ゲスト
(ka0000)
狼雑魔討伐作戦6:狙われる街道沿いの集落
マスター:なちゅい

- シナリオ形態
- シリーズ(続編)
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,300
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/11/21 12:00
- 完成日
- 2016/11/24 22:42
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●優先させるべきは……
王都イルダーナ。
聖堂教会の総本山があるこの地は多数の巡礼者が訪れているのだが、その巡礼者が旅路において、どす黒く、大きく体躯を膨らませた狼雑魔から襲われる事件が起こっていた。
その討伐依頼を受けたハンターや、本格的にその対処に乗り出した聖堂戦士団により、狼の討伐が繰り返されている。地道な討伐作戦を重ねたことで、狼雑魔の数は徐々に減ってきていた。
前回の作戦において、ようやく間近でボスの姿を捉えることに成功したハンターと聖堂戦士団所属、ファリーナ・リッジウェイ。彼らはボスとの交戦にまでこぎつけることは出来たが、仲間を呼び寄せられたことで逃がしてしまった。
「現状、聖堂戦士団としても、狼雑魔の数を少しずつ減らしているところです」
イルダーナのハンターズソサエティにて、ファリーナがハンター達へと語る。
末端の団員達も戦闘経験を少しずつ積んでいることもあり、小型狼などとはいい戦いが出来るようになっている。数人がおびき寄せて囮となり、その後大人数で攻め入って叩くなどし、彼らは確実に力をつけてきていた。
「私達の作戦もあって数が減り、狼も思うように行動できなくなってきているのでしょう。街道をゆく巡礼者への被害がかなり減ってきています」
だが、それにより、ボスも焦りを覚えたものと思われる。どうやら、普段巡礼者が宿として利用する街道近くの集落南側に現れ、その集落が狙われているのだという。
群れの数は、普段狼が構成する群れよりもやや多いくらいだ。ボス狼は遠方からそれを見守ることとなるのだろう。
「いつものように、三つ首のボスは現場に姿を現していないと思われますが、狼の数が減っているこの状況です。ボスは他の狼達から比較的近い位置に陣取って、戦況を確認するものと思われます」
集落には、ハンターズソサエティも存在する。ハンターが転移門でこの集落に移動するのであれば問題なく出来そうだ。
ただ、聖堂戦士団は転移門の利用が出来ない者も多いこともあり、比較的近場で狼雑魔と交戦していた2小隊が街道から集落に入り、その南側へと展開することになった。
だが、先の討伐作戦において、両小隊長が怪我を負ってしまったのだという。この為、2小隊の指揮権は、狼雑魔との交戦経験を最も積んだファリーナに託されたそうだ。思わぬ大役を任されたファリーナは、やや緊張してしまっている。
「できるだけ、私達も尽力しますが……。おそらく、雑魔を抑えるだけで手一杯かと思います」
ファリーナら聖導士達は、人命優先で行動する。その為、防戦一方で集落民を護ることとなるだろう。彼らも以前より力をつけているはいるが、大型が数で攻めてくると、彼らの力では集落を護りきれない可能性も大きい。
「こういう状況ではありますが……、皆さんは皆さんが決めた作戦で、この事態を改善していただければと思います」
戦況は、ハンター達の行動如何で大きく変わると思われる。集落民の命を最優先で立ち回るか。今回も雑魚狩りをすることで、次回に繋がるようにするか。いっそボスを直接狙い、ここで憂いを完全に断ち切ってしまうか……。
「それでは、よろしくお願いいたします……!」
ファリーナは両手の拳にぎゅっと力を入れ、狼雑魔の対処についてハンター達に助力を請うのだった。
王都イルダーナ。
聖堂教会の総本山があるこの地は多数の巡礼者が訪れているのだが、その巡礼者が旅路において、どす黒く、大きく体躯を膨らませた狼雑魔から襲われる事件が起こっていた。
その討伐依頼を受けたハンターや、本格的にその対処に乗り出した聖堂戦士団により、狼の討伐が繰り返されている。地道な討伐作戦を重ねたことで、狼雑魔の数は徐々に減ってきていた。
