ゲスト
(ka0000)
【反影】蒼天のヘヴンズドア アンコール
マスター:のどか

- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在25人 / 1~25人
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/03/12 22:00
- リプレイ完成予定
- 2018/03/26 22:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
――ねぇ、覚えてる?
それだけ語ったルミ・ヘヴンズドア(kz0060)の言葉に、カナデはそれが何の事かも聞かずに頷いた。
――覚えてないことなんてないよ。
そう目の前の親友へとほほ笑んで、彼女達は並んでステージへと歩み出た。
ハンターが管理者と思われる歪虚を消滅させたLH044虚無では、ループの新たな1日が明けようとしていた。
それもこれも副管理者であった歪虚の少女――カナデへ管理者権限が移ったからであり、それは同時にこの世界における負の記憶だけが綺麗に消し去られたことも意味していた。
負の記憶――2013年10月のVOID襲撃。
歪虚の消滅と共に異なる時間軸を歩み始めたこの世界では、史実とは異なる平穏な時間と空気が流れていた。
「今日はよろしくお願いしまぁすっ」
「うん……よろしく」
報告上3度目の突入となったハンター達はカナデの手引きで一度ステージへと集まり、そこで彼女らヘヴンズドアのメンバーと顔合わせが行われていた。
表の顔――アイドルとしてのキャラで接するフブキとアリスは、ハンター達へ愛想よく挨拶すると傍らのカナデへと声を潜める。
「ねぇ、カナデ……ほんとに大丈夫なの?」
「う、うん。それは私が保証するよ」
「まあ、マネージャーの意向ならしゃーないやろ。何とかなるなるっ」
不安たっぷりのフブキとは裏腹に、どこか楽し気なアリス。
カナデは苦笑しながら相槌をうつと、ついさっきの出来事を思い返していた。
「――ステージに、一緒に立って貰えませんか?」
虚無へ突入して来たハンター達を待っていたカナデは、開口一番にそう言った。
「あっ、いえっ、無理に……とは言いません。ただその、皆さんにちゃんとしたお礼もできないし……だったら代わりに、みんなで一緒にステージを作りたいなって、そう思ったんです」
「で、でも、フブキとアリスの承諾は取れるの?」
突然の申し入れに目をぱちくりさせたルミに、カナデは困ったように視線を外す。
「たぶん……うん、なんとか……ほら、このライブってマネージャーさん急用で来れなかったよね? だから、ここにいないマネージャーさんの差し金って事にすれば……なんとか? もしくは、最悪私が世界を改変してみても――ほ、ほらっ、管理者みたいだし、そういうことくらいならできそうかなって」
その言い訳を呆気に取られたように聞いていたルミは、やがて盛大に噴き出すとお腹を抱えて笑い転げた。
「あっ……あははっ! なにそれ! ずいぶん図々しくなったもんじゃないっ!」
「あう……ごめんなさい」
「う、ううん! 良いと思うよ、そういうの!」
慌てて頭を下げるカナデをルミはなおも笑いながら制する。
「私も、せっかくならみんなと歌いたいって思ってたし……ほら、前回のループの時、最後にみんなで曲に乗って――あれ、すっごく楽しかったから」
ルミが目じりの涙を拭いながらそう言うと、カナデはぱぁっと顔を輝かせて大きく頷く。
「私も、私もっ! じゃあさ、ルミちゃん。ハンターさん達のこと“この世界”の皆にも紹介しなきゃいけないから、楽屋から呼んできて貰えないかな?」
その言葉に、ルミは一瞬言葉を詰まらせて表情を暗くした。
「でも……みんな、あたしのこと」
「大丈夫! 記憶障害を起こしてた歪虚が消えて、ルミちゃんの記憶も元に戻ってるはずだよ」
笑顔で頷いたカナデに、ルミはまだどこか怖がった様子があったものの、やがて同じように笑顔で頷いて楽屋の方へと駆けて行った。
カナデはその背中を見送って――それから、改めてハンター達へ向いて頭を深く下げた。
