【AN】水路に光が差した後

マスター:石田まきば

シナリオ形態
イベント
難易度
やや易しい
オプション
  • relation
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
普通
相談期間
7日
締切
2014/07/28 15:00
完成日
2014/07/31 23:14

このシナリオは2日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●作戦成功――と、後日のお話

 皇帝ヴィルヘルミナ・ウランゲル(kz0021)はご満悦であった。
「というわけで、第二次掃討作戦は各所の雑魔を掃討、観測装置の設置と下水の採取もつつがなく終了しています。全体的に見ても成功と……姉上、聞いておられますか?」
 報告書をまとめて説明に来ていたカッテ・ウランゲル(kz0033)に、にこにこと皇帝は頷いて。
「ああ、聞いているぞ。ハンターの潜在力というのはやはり素晴らしいと思ってな。依頼して正解だった」
「そうですね。大体把握していただけたようで何よりです」
 皇帝の自由奔放な発言にも動じないカッテである。
 伊達にこの皇帝と十何年も姉弟やっていない。
「……さて。それでは、折角だからハンター達をねぎらってやらねばな」
「はい、この間収穫したばかりのとっておきの新じゃがを提供しますか?」
「あー、うん……そうだな。やはり戦いの後の飯は芋に限る」
 突然の素晴らしい思いつきに即座に対応されて、ちょっとしょんぼりするヴィルヘルミナ。
 だが、再び顔を輝かせてぽん、と手を打つ。
「そうだ。あの新規発足したアイドル部隊にも出動を要請しよう」
「あいどる……ですか?」
 流石にこちらは意外だったのか首を傾げるカッテに、嬉しそうに指を振る。
「戦士の為の歌い手の初舞台は、戦士の慰問であるべきだ。……そうだ、錬金術師組合が何か下水道に設置する新たな装置を開発したと聞くし、よしまとめて頼もう」
「では、手続きしておきますね」
 再び上機嫌に戻った姉に、カッテも笑みを浮かべて執務室を後にするのだった。

●お役所疲れとエルフの見解

 シャイネ・エルフハイム(kz0010)はAPVの一角に腰を下ろし、持ち込んでいたリンゴ茶で一息ついていた。
「次があるとしても、下水道の仕事は遠慮しなくてはいけないね」
 あれだけ不純なマテリアルが濃密な場所は避けたいものだ。
「そんなに酷かったんですか?」
「酷いなんてものじゃないね。だからこそ、貴重な経験にもなったけどね♪」
 部屋の片づけをしていたフクカン(kz0035)の言葉に微笑みで答える。
「経験ですか?」
「僕にはまだ知らないことがいっぱいあるのだと、改めて実感できた。知らないことを知る事で、新たな詩が生まれる。僕がまだ出会っていないだけで、これから先に新たに唄える詩がまだまだたくさんあるってわかったんだよ。素敵なことじゃないか♪」
「そういうものですか?」
「ふふ、そうだよ。君にとってのタングラム君みたいなものかな」
 その言葉に、フクカンの目がきらきら輝いた。

「私がどうかしたですか」
 タイミングよくタングラム(kz0016)が現れる。
「今日もタングラム様が素敵だという話です!」
「ご機嫌いかがかな、タングラム君。僕はおかげさまで不快感にまみれた日々だったけれど」
 フクカンの勢いもシャイネの皮肉にも動じないタングラムは、腕を組んで座った。
「うんうん、楽しい誕生日が過ごせたなら何よりなのですね」
 顔の下半分だけでもわかる、いつものどや顔。
「えっ?」「おや?」
「見学したいという希望を忘れていなかった上に、誕生日のプレゼント代わりにかなえてあげた私に感謝するといいのですね!」
 更に胸をそらすタングラム。
「……そういえば、誕生日だったね」
 7月6日、確かにシャイネが生まれた日だ。仕事に専念していてすっかり忘れていた。
「おめでとうございます! お祝いしなくちゃですね!」
 タングラムにお茶を出しながら、フクカンがシャイネに祝いの言葉を述べる。誰も年齢のことには触れない。3人は皆エルフなので、実際の年を聞かないのが暗黙のルールだった。
「魅力的な話だけれど……日も過ぎてしまっているから、このまま何もしないでもいいかもしれないな」
「楽しいことなら、皆さん集まってくれると思いますよ?」

●歌が好き♪

「楽しいことと言えば、タングラム君。『アイドル』だったっけ? 帝国軍で噂の新部隊の子が、舞台で歌うと聞いたのだけれど」
「ワルちゃんのところの子ですね、今度『初ライブ』とか言ってましたね」
「それ、僕みたいな部外者でも行ってもいいかい?」
 歌ならば聞いてみたい、研究会の時期は『アイドル』がよく分からななかったため、シャイネは後から事の顛末を伝え聞いたのだ。
「あれ、でもその場所って、むぐっ!?」
 会場を教えようとしたフクカンはタングラムに口を塞がれてしまった。だが表情は幸せそうだ。きっと『タングラム様が抱きしめてくれてますう!』とか思っているのだろう。
「シャイネなら顔パスで入れるよう、口をきいてあげてもいいのですね」
 特別に先日の借りには数えないであげますよとの好待遇だが、シャイネは歌のことで頭がいっぱいになっている。タングラムがここまで好条件を出している『理由』に気づかなかった。
「自分のために出かけるのも悪くないかな。ところで会場はどこなんだい?」
 にんまりとするタングラム。はい、言質が取れました!
「先日の下水道の上なのですね。正確には中央広場ですが」
「ぷはぁっ! 下水道を歌いながら掃除して、戻ってきてから改めてライブ? をするんだそうです」
 解放されたフクカンが補足する。
「また中に入れというのかい? さすがに遠慮するよ、貸しを取り消したっていい」
「ライブは打ち上げの一環なのですね。掃除と歌だけではなく、芋の提供をするってー話も」
「調理と配膳のお手伝いをすれば、ライブを一緒に楽しんでいいという仕事が別口で来てますね」
 シャイネの言葉を気にせず話を続けるタングラム。フクカンもまた説明を付け足す。
「まあ、外なら……」
「決まりなのですね! それじゃ、よろしく頼むのですよ」
 勝ち誇った笑み。
 このAPVで落ち着いた休息ができるなんて思ったのがいけなかったかな、と苦笑いをするシャイネだった。

