ゲスト
(ka0000)
地下へと続くもの
マスター:猫又ものと

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/07/04 15:00
- リプレイ完成予定
- 2017/07/13 15:00
オープニング
時は数ヶ月前に遡る。
――その山のように大きな茶色の物体は、己の根城で深いため息をついた。
王冠に赤いマントを羽織ったクマのぬいぐるみは、こう見えて怠惰の眷属の頂点。七体の歪虚王の一角である。
正式名称はビックマー・ザ・ヘカトンケイル。
ふわふわな毛並みに黒い円らな瞳でとてもファンシーな見た目をしているが、その実体長が100m近い巨大サイズ。
砦はおろか小さい山なら障害物にすらならないという凶悪なボディを持っていたりするのだが……まあ、そんな彼にも悩みはある。
――ここ最近、急激にハンター達が力をつけて来ている。
そして更に、大精霊まで彼らに力を貸すような動きを見せ始めている。
ハンター達だけならともかく、大精霊は不味い。
自分の力を持ってしても相殺がいいところか――。
……否。そもそも、自分は最後の最後、どうにもならなくなった時に出るべきなのだ。
アレクサンドル、コーリアス、青木……そしてこの目の前の1人と2匹。
使える手駒は使わねば……。
ビックマーは目の前でキラキラと瞳を輝かせているトーチカ・J・ラロッカと、その後方に控えるモグラ2匹に目線を落とす。
「ビックマー様、ラロッカが参りました。お目にかかれて光栄に存じます」
「ヒュー! 今日も全員揃って元気そうじゃねえか。まあ、堅苦しい挨拶は抜きにしようや」
「そうして貰えると助かるのねん。それでビックマー様、アタシ達に頼みたいことって何なのかしらん?」
「ワイはこの通り、力仕事しかできないでおますが……姐さんは強いでおます! きっとビックマー様の期待にお応えできるでおます!!」
ノッポのモグラとデブのモグラに鷹揚に頷くビックマー。
もふもふの丸い手で、トントン、と地面を示した。
「お前達ちょっと、地下遺跡まで行って来てくんねえか?」
「……本当にあいつに頼んで大丈夫なのか? あの女、良いのは身体だけだぞ」
「ヒュー! そう言うと思ったぜ。だからお前を呼んだんだろう、青木よ」
ビックマーから地下遺跡捜索の依頼を受け、意気揚々と出かけていったラロッカ一味。
影に潜むように立つ青木 燕太郎(kz0166)を見据えてビックマーが口の端を上げて笑う。
「まさか俺にモグラの真似事をしろって言うんじゃないだろうな」
「そのまさかだ。アイツらは従順だが、ちょっと頭が足りん。それはお前も知っているだろう」
「……わざわざ呼び戻されて来てみればノータリンの御守りか。勘弁願いたいな」
「別に断ってくれてもいいんだぜェ……?」
黒い円らな瞳をキョロリと動かすビックマー。その目線を青木は正面から受け止める。
ビックマーの目から感じる恐ろしい程の重圧。垣間見える歪虚王の片鱗。
――現状まともに戦って勝ち目はない、か……。
瞬時に判断した青木。そこに聞こえた衣擦れの音。ビックマーの上で眠っていた少女が、目を擦りながら起き上がった。
「……ビックマー、青木とケンカしてるの……?」
「おお、オーロラ。起こしてしまったか。すまん」
「ん……。いいよ。でも、ケンカはダメよ……」
「そうかそうか。うん、喧嘩は良くないな。……青木よ、ここはオーロラの顔を立ててはくれねえか?」
「……仕方ないな。ただし、俺の好きなようにやらせて貰うぞ」
ため息をついて踵を返す青木。コツコツと足音を立ててその場を立ち去る。
――何故にこうもあれが憎いのか。理由は思い出せない。
青木自身が気が付いた時には既に、『ビックマーとオーロラ』という存在を憎んでいた。
別に王位とか立場が欲しい訳ではない。
ただただ、排除することを渇望する。
歪虚としての本能が命じる。組織だったものは破壊されるべきだと。
その為には――。
――地下遺跡。喪われた技術。大精霊の力、か……。
黒い影はニヤリと嗤った。
●喪われたもの
これは、テルル(kz0218)が自称幻獣王と共にリゼリオに出荷……いやいや。出発する少し前のこと。
辺境部族を取りまとめている立場である者として、イクタサに挨拶がしたいと願い出たバタルトゥ・オイマト(kz0023)。
彼から興味なさげに『来たいならどうぞ』という返答を貰い、ハンター達と共にイクタサの住まいであるシンタチャシに訪れていた。
「だから、俺っちのカマキリは地下の遺跡で拾ったんだよ」
「地下の遺跡……? そこにはこういうユニットが沢山あったりするのか?」