「……私の我侭に付き合ってくれて、本当にありがとうございます。でも、これが本当に最後――管理者なのを自覚してから、感じるんです。たぶん、私も、世界も、もうそんなに長くもちません」
震える口で語るカナデは、「それでも」と茨の腕となった拳を握り締める。
「『彼女』のためにも、この最後のライブを成功させたいんです。私たちはここで終わりだけど、生きている彼女には未来がある。未来へしっかり歩んで行って貰うためにこのライブだけは成功させて……彼女――ルミちゃんに、私たちの事をちゃんと整理して、断ち切って貰いたいんです」
でも――と、カナデは再び表情に影を落とす。
「先ほども言った通り、私はもういつ消えてしまうか分かりません。もしかしたらこのライブ中にも――だから、みなさんの力を貸していただきたいんです。一緒に盛り上げながら、私たちは体力を温存しながら、化かし化かしステージに上がれば、あと1回くらいは持つはずなんです。だから、お願いします……一緒にステージに立ってください!」
必死になって頭を下げる彼女の瞳には、先ほど駆けて行ったルミの背中だけが映る。
願いを叶えた彼女の――最後の、心残り。
それは彼女自身が憧れ、手本にし、共に歩んで来た、最初で最後の親友の未来。
カナデは静かに顔を上げると、自身もその未練を断ち切るようにして優しく、だけど泣きそうな笑顔を浮かべた。
「もし、最後まで世界が持たなくても……お願いします、彼女には最後まで歌わせてあげてください。振り返らず、真っすぐに、歌わせてあげてください。それが私の――」
――最後の最期の願いです。
――ねぇ、覚えてる?
それだけ語ったルミ・ヘヴンズドア(kz0060)の言葉に、カナデはそれが何の事かも聞かずに頷いた。
――覚えてないことなんてないよ。
そう目の前の親友へとほほ笑んで、彼女達は並んでステージへと歩み出た。
ハンターが管理者と思われる歪虚を消滅させたLH044虚無では、ループの新たな1日が明けようとしていた。
それもこれも副管理者であった歪虚の少女――カナデへ管理者権限が移ったからであり、それは同時にこの世界における負の記憶だけが綺麗に消し去られたことも意味していた。
負の記憶――2013年10月のVOID襲撃。
歪虚の消滅と共に異なる時間軸を歩み始めたこの世界では、史実とは異なる平穏な時間と空気が流れていた。
「今日はよろしくお願いしまぁすっ」
「うん……よろしく」
報告上3度目の突入となったハンター達はカナデの手引きで一度ステージへと集まり、そこで彼女らヘヴンズドアのメンバーと顔合わせが行われていた。
表の顔――アイドルとしてのキャラで接するフブキとアリスは、ハンター達へ愛想よく挨拶すると傍らのカナデへと声を潜める。
「ねぇ、カナデ……ほんとに大丈夫なの?」
「う、うん。それは私が保証するよ」
「まあ、マネージャーの意向ならしゃーないやろ。何とかなるなるっ」
不安たっぷりのフブキとは裏腹に、どこか楽し気なアリス。
カナデは苦笑しながら相槌をうつと、ついさっきの出来事を思い返していた。
「――ステージに、一緒に立って貰えませんか?」
虚無へ突入して来たハンター達を待っていたカナデは、開口一番にそう言った。
「あっ、いえっ、無理に……とは言いません。ただその、皆さんにちゃんとしたお礼もできないし……だったら代わりに、みんなで一緒にステージを作りたいなって、そう思ったんです」
「で、でも、フブキとアリスの承諾は取れるの?」
突然の申し入れに目をぱちくりさせたルミに、カナデは困ったように視線を外す。
「たぶん……うん、なんとか……ほら、このライブってマネージャーさん急用で来れなかったよね? だから、ここにいないマネージャーさんの差し金って事にすれば……なんとか? もしくは、最悪私が世界を改変してみても――ほ、ほらっ、管理者みたいだし、そういうことくらいならできそうかなって」
その言い訳を呆気に取られたように聞いていたルミは、やがて盛大に噴き出すとお腹を抱えて笑い転げた。
「あっ……あははっ! なにそれ! ずいぶん図々しくなったもんじゃないっ!」
「あう……ごめんなさい」
「う、ううん! 良いと思うよ、そういうの!」
