ゲスト
(ka0000)
【羽冠】歯車じゃない
マスター:坂上テンゼン

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
アム・シェリタ―揺籃館―- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- ユニット参加人数
- 現在6 / 0~8
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/04/06 09:00
- リプレイ完成予定
- 2018/04/15 09:00
オープニング
グラズヘイム王国西部、スフォルツァ子爵家邸宅――
一つの報せが届けられた。
システィーナ王女がウェルズ・クリストフ・マーロウ大公の孫に結婚を迫られているという内容であった。
これを受けたマハ・スフォルツァ――当主ヒューバートの母親にして相談役――は、その時飲んでいた紅茶のカップを落とした。
メイドが慌てて片付けようとする。
その最中、マハはこう言った。
「これは国政の乗っ取りではないか……!」
王家とマーロウが結びつく。
王国は一つに纏まる。
その点でのみ見れば善いことなのかもしれない。
だが、結果としてグラズヘイム王国の方針に、変化が起こることは間違いなく、それはマーロウの考えに沿った変化だ。
グラズヘイム王国が、グラハム王家ではなく、マーロウ家の意図で動く……。
それは「乗っ取り」以外の何物でもない。
「母上、落ち着いて下さい」
「……ええ。大丈夫です」
ヒューバートの呼びかけに応え、マハはしばししていつもの冷静さを取り戻した。
「これは……もしこの結婚が成れば、マーロウが勝利したということになるのでしょうか?」
ヒューバートが問う。マーロウ大公自身は『忠臣』を標榜してはいるが、貴族の立場からすればマーロウ家が王家の政敵であることは明らかだ。
だが、この問いにマハは首を横に振る。
「正しくない方法で権力を得たとして、長続きはしません。どこかに無理がでるはず。
人の上に立つには資質が問われます」
ウェルズ・クリストフ・マーロウがその器に相応しいかどうかは別の問題だ。
(しかし……結婚が成立すればマーロウ大公が国政に関与するようになることは疑いの余地がない。
穏便に済むはずがない……
もし、こんな時に歪虚の侵攻があれば……)
マハ・スフォルツァの、その予感は的中した。――彼女が予期したのとは別な形で。
「申し上げます! 王女殿下のご結婚に反対する領民が集まって反対運動を行っております!
かれらは自分達だけで王都に行って、マーロウ大公に直接訴えると言っております!」
「なんて無謀な……」
その報告を聞いたマハ・スフォルツァは思わず額を抑えた。なおこの時は執務中であったため、カップを割る事態は避けられた。
無事で済むはずがない。距離だけでも相当なものなのに加え、このリベルタース地方は王国で最も歪虚が多い地方だ。
「訴えが大きいものになるほど」「無理であればあるほど」「無理をするのが正当化される」というわけのわからない錯覚を、人は時としてする。
「……規模は?」
ヒューバートが、責任感を総動員して聞く。まだ若く未熟者だが、領主はあくまでも彼なのだ。
「確認はできていませんが……百人や二百人というものではありません!」
「すぐに『光貴なる盾』を出動させ、鎮圧にあたらせるのだ」
よろしいですね、という意志を込めてマハを見る。
「それだけでは足りないでしょう……
ハンターにも協力の要請を」
マハは付け加えた。これはもはや暴徒鎮圧依頼になる。
歪虚ではないものの、力を持った存在の助力が必要だ。
「王女様は政略結婚の道具じゃない!」
「そうだ!」
「国を動かす歯車でもない!」
「そうだ!」
「王女様は王国の宝だ!」
「そうだ!」
示し合わせたわけでもないのに、いちいち合いの手が入る。
大半は名前も知らない人間達でありながら、意見が合っているのは、目的がはっきりしていてわかりやすいからだ。その上、大勢が一体感を感じる事自体への快感も手伝っている。
かれらは今、領地の境目にある関所に殺到していた。
「集まれば集まるもんだなあ。この領地、こんなに人いたのかよ」
最前線で暴徒を抑える、スフォルツァ私兵団『光貴なる盾』の中核を担うギョーム・ペリエが言った。
彼等の前に集まった人の数といったら
――まるで津波だ。
「心配だ……お嬢が領民相手に制圧射撃しないかメチャクチャ心配だ……」
人数の少ない覚醒者は拡散して暴徒鎮圧に当たっていたので、ギョームの心配は直接本人に伝えられることはなかったのだが。
(さすがに領民に向ける銃は持ちませんわ……一体どうしたら)
『光貴なる盾』の覚醒者メンバーにしてスフォルツァの末娘、ジョセファは拳銃ではなく盾を持って暴徒を押し返していた。
「皆さん! 早まらないでください!