●歌い手達

 ハンター達が揃う前。グリューエリン・ヴァルファー(kz0050)との顔合わせを楽しみにしていたシャイネである。
「君が噂のアイドル君だね。同じ歌を仕事にする者同士、仲良くしてくれたら嬉しいな♪」
「ええ、よろしくお願いいたしますわシャイネ殿。……え、えっと……?」
 はい、と右手を差し出すシャイネに戸惑う様子が初々しい。
「おや? 人気者にはこうやって握手しておくと幸せになれるって、誰かに聞いた気がしたんだけど……照れ屋さんなのかな?」
「い、いえ! まだ人気者、と言うのもおこがましい身ですが、『ふぁん』の期待にはお応えするのがアイドルですもの」
 頬を染める様子も好印象だ。素直な反応に、なるほどこれは人に好かれる子なのだろうなと思う。彼女の歌もきっと素直に、広く人々の心に届くのだろう。
「今日は、君の歌を聞くのを楽しみにしているよ♪」
「ありがとうございます。ご期待に沿えるよう、全力で挑みますわ」
 さあ、初ライブの開幕まであと少し。

リプレイ本文

●石を積んで

 会場となる広場。手伝いに来ている帝国兵が物資の確認をする様子を横目に、ユリアン(ka1664)は小さく息を吐いた。
「流石に荷物持ちに幻獣は居ないか……」
 帝国のグリフォン部隊が。帝国縁の案件に関わっていれば機会があるかといつも気にかけていた。
「うちは緊急の物資でない限り、出動要請はしないからな」
 彼の呟きを聞き取った帝国兵の答えに、別の機会を待とうと思った。

「そうやって組み立てるのか。便利なモンだ」
 帝国兵が説明し組み立てていく竃、ナハティガル・ハーレイ(ka0023)はその手順を覚えようとしていた。
 均一な形の石は組みやすい。問題は調理班が必要としている鍋の数との兼ね合いだ。
「新鮮な芋なら、凝った料理じゃなくても十分美味いけどな? 粉吹き芋とか」
 それだけですまない分、頭を使わなければならない。

 隣のヴァイス(ka0364)も説明を熱心に耳を傾けている。
「この石なら高さの調節は簡単そうだな」
 なるべくなら調理担当者達の姿勢が不自然にならないようにして、作業の負担を減らしたい。
(あとは火力の調節方法だが‥‥)
 小さい鍋なら、鍋の位置を変えて簡単に調節できる。だが人数の多さを考えると、大きな鍋火力調節は、燃料の増減で行うしかない。
「なら、できることをするまでだ」
 大きな鍋用の竃は、とにかく足場をしっかり支えておかねばならない。調理する仲間達の安全も考えながら、新たな竃へと取り掛かった。

 竃づくりの手順をメモにし確認しているリュー・グランフェスト(ka2419)には気になっていることがある。
「打ち上げ、はいいけどなんでこんな芋ばっかなんだ?」
 帝国の特産なのだろうかと考え、帝国兵に聞いてみる。
「陛下とか上層部が勧めてる作物だからな」
 痩せた土地でも実りがあるジャガ芋は特に推奨されているらしい。
「そっか。なあ、同じような石がない場合の竃の作り方、コツはあるのか?」
 均一に整えられた竃用の石は組みやすい。だがいつもこの物資があるわけではないはずだ。
「戦地の条件にもよるが、地面を掘るとか、泥とか土とかを見つけてきて漆喰みたいに石を固めるとか色々やるな」
「へぇー」
 再びメモに書き足していく。
(こういったノウハウが聞けるんなら願ったり叶ったりだ)
 何かを作ることが好きなリューにとっては勉強にもなるし、何より面白かった。

 会場である広場の外縁を利用して竃を設置するのは意味があった。温かい料理を温め続けられるようにとの配慮でもあり、後から作業を始める別班の邪魔をしないためでもある。
 竃の撤収作業もすべてが終わってからにする方が手間が減らせるというものだ。
 ライナス・ブラッドリー(ka0360)はサバイバル知識と傭兵時代の経験を活かし、説明を受ける前から竃づくりに精を出していた。彼の持つ蒼界の知識と目の前の紅界の道具は大きな差など見当たらず、狙い通り作業効率は上がっていた。

