ゲスト
(ka0000)
悪魔を悩ます、悪魔の証明
マスター:DoLLer

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
APV- 難易度
- 不明
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/03/07 15:00
- リプレイ完成予定
- 2018/03/21 15:00
オープニング
帝国における反政府の動きは長い。
いくつもの理由はあるが、そのうちの一つに金になるというものがある。善悪はどうであれ、それは鬱憤を貯める、また本人が志願するであるとはいえ家族を働き手を兵士に取られる、そしてまた歪虚との闘いで帰ってこなくなったという悲しみを晴らすために、誰かに責任を求めたいという人間の心がそうさせる。
折り合いを煽って殺しあいをさせれば武器が儲かる。葬儀も儲かる。村が存続できなければ、人手が足りない仕事に移したっていい。恨みつらみを増幅するだけで経済がまわるのだから、帝国ならではの商売と言える。
これはビジネス。
ギュントはそう考えていた。
「どこにつけ入ってもいいが、敵味方の区別はつけんとならんな」
新たな事業を始めるだけの資金などどうにでもなるが、ギュントが懸念していたことは虎の尾を踏むことだ。
体の大きな帝国そのものが動くことはまずない。小さな組織は金なり情なりで骨抜きにしてやればそれで済む。それよりももっと怖いものはヴルツァライヒと呼ばれる、このビジネスの大家だ。
ヴルツァライヒの歴史はいつ始まったのかも不明だ。ナイトハルトの孫、初代皇帝ビスマルクにはその芽があったと考える歴史学者もいるし、つい最近だという人間もいる。所説入り混じって本当のトコロは誰もわかっていないのだろう。
こいつに目をつけられればビジネスはたちまち吸収されてしまう。場合によっては自分が犠牲者にさせられてしまう可能性もあるくらいだ。
「しかし、こいつが厄介だ」
ヴルツァライヒの全容は誰も知らない。極めて近しい人間だけが師弟関係に似た構造でつながり、それ以外は横のつながりもない。おそらくヴルツァライヒ自身も自分の仲間がどこにいるかなんていうのも分からないのであろう。彼らの頭目にすれば、構成員はファミリーではなく、ただの材料なのだろう。
だがギュントにはそのどれを踏んでもいけない。極めて綱渡りに近いものがあった。
「とすると、だ。大きいところを見定める必要はあるな」
一つのグループと面識があれば、それだけで動きを見定めることはできる。
悪徳商会。
暗殺集団。
人身売買集団。
マッドサイエンティスト連中。
「つながりがあると思われるのも面倒な連中だな。見た目はホワイトなのがいい、見た目は……」
メモや書類を次々を見比べしていたギュントだが、ぴたりと一枚の書類に手を止めた。
見た目がホワイトで、もっとも旧体制と縁が強いやつがいた。
似顔絵からも芬々たるものが漂ってくる作った笑顔。一般の帝国人にはない気取った態度。王子然とした真っ白な制服。
帝国第一師団副師団長シグルド。正式名はジークフリード・モンドシャッテ。
「こいつだ」
似顔絵を指ではじくと、ギュントは立ち上がった。
「絶対にヴルツァライヒとは何かしら関係はあるはずなんだ。だが皇帝ヴィルヘルミナのすぐ近くにいるのも気にかかる」
クロではなく、旧政権を支持する集団のとりまとめをしているだけかもしれないし、もしかするとそれすら関係ないのかもしれない。
しかし、不穏な噂もなくはない。
誰もが一番不審に思っている存在なのだろう。
「最初に調べとくにはうってつけだ」
しかし、あなたはヴルツァライヒなのか? または別に目的があるのか? まさか面と向かってそう聞くわけにもいかない。
誰もが不審に思いながらも誰も問い詰めることはできない。それは疑わしきは罰せず、という精神をよくよく理解しギリギリのゾーンを見極めて、彼は歩んでいるからに他ならない。
