜は灯りがありませんので注意が必要です)
どの場合でも、ディーノはつかず離れずの場所で警護しています。
特にディーノに用件がなければ彼の描写はほぼありません。
質問等にはディーノが答えますので、なにかありましたらお気軽にお尋ねください。
今回のミッションクリア条件はただ一つ「ヴェロニカ・フェッロを元気づけ、再び絵筆を取れるようにすること」です。
現在ヴェロニカは、とある事件の影響で絵本どころか絵を描くことすら恐怖で出来なくなっています。
依頼人であるディーノは今回、敢えて席を外すようです(屋外での警護等は行っています)
家の中で会話をするもよし、屋外に連れ出すもよし。
日中でも夜でも構いませんが、どちらか一方にした方がより濃くヴェロニカと接することができるでしょう。
手段は相談の上決めて頂いて構いません。
ただし、現在ヴェロニカはソサエティ側から「事件の重要参考人」的な扱いであり、遠くまでの外出は許可が下りません。
もし出かける場合は、以下の場所が候補に出来るかもしれません。
・近所の公園(日中は子供たちが賑やかに遊んでいます。夜は灯りが少ないので注意が必要です)
・郊外にある小さな森林公園(人が少なめの、小動物や鳥がいます。夜は灯りがありませんので注意が必要です)
どの場合でも、ディーノはつかず離れずの場所で警護しています。
特にディーノに用件がなければ彼の描写はほぼありません。
質問等にはディーノが答えますので、なにかありましたらお気軽にお尋ねください。
マスターより
【奏演】2話目の開幕です。
日頃明るく楽観的とはいえ、当事者となってしまった彼女の心中は如何ばかりか。
どうぞ、皆様のお力で、彼女に笑顔と元気。そして勇気を与えてあげてください。
よろしくお願い致します。
日頃明るく楽観的とはいえ、当事者となってしまった彼女の心中は如何ばかりか。
どうぞ、皆様のお力で、彼女に笑顔と元気。そして勇気を与えてあげてください。
よろしくお願い致します。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/07/02 01:21
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/06/22 03:23:12 |
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相談卓 神代 誠一(ka2086) 人間(リアルブルー)|32才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2017/06/25 19:26:23 |