ゲスト
(ka0000)
【MN】革命の敵
マスター:KINUTA

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在25人 / 1~25人
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 8日
- プレイング締切
- 2017/08/12 22:00
- リプレイ完成予定
- 2017/08/26 22:00
オープニング
※このシナリオは夢シナリオです。オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。
●嵐が来る
『偉大なる指導者』ステーツマンの右腕と目されていたマゴイが党本部で、党員マリー・スラーインによって射殺されたのは、934年12月1日のことだった。
この暗殺の事情は謎に包まれている。
ステーツマンは、党内左派分子らの差し金だと言った。
名指しされた人々はマゴイ殺害の黒幕はステーツマンだと言った。
他にも、個人的な怨恨によるものではないかとの説もある(マゴイはマリーが密かに思いを寄せていた相手の党員資格を「致命的な勤労意欲の欠如」という理由により剥奪、最終的に地方共同農場送りにしたらしい)。
兎にも角にも犯人とされるマリーがその日のうちに処刑されたので、どの説が本当なのか確かめる術がない。
暗殺の一報を聞いた指導者は党本部へ駆けつけた。まだ温もり消えやらぬ死体の上に屈みこみ、直接の暗殺者とその類縁者、党の分裂を狙う政治宣伝によって暗殺を引き起こした人間に対する復讐を誓い、血で濡れた唇に口付けた。
真相はどうあれ、この暗殺によって引き起こされる結果は明らかだった。
マゴイ1人の死に復讐するため、大量の人間が死ななければならない。速やかに、徹底的に。
マゴイ殺害直後、左派の重鎮――タモンとベムブルが逮捕された。同時に彼らの追随者も逮捕された。
935年1月、タモン、ベムブル両名の裁判が秘密裏に行われ、長期投獄が宣告された。
936年8月には彼らについての公判が開かれた。
法廷で次のように自白した後、彼らは死刑になった。
「私たちは932年、国内の反体制派とブロックを作りました。そして外国に亡命している反体制派首魁であるアルキミアから指令を受けておりました。私たちは政府の転覆を図り、ステーツマンの殺害を企てました。マゴイ暗殺を仕組んだのも私たちです……」
翌937年にはアレックス、ジュアン、スペット、ブルーチャーなど著名な党員17名の裁判が行われた。
彼らもまた自分たちの罪を自白している。
「私たちはステーツマンその他党要人らの暗殺を準備しました。『並行本部』を作り炭田、工場、鉱山のサボタージュを組織しました……」
スペット、ブルーチャーら13名は銃殺、アレックスとジュアンは禁固10年、その他2名が禁固10年および8年に処せられた。
裁判に当たって検察当局が示した証拠というのは、被告の自白その他逮捕されているものの証言から成っていたが、それは実にいい加減なものだった。
とある国外のホテルで密使がアルキミアと会ったなどというが、そのホテルは問題より数年も前に取り壊されていた。飛行機で国外に飛んでアルキミアに会ったなどというが、その日当の飛行場には一台の飛行機も着陸していなかった、等々。
そもそも当のアルキミア自体――これは随分後になってから判明したことであるが――逃亡先の国ですでに殺されていたのである。
事実上国内の反体制組織というものは存在しなかったに等しい。
ステーツマンが本当に取り除こうとしていたのは反体制派ではなく、体制内の穏健分子だった。一刻も早い国内の安定化を望むが故苛烈さを増していく体制のやり方を嫌い、左派重鎮らの温和な経済建設に共鳴していた人々であった。
粛清の対象は党内にポストを持っていた党員ばかりではない。軍隊や行政機関、経済機関にポストを持っていた党員にも犠牲者が出た。
党員でも官吏でもなくただ現体制に敵意を持っていると見なされたグループに属していたというかどで、連行される者もたくさんいた。
党機関内部では上から下まで数千の犠牲者が出た。政治局では6名が粛清された。政治局員という党の大物ですら闇から闇へ葬られた。その他粛清された党員の圧倒的多数も同じように、記録も残さず消えていった。銃殺されたのか、強制労働へ送られたのか、あるいは赦免にあずかったのか――死んでいるのか生きているのか――それを確かめる術はない。
●市井の一つのエピソード
夜中に突然響くノックの音。秘密警察の一隊が踏み込んでくる。理由も教えず家族の誰かを引っ張っていく。そういうことはこの時代において、よくあることだった。
カチャ・タホは起き上がった。向う脛がずきずき痛むのを堪えて、側頭部から血を流している母親の元へ行き、傷口にタオルを当てた。
弟がおびえて泣いていた。ドアは開いたままだった。先ほどそこから秘密警察の一隊が、父親を連れて行った。それを引きとめようとした彼女と母親を打ち据え、突き放して。