「ここまでの完全体はなかなか見つけられねえけど、パーツはゴロゴロ落ちてんぜ」
ハンター達の問いにぴーちく応えるテルル。彼の自慢の機体を見つめて、イクタサが目を細める。
「わあ。ピリカじゃないか。久しぶりに見たなあ」
「イクタサ様、この機体を御存知なんですか?」
「うん。幻獣達が乗っていたからね」
「幻獣達が乗っていた? 他にもあるんですか?」
「うん。君達からしたら大分前になるのかな。白龍と人間が住んでいたチュプっていう神殿があったんだ。そこにピリカが沢山あったんだよ。もう地上には残っていないだろうと思っていたけど。そうか、地下に埋まっていたんだね」
淡々と語るイクタサに、頷くハンター達。
――ちょっと待てよ? チュプにピリカ? どこかで聞いたような……。
「あっ! ハンターオフィスの神霊樹の記憶を遡った時に見たんだ!」
「ああ、あれはイクタサ様の神殿だったんですね……」
「そうだよ。……ああ、そうか。今はもう君達は知らない技術になってしまったのか」
一人納得するイクタサに頭にハテナマークを出すハンター達。
彼は穏やかに微笑むと、彼らに向き直る。
「……君達はボクの試練を突破して、ボクのウタリになった。だからボクは、君達に力を貸そう。地下にある……ボクの神殿に行ってみるといい。きっと役に立つものがあるはずだよ」
「役に立つものって一体……?」
「そうだね。色々、とだけ言っておこうかな。全部話してしまっては面白くないだろう?」
悪戯っぽくくすくすと笑うイクタサ。
バタルトゥとハンター達は顔を見合わせて――。
「地下の探索ですか? 別に構いませんよ。丁度、私からもお願いしようと思っていたところですし」
遺跡調査の許可を貰いにヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)の元を訪れたハンター達。
あっさりと許可が下りたことに目を丸くするハンター達に、1枚の紙を差し出す。
「……何だ? これ。地図?」
「先日、地下坑道でのトラブルを解決して貰った際、ハンター達が手に入れたものです。ドワーフ達に調べて貰ったところ、地下に遺跡らしき入口を発見しましてね」
「本当ですか……!?」
「ええ。歪虚達がここを目指していたという報告もあります。何があるのか見てきてください。分かったことは、全て私に報告を」
「了解」
こうして、なし崩しに地下遺跡に向かうことになったハンター達。
地図を片手に、遺跡があるヴェドルの地下を目指す――。
――その山のように大きな茶色の物体は、己の根城で深いため息をついた。
王冠に赤いマントを羽織ったクマのぬいぐるみは、こう見えて怠惰の眷属の頂点。七体の歪虚王の一角である。
正式名称はビックマー・ザ・ヘカトンケイル。
ふわふわな毛並みに黒い円らな瞳でとてもファンシーな見た目をしているが、その実体長が100m近い巨大サイズ。
砦はおろか小さい山なら障害物にすらならないという凶悪なボディを持っていたりするのだが……まあ、そんな彼にも悩みはある。
――ここ最近、急激にハンター達が力をつけて来ている。
そして更に、大精霊まで彼らに力を貸すような動きを見せ始めている。
ハンター達だけならともかく、大精霊は不味い。
自分の力を持ってしても相殺がいいところか――。
……否。そもそも、自分は最後の最後、どうにもならなくなった時に出るべきなのだ。
アレクサンドル、コーリアス、青木……そしてこの目の前の1人と2匹。
使える手駒は使わねば……。
ビックマーは目の前でキラキラと瞳を輝かせているトーチカ・J・ラロッカと、その後方に控えるモグラ2匹に目線を落とす。
「ビックマー様、ラロッカが参りました。お目にかかれて光栄に存じます」
「ヒュー! 今日も全員揃って元気そうじゃねえか。まあ、堅苦しい挨拶は抜きにしようや」
「そうして貰えると助かるのねん。それでビックマー様、アタシ達に頼みたいことって何なのかしらん?」
「ワイはこの通り、力仕事しかできないでおますが……姐さんは強いでおます! きっとビックマー様の期待にお応えできるでおます!!」
ノッポのモグラとデブのモグラに鷹揚に頷くビックマー。
もふもふの丸い手で、トントン、と地面を示した。
「お前達ちょっと、地下遺跡まで行って来てくんねえか?」
「……本当にあいつに頼んで大丈夫なのか? あの女、良いのは身体だけだぞ」
「ヒュー! そう言うと思ったぜ。だからお前を呼んだんだろう、青木よ」
ビックマーから地下遺跡捜索の依頼を受け、意気揚々と出かけていったラロッカ一味。
影に潜むように立つ青木 燕太郎(kz0166)を見据えてビックマーが口の端を上げて笑う。