王都まで歩いていくなんて無茶です!」
同じくピエ・ドゥメールが呼びかけるが、暴徒は耳を貸さない。
いや、聞いてはいるのだが、勢いに流されて拒否してしまっている。
皆で渡れば怖くない。この『皆』というものは魔物であった。いや、信仰されているという意味では神か。
「駄目だわ……これでは説得力が足りない……! もっと注意を惹かないと……!」
「パニックが起これば大惨事になる。
ここで相手が疲れるのを待つしかないのか……」
同じく、ビセンテ・ド・リュズ。老人と言ってもいい年齢の彼も覚醒者である以上、一般人が何人集まっても力負けすることはなかったが、逆に傷つけないよう気を使う必要があった。彼らは領民を守る私兵団である。
「しかしこれはちょっと大袈裟すぎじゃ。王家派の貴族の領地とはいえ、マーロウの影響力がここまで響くものなのかのう……」
マーロウの行いが地方民の反感を買った。それがこの結果である。
果たして、それが現在の王国の風潮であるだけなのか、否か。
一つの報せが届けられた。
システィーナ王女がウェルズ・クリストフ・マーロウ大公の孫に結婚を迫られているという内容であった。
これを受けたマハ・スフォルツァ――当主ヒューバートの母親にして相談役――は、その時飲んでいた紅茶のカップを落とした。
メイドが慌てて片付けようとする。
その最中、マハはこう言った。
「これは国政の乗っ取りではないか……!」
王家とマーロウが結びつく。
王国は一つに纏まる。
その点でのみ見れば善いことなのかもしれない。
だが、結果としてグラズヘイム王国の方針に、変化が起こることは間違いなく、それはマーロウの考えに沿った変化だ。
グラズヘイム王国が、グラハム王家ではなく、マーロウ家の意図で動く……。
それは「乗っ取り」以外の何物でもない。
「母上、落ち着いて下さい」
「……ええ。大丈夫です」
ヒューバートの呼びかけに応え、マハはしばししていつもの冷静さを取り戻した。
「これは……もしこの結婚が成れば、マーロウが勝利したということになるのでしょうか?」
ヒューバートが問う。マーロウ大公自身は『忠臣』を標榜してはいるが、貴族の立場からすればマーロウ家が王家の政敵であることは明らかだ。
だが、この問いにマハは首を横に振る。
「正しくない方法で権力を得たとして、長続きはしません。どこかに無理がでるはず。
人の上に立つには資質が問われます」
ウェルズ・クリストフ・マーロウがその器に相応しいかどうかは別の問題だ。
(しかし……結婚が成立すればマーロウ大公が国政に関与するようになることは疑いの余地がない。
穏便に済むはずがない……
もし、こんな時に歪虚の侵攻があれば……)
マハ・スフォルツァの、その予感は的中した。――彼女が予期したのとは別な形で。
「申し上げます! 王女殿下のご結婚に反対する領民が集まって反対運動を行っております!
かれらは自分達だけで王都に行って、マーロウ大公に直接訴えると言っております!」
「なんて無謀な……」
その報告を聞いたマハ・スフォルツァは思わず額を抑えた。なおこの時は執務中であったため、カップを割る事態は避けられた。
無事で済むはずがない。距離だけでも相当なものなのに加え、このリベルタース地方は王国で最も歪虚が多い地方だ。
「訴えが大きいものになるほど」「無理であればあるほど」「無理をするのが正当化される」というわけのわからない錯覚を、人は時としてする。
「……規模は?」
ヒューバートが、責任感を総動員して聞く。まだ若く未熟者だが、領主はあくまでも彼なのだ。
「確認はできていませんが……百人や二百人というものではありません!」
「すぐに『光貴なる盾』を出動させ、鎮圧にあたらせるのだ」
よろしいですね、という意志を込めてマハを見る。
「それだけでは足りないでしょう……
ハンターにも協力の要請を」
マハは付け加えた。これはもはや暴徒鎮圧依頼になる。
歪虚ではないものの、力を持った存在の助力が必要だ。
「王女様は政略結婚の道具じゃない!」
「そうだ!」
「国を動かす歯車でもない!」
「そうだ!」
「王女様は王国の宝だ!」
「そうだ!」
示し合わせたわけでもないのに、いちいち合いの手が入る。
大半は名前も知らない人間達でありながら、意見が合っているのは、目的がはっきりしていてわかりやすいからだ。その上、大勢が一体感を感じる事自体への快感も手伝っている。
かれらは今、領地の境目にある関所に殺到していた。
「集まれば集まるもんだなあ。この領地、こんなに人いたのかよ」
最前線で暴徒を抑える、スフォルツァ私兵団『光貴なる盾』の中核を担うギョーム・ペリエが言った。
彼等の前に集まった人の数といったら
――まるで津波だ。
「心配だ……お嬢が領民相手に制圧射撃しないかメチャクチャ心配だ……」
人数の少ない覚醒者は拡散して暴徒鎮圧に当たっていたので、ギョームの心配は直接本人に伝えられることはなかったのだが。
(さすがに領民に向ける銃は持ちませんわ……一体どうしたら)
『光貴なる盾』の覚醒者メンバーにしてスフォルツァの末娘、ジョセファは拳銃ではなく盾を持って暴徒を押し返していた。
「皆さん! 早まらないでください!
