ゲスト
(ka0000)
【奏演】Elegia
マスター:風亜智疾

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
1,500
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/08/03 19:00
- リプレイ完成予定
- 2017/08/17 19:00
オープニング
――覚えてる。燻る煙、瓦礫の山、すすり泣く人たちの声。顔を伏せ唇を噛みしめるハンターたち。私を抱く、ディーノの表情。
壊れた懐中時計と、焼け焦げたストールだけが、私に残されたものだった。
■
「―――っ!!」
跳ね起きて周囲を見渡せば、そこは今自分が住んでいる家の寝室で。
ヴェロニカ・フェッロ(kz0147)は荒い息を整えようと必死に呼吸を繰り返した。
もう長いこと見ていなかった夢だった。
厳密にいえばあれは『夢』ではなく、現実。彼女にとっての『過去』なのだが。
ふと、ベッドサイドに置かれたサイドチェストの一番上段を見る。
そこには彼女にとっての『宝物』が、いつも大切に仕舞われていた。
鍵のかかるその棚の中には、沢山の手紙や彼女が思い出として描いた絵の他に、2つのものが入っている。
「……トトー」
顔を覆う。呟かれた名前は、数日前にオフィスまで呼び出されたときに聞かされた音声に入っていたもの。
その名前に、彼女は覚えがあった。
ただ、もう二度と聞くことはないだろうと思っていた。
――何故なら彼は、あの悪夢のような惨劇の中で、死んだと思われていたのだから。
■
時は僅か遡る。
ハンターズオフィスに呼び出されたヴェロニカは、護衛としてディーノと共にそこを訪れていた。
一人ずつ話を聞かせてほしいと言われ、訝し気な顔をしたディーノを手で制してヴェロニカは個室へと通された。
「これが、ハンターたちから提出された資料と音声だ」
別の蓄音石から移したのだという音声と、数枚の書類。
書類に目を通しながらヴェロニカは手は次第に震えていく。
記された『絵本を利用していた相手の名前』。とある新興宗教の教祖と名乗っているその人物は、彼女の少女時代に存在した人間と同名だったのだ。
「少し調べさせてもらったが。貴女の住んでいた村は、貴女が10歳の頃に雑魔による襲撃を受け壊滅している。住んでいた村人のうち半数以上が死亡。生き残った村人は村を再建するのを諦め、別の場所に移った」
その時の死亡者の中には、ヴェロニカの両親も含まれている。
足を悪くしたヴェロニカを、それでも大切に慈しんでくれた両親。
そして。
「その死亡者の中に、トトーという青年と、エミリという少女が含まれている」
強張る手と表情。気温は低くない筈なのに、どうしてこんなに寒いのか。
そして流される音声は、所々不自然に切れている。おそらく、重要な音声を選んで蓄音されているのだろう。
「この声の主に、覚えがあるかな」
もはや疑問形ですらないその問いに、ヴェロニカはゆっくりと顔を俯かせた。
「……私が覚えている、トトーの声と同じだわ……」
頷いた相手は、彼女に向かって一枚の紙とペンを差し出す。
「ではヴェロニカ・フェッロ。この紙にその『トトー』と『エミリ』という2名を描いてもらおう」
絵を描くのは得意だろう?
今度こそ、彼女は硬直した。
■
今回の首謀者が狙っているのは『ハンター』であり、ヴェロニカの絵本は切欠として利用されただけである。
そう総合的に判断され、彼女に対する外出等の制限は解除された。
ディーノを待って共に帰ろうとしたが、オフィスの人間は「彼にはまだ話を聞かなければならないので先に帰る様に」と首を縦には振ってくれなかった。
不自由な足は、いつも以上の重さをもって彼女の帰路を襲う。
俯いたまま歩き続ける彼女の横を、真っ白なローブを被った人間が通り過ぎた。
「―――――」
囁かれた声に、顔を跳ね上げて振り返る。
けれど、何処にもそれらしき人影はない。
■
以降、ヴェロニカ・フェッロはハンターオフィスからの呼び出しを頑なに拒否し続けた。
協力したくないわけではない。
けれど、問い詰められるようなあの雰囲気はもう耐えきれなかったのだ。
苦肉の策として、オフィスは1件の依頼書を作成する。
内容は
『参考人 ヴェロニカ・フェッロより今回の首謀者についての情報を一つでも多く取得すること』
壊れた懐中時計と、焼け焦げたストールだけが、私に残されたものだった。
■
「―――っ!!」
跳ね起きて周囲を見渡せば、そこは今自分が住んでいる家の寝室で。
ヴェロニカ・フェッロ(kz0147)は荒い息を整えようと必死に呼吸を繰り返した。
もう長いこと見ていなかった夢だった。
厳密にいえばあれは『夢』ではなく、現実。彼女にとっての『過去』なのだが。
ふと、ベッドサイドに置かれたサイドチェストの一番上段を見る。
そこには彼女にとっての『宝物』が、いつも大切に仕舞われていた。
鍵のかかるその棚の中には、沢山の手紙や彼女が思い出として描いた絵の他に、2つのものが入っている。
「……トトー」
顔を覆う。呟かれた名前は、数日前にオフィスまで呼び出されたときに聞かされた音声に入っていたもの。
その名前に、彼女は覚えがあった。
ただ、もう二度と聞くことはないだろうと思っていた。
――何故なら彼は、あの悪夢のような惨劇の中で、死んだと思われていたのだから。
■
時は僅か遡る。
ハンターズオフィスに呼び出されたヴェロニカは、護衛としてディーノと共にそこを訪れていた。
一人ずつ話を聞かせてほしいと言われ、訝し気な顔をしたディーノを手で制してヴェロニカは個室へと通された。
