• 無し

【HW】魔法少女 ラウラ・ザ・キッド

マスター:楠々蛙

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
  • duplication
参加費
1,500
参加人数
現在4人 / 3~4人
ユニット参加人数
現在2 / 0~4
サポート
現在3人 / 0~8人
マテリアルリンク
報酬
無し
相談期間
8日
プレイング締切
2017/11/07 19:00
リプレイ完成予定
2017/11/21 19:00

オープニング

※このシナリオは夢シナリオです。オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。

 わたし、広崎ラウラ。第一赤西町小学校に通う、小六年生♪
 なんて、自己紹介してる場合じゃないんだけ、どっ──!
「う、わ、わ、っと!?」
 木張りの階段を、三段飛ばしに一気に駆け下りる。真夜中の古めかしい旧校舎の階段に、ちょっとヒヤっとする音が響いたし、学校指定のプリーツスカートの裾が拡がってはしたないけど、そんなのに構ってられない。踊り場から下の階まで駆け下りて、危うく躓きそうになりそうになりながら、なんとかバランスを取り戻して走り続ける。
「ちょっと、危にゃいじゃにゃいの!」
 肩から、にゃあにゃあと苦情。
「し、しかたないでしょ! 文句が、あるなら、自分で走れば、いいじゃない!」
 肩に爪を立ててしがみついてる黒猫に、息を切らしながら言い返す。そう、黒猫。この喋る黒猫は、ルーナ。
「冗談じゃにゃいわ。私のこの綺麗にゃ毛にゃみに埃が付いたら、どうするの?」
「そんなの、知らないわ! いいから、ちょっと黙ってて、にゃあにゃあにゃあにゃあ耳元でうるさくされたら、走るのに集中できないでしょ!」
「にゃ! 私が好き好んでにゃあにゃあ言ってると思ってるの? にゃにもかもあにゃたの──」
 ルーナがまだ何か苦情を浴びせて来ようとしていたみたいだけど、そんなの無視して、横に跳び退く。
 そのすぐ後に、わたしの隣を、何かがもの凄い速さで通り過ぎた。その正体を捉えようとするのもそこそこにして、わたしはすぐさま床を蹴って跳び上がった。
 廊下の床板が、激しい音を立てて砕け散る。
 足許が爆発したみたいな衝撃に、身体がふわりと浮き上がる。自分で床を蹴った勢いよりも高く遠くまで身体が飛んで、着地する時に思わず前へつんのめったけど、どうにか転びそうになるのをこらえて、二歩、三歩とたたらを踏んでから、後ろを振り返った。
 これ以上は、息が持ちそうもなかったから。それに、どうせ逃げていたって始まらない。
 窓から差し込む月明かりが、わたしを追って来たモノの正体を、埃っぽい薄闇の中に浮かばせた。
 これは、影?
 お日様の下、足許に付いて回る影が、先のとがった細い形になって、わたしの目の前にまるで蛇がそうするみたいに首をもたげてる。
「これも、やっぱりあなたの魔法なの……?」
「ええ、そうよ。お久し振りね、シェイド」
 ルーナの澄ました挨拶に、影はシューという音を出した。ほんとに蛇みたい。
「私の影に潜んでた臆病者が、今はえらく羽振りよろしくやっているらしいじゃにゃいの。アステカの神じゃあるまいし、あにゃたに羽根をあげた憶えはにゃいんだけれど?」
 その高慢ちきな態度の通り、ルーナは魔女なの。
 ちょっとした不幸な偶然から、わたしはルーナが魔女だという事を知ってしまった。魔女は、普通の人間に自分の正体を知られてしまうと、魔法を全て失って、動物の姿に変わってしまうんだって。
 ルーナから失われた魔法は、この町のあちこちに散らばって、イタズラ悪さのし放題。わたしは成り行き上仕方なく、ルーナの魔法をかき集める事に。
「シェイドっていうの? あのね、あなたにはほんとに同情するわ。ええ、ほんとに。こんな性悪猫の下でこき使われていたんだもの」
「あら、それはどういう意味かしら?」
「けどね」性悪猫の横やりは、華麗に無視。
「あなたちょっと、はしゃぎすぎよ」
 今回の件も、学校の敷地の中で“すばしっこくて黒い何かに襲われる”っていう事件がいくつか起きたのが始まりだった。調べてみたら、いつもの通り、魔法の仕業。
 スカーフの付いた上着の胸元に提げたペンダント──真鍮の欠片を鎖から外して、親指で宙に弾き飛ばす。