様々な問い詰めを考えるも、帝国副師団長である彼の役職、旧皇帝の遺児であるその生まれ。何物もはぐらかす頭と性格。このコンビネーションを突き崩す事は、リスクを取ったとしても証明は不可能に近い気がする。
そうして大方の人間は触れることをやめてしまったわけだが……。
「ハンターを使ってみるか」
どうせこちらは犯罪歴のない人間だ。腹を探られたところでどこも痛くない。
いくつもの理由はあるが、そのうちの一つに金になるというものがある。善悪はどうであれ、それは鬱憤を貯める、また本人が志願するであるとはいえ家族を働き手を兵士に取られる、そしてまた歪虚との闘いで帰ってこなくなったという悲しみを晴らすために、誰かに責任を求めたいという人間の心がそうさせる。
折り合いを煽って殺しあいをさせれば武器が儲かる。葬儀も儲かる。村が存続できなければ、人手が足りない仕事に移したっていい。恨みつらみを増幅するだけで経済がまわるのだから、帝国ならではの商売と言える。
これはビジネス。
ギュントはそう考えていた。
「どこにつけ入ってもいいが、敵味方の区別はつけんとならんな」
新たな事業を始めるだけの資金などどうにでもなるが、ギュントが懸念していたことは虎の尾を踏むことだ。
体の大きな帝国そのものが動くことはまずない。小さな組織は金なり情なりで骨抜きにしてやればそれで済む。それよりももっと怖いものはヴルツァライヒと呼ばれる、このビジネスの大家だ。
ヴルツァライヒの歴史はいつ始まったのかも不明だ。ナイトハルトの孫、初代皇帝ビスマルクにはその芽があったと考える歴史学者もいるし、つい最近だという人間もいる。所説入り混じって本当のトコロは誰もわかっていないのだろう。
こいつに目をつけられればビジネスはたちまち吸収されてしまう。場合によっては自分が犠牲者にさせられてしまう可能性もあるくらいだ。
「しかし、こいつが厄介だ」
ヴルツァライヒの全容は誰も知らない。極めて近しい人間だけが師弟関係に似た構造でつながり、それ以外は横のつながりもない。おそらくヴルツァライヒ自身も自分の仲間がどこにいるかなんていうのも分からないのであろう。彼らの頭目にすれば、構成員はファミリーではなく、ただの材料なのだろう。
だがギュントにはそのどれを踏んでもいけない。極めて綱渡りに近いものがあった。
「とすると、だ。大きいところを見定める必要はあるな」
一つのグループと面識があれば、それだけで動きを見定めることはできる。
悪徳商会。
暗殺集団。
人身売買集団。
マッドサイエンティスト連中。
「つながりがあると思われるのも面倒な連中だな。見た目はホワイトなのがいい、見た目は……」
メモや書類を次々を見比べしていたギュントだが、ぴたりと一枚の書類に手を止めた。
見た目がホワイトで、もっとも旧体制と縁が強いやつがいた。
似顔絵からも芬々たるものが漂ってくる作った笑顔。一般の帝国人にはない気取った態度。王子然とした真っ白な制服。
帝国第一師団副師団長シグルド。正式名はジークフリード・モンドシャッテ。
「こいつだ」
似顔絵を指ではじくと、ギュントは立ち上がった。
「絶対にヴルツァライヒとは何かしら関係はあるはずなんだ。だが皇帝ヴィルヘルミナのすぐ近くにいるのも気にかかる」
クロではなく、旧政権を支持する集団のとりまとめをしているだけかもしれないし、もしかするとそれすら関係ないのかもしれない。
しかし、不穏な噂もなくはない。
誰もが一番不審に思っている存在なのだろう。
「最初に調べとくにはうってつけだ」
しかし、あなたはヴルツァライヒなのか? または別に目的があるのか? まさか面と向かってそう聞くわけにもいかない。
誰もが不審に思いながらも誰も問い詰めることはできない。それは疑わしきは罰せず、という精神をよくよく理解しギリギリのゾーンを見極めて、彼は歩んでいるからに他ならない。
様々な問い詰めを考えるも、帝国副師団長である彼の役職、旧皇帝の遺児であるその生まれ。何物もはぐらかす頭と性格。このコンビネーションを突き崩す事は、リスクを取ったとしても証明は不可能に近い気がする。
そうして大方の人間は触れることをやめてしまったわけだが……。