一体父親は何故連れて行かれたのか、そしていつ帰ってくるのか、何も分からないまま翌日姉弟は学校から退学を命ぜられ、ピオネールから除名された。
内務人民委員部は母親の居住証明を取り上げ、主要都市から100キロ以内に住むことを禁じるという旨のゴム印を押した。
一家は即刻、大田舎に住む祖母の家へ引き上げることになった。そこに落ち着くとカチャは、嘆願書を書くことにした。
ステーツマン宛て、地方の内務人民委員部、ピオネールの全国本部宛てに自分と弟が復学したいという希望を記し送った。幾日も待った挙句、公用封筒が届いた。内務人民委員部の地方本部からであった。出頭せよとの旨だった。弟を連れ地方本部へ向かう道すがら彼女は、自分の履歴、父親の逮捕の事実などを復誦した。
最後の締めくくりはどういう言葉がいいだろう。ああそうだ、これがいいだろう。
「子供は父親の行為を理由に苦しむべきではない、とステーツマンも言われたそうです……私は忠誠なる市民です……もし父の反逆について何かのきっかけで知りえたなら、私は内務人民委員部に誠実に報告していたはずです……」
●嵐が来る
『偉大なる指導者』ステーツマンの右腕と目されていたマゴイが党本部で、党員マリー・スラーインによって射殺されたのは、934年12月1日のことだった。
この暗殺の事情は謎に包まれている。
ステーツマンは、党内左派分子らの差し金だと言った。
名指しされた人々はマゴイ殺害の黒幕はステーツマンだと言った。
他にも、個人的な怨恨によるものではないかとの説もある(マゴイはマリーが密かに思いを寄せていた相手の党員資格を「致命的な勤労意欲の欠如」という理由により剥奪、最終的に地方共同農場送りにしたらしい)。
兎にも角にも犯人とされるマリーがその日のうちに処刑されたので、どの説が本当なのか確かめる術がない。
暗殺の一報を聞いた指導者は党本部へ駆けつけた。まだ温もり消えやらぬ死体の上に屈みこみ、直接の暗殺者とその類縁者、党の分裂を狙う政治宣伝によって暗殺を引き起こした人間に対する復讐を誓い、血で濡れた唇に口付けた。
真相はどうあれ、この暗殺によって引き起こされる結果は明らかだった。
マゴイ1人の死に復讐するため、大量の人間が死ななければならない。速やかに、徹底的に。
マゴイ殺害直後、左派の重鎮――タモンとベムブルが逮捕された。同時に彼らの追随者も逮捕された。
935年1月、タモン、ベムブル両名の裁判が秘密裏に行われ、長期投獄が宣告された。
936年8月には彼らについての公判が開かれた。
法廷で次のように自白した後、彼らは死刑になった。
「私たちは932年、国内の反体制派とブロックを作りました。そして外国に亡命している反体制派首魁であるアルキミアから指令を受けておりました。私たちは政府の転覆を図り、ステーツマンの殺害を企てました。マゴイ暗殺を仕組んだのも私たちです……」
翌937年にはアレックス、ジュアン、スペット、ブルーチャーなど著名な党員17名の裁判が行われた。
彼らもまた自分たちの罪を自白している。
「私たちはステーツマンその他党要人らの暗殺を準備しました。『並行本部』を作り炭田、工場、鉱山のサボタージュを組織しました……」
スペット、ブルーチャーら13名は銃殺、アレックスとジュアンは禁固10年、その他2名が禁固10年および8年に処せられた。
裁判に当たって検察当局が示した証拠というのは、被告の自白その他逮捕されているものの証言から成っていたが、それは実にいい加減なものだった。
とある国外のホテルで密使がアルキミアと会ったなどというが、そのホテルは問題より数年も前に取り壊されていた。飛行機で国外に飛んでアルキミアに会ったなどというが、その日当の飛行場には一台の飛行機も着陸していなかった、等々。
そもそも当のアルキミア自体――これは随分後になってから判明したことであるが――逃亡先の国ですでに殺されていたのである。
事実上国内の反体制組織というものは存在しなかったに等しい。
ステーツマンが本当に取り除こうとしていたのは反体制派ではなく、体制内の穏健分子だった。一刻も早い国内の安定化を望むが故苛烈さを増していく体制のやり方を嫌い、左派重鎮らの温和な経済建設に共鳴していた人々であった。
粛清の対象は党内にポストを持っていた党員ばかりではない。軍隊や行政機関、経済機関にポストを持っていた党員にも犠牲者が出た。
党員でも官吏でもなくただ現体制に敵意を持っていると見なされたグループに属していたというかどで、連行される者もたくさんいた。
党機関内部では上から下まで数千の犠牲者が出た。政治局では6名が粛清された。政治局員という党の大物ですら闇から闇へ葬られた。その他粛清された党員の圧倒的多数も同じように、記録も残さず消えていった。銃殺されたのか、強制労働へ送られたのか、あるいは赦免にあずかったのか――死んでいるのか生きているのか――それを確かめる術はない。