前回の作戦において、ようやく間近でボスの姿を捉えることに成功したハンターと聖堂戦士団所属、ファリーナ・リッジウェイ。彼らはボスとの交戦にまでこぎつけることは出来たが、仲間を呼び寄せられたことで逃がしてしまった。
「現状、聖堂戦士団としても、狼雑魔の数を少しずつ減らしているところです」
イルダーナのハンターズソサエティにて、ファリーナがハンター達へと語る。
末端の団員達も戦闘経験を少しずつ積んでいることもあり、小型狼などとはいい戦いが出来るようになっている。数人がおびき寄せて囮となり、その後大人数で攻め入って叩くなどし、彼らは確実に力をつけてきていた。
「私達の作戦もあって数が減り、狼も思うように行動できなくなってきているのでしょう。街道をゆく巡礼者への被害がかなり減ってきています」
だが、それにより、ボスも焦りを覚えたものと思われる。どうやら、普段巡礼者が宿として利用する街道近くの集落南側に現れ、その集落が狙われているのだという。
群れの数は、普段狼が構成する群れよりもやや多いくらいだ。ボス狼は遠方からそれを見守ることとなるのだろう。
「いつものように、三つ首のボスは現場に姿を現していないと思われますが、狼の数が減っているこの状況です。ボスは他の狼達から比較的近い位置に陣取って、戦況を確認するものと思われます」
集落には、ハンターズソサエティも存在する。ハンターが転移門でこの集落に移動するのであれば問題なく出来そうだ。
ただ、聖堂戦士団は転移門の利用が出来ない者も多いこともあり、比較的近場で狼雑魔と交戦していた2小隊が街道から集落に入り、その南側へと展開することになった。
だが、先の討伐作戦において、両小隊長が怪我を負ってしまったのだという。この為、2小隊の指揮権は、狼雑魔との交戦経験を最も積んだファリーナに託されたそうだ。思わぬ大役を任されたファリーナは、やや緊張してしまっている。
「できるだけ、私達も尽力しますが……。おそらく、雑魔を抑えるだけで手一杯かと思います」
ファリーナら聖導士達は、人命優先で行動する。その為、防戦一方で集落民を護ることとなるだろう。彼らも以前より力をつけているはいるが、大型が数で攻めてくると、彼らの力では集落を護りきれない可能性も大きい。
「こういう状況ではありますが……、皆さんは皆さんが決めた作戦で、この事態を改善していただければと思います」
戦況は、ハンター達の行動如何で大きく変わると思われる。集落民の命を最優先で立ち回るか。今回も雑魚狩りをすることで、次回に繋がるようにするか。いっそボスを直接狙い、ここで憂いを完全に断ち切ってしまうか……。
「それでは、よろしくお願いいたします……!」
ファリーナは両手の拳にぎゅっと力を入れ、狼雑魔の対処についてハンター達に助力を請うのだった。
リプレイ本文
●本腰を入れた狼雑魔に……
グラズヘイム王国の東の街道。
この周辺に出没する狼雑魔がとある街道沿いの街に狙いを定め、その南側に陣取っている。
「南っかわに現れた狼雑魔達をやっつける為に、打って出るよ」
「先日役立てなかった分、今回は暴れさせて貰うとするかのう」
そう主張する夢路 まよい(ka1328)は張り切り、バリトン(ka5112)も前回の作戦で思い通りに動けなかったからと腕を鳴らす。
8名のハンターと聖堂戦士団員10数名は狼の対処をすべく、この場へとやってきていたのだ。
「最近は随分と狼が多い気がしますね。集落へ行かれると困ります。出来る限りはここで止めましょう」
「集落を襲うなんて、なんだか、切迫している強盗みたいですね」
アメリア・フォーサイス(ka4111)の言葉に、アシェ-ル(ka2983)が首を傾げる。果たして、狼雑魔がここまでして人を襲う理由ってなんだろうか、と。
「なんか、やっつけてもやっつけても、きりがないな~」
それだけ、ボス三つ首もまた幾度も狼らを襲わせてきている。まよいのように辟易としてしまうのは仕方がない。
「それにしても、やっと効果が目に見えてきたのう」
バリトンはこれまでの戦いをふと思い出す。幾度も群れを叩いてきたおかげで、敵も本腰を入れたのかもしれない。