●芋の変身

 竃の準備をしている間、調理を担当しようと集まったハンター達は食材の下拵えに精を出していた。
 作業台も竃と同じように広場の外縁を飾るように並べられていた。調理が終わった後、配膳用としても使えるからだ。
 広場の中心は観客席になるのでぽかりと空間があいている。広場の外縁を一周しながら一通り巡っていこう。

「オーブンみたいに使える竃はできないだろうか」
 レイオス・アクアウォーカー(ka1990)の希望は叶えられた。
 皮ごと焼いた芋を半分に切り、中身をくりぬいてボウルに集める。それに玉葱とチーズ、ベーコンを混ぜ込んでから器状の芋に詰めなおし、チーズをさらに上にかけて焼けば、名前通りトワイスベイクドポテトが完成。
「オレとしては故郷の味ってやつだな。外はカリカリ中はホクホクで旨いぜ」
 数が焼けてきたところで、みじん切りの玉葱に漬け込んでいた羊肉のシャリアピンステーキも作っていく。焼いた後に出る肉汁と玉葱の微塵とすりおろし林檎を合わせて煮詰めれば無駄もない。
「柔らかくて旨いだろ。やっぱりお祝いなら肉だな。肉」
 取り分けやすいようにステーキをカットしながら、一緒に飲む酒は何がいいかと考え始めた。

「大王たるボクの役割、それは間違いなく芋を蒸かす事だな!
 ディアドラ・ド・デイソルクス(ka0271)は泥を落とし表面を洗った芋の山を前に串を構えた。
「こうする事で芋へ熱が伝わりやすくなるのだ」
「なるほど興味深いのじゃ」
 ルリリィミルム(ka2221)も芋を手に取る。
 二人がかりでぷすぷすと穴を空けていく。後は大鍋でまとめて蒸かしてしまえばできあがりだが量が多い。他の料理へと姿を変える芋も一度に纏めてしまっていた。
 他のハンター達も手を貸すおかげで、予定していた量を全て蒸かすことができそうだ。

(ライブだけ観に行く……という訳にもいかない、様ですのでね)
 芋をふかす手伝い、特に重い芋を鍋に入れたりかき混ぜたりといった力仕事を手伝いながら、天央 観智(ka0896)は様々に起こる事象を自身の記憶に留めようと周囲を眺めていた。
 帝国のマテリアル浄化の手段と言うのが気になっていた。噂ではエルフ達には秘伝の技があるらしいと聞いてはいるが、さすがに帝国主催の行事でそれを見ることは適わない。
(別の機会が得られれば、でしょうかね)
 手段がいくつもあるというのなら、それだけ知識も得られるということだ。可能性が多いという事実を得るだけでも来た甲斐はあった。
「そう言えば、バターって無いんですかね? じゃがバターを広めてみるとか」
「あ、作らないとだね」
 思いついて口にする。同じく蒸かすのを手伝っていた天竜寺 舞(ka0377)が、バターもあったと答える。
「塩の隣に、一緒に置いておけばいいんじゃないかな? 蒸かし芋のトッピングにどうぞって」
「いくつかお皿に取り分けた見本も置いておきましょうか。あとは……」
 少し考える仕草の観智。
「折角の新じゃが、らしいですし……薄切りジャガイモの素揚げ、塩味……とか、誰か作りませんかね?」
「揚げ油なら、ボクが後で使うから用意してあるぞ」
 使うのは後なので、今なら空いているとのディアドラ。
「言いだしっぺがやればいいんじゃない?」
 舞の言葉で、観智が作ることになる。
「……薄切りだけお願いできますか、天竜寺さん」
「そっか、慣れてないと難しいよね、じゃあそこは手伝うね」

「山盛りなのじゃ♪」
 うず高く積まれた芋を前に感嘆の声をあげるルリリィミルムに、これだけではないと笑うディアドラ。
「さっき選り分けた形崩れの芋、あれを潰すぞ。鍋にへばりついた欠片もすべてうまく使いきってやろうじゃないか!」
「教えてくれるかの、確りやるのじゃ」
 芋の形を崩したものに、少しの小麦粉を混ぜて固めたものをいくつも作る。
「『あいどる』とな。聞いた事がないが、何だか楽しそうじゃの」
 作業を繰り返すだけなので、おしゃべりの余裕も出てきた。
「アイドルか……以前行った依頼から発展したものらしいな。歌や踊りで人を楽しませるのが仕事だそうだ」
「曲芸とは違うのかの」
「面白くて笑うのではなく、自然な笑顔にさせるとか聞いたぞ。たまには見る側に回るのも悪くはないかもしれんな!」
 全てを小判の形にしたところで油で揚げていく。
「ハッシュドポテトにする事で、ライブ中に食べる物として最適になるだろうな!」
「塩を振るのかの?」
「お好みでケチャップ等を使っても良いだろう! ……準備はできたな? それではライブを見に行こうではないか!」
 全てのハッシュドポテトを仕上げて、二人は席を選ぼうと移動を始めた。