──わたしのココロは火と土と風、あとは黒砂糖を一匙入れるだけ。

 宙を舞う欠片がクルクルと回る。一つ回る度に、欠片を覆うように線が走って、何かの輪郭を造ってゆく。
 それとおんなじように、わたしを包む衣装も形を変える。
 スカーフが、朱く染められたポンチョへ。スカートがイエローカラーのキュロットに。瞳の色はエメラルドグリーン──って、これは亡くなったお母さん譲りで元からだけど。
 衣装がすっかり変わると同時に、真鍮の欠片が姿形を変えたモノを手に取る。
 それは、鉄砲だった。鉄砲に関しては、喧嘩っ早い西部劇マニアの兄の影響でちょっとだけ詳しい。“リボルビングライフル”という“リボルバー拳銃”と“ライフル”を合体させたような鉄砲に似てる。
 わたしはとりあえず“リボルビングステッキ”って呼んでるんだけど。
 とにかくこれがわたしの──魔法少女“ラウラ・ザ・キッド”のスタイルだ。ちなみに、命名はルーナ。
 わたしは別に鉄砲なんて興味ないんだけど、どうしてかわたしが魔法を使う時はこうなる。ルーナに言わせると、魔法っていうのは心の在り方を形にしたものらしいんだけど。って、ゆっくり説明してるヒマはないんだった──!
 わたしが変身したのを見た影が、自分の首を突き出して来る。わたしは咄嗟に、ステッキの“銃床(ストック)”で、襲って来た影を打ち返した。意外にも硬い手応えがあって、影が炭のように崩れる。けどすぐに、形を取り戻してまた蛇みたいに頭を揺らし始める。
 ステッキをクルリと回して“銃口(マズル)”を、影へ向ける。──と同時に“引鉄(トリガー)”を引いた。
「シャイン!」
 ぱきゅん──と、なんだか間の抜けた音が、廊下に響く。そして音と一緒に、とても強い光が廊下の薄闇を引き裂いた。
 光を浴びた影のそのほとんどが、溶けるように消えてゆく。最後に残ったのは、まっくろけの小さな蛇。
「今よ、ラウラ。封印なさい」
「うん」わたしは頷きながら、リボルビングステッキの“装填口(ローディングゲート)”を開いて、中から“実包(カートリッジ)”を取り出した。見た目は本物の鉄砲の弾とおんなじだけど、中に入っているのは今までに集めたルーナの魔法。これに入っているのは、シャインという魔法で、今さっきみたいに強い光を生み出す魔法なの。
 わたしはシャインの弾と入れ替わりに、空の実包を“薬室(チャンバー)”へ入れて、また銃口を蛇に向けた。
 
 ──あなたのカラダは、魔女のココロ。在り得ざるモノよ、さっさとお家に帰りなさい!

 ぱきゅん──と、引鉄を弾く。
 すると、蛇の細い体を作る線が、少しずつステッキの銃口へと吸い込まれてゆく。蛇は最初抵抗してたみたいだけど、やがてその輪郭は、完全にステッキの中へと消えていった。
「ふぅ、これで一件落着ね」
「にゃに言ってるの、まだまだちっとも足りにゃいわ。これからもキリキリ働いてもらうわよ」
 やっぱり、あのちっちゃい蛇には同情するわ。
「たまにはわたしが遊んであげるから、それで我慢してね」
 ステッキから取り出した実包に指先で軽く小突いてあげると、小さく震えた。なんとなくだけど嬉しそうにしてるみたい。
「さ、それじゃあわたしたちも帰ろっか」

