ゲスト
(ka0000)
【奏演】Conductor~謁見~
マスター:風亜智疾

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在5人 / 3~5人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/07/13 19:00
- リプレイ完成予定
- 2017/07/27 19:00
オープニング
■
真白のローブを目深に被り微笑みを浮かべた教祖の前に、一人の男が両膝をつき首を垂れる。
「お呼びと伺い参りました、教祖様」
教祖は微笑みを浮かべたまま、肩に腰掛けるように存在している『モノ』と言葉を交わしていた。
教祖の肩の上、羽の生えた小さな人型の存在。
――それは、教祖へと力を与えているという『精霊』だと、教団では言われている。
精霊の表情は微笑みのまま変わらない。けれど、その声は確かに教祖には聞こえているのだという。
「……えぇ、そうですね。それが良いでしょう」
精霊と語る教祖の隣には、長い金の髪を揺らす小柄な碧眼の少女が一人佇んでいる。
恐らくは、美しい少女なのだろう。
しかし顔は目と口元以外を覆うように。身に纏うアンティークドレスから見える手足を覆うように。
少女は包帯で覆いつくされており、肌の露出はほぼなかった。
精霊が教祖へと力を与えている理由のひとつが、この少女。
教祖の妹だという存在だった。
教団に入信したものが知りうる教祖についての情報は数少ない。
しかも、この廃村を元に作り上げた教団には、信者以外が入ることはない。
それゆえ、教祖の情報が外に漏れることはなかった。
ふと、教祖の瞳が眼前の信者へと下りる。
「信心深き者よ、貴方に一つ、試練を与えます」
柔らかな声の中に潜む、厳かな空気。
「この試練を超えた後、貴方はまた一つ望みへと至ることが出来るでしょう」
「はい、教祖様。いかなる試練をも、喜んでお受けいたします」
なぜ自分が選ばれたのか。どんな試練なのか。
そんなことはどうだっていいことだ。
自分の望みへと、近づくことができるのであれば。
教祖の力になれるのであれば。
――祈り給へ。崇め給へ。敬い給へ。我らが神を。
■
「この封筒を、自分が出ていった後に開封してほしい」
ハンターオフィス受付担当のバルトロへと手紙を手渡した、ボロ布を纏ったかのような男はそう言うとわき目もふらずに走り去っていった。
「ったく、もし依頼なら一度ソサエティ本部に送らんとならんのに……」
既に男の姿は遠く、追いかけることも難しい。
仕方なく、バルトロは封を開けた。
――中には1枚の紙きれと1枚の写真。
「―――っ!!」
咄嗟にバルトロは紙切れの方を握りつぶす。
震える拳のその中、握りつぶされた紙切れ――とある絵本の1頁には、塗りつぶされた動物たちの絵と、流れるような文字が綴られていた。
■
『愚かしくも自らを世界を救う守護者と宣うものに天罰を』
『我は精霊の加護を受けしもの。真に傷つくものたちを救うもの』
『覚悟あらば一度のみ、謁見を赦しましょう。哀れなハンターたちよ』
写真には、石や木で出来ているであろう多くの狼や鷲のゴーレム、であろうか。
それらが警戒するように建物の中をうろつく様子が写されていた。
■
「俺は動けん。ヴェラの護衛がある」
そもそも、こんなことを本人の耳に入れてしまえば、前を向いて進もうと思いを強くした頑固者の絵本作家が、自身も共に行くと言い始めてしまうかもしれない。
「ヴェロニカ嬢はまだ重要参考人扱いだ。ヘタに動けば余計な疑いが彼女にかかっちまうしな」
古びたロングストールで覆われた唇を強く噛みしめ、ディーノは唸る。
「……偵察と情報収集、か」
「あぁ、そうなるだろうな」
どういうつもりなのか、新興宗教の「教祖」とやらは、一度だけハンターと会ってもいいと言ってきたのだ。
ただし一筋縄では行かないことは、写真を見れば明白で。
恐らく戦闘は避けられないだろう。
「ディーノ」
「……分かっている。俺からの依頼にすればいい」
一緒に行くことは出来ない。けれど、他のハンターが向かう手段――依頼を出すことは出来る。
「だがしかしどうする。二手に分かれる必要があるぞ」
「なら、最初から二手に分ければいい。そうだろう」
「つまり、同時進行の別行動依頼だな」
「バルトロ、頼んだ」
「おぅ」
まるで尾のようにロングストールを翻し、ディーノは絵本作家の元へと戻っていく。
その後ろ姿を見送ることなく、長い付き合いの案内係は2つの依頼書の作成を始めるのだった。
■
「どーして急に会ってやろうナンテ思ったんダー?」
「さぁ、どうしてでしょうね。強いて言うのなら、そう……」
神殿の最奥。きゃらきゃらと甲高い笑い声と、柔らかい声が響いている。
教祖と呼ばれるものの目的。それは。
果たしてハンターというものが、どの程度の存在なのかを見極めるためかもしれない。