 蒸かした芋を潰しながら、イェルバート(ka1772)は小さく微笑む。
(こうやって打ち上げの機会があると改めて「達成できたんだな」って感じがして嬉しいな)
 自分を含め大勢が参加していたのだ、それがまた再び集まるのもなんだか不思議な感じがした。
 細かく切って炒めた玉葱と羊肉を加えて、少しの羊乳でまとめる。記憶にある見た目に近づいたところで、塩胡椒で味付け。
「これをパンにはさむだけ。……婆ちゃんの味に近づけるといいんだけど」
 ぱくりと一口確かめる。少しだけ物足りない気がするのはなぜだろう。美味しくできているはずなのに、婆ちゃんが作ってくれると絶対もっと美味しいんだ。……婆ちゃんだからかな?
 家族の手料理というのはそれだけでスパイスが足されるものだ。
 もう一度周囲を見渡して、どれくらいの人数が居るのか思案する。今はまだ別班が下水道で仕事をしているはずだから、その数倍は人がいるはずだ。
(頑張って、たくさん作らないとね)

 薄切りポテトを観智に渡した後、舞はコロッケづくりに取り掛かっていた。
 粗目のミンチにした羊肉と、玉葱の微塵をマッシュ芋に混ぜる。パン粉の衣と、観智の作ったポテチの砕けてしまったものを使った衣の二種類だ。丸く整え、楊枝のヘタを差して揚げる。
「あとは擦り林檎と蜂蜜で作ったソースをかければ完成だね♪」

「俺は料理に専念するかな」
 芋専門店を構えているティーア・ズィルバーン(ka0122)にとって、芋は慣れ親しんだ食材だ。
「まずは手早く出来る分か」
 細長く切ったジャガ芋を素揚げして塩を振ったフライドポテトは特に作り慣れた品だ。セレン・コウヅキ(ka0153)と分担して作ったおかげで、すぐに次に取り掛かれた。
 羊肉と玉葱のミンチ、挽いたパン粉を混ぜて焼いたハンバーグには、丁寧に潰して羊乳で滑らかにしたマッシュポテトを添えた。ハンバーグ一つ一つを小さめに作ったのは、他の料理を食べる邪魔にならないようにとの配慮。
 完成したものは開けた場所に並べて置く。その時隣の台で調理する舞が視界に入った。
「そっちのコロッケ、芋以外に何か入ってるのか?」
「玉葱と羊肉、あとは林檎のソースだよ♪」
「サンキュ。被らせないようにしとく」
 ティーアが続けて作ったコロッケは、芋だけのシンプルなものと、大きめに切った林檎を混ぜて甘いお菓子のように食べられるものだった。

「これだけのジャガイモがあって蒸かしただけで終わるなど許されない暴挙ですね」
 でないとセレンに流れる血の半分が泣いてしまう。全力を尽くさねばと腕をまくった。帝国の料理は彼女の故郷のひとつ、ドイツの料理に近いものが多くて、つい熱が入ってしまう。
(お酒に合う、数の作れるものでいきますか)
 まずは定番のフライドポテト。これはティーアと協力したおかげか早く終わらせることができた。
「おかげで故郷の味をより良いレベルで提供できます」
 ヴルストもとベーコン、胡椒も揃っている。
 ベーコンと玉葱を炒め、固めに蒸かしたジャガ芋を加え炒め合わせる。塩と胡椒で味を付けた。
 ヴルストは別で炒めて、盛り付ける時に他と合わせる。
(粒マスタードは無理でしたが、悪くない出来です)
「フィッシュアンドチップスとは違うんだな」
 通りがかった帝国兵が唾をのんだ。ビールが美味しく飲めそうなジャーマンポテトが目の前でほかほか湯気を立てているのだ。
「まだたくさん作ります。お手すきなら手伝っていただけますか、お礼はしますので」
「本当か、それ後で食わせてくれよ?」

「はっ、これはまさに私の得意料理を披露するチャンスじゃない!」
 そう考えて参加してきた夕影 風音(ka0275)は、自分の好物をつくることに決めていた。
 参加を決めた後は故郷の調味料を持ち込む準備を整え、万全の状態でやってきたのだ。
「アイドルのライブを楽しみにしている人達の心を少しでも盛り上げ、リアルブルーの郷土料理でリアルブルーの事を、引いてはアイドルの事についてよりたくさんの興味を持って貰えると嬉しいわ! よーし、そうと決まったら早速取り掛かるわよー!」
 大きな鍋を前に気合を入れると、てきぱきと動き出した。
 羊肉を炒めて、人参、ジャガ芋、玉葱の順に炒め合わせていく。湯通しした糸蒟蒻を加えたら調味料を全て鍋に注ぎ込んでいった。鍋の大きさもあって、ボトル単位の醤油や味醂が鍋の中に消えていく。
「一度沸騰させて、かき混ぜてから冷まして……最後にもう一度温めたら完成ね」

