• 審判

【審判】原初の碑文 エメラルドタブレット

マスター:藤山なないろ

シナリオ形態
ショート
難易度
難しい
オプション
  • relation
参加費
1,500
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
締切
2016/03/04 22:00
完成日
2016/03/19 15:15

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●仮説

 拠点制圧失敗の翌日夕方。
 王国騎士団長エリオット・ヴァレンタインと聖堂戦士団長ヴィオラ・フルブライトは、ここまでのエクラ教信者襲撃事件──もはやそれに止まらない、世界を襲うであろう史上最大級の災厄を阻止すべく情報を共有していた。
 エリオットが法術陣の起点調査をヴィオラに託した後のこと。
 口にするか随分迷った様子でいたヴィオラが、こんな話を切り出した。
「王国は、先の千年祭の折、聖女エリカによる大精霊降臨の儀に失敗しました。それは周知の事実です。そしてその時、エリカはなんらかの理由で法術陣が貯蔵していたマテリアルをその身に保有してしまった。それはどういうことか……」
「……千年祭の儀式と法術陣には関連があった、ということか」
「あくまで可能性に過ぎませんが、大精霊の召喚に関わる内容であることからも、王国記念祝典の儀式自体が法術陣の機能を利用したものではないかと考える事も出来るのです。そして、思い出してください。北方動乱の決戦を。法術陣にはマテリアルを吸収する効力があるということが明らかになっています」
「ああ、それによって失われていたマテリアルを取り返した、と聞いている。法術陣が巡礼者から正のマテリアルを吸い上げる力が元になった術効と推測するが」
「そこでこう考えたのです。王国500年祭の時、一人の聖女が儀式の果て、その身を捧げて大精霊を召喚したとされていますが……その儀式自体も『失敗していた』という仮説が、立てられるのではないかと」
 教会の人間がそれを口にすることの意味を、彼女は理解している。それでもなお、自身に芽生えた思いを口にせずにはいられなかった。
「加護を約束した大精霊の光に溶けるように時の聖女は消え去った、とされています。ですが、法術が人身御供を前提とした危険極まりない物であることに、私は以前から疑問を感じていました。自殺を認めていないエクラの教義に、死をもって成しうる術は相応しくないのではないかと。かの聖人ヴェレヌスがそのようなものを後世に残すだろうか、と」
「術式の暴走、不適切な使用、あるいは何らかの偶然が重なって、奇しくもマテリアルの吸収効果が発動──500年祭の聖女自身からマテリアルが急速に吸い上げられ、枯渇……そして、少女は無に帰した、という新たな仮説か」
「私の話も机上の空論。ただの私的な推察にしかすぎません。ですが、法術陣は強大であるが故に、力が誤って発露した場合の危険性が高すぎる。故にこそ、本来的には他の法術よりも遥かに綿密に編まれていなければならないと思うのです。故にこそ、語り継がれた伝統が、少女の心持ちだけを理由に暴走を起こすだろうかと、疑問を抱えていました」
「何らかの理由で法術陣の正しい発動法が後世に伝わっていない……或いは、失われてしまったかもしれないと」
「もしも、500年祭の出来事が不測の事態であったのなら。時の聖人たちはさぞ驚嘆したはず……大切な聖女の死を、さぞ悼んだことでしょう。そして教会はそれ以来ずっと聖女を守るべくあらゆる手を尽くしてきたのではないでしょうか。今日の法術研究家の活躍や発展は、そのために必要なことだったのかもしれないと、そう思えるのです。やり方は違えど、時に道をそれる者もあれど、教会はこの世界と民の為に身を尽くす心善き人の集団。所属する私が誇りにかけて誓いましょう。……ですが、聖女の心は拭えなかったのかもしれません」
 そこで、二人の会話は途切れる。だが、沈黙は存外短い時間で打ち破られた。
「分かった。その調査は、我々騎士団が当たろう」
「とうの昔に失われた恐れのあるものを、一体……」
 思いがけず口をついて出た言葉をヴィオラは咄嗟に呑み込んだ。
「俺にそんな技術をどうこうできるはずがない。目には目を、歯には歯を、古代技術には学者先生を、だ」
 立ち上がるエリオットにはまるで負の感情がない。
 これは乗り越えられる当然の壁──そのような考えしか持ち合わせていないのかもしれない。
 理解に苦しむ。しかし反面、彼の姿を前にした戦乙女はようやく心底から理解できたことがあった。
 それは、ホロウレイドによって絶望に満ちた王国が、復興の象徴としてこの男を騎士団の長とした理由。
「他力本願もいいところですね。ですが……その考え、悪くありません。そちらは任せましたよ」
 そうして、王国騎士団長と聖堂戦士団長は会議室を後にしていった。