慌てて頭を下げるカナデをルミはなおも笑いながら制する。
「私も、せっかくならみんなと歌いたいって思ってたし……ほら、前回のループの時、最後にみんなで曲に乗って――あれ、すっごく楽しかったから」
ルミが目じりの涙を拭いながらそう言うと、カナデはぱぁっと顔を輝かせて大きく頷く。
「私も、私もっ! じゃあさ、ルミちゃん。ハンターさん達のこと“この世界”の皆にも紹介しなきゃいけないから、楽屋から呼んできて貰えないかな?」
その言葉に、ルミは一瞬言葉を詰まらせて表情を暗くした。
「でも……みんな、あたしのこと」
「大丈夫! 記憶障害を起こしてた歪虚が消えて、ルミちゃんの記憶も元に戻ってるはずだよ」
笑顔で頷いたカナデに、ルミはまだどこか怖がった様子があったものの、やがて同じように笑顔で頷いて楽屋の方へと駆けて行った。
カナデはその背中を見送って――それから、改めてハンター達へ向いて頭を深く下げた。
「……私の我侭に付き合ってくれて、本当にありがとうございます。でも、これが本当に最後――管理者なのを自覚してから、感じるんです。たぶん、私も、世界も、もうそんなに長くもちません」
震える口で語るカナデは、「それでも」と茨の腕となった拳を握り締める。
「『彼女』のためにも、この最後のライブを成功させたいんです。私たちはここで終わりだけど、生きている彼女には未来がある。未来へしっかり歩んで行って貰うためにこのライブだけは成功させて……彼女――ルミちゃんに、私たちの事をちゃんと整理して、断ち切って貰いたいんです」
でも――と、カナデは再び表情に影を落とす。
「先ほども言った通り、私はもういつ消えてしまうか分かりません。もしかしたらこのライブ中にも――だから、みなさんの力を貸していただきたいんです。一緒に盛り上げながら、私たちは体力を温存しながら、化かし化かしステージに上がれば、あと1回くらいは持つはずなんです。だから、お願いします……一緒にステージに立ってください!」
必死になって頭を下げる彼女の瞳には、先ほど駆けて行ったルミの背中だけが映る。
願いを叶えた彼女の――最後の、心残り。
それは彼女自身が憧れ、手本にし、共に歩んで来た、最初で最後の親友の未来。
カナデは静かに顔を上げると、自身もその未練を断ち切るようにして優しく、だけど泣きそうな笑顔を浮かべた。
「もし、最後まで世界が持たなくても……お願いします、彼女には最後まで歌わせてあげてください。振り返らず、真っすぐに、歌わせてあげてください。それが私の――」
――最後の最期の願いです。
解説
▼目的
ラストライブの成功
▼概要
ハンター達の活躍により、この虚無は史実とは違う、管理者の一部であったカナデが本当に望んでいた「VOIDの襲撃が無かった時間」をループしようとしています。
ヘヴンズドアのライブが襲撃によって中断されなかったこの世界で、約束の「ラストライブ」を成功させてください。
主たる管理者であった歪虚ニンア=ナンナが倒されたことにより権限は副管理者であったカナデに委譲されている形となっていますが、彼女のもつ微弱な力では史実と異なるIFの世界を維持し続けることはできません。
事実として、いつ自身が虚無と共に消滅するか分からないことを彼女は自覚しています。
ライブを閉幕まで持たせるために今回のステージはヘヴンズドア単体のライブではなく、合間合間にハンターがステージを肩代わりしてバンド(主にカナデ)に力を温存する時間を与えたり、共に登壇して演出を盛り上げることで負担を減らす必要性があります。
これが上手くなされなかった場合はライブの途中で虚無は消滅。
シナリオは失敗となってしまいます。
しかしながら、ライブはステージに上がることだけが全てではありません。
客席から声援を送ることで出演者の気分を押し上げたり、裏方として気持ちいい演奏ができるようにステージ効果を練ったり――とった部分で貢献することも十分可能でしょう。
ここまで挙げたものは一例であり、今回は「目的達成」のための完全なフリープレイングシナリオとなります。
思いつく限りの手段で、カナデの“最期の願い”をぜひ叶えてあげてください。
▼TIPS
「ヘヴンズドア」