「何時もはロジーさんメインで料理を作って頂いていますから、今回は私が、ロジーさんや皆の為に腕を振るいたいと……ロジーさんには材料切りをお願いしますね……」
 そう切り出したセレナ・デュヴァル(ka0206)に、腕を振るう気満々だったロジー・ビィ(ka0296)は首を傾げた。
「え? あたしは切る係ですの? ……わかりましたわ。任せて下さいまし! 華麗に切り捌いてみせましてよっ!」
 微笑ましいやり取りだが、壊滅的な料理の腕前を持つエルフと、どんな味であろうと体調も崩さない味覚に無頓着な人間という恐ろしい組み合わせが二人の真実だ。ロジーが調味に携わらない様なので大丈夫……か?
「……折角のこれだけのジャガ芋、そして玉葱に林檎……シチューでは物足りません。リアルブルーのカレーと言うのを再現してみたいと……」
「そうですわね、さっそく作りましょうか。研究に研究を重ねましたし!」
「では……野菜からお願いします」
(やはり、こういう場では魅せる料理が必要ですわよね)
 ロジーが材料を宙に放り投げる。落ちてくる野菜に向けて、素早い動きで包丁が幾度も閃いた。セレナの持つボウルに野菜達が飛び込んでいき、足元には一片の食材も落ちていない。
「流石の包丁捌きです……」
 ぱちぱちと拍手して、今度はセレナの順番となった。
 二つの大きな鍋で、羊肉、人参、ジャガ芋、玉葱の順に炒めていく。煮込む段階では刻んだ林檎も加えた。特に辛さを控える方の鍋には多く。
「あとはこの香辛料を……」
「セレナ、これも入れたら美味しくなるんじゃありませんこと?」
 ビールを片手に見学していたロジーが、度数が高くて飲むのを諦めていたカルヴァドスを鍋にドボドボと入れた。
「あ……」
 入れてしまったものはしょうがない。年若い者が食べても大丈夫なように、確り火を通さなくてはいけないとセレナは思った。

 先にベーコンを炒めて、一口大に切った芋をあわせる。事前に採取してきた新鮮なローズマリーと胡椒で味をつけるだけで香りのよい炒め物が出来上がる。これで一品。
 薄く切った芋に、同じく薄い玉葱、チーズとツナを混ぜて、フライパンの円形にあわせて焼いていく。
「芋料理はお手軽なのがいいね。シャイネさん、味見してくれる?」
 誕生日だっていってたし、せっかくなら最初にどうぞと焼きたてのガレットを差し出すユリアン。
「パンにはさんでも美味しいと思う。……誕生日おめでとう」
「気を遣わせてしまったかな? でも、ありがとう」
 カリッと香ばしく焼けた部分を一口かじる。シャイネ・エルフハイム(kz0010)の口の中でツナとチーズのうま味、玉葱と芋の甘味が広がる。
「同じ食材でも、少し変えるだけでこんなに種類があるんだね♪」
 美味しいよ、ありがとう♪
 この後も、シャイネは林檎茶に使う皮を集めに回りながら、様々な味見をすることになる。

 帝国貴族のアウレール・V・ブラオラント(ka2531)の気分は昂揚していた。
(できれば私自身の手で調理し盛り付けて給仕した料理を、食べていただきたい……!)
 陛下や殿下が企画したものだから慰労される側として集まるのが礼儀なのかもしれない。
 しかしアウレールは陛下こそ労いたいと思っていた。そのほとばしる情熱と呼ぶほどに熱い忠義心を込めてフルコースを仕立てあげていく。
(普段はふかし芋ばかりであろう陛下の御為に!)
 ビシソワーズ、ポテトサラダ、ガレット、芋グラタン、チーズポテト、羊ハンバーグ、スイートポテト、ケーキ……会えるかわからない陛下を想い、一心不乱に作り上げる料理は一人分には多い量。
 陛下は塩で食べるふかし芋を好んで常食しているとか、普段は自分だって芋とヴルストで十分だと思っているという本心はあるものの、ひたすら突き進んだ。

(飲食店でアルバイトのついでにライブも見れるみたいなカンジぃ?)
 打ち上げと銘打ってはいるが、ハンター達の自主性を重んじた、いや奉仕精神をあてにしたセルフサービスの食事会である。天川 麗美(ka1355)の考えは的を射ていた。
「ただのふかし芋じゃ芸がないしぃ。っていうかぁ、スイーツがなかったらダメダメじゃんってカンジぃ?」
「私もご一緒していいですか」
 声をかけたのはアリス・ナイトレイ(ka0202)。麗美が打ち合わせの際に言っていた『ポテトのパンケーキ、林檎ソース添え』を覚えていて、同じ考えを持っていたため協力を持ち掛けに来たのだった。
「人手は多い方が数をつくれるし……ゴホン。作れますし、是非お願いします」
 先に取り掛かったのは大量の林檎。よく洗った林檎を乱切りにし、少しの水と砂糖、レモンの汁で煮ていく。
(時々かき混ぜるのが、物語の魔女みたいですね)
 わざと勿体ぶった動きでおたまを動かしてみるアリス。ライブ前の昂揚感に充てられたのかもしれない。
「それにしても打ち上げまでするなんて。帝国って意外とお祭り好きなんでしょうか……?」
「あまり娯楽はないんですよ。だから機会があれば毎回こんな感じです。私達だって作戦に参加していたんだから、参加してOK……ゴホン。堂々と楽しめばいいんですよ」
 APVに所属している麗美の方が、アリスよりは帝国に詳しい。
 話す間に柔らかくなっていた林檎を潰せば、ソースの完成だ。
 生のまま摩り下ろした芋に、卵や小麦粉、塩を少し加えて混ぜたものをベースとして、フライパンにおたま一すくいずつ焼いていく。言葉で言うなら簡単な工程だ。だが使うのは『生の』芋。皮をむいて、必要な量を摩り下ろしていくのだが、数が多い。すぐに使わないと変色するために、一度にすべてを摩り下ろすことは困難なのだった。
 アリスがベースをつくる担当の時は、麗美が焼く係と言ったように分担し、時には交代することでスムーズに作業を進めていった。