「まさか俺にモグラの真似事をしろって言うんじゃないだろうな」
「そのまさかだ。アイツらは従順だが、ちょっと頭が足りん。それはお前も知っているだろう」
「……わざわざ呼び戻されて来てみればノータリンの御守りか。勘弁願いたいな」
「別に断ってくれてもいいんだぜェ……?」
黒い円らな瞳をキョロリと動かすビックマー。その目線を青木は正面から受け止める。
ビックマーの目から感じる恐ろしい程の重圧。垣間見える歪虚王の片鱗。
――現状まともに戦って勝ち目はない、か……。
瞬時に判断した青木。そこに聞こえた衣擦れの音。ビックマーの上で眠っていた少女が、目を擦りながら起き上がった。
「……ビックマー、青木とケンカしてるの……?」
「おお、オーロラ。起こしてしまったか。すまん」
「ん……。いいよ。でも、ケンカはダメよ……」
「そうかそうか。うん、喧嘩は良くないな。……青木よ、ここはオーロラの顔を立ててはくれねえか?」
「……仕方ないな。ただし、俺の好きなようにやらせて貰うぞ」
ため息をついて踵を返す青木。コツコツと足音を立ててその場を立ち去る。
――何故にこうもあれが憎いのか。理由は思い出せない。
青木自身が気が付いた時には既に、『ビックマーとオーロラ』という存在を憎んでいた。
別に王位とか立場が欲しい訳ではない。
ただただ、排除することを渇望する。
歪虚としての本能が命じる。組織だったものは破壊されるべきだと。
その為には――。
――地下遺跡。喪われた技術。大精霊の力、か……。
黒い影はニヤリと嗤った。
●喪われたもの
これは、テルル(kz0218)が自称幻獣王と共にリゼリオに出荷……いやいや。出発する少し前のこと。
辺境部族を取りまとめている立場である者として、イクタサに挨拶がしたいと願い出たバタルトゥ・オイマト(kz0023)。
彼から興味なさげに『来たいならどうぞ』という返答を貰い、ハンター達と共にイクタサの住まいであるシンタチャシに訪れていた。
「だから、俺っちのカマキリは地下の遺跡で拾ったんだよ」
「地下の遺跡……? そこにはこういうユニットが沢山あったりするのか?」
「ここまでの完全体はなかなか見つけられねえけど、パーツはゴロゴロ落ちてんぜ」
ハンター達の問いにぴーちく応えるテルル。彼の自慢の機体を見つめて、イクタサが目を細める。
「わあ。ピリカじゃないか。久しぶりに見たなあ」
「イクタサ様、この機体を御存知なんですか?」
「うん。幻獣達が乗っていたからね」
「幻獣達が乗っていた? 他にもあるんですか?」
「うん。君達からしたら大分前になるのかな。白龍と人間が住んでいたチュプっていう神殿があったんだ。そこにピリカが沢山あったんだよ。もう地上には残っていないだろうと思っていたけど。そうか、地下に埋まっていたんだね」
淡々と語るイクタサに、頷くハンター達。
――ちょっと待てよ? チュプにピリカ? どこかで聞いたような……。
「あっ! ハンターオフィスの神霊樹の記憶を遡った時に見たんだ!」
「ああ、あれはイクタサ様の神殿だったんですね……」
「そうだよ。……ああ、そうか。今はもう君達は知らない技術になってしまったのか」
一人納得するイクタサに頭にハテナマークを出すハンター達。
彼は穏やかに微笑むと、彼らに向き直る。
「……君達はボクの試練を突破して、ボクのウタリになった。だからボクは、君達に力を貸そう。地下にある……ボクの神殿に行ってみるといい。きっと役に立つものがあるはずだよ」
「役に立つものって一体……?」
「そうだね。色々、とだけ言っておこうかな。全部話してしまっては面白くないだろう?」
悪戯っぽくくすくすと笑うイクタサ。
バタルトゥとハンター達は顔を見合わせて――。
「地下の探索ですか? 別に構いませんよ。丁度、私からもお願いしようと思っていたところですし」
遺跡調査の許可を貰いにヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)の元を訪れたハンター達。
あっさりと許可が下りたことに目を丸くするハンター達に、1枚の紙を差し出す。
「……何だ? これ。地図?」
「先日、地下坑道でのトラブルを解決して貰った際、ハンター達が手に入れたものです。ドワーフ達に調べて貰ったところ、地下に遺跡らしき入口を発見しましてね」
「本当ですか……!?」
「ええ。歪虚達がここを目指していたという報告もあります。何があるのか見てきてください。分かったことは、全て私に報告を」
「了解」
こうして、なし崩しに地下遺跡に向かうことになったハンター達。
地図を片手に、遺跡があるヴェドルの地下を目指す――。