解説

・フィールド
赤西町および、私立赤西小学校。赤西小学校は、中学、高校一貫で、左右隣に中学、高校の校舎が建っている。

・目的
魔法少女ジャンルに則った話。バトル展開だけじゃなく、恋とか友だちとか、ちょっとしたお悩みとかを基軸にして、魔法を絡めてもOK。
ただし子供向けという体を装ったストーリーで。

・魔法
使い手の心を反映した不思議な力のこと。そのままでは弱い力しか持たず、魔女や魔法使いが作ったカタチに力を流し込むことで、強い力を発揮する。意思を持つ魔法は特に強力だが、扱いが難しい。

・魔法少女
魔女、魔法使いの従者。マジックアイテムに自分の魔力を流し込むことによって、魔法少女に変身する。なおマジックアイテムは、最初はただのガラス玉で、それぞれの魔力に応じて、材質、カタチを変える。

・NPC
広崎ラウラ
どこにでもいる、小学六年生の普通の女の子。でも彼女にはちょっとした秘密が……。なんとラウラちゃんは、魔女の魔法を集める魔法少女だったのです!
魔法少女“ラウラ・ザ・キッド”に変身できる。リボルビングライフルを模したマジックアイテム“リボルビングステッキ”を使用。実包を模したカートリッジに魔法を封じ込めて、任意に使い分ける。元々の魔法適性が高く、火、風、土の多重属性を保有。
両親を事故で亡くして以来、二人の兄と生活。

ルーナ
ラウラに正体を知られてしまった、元魔女にして、現在は黒猫。保有していた魔法が散逸し、それらをラウラに回収させている。

・備考
各PCの立ち位置は、概ね第一赤西小学校に属する人物。主に教師や生徒。一般人でも、それらの中に紛れた魔女、魔法使い、またはそれらに従属する魔法少女でも構わない。
サポート枠は参加PC一人につき、原則二つまで使用可。
ユニットは、幻獣(大きい幻獣はミニチュア化)及び、文字数かさ増しに。
地の文の描写は、特に指定がなければラウラの一人称。彼女が登場しなければ、基本は三人称。

マスターより

 はい、というわけで魔法少女モノです。いかにもハロウィンらしいですね。元にした作品は、推して知るべし、というかバレバレでしょうけども。
 しかし、どうしても可愛さよりも、カッコよさが出てしまいますな。アクション重視にしたのもそうですが、おそらく原因のほとんどがセリフ回しにあるかと。

 さて、プレイングに関してですが、できるだけ魔法を絡めてさえもらえれば、なんでもOK。某作品にあった、教師と生徒の禁断の関係とかでもOKよ。ただし、マミるのだけは勘弁な。昨今の魔法少女モノはどうしてこうなった……! 別にキライじゃないけど、たまにはこう、安心して見たいじゃない。

関連NPC

  • Senorita
    ラウラ=フアネーレ(kz0162
    人間(クリムゾンウェスト)|12才|女性|一般人
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2017/12/09 01:57

参加者一覧

  • 弓師
    八原 篝(ka3104
    人間(蒼)|19才|女性|猟撃士
  • 星の音を奏でる者
    エステル・クレティエ(ka3783
    人間(紅)|17才|女性|魔術師
  • 淑やかなる令嬢
    ユリシウス(ka5002
    人間(紅)|18才|女性|猟撃士
  • 義惡の剣
    イッカク(ka5625
    鬼|26才|男性|舞刀士

サポート一覧

  • ユリアン・クレティエ(ka1664)
  • 劉 厳靖(ka4574)
  • タラサ=ドラッフェ(ka5001)
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
八原 篝(ka3104
人間(リアルブルー)|19才|女性|猟撃士(イェーガー)
最終発言
2017/11/05 17:12:20
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/11/06 21:13:23