真白のローブを目深に被り微笑みを浮かべた教祖の前に、一人の男が両膝をつき首を垂れる。
「お呼びと伺い参りました、教祖様」
教祖は微笑みを浮かべたまま、肩に腰掛けるように存在している『モノ』と言葉を交わしていた。
教祖の肩の上、羽の生えた小さな人型の存在。
――それは、教祖へと力を与えているという『精霊』だと、教団では言われている。
精霊の表情は微笑みのまま変わらない。けれど、その声は確かに教祖には聞こえているのだという。
「……えぇ、そうですね。それが良いでしょう」
精霊と語る教祖の隣には、長い金の髪を揺らす小柄な碧眼の少女が一人佇んでいる。
恐らくは、美しい少女なのだろう。
しかし顔は目と口元以外を覆うように。身に纏うアンティークドレスから見える手足を覆うように。
少女は包帯で覆いつくされており、肌の露出はほぼなかった。
精霊が教祖へと力を与えている理由のひとつが、この少女。
教祖の妹だという存在だった。
教団に入信したものが知りうる教祖についての情報は数少ない。
しかも、この廃村を元に作り上げた教団には、信者以外が入ることはない。
それゆえ、教祖の情報が外に漏れることはなかった。
ふと、教祖の瞳が眼前の信者へと下りる。
「信心深き者よ、貴方に一つ、試練を与えます」
柔らかな声の中に潜む、厳かな空気。
「この試練を超えた後、貴方はまた一つ望みへと至ることが出来るでしょう」
「はい、教祖様。いかなる試練をも、喜んでお受けいたします」
なぜ自分が選ばれたのか。どんな試練なのか。
そんなことはどうだっていいことだ。
自分の望みへと、近づくことができるのであれば。
教祖の力になれるのであれば。
――祈り給へ。崇め給へ。敬い給へ。我らが神を。
■
「この封筒を、自分が出ていった後に開封してほしい」
ハンターオフィス受付担当のバルトロへと手紙を手渡した、ボロ布を纏ったかのような男はそう言うとわき目もふらずに走り去っていった。
「ったく、もし依頼なら一度ソサエティ本部に送らんとならんのに……」
既に男の姿は遠く、追いかけることも難しい。
仕方なく、バルトロは封を開けた。
――中には1枚の紙きれと1枚の写真。
「―――っ!!」
咄嗟にバルトロは紙切れの方を握りつぶす。
震える拳のその中、握りつぶされた紙切れ――とある絵本の1頁には、塗りつぶされた動物たちの絵と、流れるような文字が綴られていた。
■
『愚かしくも自らを世界を救う守護者と宣うものに天罰を』
『我は精霊の加護を受けしもの。真に傷つくものたちを救うもの』
『覚悟あらば一度のみ、謁見を赦しましょう。哀れなハンターたちよ』
写真には、石や木で出来ているであろう多くの狼や鷲のゴーレム、であろうか。
それらが警戒するように建物の中をうろつく様子が写されていた。
■
「俺は動けん。ヴェラの護衛がある」
そもそも、こんなことを本人の耳に入れてしまえば、前を向いて進もうと思いを強くした頑固者の絵本作家が、自身も共に行くと言い始めてしまうかもしれない。
「ヴェロニカ嬢はまだ重要参考人扱いだ。ヘタに動けば余計な疑いが彼女にかかっちまうしな」
古びたロングストールで覆われた唇を強く噛みしめ、ディーノは唸る。
「……偵察と情報収集、か」
「あぁ、そうなるだろうな」
どういうつもりなのか、新興宗教の「教祖」とやらは、一度だけハンターと会ってもいいと言ってきたのだ。
ただし一筋縄では行かないことは、写真を見れば明白で。
恐らく戦闘は避けられないだろう。
「ディーノ」
「……分かっている。俺からの依頼にすればいい」
一緒に行くことは出来ない。けれど、他のハンターが向かう手段――依頼を出すことは出来る。
「だがしかしどうする。二手に分かれる必要があるぞ」
「なら、最初から二手に分ければいい。そうだろう」
「つまり、同時進行の別行動依頼だな」
「バルトロ、頼んだ」
「おぅ」
まるで尾のようにロングストールを翻し、ディーノは絵本作家の元へと戻っていく。
その後ろ姿を見送ることなく、長い付き合いの案内係は2つの依頼書の作成を始めるのだった。
■
「どーして急に会ってやろうナンテ思ったんダー?」
「さぁ、どうしてでしょうね。強いて言うのなら、そう……」
神殿の最奥。きゃらきゃらと甲高い笑い声と、柔らかい声が響いている。
教祖と呼ばれるものの目的。それは。
果たしてハンターというものが、どの程度の存在なのかを見極めるためかもしれない。
解説
この依頼は、同時公開される『【奏演】Conductor~収集~』と同時進行する内容となります。
こちらのミッションクリア条件は『直接教祖と会話を行い、その真意を確かめること』
つまり、こちらは「教祖の元へと辿り着き会話を行う」ミッションです。
教祖がいるのは、廃村の最奥にある『神殿』と呼ばれる建物です。
『神殿』の一番奥の部屋では、教祖がハンターたちを待っています。
神殿内には石で出来た狼型のゴーレム5体と鷲型のゴーレム5体が、警戒するように徘徊しています。