●原初の碑文を手に入れろ

 グラズヘイム王城の円卓の間には、王女とセドリック・マクファーソン大司教そして王国騎士団長の姿があった。これまでの出来事と、今後起こり得るであろう災厄について報告したのち、エリオットは迷うことなく明瞭に告げる。
「王立図書館“グリフヴァルト”禁書区域への立入り許可を願います」
「エリオット、あそこは大変危険だと言い伝えられているんですよ。ましてそこに“それ”が存在しているかは……」
「いいえ、殿下。もう“そこ以外に考えにくい”のです」
「……グランフェルト副団長が、手を尽くしたのだな」
 セドリックは穏やかな面持ちで確認すると、隣に座す王女に向きなおる。
「殿下、我々エクラ教会は、いつか来る破滅に対し、この国を、世界を守るための術としてこの奥義を語り継いで参りました。ですが、それが浸食をうけた今、過去千年もの時の中で育まれてきた我々の護国への想いが、捧げてきた信仰が、願いと真逆の形に不正使用されるなど……その苦渋、その辛酸は如何ほどと思われますか」
 理論的な先導者が心を語った。
 言いつくせない思いを感じた王女は深く息を吐く。
「既に法術陣はあるべき姿に非ず……歪みを受け、もはや破滅を呼びよせかねません。これまでの長い歴史の中で、王が、教会が、数えきれない人々が、守り継いできたそれをみすみす歪虚に渡すなど、させるわけにはいきません」
「殿下、よくぞ仰った」
「グラズヘイム王女システィーナ・グラハムの名において命じます。騎士団長エリオット・ヴァレンタイン、ただちにグリフヴァルトへ赴き、法術陣の原初の碑文──“エメラルドタブレット”を入手してください」



「話は聞いてるよ。随分面白そうな事に首つっこんでるね?」
 その後、エリオットは学術都市アークエルスの領主フリュイ・ド・パラディに接見していた。
「僕も興味がある。君たちみたいな筋肉b……優秀な戦士が挑戦するなら、多少は期待できそうだ」
 案内されたそこは王立図書館“グリフヴァルト”。
 なかでも特定の者にしか行使できない特殊魔術で厳重封印された扉の先。
「禁書区域……といえど、思いのほか普通だな」
「そりゃ、図書館だからね」
 小さく笑うと、フリュイは「さ、行ってらっしゃい」と簡易地図を手渡して足早に去ってゆく。
 騎士団長と招集されたハンターたちが禁書区域を心底から理解するのは、この後まもなくのことだった。

リプレイ本文



 王立図書館“グリフヴァルト”──そこは、隔絶された世界だった。

 禁書区域に限らず、この場所はあらゆる図書資料にとっての楽園であり、国が守るべき至高の宝物庫でもあった。
 蔵書や資料の劣化や虫菌害を抑制するために徹底された環境。
 春夏秋冬、低温低湿。何日、何月、何年経とうと、例え国が歪虚の侵攻に飲まれようとも。
 ここだけは“変わることがない”。そう思わせる、ある種の異界。
 恐らくは館全体に施された環境管理を目的とする何らかの魔術が要因だろう。

 ……が、それにしてもだ。
「この先は真っ暗だよ。それよりも……なんだろう、この感じ」
 第一の階層の奥、下層へ続く階段を見つけたジュード・エアハート(ka0410)は、その異変にいち早く気づき、思わず身を強張らせる。ジュードの目は、滞留する不気味な気配のようなものを見出したのかもしれない。
 異様なほどの静けさと冷たさ。限りなく低湿な空間に、どういう理屈か時折ふわりと風が流れる。
 風の運ぶ古びた紙や革の匂いは決して嫌なものではなかったが、それとは全く別次元で“嫌”な予感がした。
「命の気配がないっていうか、それともちょっと違うんだけど……」
 先程まではまだ“気配”が感じられた。恐らくそれはこの世界に満ちる正のマテリアルといった類のものかもしれない。特に王国は──ハンターたちには未だ知られていないが──法術陣によって国全域に正のマテリアルを循環させ、活性化し、それによる“繁栄”の恩恵にあずかってきたこともある。そんな場所からこんな場所に足を踏み入れればこそ、猶の事、強すぎるコントラストから全身に“異界感”が刻まれてしまう。
 全てを拒絶するような暗闇が、階層全域を支配しているようだった。
「拒絶か、あるいは……ここを作った主ってやつは、よほど他人を信用してねえと見える」
 ウィンス・デイランダール(ka0039)は、そう言って苛立ちにも似た感情を吐き捨てた。