●市井の一つのエピソード
夜中に突然響くノックの音。秘密警察の一隊が踏み込んでくる。理由も教えず家族の誰かを引っ張っていく。そういうことはこの時代において、よくあることだった。
カチャ・タホは起き上がった。向う脛がずきずき痛むのを堪えて、側頭部から血を流している母親の元へ行き、傷口にタオルを当てた。
弟がおびえて泣いていた。ドアは開いたままだった。先ほどそこから秘密警察の一隊が、父親を連れて行った。それを引きとめようとした彼女と母親を打ち据え、突き放して。
一体父親は何故連れて行かれたのか、そしていつ帰ってくるのか、何も分からないまま翌日姉弟は学校から退学を命ぜられ、ピオネールから除名された。
内務人民委員部は母親の居住証明を取り上げ、主要都市から100キロ以内に住むことを禁じるという旨のゴム印を押した。
一家は即刻、大田舎に住む祖母の家へ引き上げることになった。そこに落ち着くとカチャは、嘆願書を書くことにした。
ステーツマン宛て、地方の内務人民委員部、ピオネールの全国本部宛てに自分と弟が復学したいという希望を記し送った。幾日も待った挙句、公用封筒が届いた。内務人民委員部の地方本部からであった。出頭せよとの旨だった。弟を連れ地方本部へ向かう道すがら彼女は、自分の履歴、父親の逮捕の事実などを復誦した。
最後の締めくくりはどういう言葉がいいだろう。ああそうだ、これがいいだろう。
「子供は父親の行為を理由に苦しむべきではない、とステーツマンも言われたそうです……私は忠誠なる市民です……もし父の反逆について何かのきっかけで知りえたなら、私は内務人民委員部に誠実に報告していたはずです……」
解説
補足説明
夏です。IFです。
OPのモデルとなっているのは、ソビエト連邦における「エジョフシチナ」。いわゆる大粛清時代です。
NPCが軒並み殺されたり投獄されたり物騒なことですが、これは寝苦しい夏の夜の夢、全く持って現実ではございませんご安心を。
重苦しい体制に順応したり抗ってみたり、思いつくことを色々してみてください。そのうち目が覚めます。
あくまでも大粛清時代の「雰囲気」を借用しているというだけの話なので、現実の歴史の流れに沿ったことをしなくてもかまいません。ステーツマン暗殺を試みてみるのも悪くないかもです。雪解けが早く来ることでしょう。
なおこのシナリオにおいてPC、NPCは、手持ちのアイテムを持ち込むことが出来ません。アクティブスキルを使うことも出来ません(イクシードとしての高い身体能力はそのままです)。
武器が欲しい方は、その旨をプレイングに明記してください。雰囲気に合わせるという意味で、第二次大戦当時までに流通していたものを使用されることを推奨いたします(あくまでも推奨であって、強制ではありません)。
夏です。IFです。
OPのモデルとなっているのは、ソビエト連邦における「エジョフシチナ」。いわゆる大粛清時代です。
NPCが軒並み殺されたり投獄されたり物騒なことですが、これは寝苦しい夏の夜の夢、全く持って現実ではございませんご安心を。
重苦しい体制に順応したり抗ってみたり、思いつくことを色々してみてください。そのうち目が覚めます。
あくまでも大粛清時代の「雰囲気」を借用しているというだけの話なので、現実の歴史の流れに沿ったことをしなくてもかまいません。ステーツマン暗殺を試みてみるのも悪くないかもです。雪解けが早く来ることでしょう。
なおこのシナリオにおいてPC、NPCは、手持ちのアイテムを持ち込むことが出来ません。アクティブスキルを使うことも出来ません(イクシードとしての高い身体能力はそのままです)。
武器が欲しい方は、その旨をプレイングに明記してください。雰囲気に合わせるという意味で、第二次大戦当時までに流通していたものを使用されることを推奨いたします(あくまでも推奨であって、強制ではありません)。
マスターより
KINUTAです。
IFの季節が今年もやって参りました。
裏切られた革命を正すのは今だ。親愛なる同志たちよ。
IFの季節が今年もやって参りました。
裏切られた革命を正すのは今だ。親愛なる同志たちよ。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/08/21 23:17
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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大粛清時代の人々 ボルディア・コンフラムス(ka0796) 人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2017/08/12 18:55:54 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/08/11 08:14:50 |