「林檎があるなら皆が楽しめるようお菓子でも作ろうかしら?」
 ケイ・R・シュトルツェ(ka0242)も甘いものの準備をしていた。
 オーブンとして使える竃も用意されていることや、すぐに手に入る材料を見比べ少しだけ考える。
「アップルクランブルなら出来そうね。皆が喜んでくれると良いんだけれど」
 刻んだ林檎に砂糖を加え、林檎から水分が出るまで待つ。その間に砕いた木の実に小麦粉とバター、砂糖を加えて混ぜていく。
「ここで捏ねたらいけなかったわね」
 陶器の皿に林檎を水分ごと敷き詰めて、その上をぽろぽろのクランブルで更に覆い、隙間をなくしていく。後は焼くだけなのだが、大皿のためか思った以上に時間がかかっていた。ちらりとオーブンの様子を見る。
(まだ芋を焼いているみたいだから、もう少し時間をかけられるかしら)
 せっかく作るなら、綺麗に作りたい。

 食材の下ごしらえを手伝った後、残っている林檎の数を見たメトロノーム・ソングライト(ka1267)はフレッシュジュースをつくることに。
 ステージから一番遠い場所、観客席の最後列よりも後ろの位置に台を置いて、リンゴの皮や芯を取り除く。そして一つずつ摩り下ろし始めた。
(帝国アイドルの初ライブ、ですか。先日の交流会もとても素敵でしたし、期待に胸が高鳴ります)
 手元の林檎は着実に減っていく。
「メトロノーム君、そろそろ指があぶないよ?」
 林檎の皮を集めて回っていたシャイネが戻ってくる。
「……って、ぼーっとしててはいけませんね、ありがとうございます」
「怪我がないなら何よりだよ♪」
 ところでこの皮も貰っていいかいと言いながら、ずいぶんと数のある林檎の皮を集めだす。
「さすがに多すぎるのでは?」
 芋ほどではないが林檎も数が多い。しかしシャイネは気にせずすべての皮を大鍋に入れて煮始める。
「林檎水としても飲めると思うし、度の強いお酒を割って飲む人にも使えるから、大丈夫♪」
「使い勝手はありますね」
「冷ます前の林檎湯と、蜂蜜をあわせたら喉にもいいと思うけれど、君もどうかな」
「お言葉に甘えて」
 喉に良さそうなものは歌い手としては見過ごせない。メトロノームが頷くのを確認して、シャイネは続けた。
「その後で、濾すのを僕も手伝うよ」

●ライブ会場

 完成した料理は、各自が好きなように取り分けて食べるビュッフェの形式になっている。不要になった調理器具を片付けて並べられた料理達は、調理に従事していた者達だけでなく、下水道から戻り着替えを終えて会場を整える者達の腹の虫も呼び覚ましていた。
 手のあいた者達から順々に、料理を取り、席を確保していく。舞台に近い席を選ぶ者、あえて遠くのテーブル席を選ぶ者、見やすさを重視してその中間を選ぶ者。美味しいものがともにあるからだろうか、大きな諍いもなく観客席は埋まっていく。
 食事の類は各自の裁量に任されていたが、飲み物については専用の配膳係が存在していた。人の動線が滅茶苦茶な状況のため、安全に飲み物を持って歩くことが非常に難しい。そのため席を確保した者の間を縫うようにして、こぼし難い首かけトレイや籠を持った者達が飲み物を配るようにしたのだった。

 一仕事を終えたナハティガルが葉巻を燻らせる。
「お前さんは葉巻派か」
 隣のライナスは煙草だ。そして既にビールを片手に開けている。
「酒と煙草がありゃ、十分なご褒美……ってヤツだな」
「皇帝の計らいだ。今日は遠慮無く羽根伸ばさせて貰うとするぜ」
 楽しめるならなおいいと思っていたところで、視界に見知った人物を見つける。
「ようシャイネ。この間の作戦では世話んなったな?」
「ナハティガル君だったかな、また会えたね♪」
「……しっかし。『ライブ』ってのは何なんだ?リアルブルーの儀式か何かか?」
「マテリアルの浄化ができるらしいね、もしかしたらそ儀式かもしれないよ。僕としては歌が聞ければいいのだけれど」
「ライブか……音楽は嫌いじゃない」
 二人の会話を横目に、ライナスが呟く。
(色々な曲が聴けるだろう。リアルブルーのも、こっちのも、な)
 故郷を想って泣くほどの年ではないが、少し物思いにふけるのも悪くないと思った。

「飲み物いかがですかー」
 クロ・トゥインクル(ka1468)はいくつもの飲み物と、紙で包んだコロッケを運んでいる。
「おいしいポテトコロッケいかがですかー」
 浴衣を着て、サングラスを額にかけた、背伸びをしたような少年の様子が可愛らしいのか、売り子として目を引くおかげで順調に配ることができていた。
(うん、女の子とは思われてないみたい!)
 調子の出てきたクロは、誰と話しているわけでもなく一人で座る者達にも積極的に声をかけていった。
「そこのお兄さん、コロッケのおかわりいかがですかー」
 ギロリ。睨むような視線に一瞬体が震えた。
(え、もしかしてばれた?)
 そんなはずはないと心の中で言い聞かせてから、不自然にならないように言葉を紡ぐ。
「ベーシックなコロッケと、羊肉入りの林檎コロッケ、林檎たっぷりの甘いのもありますよ!」
「……甘いのをくれ」
「はい、どうぞー」
(よかった、違ったみたい……でもなにこの人怖いっ)
 幼いころからの教えを、これからも固く守ろうと思うクロだった。