 重量の関係か持ち込むことが出来ないものもいたが、ライトを持っている者は一斉にそれを灯した。
「道は正面に一つ。両サイドは背の高い書架……でも、“天井が随分高い”ような」
 強い違和感を覚え、ジュードが顎に指を絡める。
「うーん……さっき俺達、そんなに階段降りたかな」
 先導するジュードから漏れる疑問。それにクローディオ・シャール(ka0030)が応じる。
「恐らく、それも“魔境”とやらの恩恵かもしれんな。ともあれ、この道幅だ。一列になって進むほかはないだろう」
 物理的にそうするしかない以上、ハンターたちは一も二もなく隊列を修正。
 しかし直後、ハンターたちに制止の声がかかった。
「少し待ってもらえるか。調べておきたいことがある」
 何かがあってからでは遅いからな──と、久延毘 大二郎(ka1771)が手を上げた。
 青年が取り出したのは、魔導短伝話とトランシーバー。彼は通信手段の確保を試みようと幾つかやり方を試し、結果として魔導短伝話が使用できないと言う事実を手に入れた。
「魔導短伝話が使用できない状況にはいくつか理由があるが……覚醒者自身のマテリアルと神霊樹のネットワークをリンクさせて使用する原理そのものが、この空間では何らかの手段で“禁止”扱いされている恐れが一つ」
 神霊樹はそもそもそれを基幹として分樹同士がリアルタイムで情報を同期するネットワークシステムを持つ。
 それ故に、そこを通した情報は全てライブラリに通じてしまう恐れも否定できない以上、それをこの区域──ないしは王立図書館全体が、シャットアウトしている可能性があると言うこと。
「そしてもう一つ。周囲および使用者のマテリアルの状況。両方の可能性もあるが、先ほどエアハート君が感じた“異変”は恐らくこれに類するものだろう」
 大二郎の説を受け、なるほどと誠堂 匠(ka2876)が呟く。
「図書館外観の距離と、ひとつ前のフロアを歩いた時、既に距離が一致していなかった。マテリアルに強力な歪みが発生している確率は低くなさそうだ」
 こくこくと頷く柏木 千春(ka3061)。幼い少女がそれを正しく理解したかどうかは別として。
「つまり、トランシーバーを持って来てよかったってことですよね!」
 ほっこりとした笑みを浮かべ、少女はそう言った。



 罠に警戒する──と一口に言っても、具体的にどう警戒するかで大きな差が出たのは間違いない。
 何せ、そのフロアには光がないのだ。
 それぞれのライトの光をもって暗闇を少しずつ暴きながら進んで行くしかない。
 区域には落とし穴、毒矢、混乱や睡眠を誘う術が貼られた罠などが仕掛けられており、かわすことが出来たもののそうでないものもあった。

 槍で床や壁や天井を叩き安全確認したはずの場所へ一歩足を踏み出したウィンス。
 その姿が、突然ジュードの目の前から消失した。
「え!? ウィンスさん!!」
 直観視は何かを“見て”初めて違和感を示すことが出来る。故に、“見えなければ力は発揮されない”。
 真っ暗闇を可能な範囲で照らしながら、同時に狭い通路幅の都合で身長的にも比較的似通ったウィンスの後を進むしかなかった状況だ。結果として、ジュードの「視界」は、物理的に怪しいものを捉えられず、仕掛けに気付けなかったのも仕方がないことだ。
「また落とし穴か? さっきから良くハマる坊やだな」
「だが、それならまたすぐ穴からロープの先が飛んでくるだろう。……肝心の穴は、見当たらないが」
 小馬鹿にしたような トライフ・A・アルヴァイン(ka0657)に、クローディオが生真面目に応じる。だが、件の少年からの反応はない。歩みを止め、あちこちを照らすと事態の原因が漸く見えてきた。
「なにこれ……魔法陣の、端っこみたいな」
 ジュードは目を凝らす。十字路の四辺、四隅に古びて消えかかっているがなんらかの痕跡があった。
「こんなもの常套手段だろうに」
 遅々として進まない探索と、“自分なら見抜いていただろう罠”にハマった少年を嘆き、トライフは大仰に息を吐いた。その直後だ。
『クソッ─────等だ────!!!!』
 微かだが、どこからともなく怨念めいた声が届いた。
 聴覚を研ぎ澄ませていたユーロス・フォルケ(ka3862)だけでなく、探索者たちは皆それに気が付く。
 トライフの嘲りが彼に聞こえた訳もないのだが、何処にいても解りやすい少年だ。
 その叫びに確信を得て、千春がパッと顔を輝かせた。
「今のウィンスさんの声ですよね! よかった!」
 ──死んでなくて、という意味だろうか。
 素直に彼の生存を喜んだらしき千春が手を合わせて微笑む。
「ウィンスさん、聞こえるかな? 状況を教えて欲しいんだ」
 冷静に匠がトランシーバーを握る。すると、
『気付いたら妙な所に……クソッ……まどろっこしい真似しやがる』
 返答があった。間違いなくウィンスだろう。
「良かった、その様子だと怪我はなさそうかな」
『……ああ。ともかく、ここは少し開けてる。一応、この広間のことは俺が調べておく』
 ブツッと、そこで通信は途絶えた。素直に「皆が来るのを待ってるね」とでも言えればいいのだが。
 ともあれ、これではっきりしたことがある。
 ウィンスが消失したポイントには、間違いなく“歪み”がある。
 そしてウィンスの現在地はハンターたちのいる場所から半径500m以内の場所であるということだ。
「まぁ、この暗がりでの探索だからな」
 このような事態も仕方あるまいとフォローを入れるクローディオの傍らで、匠が冷静に分析を続ける。
「この世界には転移門なんて物がある。この手の罠は、少なくないと見てよさそうだ」
「ともあれ彼を1人で放っておくのもまずい。この暗がりを手探りで進むより、彼と同様に“歪み”を介した方が早そうだと思うが?」
 ここまでの罠の傾向から、一つの魔法陣が異なる機能を備えていた例はなかった。
 現状の材料から推察したうえで、ハンターたちは大二郎の提案に首肯した。