リアルブルーのアイドルバンド。
“ファンシーパンク”を謳い、メンバーはカナデ、ルミ、フブキ、アリスの4人。
激しい音楽性と外見の可憐さのミスマッチが人気となったグループです。
ラストライブの成功
▼概要
ハンター達の活躍により、この虚無は史実とは違う、管理者の一部であったカナデが本当に望んでいた「VOIDの襲撃が無かった時間」をループしようとしています。
ヘヴンズドアのライブが襲撃によって中断されなかったこの世界で、約束の「ラストライブ」を成功させてください。
主たる管理者であった歪虚ニンア=ナンナが倒されたことにより権限は副管理者であったカナデに委譲されている形となっていますが、彼女のもつ微弱な力では史実と異なるIFの世界を維持し続けることはできません。
事実として、いつ自身が虚無と共に消滅するか分からないことを彼女は自覚しています。
ライブを閉幕まで持たせるために今回のステージはヘヴンズドア単体のライブではなく、合間合間にハンターがステージを肩代わりしてバンド(主にカナデ)に力を温存する時間を与えたり、共に登壇して演出を盛り上げることで負担を減らす必要性があります。
これが上手くなされなかった場合はライブの途中で虚無は消滅。
シナリオは失敗となってしまいます。
しかしながら、ライブはステージに上がることだけが全てではありません。
客席から声援を送ることで出演者の気分を押し上げたり、裏方として気持ちいい演奏ができるようにステージ効果を練ったり――とった部分で貢献することも十分可能でしょう。
ここまで挙げたものは一例であり、今回は「目的達成」のための完全なフリープレイングシナリオとなります。
思いつく限りの手段で、カナデの“最期の願い”をぜひ叶えてあげてください。
▼TIPS
「ヘヴンズドア」
リアルブルーのアイドルバンド。
“ファンシーパンク”を謳い、メンバーはカナデ、ルミ、フブキ、アリスの4人。
激しい音楽性と外見の可憐さのミスマッチが人気となったグループです。
マスターより
おはようございます、のどかです。
今回のシナリオはこのシリーズで想定していた中でも最高の、いえ想定を上回るグランドフィナーレです。
本当の意味で彼女達を救うことができたのは、みな様の1つ1つの行動の積み重ねと結果でした。
質問は別途卓を立ててルミちゃんまでどうぞ。
最後の最期の瞬間まで、みんなで歌って、ステージを楽しみましょう!
彼女達も、来るべき別れの先へきっと歩んでいくことができるはずです。
今回のシナリオはこのシリーズで想定していた中でも最高の、いえ想定を上回るグランドフィナーレです。
本当の意味で彼女達を救うことができたのは、みな様の1つ1つの行動の積み重ねと結果でした。
質問は別途卓を立ててルミちゃんまでどうぞ。
最後の最期の瞬間まで、みんなで歌って、ステージを楽しみましょう!
彼女達も、来るべき別れの先へきっと歩んでいくことができるはずです。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/03/27 01:02
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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控室(相談&雑談) 天王寺茜(ka4080) 人間(リアルブルー)|18才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2018/03/11 20:25:24 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/03/11 14:00:50 |
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![]() |
質問卓 シェリル・マイヤーズ(ka0509) 人間(リアルブルー)|14才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2018/03/11 07:24:14 |