 飲み物を配る中で、シェリル・マイヤーズ(ka0509)はカッテ・ウランゲル(kz0033)との再会を果たしていた。
 どうしても伝えたいと思っていた言葉、準備していた言葉を大事に紡ぐ。
「あの時……信じてくれて……ありがとう」
 ハンター達の護衛線を雑魔が抜きそうになった時、それでもカッテは自分達を信じて、逃げずにいてくれた。
「お礼を言われるほどのことではありません。僕は、皆さんがその期待に応えてくれると信じていた。それだけのことです」
 当たり前のことにお礼を言う必要などないのだと、花のように笑う。
 シェリルは思い出す。カッテとは別に、自分達を見下ろすような視線を向けてきた帝国兵を。
「軍と……ハンター……仲が悪いように、見える。……カッテが望むなら……距離を縮めるように……頑張るよ……」
「頼もしいですね。……僕は、期待しているんです」
「そ……じゃあ、頑張る」
 時間をくれてありがとう。シェリルはカッテの頬に口づけた。
「!?」
「別れ際の……挨拶。あれ? これって……クリムゾンじゃ……やらない?」
 瞬時に真っ赤になるカッテに首をかしげる。
「……珍しいと、思っただけです」

 味を染み込ませるために冷ましていた間は注目する者はいなかった、だが食べる時間が近づいて風音が鍋を温め始めると、立ち止まってその料理が何かを尋ねる者が増えてくる。
「これは私の故郷の料理、その名も『お袋の味、肉じゃが』よ!」
 醤油独特の香ばしい香りがひきつけてやまない。時間ももうすぐお昼時……そう、皆おなかをすかせているのだ。
「お腹が減っては戦は出来ないものね。……出来たわ!」

「盛り付けはあたしですわね」
 完成した料理は、ちゃんと『カレー』になっていた。隣の風音の肉じゃがのにおいと共に、二大巨頭になっているくらいだ。
 お玉と皿を構えたロジー。しばし鍋を見つめてから気合を籠めて救い上げた。
 芋が人参の上に乗って逆さ雪だるまになったり、具材同士が祠を建設して居たりした。
「さぁ、皆さん、遠慮せずに召し上がって下さいな」
「素敵です」
 褒めるセレナは、声も目も本気だった。

(ジュースが足りなくなってるかな)
 飲み物を配った後、空いた容器などの回収もしていたサトコ・ロロブリジーダ(ka2475)は、どの飲み物が人気なのかを見極めていた。
(やっぱりしょっぱいものが多いからかな)
 味の濃い物を多くとる場合は林檎茶のようなさっぱりとしたもの、油ものが多い場合には酸味のあるジュースといった具合に勧めたり配ったりしていたので、減りの早いものをそらんじるくらいはお手の物だ。
「アクアヴィット追加してきますんで、欲しい人は待っててくださいねー」
 言って、一度飲み物の台に下がる。
(中々いい酒が置いてあるじゃねーか)
 後で持って帰れるか、残量を目測つけようとしたところで気付く。
(ちょろまかせるほど残らねーじゃねーか!)
 サトコ達がうまく回しているおかげで、減りも早かった。そもそも帝国は酒飲みが多い。お酒の残る可能性は絶望的だろう。

 カレー等の温かさを維持したいメニューは竃に鍋をかけたままになっている。その火力を限界まで絞り、焦げ付かせないようにと一通りの竃を確認して回る。時折かき混ぜるなどの必要はあるだろうが、それはお代わりを取りに行く者達が自主的にやってくれるだろうと切り上げ、ヴァイスは自分に休息を許した。

 ヴィルヘルミナ・ウランゲル(kz0021)にフルコースを食べてもらうという、アウレールにとって幸福の時間がやってきた。
「ご馳走様。だが堅苦しいのは疲れるな。こういうのは偶にがいいんだ、偶にが」
 陛下の一挙一動作をつぶさに見つめ、ほめてと言わんばかりの彼に、食べ終わりニッと笑う陛下。もしアウレールに尻尾があれば、ちぎれんばかりに振っていただろう。

「そろそろ配り終えたでしょうか……」
 近くの椅子に腰を掛けたユキヤ・S・ディールス(ka0382)。
 広場も大きさがある上に、リアルブルーのシアターのような座席などはここにはない。さらには持っている籠の中身をこぼしたり、欠けさせたりしない様常に注意をし続けなければいけないのだ。たとえ動いている距離は短かったとしても、その疲れは見えないところで溜まっているのだった。
「此方の世界にもアイドル。何だか不思議な感じ、ですね」
 エルフやドワーフと要った、おとぎ話やゲームの中の存在と思っていた者達とも共に暮らす世界。違う世界だと思うからこそ、同じ世界のかけらがあると知ったとき、そのたびに不思議に思い、新しい何かを知っていく。
(歌は好きです)
 此方の世界の歌も、時々耳にする、リアルブルーの歌も。ユキヤは人が楽しくなれるものが好きだ。
(楽しそうな人々も……全て良いモノ。これを守って行けたら素敵……ですね)

●歌の力

「ライブか……偶には自分で歌うんじゃなくて、人のを聴くのも良いわよね。特にクリムゾンウェストの音楽には興味があるわ」
 カルヴァドスを片手に、ライブを待つ。
(今後あたしが歌って行く上でのヒントや何かが其処にはあるハズ)
 ケイは蒼界で歌姫として生きてきた。紅界でも同じように生きていくことも諦めてなんかいない。
(でも……やっぱり聴くよりも自分で歌いたかった、かも)