ゴーレムは狼型1体と鷲型1体の組み合わせで動いています。
ゴーレムの警戒には周期があり、遭遇するかどうかは各参加者と徘徊ゴーレムとの「直感」を利用したダイス勝負となります。
ハンターが勝てば回避。負ければ戦闘となります。
隠密スキルではこの勝負は回避出来ません。
ゴーレムに見つかったら戦闘は避けられませんので、戦闘準備は必須です。
現在の『神殿』の見取り図はありませんが、建物自体はかつてこの廃村で協会と集会所を兼ね備えていた建物なので、最奥の教祖の元に辿り着くまでにいくつかの部屋や大きな柱は存在します。
『神殿』の入り口から最奥の教祖のいる部屋までは何度か角を曲がる必要があり、ゴーレムがいなかったとしても最低15分はかかります。
そして、最も重要な内容ですが。
万が一教祖に戦闘を仕掛けた場合、難易度は一気に「非常に難しい(危険)」に跳ね上がります。
教祖がどんな力を使うのか、何を目的にしているのか、一切不明の状況です。
この状況での戦闘は無謀としか言えません。注意してください。
今回収集出来た情報と、もう一方の同時進行依頼での情報によって、今後のハンター側の優勢が決まります。
効率よく少しでも多くの情報を獲得出来るよう目指しましょう。
不明点についてはNPCディーノが答えますが、彼は今回絵本作家ヴェロニカの護衛に集中するため同行できません。
こちらのミッションクリア条件は『直接教祖と会話を行い、その真意を確かめること』
つまり、こちらは「教祖の元へと辿り着き会話を行う」ミッションです。
教祖がいるのは、廃村の最奥にある『神殿』と呼ばれる建物です。
『神殿』の一番奥の部屋では、教祖がハンターたちを待っています。
神殿内には石で出来た狼型のゴーレム5体と鷲型のゴーレム5体が、警戒するように徘徊しています。
ゴーレムは狼型1体と鷲型1体の組み合わせで動いています。
ゴーレムの警戒には周期があり、遭遇するかどうかは各参加者と徘徊ゴーレムとの「直感」を利用したダイス勝負となります。
ハンターが勝てば回避。負ければ戦闘となります。
隠密スキルではこの勝負は回避出来ません。
ゴーレムに見つかったら戦闘は避けられませんので、戦闘準備は必須です。
現在の『神殿』の見取り図はありませんが、建物自体はかつてこの廃村で協会と集会所を兼ね備えていた建物なので、最奥の教祖の元に辿り着くまでにいくつかの部屋や大きな柱は存在します。
『神殿』の入り口から最奥の教祖のいる部屋までは何度か角を曲がる必要があり、ゴーレムがいなかったとしても最低15分はかかります。
そして、最も重要な内容ですが。
万が一教祖に戦闘を仕掛けた場合、難易度は一気に「非常に難しい(危険)」に跳ね上がります。
教祖がどんな力を使うのか、何を目的にしているのか、一切不明の状況です。
この状況での戦闘は無謀としか言えません。注意してください。
今回収集出来た情報と、もう一方の同時進行依頼での情報によって、今後のハンター側の優勢が決まります。
効率よく少しでも多くの情報を獲得出来るよう目指しましょう。
不明点についてはNPCディーノが答えますが、彼は今回絵本作家ヴェロニカの護衛に集中するため同行できません。
マスターより
少人数で同時進行。という2本立てで今回の【奏演】をお送りします。
こちらはよほどダイスの女神が微笑まない限り、戦闘が発生する内容な上に、正体不明とされている教祖との会話による情報収集も行わなければなりません。
それでは、健闘を祈ります。
こちらはよほどダイスの女神が微笑まない限り、戦闘が発生する内容な上に、正体不明とされている教祖との会話による情報収集も行わなければなりません。
それでは、健闘を祈ります。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/07/20 00:56
参加者一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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質問卓 鞍馬 真(ka5819) 人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2017/07/10 21:57:35 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/07/08 19:20:43 |
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相談卓 神代 誠一(ka2086) 人間(リアルブルー)|32才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2017/07/13 16:47:04 |