 ジュードは小さく息を吐き、視神経を尖らせたまま足を踏み出す。
 瞬間、足先からマテリアルが解けるように光を発し、瞬く間にジュードの気配が消えた。
 ここまでは先のウィンスと同様だ。続いてクローディオ、匠、そして──直後、無線に反応があった。
『待って、その“歪み”、なんか違う!』
 強い警戒色を含んだジュードの声。大二郎がそれを受け、話の先を急かす。
「どうした?」
『ウィンスさんは周囲に居ないし、それに……』
『“俺”が何だ? 周りには何の気配もないが』
『えっ、あれは、ゴーレム……!? 気をつけて、危な──……』
 混線する通信。そのなかで、ジュードから最後に告げられた名に緊張感が奔る。
「ジュードさんたちが……! は、はやくいかなきゃです!」
 すぐさま彼らを助けに行こうと考えたのだろう。
 千春が慌ててその場所に足を踏み入れようとする傍で、トライフだけは微動だにせず留まっている。
「転移先のポイントが変わった。……切替条件は、何だ」
 わからない。だが、ひとまずジュードたちがゴーレムと出くわしたのだろうことは最後の通信から把握できる。
 千春が、大二郎が、ユーロスが次々飛び込んで行くのを横目に、最後までその場に残ったエリオットが問う。
「トライフ、お前は行かないのか?」
「少し考え事をしている。どうせ俺の到着が10秒速かろうが遅かろうが、戦局に大差はない」
「確かに、屋内戦闘は多人数だと動きづらい事もあるからな」
 応じ、エリオットも消えて行った。まぁ、トライフが言ったのはそういう意味ではないのだが。
「さて……」
 遠くから聞こえる音を確認し、ややあってトライフは目の前の陣に足を踏み入れた。
 直後、青年の体に強烈な圧や浮遊感が繰り返し押し寄せてくる。
 不慣れな者ならマテリアル酔いでも起こすだろうその波に身を任せ。
 やがて、トライフはゆっくりと瞼を開けた──。



「……結局来たのはお前だけかよ、《役立たず》」
 広間の中央、一帯を調査していたウィンスが気配に振り返ると、そこにはトライフが居た。
「なるほど」
 トライフは懐から取り出した煙草に火をつけると、肺の奥までそれを吸い込みたっぷりと息を吐く。
 先ほど匠が指摘した“転移門”を例と捉えるなら、出口には条件がある可能性が高い。身体的条件なら、ウィンスと背丈も重量も同程度のジュードに反応しただろう。だが、ジュードは真っ先に別地点に飛ばされた。かたや自分とウィンスとが同じ地点に出た訳は? 共通点も、さしてない。
 ──時間単位でポイントが切り替わる類か。いや、或いは元より利便性を考えたうえの区内転移装置かもしれないが。
 ウィンスと同じ場所に出る保証はまるでなかったが、ここまでの探索状況から“この程度の罠なら自分ひとりでも切り抜けられる”という認識──というより確信──がトライフにはあった。それに、そもそも一人でトラップにかかったのには“ある理由”がある。
 周囲には書架に整然と並ぶ禁書。周囲には警戒するべき国の人間、つまりは騎士団長も居ない。
 いい機会だ──と、内心ほくそ笑む。
「なぁ、この周囲の書架はどういった分野の蔵書を保管している?」
 敢えてトライフは遠回しな問いをウィンスに投げた。
「いや……まだそれは見てねえ。とりあえず罠の類はなさそうだが」
 そんな返事に目を細めると、上がる口角を隠すよう煙を吐いて、少年を“誘う”。
「この周辺はどの分野の保管区域なのか、探っておいた方がマッピングの役に立つだろう。誠堂が、確かその辺りの情報を纏めていたはずだ」
「まぁ、そうだな。背表紙から推測するくらいは……」
 本来この“禁書区域”という場所の目的を察するに、下手に書物に手を出すのは避けるべきだとウィンスは正しく理解していた。何かしらの罠があるに決まっているからだ。
 だが、トライフの言うように、禁書区域の情報開示も今後の探索を有利にするために必要だろう。
 しばし思案していたウィンスだが、渋々“トライフの口車”に乗せられ、周囲の書架へと近づいて行く。
 非常に気に食わなくはあるが、ここに至った経緯が経緯だ。
 他の探索者と合流するまでにやれることはやっておけば効率的だ、などと理由を並べ立てた結果でもある。
「なんだこれ、暗号かよ。こっちのは……クソ、掠れて読めねえ」
「表紙まわりが駄目なら中を見ればいい」
 指差すトライフに「だから、下手に触るのは……!」とウィンスが反論したそこへ──
「二人とも、お待たせ!!」
 ジュードの明るい声が広間に響き、他の探索者らも続々と現れた。
「……何をしていたんだ」
 書架の蔵書に触る触らないを巡ってああだこうだとやっていた二人にクローディオが溜息をつき、気付いたジュードが「うーん」と唇に指を当てる。
「ウィンスさん……ここの本、あんまり触らない方がいいかもだよ」
「あ? 別に、触りたくて触ろうとしてたわけじゃねーっつーか俺は触りたいとも思ってねえ!!」
 少年の声量がクレッシェンドする。言っててだんだん怒りが湧いてきたのだろう。
 こいつが! とトライフを指差すウィンスだが、当の青年は騒ぎに無関心な様子で煙草をふかすばかり。
「ウィンス。無鉄砲も良いが、命を落としても文句は言えんぞ」
「だぁから、俺じゃねえって言って──」
「命を落としても……ね」
 噛みつくウィンスを遮るように、トライフは冷ややかな目で騎士を見上げる。
「リスクヘッジ、とやらか」
「……ここは、“封印された本の置き場”だ。意味は解るだろう?」
 禁書の知識はその欠片でも十分金になる。トライフが、此度この依頼を受けた背景にはそれが多分に絡んでいた。
 確信したうえで一人“歪み”を踏んだ理由も、そこにあったのだろう。
「術者に封印を解かせなければ中を読めない。それならば“盗むな”の一言で事足りるわけか」
 ──命を懸けてまで触るつもりは毛頭ないな。
 この手の話は楽して稼げることに意味があるのだから。