 後方の席で一息をつくサトコはグリューエリンを見上げた。
(アイドルってのはヴィルヘルミナ庇護のアレだろ、ネタとしちゃ上々。見といて損はねぇ)
 何が役に立つかはわからねえからと、値踏みするような視線。
「実家の舞台とはまた違って楽しい♪」
 妹の姿を見つけてほほ笑む舞。
(まだ、技術的には拙いけれど……)
 記憶にあるより成長している。この先も伸びるであろうと期待が膨らむ。
(支えられて、期待されて。このまま成長して行けばきっと)
 舞台の歌を、メトロノームも口ずさんだ。

「歌は良いのう♪ 歌っている者も、聞く者も、楽しくなるような感じじゃの!」
 ルリリィミルムも笑顔だ。
(「あいどる」と言うのは凄いの。皆に楽しさや、こんなに沢山の人を笑顔に出来る……凄い事なのじゃ!)
「この場に居れて、我も嬉しく、愉しいのじゃ♪」
(これが帝国が辿り着いた、マテリアル浄化手段……ですか?)
 自身も笑顔を浮かべ、観智は人々の持つマテリアルの力を眺めた。

依頼結果

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MVP一覧

  • アックスブレード「ツヴァイシュトースツァーン」マイスター
    ティーア・ズィルバーンka0122
  • 蒼の意志
    セレン・コウヅキka0153

  • アリス・ナイトレイka0202
  • 夢を魅せる歌姫
    ケイ・R・シュトルツェka0242
  • 大王の鉄槌
    ディアドラ・ド・デイソルクスka0271
  • いつか、本当の親子に。
    ライナス・ブラッドリーka0360
  • 抱き留める腕
    ユリアン・クレティエka1664
  • 王国騎士団“黒の騎士”
    レイオス・アクアウォーカーka1990
  • ライブラリアン
    サトコ・ロロブリジーダka2475

重体一覧

参加者一覧

  • 一刀必滅
    ナハティガル・ハーレイ(ka0023
    人間(紅)|24才|男性|闘狩人
  • アックスブレード「ツヴァイシュトースツァーン」マイスター
    ティーア・ズィルバーン(ka0122
    人間(蒼)|22才|男性|疾影士
  • 蒼の意志
    セレン・コウヅキ(ka0153
    人間(蒼)|20才|女性|猟撃士

  • アリス・ナイトレイ(ka0202
    人間(蒼)|12才|女性|魔術師

  • セレナ・デュヴァル(ka0206
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • 夢を魅せる歌姫
    ケイ・R・シュトルツェ(ka0242
    人間(蒼)|21才|女性|猟撃士
  • 大王の鉄槌
    ディアドラ・ド・デイソルクス(ka0271
    人間(紅)|12才|女性|闘狩人
  • 心強き癒し手
    夕影 風音(ka0275
    人間(蒼)|20才|女性|聖導士
  • もふもふ もふもふ!
    ロジー・ビィ(ka0296
    エルフ|25才|女性|闘狩人
  • いつか、本当の親子に。
    ライナス・ブラッドリー(ka0360
    人間(蒼)|37才|男性|猟撃士

  • ヴァイス・エリダヌス(ka0364
    人間(紅)|31才|男性|闘狩人
  • 行政営業官
    天竜寺 舞(ka0377
    人間(蒼)|18才|女性|疾影士
  • 遙けき蒼空に心乗せて
    ユキヤ・S・ディールス(ka0382
    人間(蒼)|16才|男性|聖導士
  • 約束を重ねて
    シェリル・マイヤーズ(ka0509
    人間(蒼)|14才|女性|疾影士
  • 止まらぬ探求者
    天央 観智(ka0896
    人間(蒼)|25才|男性|魔術師
  • アルテミスの調べ
    メトロノーム・ソングライト(ka1267
    エルフ|14才|女性|魔術師
  • 心の友(山猫団認定)
    天川 麗美(ka1355
    人間(紅)|20才|女性|機導師

  • クロ・トゥインクル(ka1468
    人間(蒼)|12才|女性|聖導士
  • 抱き留める腕
    ユリアン・クレティエ(ka1664
    人間(紅)|21才|男性|疾影士
  • →Alchemist
    イェルバート(ka1772
    人間(紅)|15才|男性|機導師
  • 王国騎士団“黒の騎士”
    レイオス・アクアウォーカー(ka1990
    人間(蒼)|20才|男性|闘狩人
  • 金の鍵抱く聖導女
    ルリリィミルム(ka2221
    エルフ|14才|女性|聖導士
  • 巡るスズラン
    リュー・グランフェスト(ka2419
    人間(紅)|18才|男性|闘狩人
  • ライブラリアン
    サトコ・ロロブリジーダ(ka2475
    人間(紅)|11才|女性|魔術師
  • ツィスカの星
    アウレール・V・ブラオラント(ka2531
    人間(紅)|18才|男性|闘狩人

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2014/07/28 12:17:16
アイコン 相談卓だよ
天竜寺 舞(ka0377
人間(リアルブルー)|18才|女性|疾影士(ストライダー)
最終発言
2014/07/28 02:05:44