「ハンターを使ってみるか」
どうせこちらは犯罪歴のない人間だ。腹を探られたところでどこも痛くない。
解説
シグルドの素行調査が依頼されました。
参加者は自由に行動し、情報を集めていただいて構いません。ただし法に触れたりすると関係各所から普通にお叱りを受けるのでご注意ください。
依頼者ギュント
第一師団兵長。男。40代。覚醒者。首都警備計画を任されている。実はシグルドのずーっと下の方の部下。
普通に会って喋ることができます。ただし参加者は彼の真意は知らないものとします。
名目上はヴルツァライヒでないかどうかの外部調査となっております。ちゃんと上司(要するにシグルド本人から)の許可を取っています。皆さんが目にする依頼書には大層うまく書いているのでしょう。
目標シグルド
第一師団副師団長。20代。覚醒者。
15年前の革命によって失脚、殺害された前皇帝ブンドルフ・モンドシャッテの遺児。
いつも笑顔の、時々人を食った発言で親しまれる好青年です。
ギュントが訝しむ通り、実は反政府勢力なのではないかと時々噂に上りますが、誰も実証できていません。もしそれが本当にそうなら、とっくに皇帝に誅殺されているだろうということで「ひたすら怪しいけど潔白」というのが大方の結論です。
参加者は自由に行動し、情報を集めていただいて構いません。ただし法に触れたりすると関係各所から普通にお叱りを受けるのでご注意ください。
依頼者ギュント
第一師団兵長。男。40代。覚醒者。首都警備計画を任されている。実はシグルドのずーっと下の方の部下。
普通に会って喋ることができます。ただし参加者は彼の真意は知らないものとします。
名目上はヴルツァライヒでないかどうかの外部調査となっております。ちゃんと上司(要するにシグルド本人から)の許可を取っています。皆さんが目にする依頼書には大層うまく書いているのでしょう。
目標シグルド
第一師団副師団長。20代。覚醒者。
15年前の革命によって失脚、殺害された前皇帝ブンドルフ・モンドシャッテの遺児。
いつも笑顔の、時々人を食った発言で親しまれる好青年です。
ギュントが訝しむ通り、実は反政府勢力なのではないかと時々噂に上りますが、誰も実証できていません。もしそれが本当にそうなら、とっくに皇帝に誅殺されているだろうということで「ひたすら怪しいけど潔白」というのが大方の結論です。
マスターより
シグルドって何者なんでしょうね。僕もたまにわからない時があります。
なお、NPCとして関連付けはされておりますが、事情が事情なので今回は質問卓が立てられてもシグルドは基本的には回答いたしません。
最近シナリオを出せずにいましたが、ちょっとずつまた出せるように頑張りたいと思います。
ただスピードはやはり落ちるので、駆け足気味の物語になると思います。今回のもギュントのことも含めて3シナリオくらいでやりたかった内容ですが……さて、物語はどう転ぶのでしょうか。
なお、NPCとして関連付けはされておりますが、事情が事情なので今回は質問卓が立てられてもシグルドは基本的には回答いたしません。
最近シナリオを出せずにいましたが、ちょっとずつまた出せるように頑張りたいと思います。
ただスピードはやはり落ちるので、駆け足気味の物語になると思います。今回のもギュントのことも含めて3シナリオくらいでやりたかった内容ですが……さて、物語はどう転ぶのでしょうか。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/03/14 15:37
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 フェリア(ka2870) 人間(クリムゾンウェスト)|21才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2018/03/07 11:04:06 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/03/05 14:33:21 |