 ハンターたちは、広間の“ひとまずの安全”を確認すると、しばしの休息を取りながら、ここまでの情報を共有する運びとなった。
「で、ゴーレムとやらは?」
 先ほどまでのやりとりで疲弊したのか、ぶすっとした顔でウィンスが訊ねる。
「周辺の蔵書を確認したところ、法術関連エリアとは大分離れた場所だったからな。状況的に相手にするのは得策じゃないと踏んで撤退した」
 クローディオの話にユーロスが首肯し、状況を思い返すように語る。
「まぁ、ゴーレムのやつ、結構すぐ元の場所に引き返して行ったしな」
「はい。きっと、あの周辺にある何かを守っているんだと思いますけど……今はそれが目的ではないですし、ね」
 千春が、クローディオからもらった菓子の包み紙を持ったまま、小さな拳をきゅっと握りしめる。
「……さて、多少は糖分の補給も出来ただろう。皆、準備はいいな」



 ここまでの間で特別“武力”が必要な何かはゴーレム以外に存在しなかった。
「ここまで静かだと、何をもって“優秀な戦士の挑戦”が求められたのか、いまいちよくわからん」
 暗闇にも慣れた頃か、飽いた様子のユーロスが退屈そうに言うと、大二郎の声が響いてくる。
「とはいえ、恐らくタブレットには何らか守護者がいるのではないかと予測している」
「それはそうと、ここに禁書を入れる時はどーしてんのかね」
 大二郎とユーロスの会話を耳にしていたクローディオが「そういえばそうだな」と顎に手を当てる。
「実際、ここまでは特に危険な対象と交戦するような事態にはなっていない」
「ってことは……“罠を知っている者”なら、さして苦もないのかもしれないな」
 首肯し、再びユーロスは黙々と皆の後を着いていく……が、その時に気が付いた。
「いや、待てよ。じゃあなんで、今日ここに“罠を知ってるやつ”は同行しないんだ?」
 手間を省けるし、俺たちが危険を冒す必要はないだろう──その言葉にエリオットは苦い顔をしている。
「禁書級の蔵書など頻繁に発行されるものではないし、随分古い建物だ。現代の人間には未知も多分にあると聞く。それに、そもそもだ」
 言葉を区切り、息を吐く。
「“知っている者が同行しなかった理由”が、我々の目指す物にはあるんだろう」
 そして思い至ったのだろう。ユーロスは眉を寄せ、騎士団長を睨みつけた。
「随分のんびりしてんだな。これまでに何人死んだと思ってんだ」
 厳しい面持ちの少年が痛烈な批判を繰り出した、その時。
「話の最中すまないが、どうやらここが……」
 描きつけた地図に光をあて周囲の状況と重ね合わせると、大二郎が確信を持って宣言した。
「法術と教会関連図書のエリアのようだぞ」