解説
辺境の地下にあるという遺跡。そこは何と、遠い昔、イクタサの神殿だった『チュプ』と呼ばれる場所のようです。
テルルが乗っている魔導アーマーや、他にもロストテクノロジーが沢山眠っている場所です。
そこを探索し、役立つ情報を持ち帰ってきてください。
何を探すか、どうやって探すかは皆さんにお任せします。
自由に行動して戴いて構いません。
地下坑道での妙な音はハンターさん達の活躍によってしなくなりましたが、ラロッカ達や歪虚がうろちょろしている可能性もあります。
気を付けて対応に当たってください。
地図があるので遺跡には迷わず到達することが出来ます。
遺跡までは問題なく到達したものとして行動して戴いて構いません。
■地下遺跡探索のご注意
地下遺跡を派手に破壊するような行為をするのはNGです。
遺跡を破壊すると依頼失敗となる場合があります。
■場所について
辺境ドワーフの居城であるヴェドルの更に地下にあります。
以前、巨大グランドワーム『ロックワン』が地下に穴を開けながら進んだ為、遺跡へは簡単に入れるようになっています。
■地下遺跡について
チュプ神殿と呼ばれていた場所で、かつてはイクタサが祀られていた神殿でした。
白龍と辺境の民達がそこに結界を張って、歪虚の侵攻を防いでいた歴史があります。
詳しくは依頼『【血盟】白き龍の夢』『【血盟】白き龍の嘆き』をご覧ください。
■NPCについて
今回はバタルトゥが同行しています。テルルはリゼリオに出向中のため同行できません。
■情報について
OPに出てきている歪虚達の状況はプレイヤー情報となり、PCさんは知りません。
取り扱いにはご注意下さい。
■その他
白紙は描写しません。
テルルが乗っている魔導アーマーや、他にもロストテクノロジーが沢山眠っている場所です。
そこを探索し、役立つ情報を持ち帰ってきてください。
何を探すか、どうやって探すかは皆さんにお任せします。
自由に行動して戴いて構いません。
地下坑道での妙な音はハンターさん達の活躍によってしなくなりましたが、ラロッカ達や歪虚がうろちょろしている可能性もあります。
気を付けて対応に当たってください。
地図があるので遺跡には迷わず到達することが出来ます。
遺跡までは問題なく到達したものとして行動して戴いて構いません。
■地下遺跡探索のご注意
地下遺跡を派手に破壊するような行為をするのはNGです。
遺跡を破壊すると依頼失敗となる場合があります。
■場所について
辺境ドワーフの居城であるヴェドルの更に地下にあります。
以前、巨大グランドワーム『ロックワン』が地下に穴を開けながら進んだ為、遺跡へは簡単に入れるようになっています。
■地下遺跡について
チュプ神殿と呼ばれていた場所で、かつてはイクタサが祀られていた神殿でした。
白龍と辺境の民達がそこに結界を張って、歪虚の侵攻を防いでいた歴史があります。
詳しくは依頼『【血盟】白き龍の夢』『【血盟】白き龍の嘆き』をご覧ください。
■NPCについて
今回はバタルトゥが同行しています。テルルはリゼリオに出向中のため同行できません。
■情報について
OPに出てきている歪虚達の状況はプレイヤー情報となり、PCさんは知りません。
取り扱いにはご注意下さい。
■その他
白紙は描写しません。
マスターより
お世話になっております。猫又です。
皆さまに、辺境の依頼をお届けします。
さて、水面下で青木も動き出しましたよー。
辺境の遠い過去を知る神殿で、皆様は何を見るのでしょうか。
それでは、皆様のご参加を心よりお待ちしております。
皆さまに、辺境の依頼をお届けします。
さて、水面下で青木も動き出しましたよー。
辺境の遠い過去を知る神殿で、皆様は何を見るのでしょうか。
それでは、皆様のご参加を心よりお待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/07/12 13:32
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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【相談卓】地下遺跡探索隊 蜜鈴=カメーリア・ルージュ(ka4009) エルフ|22才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2017/07/04 02:26:55 |
|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/06/29 12:08:45 |