王都まで歩いていくなんて無茶です!」
同じくピエ・ドゥメールが呼びかけるが、暴徒は耳を貸さない。
いや、聞いてはいるのだが、勢いに流されて拒否してしまっている。
皆で渡れば怖くない。この『皆』というものは魔物であった。いや、信仰されているという意味では神か。
「駄目だわ……これでは説得力が足りない……! もっと注意を惹かないと……!」
「パニックが起これば大惨事になる。
ここで相手が疲れるのを待つしかないのか……」
同じく、ビセンテ・ド・リュズ。老人と言ってもいい年齢の彼も覚醒者である以上、一般人が何人集まっても力負けすることはなかったが、逆に傷つけないよう気を使う必要があった。彼らは領民を守る私兵団である。
「しかしこれはちょっと大袈裟すぎじゃ。王家派の貴族の領地とはいえ、マーロウの影響力がここまで響くものなのかのう……」
マーロウの行いが地方民の反感を買った。それがこの結果である。
果たして、それが現在の王国の風潮であるだけなのか、否か。
解説
●目標
暴徒を傷つけることなく止める
●位置関係
**************
ハンター→******民衆******←ハンター
●●●●●●私兵●●●●●●
王都に続く街道に通じる関所に、民衆が押し寄せている所を私兵が食い止めている。ハンター達は民衆の両サイドからアプローチする。
どちらの位置からでもスタート可能。どちらか一方のみでもよい。
●流れ
まず注目を惹く必要がある。
ハンターは歪虚の多いこの地方において英雄視されているため、ハンターであることを明かせば注目は集めやすいだろう。だが、もう一工夫欲しい。
その上で言葉で(あるいはそれ以外で、ただし暴力的手段は除く)説得する。
向こうも反論してくるだろう。あらゆる面からの意見を想定するべきだ。
●その他
民衆はひしめきあっており、少しでも力が加えられようものならドミノ倒しになって怪我人が続出するだろう。
当然、その場合は依頼人から不興を買う。
王都に行くには街道を通らねばならないため、他の所にも集まっているという事態は避けられた。
ユニットは使用可能。大型ユニットや飛行ユニットなら注目も惹きやすいだろうし、ある種の幻獣が使うスキルは思わぬ効果を発揮するかもしれない。
だが、自律行動型は細心の注意を払って使う必要がある。
彼らの行いは危うい。ただし、その主張は正しいものだ。
その意見は無碍に扱うべきではない。
彼らに代わって王都まで届けることも、ハンターなら可能だろう。
暴徒を傷つけることなく止める
●位置関係
**************
ハンター→******民衆******←ハンター
●●●●●●私兵●●●●●●
王都に続く街道に通じる関所に、民衆が押し寄せている所を私兵が食い止めている。ハンター達は民衆の両サイドからアプローチする。
どちらの位置からでもスタート可能。どちらか一方のみでもよい。
●流れ
まず注目を惹く必要がある。
ハンターは歪虚の多いこの地方において英雄視されているため、ハンターであることを明かせば注目は集めやすいだろう。だが、もう一工夫欲しい。
その上で言葉で(あるいはそれ以外で、ただし暴力的手段は除く)説得する。
向こうも反論してくるだろう。あらゆる面からの意見を想定するべきだ。
●その他
民衆はひしめきあっており、少しでも力が加えられようものならドミノ倒しになって怪我人が続出するだろう。
当然、その場合は依頼人から不興を買う。
王都に行くには街道を通らねばならないため、他の所にも集まっているという事態は避けられた。
ユニットは使用可能。大型ユニットや飛行ユニットなら注目も惹きやすいだろうし、ある種の幻獣が使うスキルは思わぬ効果を発揮するかもしれない。
だが、自律行動型は細心の注意を払って使う必要がある。
彼らの行いは危うい。ただし、その主張は正しいものだ。
その意見は無碍に扱うべきではない。
彼らに代わって王都まで届けることも、ハンターなら可能だろう。
マスターより
今夜王国の片隅で。(※シナリオ中は昼です)
王女殿下への愛は地方でも変わりなく。
この愛のためなら歪虚がうろつく道中も徒歩で逝ける!
よろしくお願いします。
王女殿下への愛は地方でも変わりなく。
この愛のためなら歪虚がうろつく道中も徒歩で逝ける!
よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/04/12 23:56
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
暴徒鎮圧相談卓 神楽(ka2032) 人間(リアルブルー)|15才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2018/04/06 00:14:05 |
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![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/04/05 23:49:48 |