 ハンターたちは周囲を確認し、ここまでに得た情報と経験をもとに、要領よく罠を解除していく。周辺には自動で襲いかかるゴーレムや、その他敵性生物等の気配もなく、可能な限り手分けして探索を開始することとなった。
「エリオットさん、ちょっと……」
 壁際の書架を調べていた匠が騎士団長の名を呼んだ。
「これ、どう思います?」
 匠が床を照らす。光の中に現れたのは、書架底面と床の間に挟まる小さな布切れだった。
 なぜ、こんな所にそんなものが挟まっているのだろうか?
 だがそんな匠の意図とは異なる雰囲気で、エリオットが硬く沈黙していることに気付く。
 様子がおかしい──。
 今はまだ他のハンターたちは、周辺に散開している。今ならば、問えるのではないかと思った。
「あの……一つだけ、聞かせて下さい」
 声色に変化に気付き、エリオットが顔を上げた。
 先のテスカ教団拠点制圧失敗による撤退から間を置かず、国のキーマンであるエリオット自らが禁書区画へと突入した事実。これをもって、匠はテスカ教団に関する出来事と、禁書区域に求める物との関連性に気がつくことができた。
 匠自身、一連の事件を追う中で彼が先の教団にどれほどの警戒心を抱いているかも十分把握している。だが……
 ──それでも、エリオットさんは“情報を明かさない”。
 歯がゆく思えど、匠はそれを急かすことも、不審に思うこともしなかった。
 「それには相応の理由があるんだろう」という考えに至れる知性が、彼にあったからだろう。
「碑文が手に入れば、件の教団を止められますか?」
 漸く絞り出されたのは、願いにも似た問いだった。
 エリオットは、匠が賢い男であることを強く理解している。
「……ああ」
 だからこそ、諦観の息を吐いた。
「お前をここに連れて来て正解だった。……だが、同時に“連れてくるべきではなかったとも後悔している”」
 騎士は“床の布切れ”を毟り取ると、それを懐に仕舞い込んで立ち上がる。
「あの少年……ウィンスも恐らく気付いている。この国にはお前たちのような者が必要だ。だからこそ……」
 エリオットは、隠すことなく真っ直ぐ匠に“依頼”した。
「頼む。“今は、これ以上を知らないで欲しい”」
 恐らくは騎士の言う本質的な意図も含めて、匠は確かに首肯した。



 匠が発見した仕掛けをもつ書架。その書物を引き抜いた奥にはスイッチのような物があり、触れると二つの書架が鈍い音を立てて動き出した。巨大な石が摺るような音を立て、書架が観音開きに奥へ続く道を開けてゆく。
「なるほどねー。こんな仕掛けがあった訳かぁ」
 期待に満ちた瞳を輝かせるジュードが開かれた扉の奥を照らそうとライトを向け、そして……
「あ……!」
 自然、千春が声を上げた。
 暗闇に目の慣れたハンターたちにはひどく眩しく見えたのかもしれない。
 続く道の先、がらんとした広間の中央にたった一つ“それ”は座していた。高さ約2m、横幅1mほどもある巨大な緑柱石──それは、茫とした緑色の仄明かりを纏い、静かな眠りについていたのだろう。
「エメラルドの光……もしかして……」
 咄嗟に足を踏み出そうとした千春の華奢な肩にクローディオの右手が触れる。
「落ち着け、宝物庫にはトラップが付き物だ」
「そ、そうでした……! 慎重に、いきましょう」
 部屋の中央、緑柱石自体がなぜか淡く発光していることが気にかかりつつも、それが目当ての物であろうことは程無くして解った。
「また光ったぞ。なんだ? さっきより随分強い」
 クローディオが口元に手を当て、思案する。
 ハンターたちが部屋に一歩足を踏み入れた途端、目に見えて輝きを増したのだ。
「エリオットさん。もしかして、あの石の中央に光ってる模様って……」
 千春がおずおずと尋ねる。
「エクラ教信者の巡礼の旅路と似た形状をしていると──そう言いたいんだろう」
「……えと……はい」
 正直根拠はないが、地図で見た模様が自然重なり合ったのだ。
 小さくも確かな首肯。それを受けて、騎士が探索者全員に告げた。
「ここまでの探索、感謝する。探していた物は“これ”だ」
 なぜ、見たこともない探し物を特定できたんだろう? もしかして──
 そんな千春の疑問をよそに、ジュードが「よかった!」と手を合わせて微笑む。
「随分大きくて申し訳ないですけど……貴重品だし、エリオットさん持ってもらえますか?」
 提案に応じ、エリオットが石に触れた──まさに、その瞬間。
 先程までとは比にならない強烈な光が放たれ、探索者たちの目を晦ませた。
 後方で人の影になったこともあり、すぐ立ち直ったユーロスがいち早く“その事実”に気付く。
「おい……あれ、なんだ?」
 巨大な石碑は既に騎士が抱きかかえているが、代わりにその石碑が置かれていた場所にぼんやりと光る“人の形をした何か”が、宙を漂うように姿を現していた。
「……まさか、あれ」
 重なる。“あの子”の闇と──それに千春が動揺を見せる。
「そんな事より、目的の物は回収できたんだろう?」
 俄かに揺らぐ広間の中央で、トライフはひとり溜息をついて踵を返した。
「逃げられる相手は極力相手にしない……だったな」
 皆の意識を“それ”から引き剥がすようにクローディオが告げ、それを受けてジュードが声を張る。
「皆、撤退しよう──!」