「これが、ハンターたちから提出された資料と音声だ」
別の蓄音石から移したのだという音声と、数枚の書類。
書類に目を通しながらヴェロニカは手は次第に震えていく。
記された『絵本を利用していた相手の名前』。とある新興宗教の教祖と名乗っているその人物は、彼女の少女時代に存在した人間と同名だったのだ。
「少し調べさせてもらったが。貴女の住んでいた村は、貴女が10歳の頃に雑魔による襲撃を受け壊滅している。住んでいた村人のうち半数以上が死亡。生き残った村人は村を再建するのを諦め、別の場所に移った」
その時の死亡者の中には、ヴェロニカの両親も含まれている。
足を悪くしたヴェロニカを、それでも大切に慈しんでくれた両親。
そして。
「その死亡者の中に、トトーという青年と、エミリという少女が含まれている」
強張る手と表情。気温は低くない筈なのに、どうしてこんなに寒いのか。
そして流される音声は、所々不自然に切れている。おそらく、重要な音声を選んで蓄音されているのだろう。
「この声の主に、覚えがあるかな」
もはや疑問形ですらないその問いに、ヴェロニカはゆっくりと顔を俯かせた。
「……私が覚えている、トトーの声と同じだわ……」
頷いた相手は、彼女に向かって一枚の紙とペンを差し出す。
「ではヴェロニカ・フェッロ。この紙にその『トトー』と『エミリ』という2名を描いてもらおう」
絵を描くのは得意だろう?
今度こそ、彼女は硬直した。
■
今回の首謀者が狙っているのは『ハンター』であり、ヴェロニカの絵本は切欠として利用されただけである。
そう総合的に判断され、彼女に対する外出等の制限は解除された。
ディーノを待って共に帰ろうとしたが、オフィスの人間は「彼にはまだ話を聞かなければならないので先に帰る様に」と首を縦には振ってくれなかった。
不自由な足は、いつも以上の重さをもって彼女の帰路を襲う。
俯いたまま歩き続ける彼女の横を、真っ白なローブを被った人間が通り過ぎた。
「―――――」
囁かれた声に、顔を跳ね上げて振り返る。
けれど、何処にもそれらしき人影はない。
■
以降、ヴェロニカ・フェッロはハンターオフィスからの呼び出しを頑なに拒否し続けた。
協力したくないわけではない。
けれど、問い詰められるようなあの雰囲気はもう耐えきれなかったのだ。
苦肉の策として、オフィスは1件の依頼書を作成する。
内容は
『参考人 ヴェロニカ・フェッロより今回の首謀者についての情報を一つでも多く取得すること』
解説
今回は非戦闘系シナリオとなります。
今回のミッションクリア最低条件は『ヴェロニカから教祖「トトー」についての知り得る情報を得ること』。
舞台はヴェロニカの家か、あるいは今回は外出制限がないので遠出をすることも可能です。
ただし、家と外両方はヴェロニカの体力的に難しいので、外出するならばどこか1箇所。
そして家か外かのどちらかにすることを推奨します。
尚、情報として、彼女はハンターオフィスでトトーとエミリ両名の絵を描くことが出来ませんでした。
今まで得た情報と、今回ヴェロニカから得た情報によって、今後のハンター側の優劣が確定します。
また、今まで護衛としてついていたディーノは今回ハンターオフィスの指示で今後しばらくはヴェロニカに付くことが出来ません。
どのように会話を進めるか。どこで会話をするのか。どう彼女と接するのか。
全てはハンターたちに委ねられています。
今回のミッションクリア最低条件は『ヴェロニカから教祖「トトー」についての知り得る情報を得ること』。
舞台はヴェロニカの家か、あるいは今回は外出制限がないので遠出をすることも可能です。
ただし、家と外両方はヴェロニカの体力的に難しいので、外出するならばどこか1箇所。
そして家か外かのどちらかにすることを推奨します。
尚、情報として、彼女はハンターオフィスでトトーとエミリ両名の絵を描くことが出来ませんでした。
今まで得た情報と、今回ヴェロニカから得た情報によって、今後のハンター側の優劣が確定します。
また、今まで護衛としてついていたディーノは今回ハンターオフィスの指示で今後しばらくはヴェロニカに付くことが出来ません。
どのように会話を進めるか。どこで会話をするのか。どう彼女と接するのか。
全てはハンターたちに委ねられています。
マスターより
心情系『難しい』シナリオになります。
彼女にどう問いかければ、返答が返ってくるのでしょうか。
また、今回はいつもと違い提示されているのは『ミッションクリア最低条件』です。
そこにも、何かしら意味があります。
それでは、宜しくお願い致します。
彼女にどう問いかければ、返答が返ってくるのでしょうか。
また、今回はいつもと違い提示されているのは『ミッションクリア最低条件』です。
そこにも、何かしら意味があります。
それでは、宜しくお願い致します。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/08/08 00:49
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/07/30 15:01:04 |
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相談卓 神代 誠一(ka2086) 人間(リアルブルー)|32才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2017/08/03 18:37:47 |