 仲間に倣って走り出した千春には、その正体がおぼろげに理解できてきていた。
「あれ……誰かの“幽霊”、だったりするのかな」
 あの日、あの時の夢が、少女の脳裏に浮かんで消えない。
 自らが出会った少女。その亡霊のことを思い、千春は呟く。
「実際、北方動乱でもそんな話があったらしいな。亡霊型の歪虚もいる以上、頭ごなしに否定はできん」
 千春の横を並走しながら大二郎が嘆息する。
 探索者たちは計画通り、敵を相手取るより先に緑柱石の間から離脱……したのだが。
「追いかけてくる!!」
 書架の間を駆けながら、最後尾のユーロスが声を張る。亡霊が部屋を出てもなお追ってくるのだ。
 直後、彼らを後方から襲ったのは途方もなく強烈な光の波動だった。
 先程まで石から放たれていたものとは“全く異質の光”。それは、周囲のあらゆるものに衝撃を与えてくる。
「……まさか、セイクリッドフラッシュか?」
 衝撃を受け止めたクローディオには、その力の質がすぐに理解できた。自らが常日頃操る法術の一つにひどく似ていたからだ。
 だが、問題は別の場所にあった。光の波動が放たれた直後、周囲の書架に収められていた本が衝撃に潰され、古く脆いものなどはその場で崩れ、粉微塵と化してしまったものもある。何らかの封印によって、危険があれば自損するようになっていたのかもしれないが。
 ともかくその光は亡霊から約10m以内にあるすべてのものに衝撃を与えたのだ。この一度で潰えた情報は如何ほどだろうか。
 あの緑柱石がどういう経緯でここに保管されているかは不明だが、元より“タブレットの守護者”なるものの存在は予想できなくはなかった。そして同時に“それが本を破損させない存在だ”という根拠もなにひとつなかったのだ。
 つまり“守護者を放置したことによる結果”もある程度は想定の範疇だっただろう。
「悪いが、これ以上この区域の貴重な書物を無駄にさせる訳にはいかない」
 探究者としての強い想いからか、これ以上は看過できないと大二郎が立ち止まった。
「先の一撃で、この一帯は絶望的だろう。それであれば、この場を利用して戦うか、あるいは──」
「さっきの部屋に押し戻すか、だな」
 匠も即座に身を翻し、クローディオも亡霊を正面に見据える。
「どちらにせよ、まずは動きを鈍らせるよ──!」
 すぐさまジュードが矢を番え、放つ。青白い光の円環を纏い、標的に突き立ったように見えた。だが、それはもともと行動を阻害するものの行動不能にさせることは出来ない。故に、それが亡霊に効いたのかは正直解らなかった。
 それでも、千春は手を重ね合わせて祈り捧げる。
「もう、ここから先は通しません……!」
 少女を中心に柔らかな光が壁のように出現。千春の結界が解けない限り、或いは亡霊が突き破らない限り、先に進むことはなくなった。これ以上書物の被害が拡大せずに済むのだから、不安材料の一つが消えたと言ってもいい。
 それを見届けたユーロスだが、しかし未だ都合が悪そうに自らの髪を掻く。
「部屋につり出そうにも、あいつタブレット以外に見向きもしねえ」
 まるで騎士の持つ石に引き寄せられているようだ。ウィンスのソウルトーチにも反応がない。
 それに気付いたユーロスは、石をもった状態で騎士が部屋の奥に向かうよう依頼。つられた隙をついてウィンスが槍を突き出し、大二郎の風刃が放たれ、最後にユーロスの斬撃が重なるも、物理攻撃は余り手ごたえがない。
「亡霊ということは暴食の歪虚か? まさかタブレットが核だなんてことは……」
 クローディオの言葉に反応し、ジュードは亡霊とタブレットを交互に見やる。
「ううん、違う。タブレットとは異質すぎるよ。でも、そもそもこれって歪虚じゃないような……?」
 それとほぼ時を同じくして、匠が“それ”に気がついた。
「今、一瞬光が屈折した? ……タブレットがあった場所だ」
 暗闇の中、タブレットが鎮座していた場所に光を当てると、不思議と光が屈折するのが見える。
 タブレット取得の際それに気付けなかったのは、それが“限りなく透明に近い石”だったからだろう。
「あれは……クリスタルの台座?」
「エメラルドから放たれた光で、見失っていたのか」
 目を凝らすジュードの呟きに、大二郎が感心したように息を吐く。
 そこには、台座らしき透明なクリスタルがあった。
「ともかく、勿体ないけど壊しちゃうよ。いいよね……!」
 暗闇にひっそり残されたそれを目がけ、ジュードが再び矢を番える。刹那、それに気付いた亡霊がジュードへ多数の光の矢を掃射するが、しかしクローディオがそれを“全弾自らの身体で受けとめて”完全に阻止。
 ──パキン、と。音が響くと同時、亡霊らしきものはまるで煙のように跡形もなく消失した。

 気付くのが遅くなればなるほど、彼らはこの場で消耗し、最悪力尽きていた可能性もある。先の亡霊の攻撃はその1撃が余りに強力だったからだ。だが“魔法生物に対し核を探す”行動にいち早く出た匠の判断が、速攻を決めて軽微な損傷で済ませられた最大の要因だろう。
 尤も、それが魔法生物だったかは、謎のままではあるが。



「やあやあ、ご苦労さま。……さ、早くそれをくれるかな?」
 禁書区域から一歩外に出ると、眩い光と正のマテリアルに満ちた“王国”でフリュイと憲兵達が待ち受けていた。
「まるで盗掘者扱いだな」
 冷めた目で一瞥するトライフを見上げ、少年領主はにやりと笑う。
「そんなことはないよ。まぁ、この時間で意味不明の記号を形状から順序まで万単位で違えず記憶できる人間がいたら、そいつは“盗掘者”扱いするけどね。君達は、そうじゃあない」
 当初、トライフは碑文の内容を記憶しようとしていたのだが、そこにはフリュイの言うように、びっしりと「見たこともない奇妙な記号」が羅列されていた。
 通常自分達が見聞きしている、あるいは知っている言語の文章を見て暗記することはある程度ならできるだろう。
 だが、見慣れない記号をそれこそ万単位、ひとつと違わず記憶することは“一般的な人間”に出来得る技ではない。
 無駄足を踏まされたことに途方もない徒労を感じながらも、これ以上は一文の得にもならないと悟るとトライフはさっさとその場を辞していった。



 その後、ハンターたちは騎士から任務終了の報せと感謝の意を受けると、其々に解散して行った。しかしそんな中、たったひとり騎士団長を呼びだした者が居た。
「あれは宝であると同時に、戦術的価値も持ってる。活かせるのは今しかない」
 呼び出した少年──ウィンスは、手元の槍を強く握ったまま告げる。
 少年の言葉はまさに、先の区域でエリオットが懸念した“それ”そのものだった。
「あれの解読が済み次第……王国は反撃の狼煙を上げる」
 静まり返った図書館の一室。少しずつ手がかり掴もうとする少年の顔は険しい。
「つまり“それをもって敵を釣る”――ってことは間違いないわけだ。……あんたらの釣り上げたいもんは何だ?」
 秘された何かに触れるよう慎重に、けれど深く切り込む少年の言葉には一切の容赦がない。
 だが、その率直さの中に僅かな焦りが滲んだのかもしれない。
 相手の出方を見据える少年の瞳は──
「ウィンス、お前……“誰かのシナリオ通り”になっていないか?」
 ──刹那、見開かれた。
 『──存外、つまらないね。君は』
 一言一句違えず、呪いのようにリフレインする。自らの芯を焼くような焦燥感。
 去りゆく騎士の背に、別の男の姿を見る。
「“踊らされるな”。……お前たちは“違う”んだ」
 放蕩貴族か、或いは“どこか似た別の男”か。
 強く、壁を叩きつける音だけが辺りに響き渡った。

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MVP一覧

  • 空を引き裂く射手
    ジュード・エアハートka0410
  • 大口叩きの《役立たず》
    トライフ・A・アルヴァインka0657
  • 黒の懐刀
    誠堂 匠ka2876

重体一覧

参加者一覧

  • フューネラルナイト
    クローディオ・シャール(ka0030
    人間(紅)|30才|男性|聖導士
  • 魂の反逆
    ウィンス・デイランダール(ka0039
    人間(紅)|18才|男性|闘狩人
  • 空を引き裂く射手
    ジュード・エアハート(ka0410
    人間(紅)|18才|男性|猟撃士
  • 大口叩きの《役立たず》
    トライフ・A・アルヴァイン(ka0657
    人間(紅)|23才|男性|機導師
  • 飽くなき探求者
    久延毘 大二郎(ka1771
    人間(蒼)|22才|男性|魔術師
  • 黒の懐刀
    誠堂 匠(ka2876
    人間(蒼)|25才|男性|疾影士
  • 光あれ
    柏木 千春(ka3061
    人間(蒼)|17才|女性|聖導士
  • たたかう者
    ユーロス・フォルケ(ka3862
    人間(紅)|17才|男性|疾影士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン ダンジョン攻略会議室
ジュード・エアハート(ka0410
人間(クリムゾンウェスト)|18才|男性|猟撃士(イェーガー)
最終発言
2016/03/04 03:59:04
アイコン 質問卓
ジュード・エアハート(ka0410
人間(クリムゾンウェスト)|18才|男性|猟撃士(イェーガー)
最終発言
2016/03/04 19:32:56
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/02/29 23:56:59