「たくさんやっつけといたら、今度ボスを倒すとき、雑魚が邪魔でボスを取り逃がす、ってこともなくなるかな?」
まよいの言葉に、バリトンが頷く。
「こうやって何度も集落を狙われては困る。さらに数を減らし、ヤツの手足を減らすとしよう」
今回現れる狼も集落にたどり着く前にやっつけちゃえばいいと、まよいは前向きに考えていたようだ。
「んー、まあ今回は集落民を助けるのがメイン。ボス狼が出てきても、無理に追わない方針でいこうかなー」
「とりあえず、集落の人、全員が無事に助かるように、私も頑張ります!」
ボス狼に対しては、行きたい人が行けばいいとアルスレーテ・フュラー(ka6148)は主張する。アシェ-ルは拳を握り、意気込みを見せていた。
そのそばでは、天央 観智(ka0896)が嘆息している。
(本当は、住人の命も、生活も……護りたかったんですけれどね。まぁ、命を護る方向へと作戦は誘導できましたが……)
これ以上、人々の生活に大きな被害を及ぼすわけには行かぬと、彼は出来る限り力を尽くす。それに合わせ、住民はもちろんのこと、聖堂戦士団団員、そして、自分達ハンターも誰一人犠牲としてはならないのだ。
「今回はよろしく頼むぜ」
共に肩を並べ、街を防衛する聖堂戦士団に対し、ヴァイス(ka0364) は挨拶を交わす。まだ、戦闘経験が豊富とは言えない聖導士達。しかも、隊長不在とあって、隊員は少し不安がっている。
「件の狼、か。目にすンのは初めてだが……、リッジウェイ」
「は、はい……」
同じく、初めて隊長の任を請け負うファリーナに、万歳丸(ka5665)が声をかける。彼女も緊張も最高潮の様子だ。
「――これは、狼煙だ。テメェらを散々苦しめた奴らに、応報してやろうぜ。なァ?」
「はい……!」
万歳丸の激励に応え、彼女は小さく頷いた。
●集落民の説得
いつ狼が攻めてくるか分からない為、メンバーは手早く準備を進める。
観智やヴァイスは魔導短伝話、トランシーバーの設定をして、仲間同士の伝達をスムーズなものとしていた。
「これ……使い方、大丈夫……ですよね?」
「大丈夫ですよ」
アシェ-ルはトランシーバーの周波数を合わせて差し出すと、ファリーナは頷いて受け取った。
「あとは、この集落の長に事情説明だな」
ヴァイスもそうだが、観智もそれを考えており、アシェ-ルと共にファリーナを連れて集落の長へと挨拶に出向く。
集落でも、長達が集まって会議をしていたところだった。彼らも事の重要性に困り果てており、ハンター達が駆けつけたことに関しては、助けに船といったところだったようだ。
そこで、ヴァイスが現状を語り、アシェ-ルが作戦内容を説明する。
「可能なら大きい建物、難しければ集落中心付近の複数の建物に、なるべく集まって避難してほしいのです」
アシェ-ルはさらに、住民達へと建物から出ない範囲で窓から見張りを依頼する。
「ここにいる聖堂騎士の皆や俺達ハンターが、絶対に皆を守る。だから、少しの間だけでもいい。恐怖に負けないでくれ」
ヴァイスはそうして、この場の人々を元気付ける。皆、完全には不安を払拭できないようだったが、このまま雑魔の脅威に怯えているだけではいかないと数人が立ち上がる。
「ハンター側の結論として……集落住民の生活よりも、安全を重視した作戦を展開する事に成りました」
観智は苦々しい顔をし、通達する。住民に不便、不自由を強いることになり、そのお詫びと生活を守る方向で、仲間を説得出来る名案が出せなかった……と。
自責の念からか、観智は状況によっては報奨金を返納し、仕事が出来ないこの時間の損害賠償などを訴える。
「実際……こういう立ち位置の集落ですし、経済活動等の復旧の為の呼び水……みたいな物も、要るでしょうし」
だが、集落の長は首を振る。
「奴らが根絶するならば、我々としても喜ばしいことだ」
現に、雑魔の出現で街道利用者は減少している。討伐によって人が増えるならば、我々にとってもプラスだと長は前向きに語った。
ある程度話も纏まり、メンバー達は作戦に向けて動き出す。
ハンターのほとんどと、ファリーナ率いる小隊1隊が街の南に向かう。残る1小隊をアシェ-ルが借り、街中で避難を行う人々の警護へと当たることになっていた。ヴァイスも南以外の方向からの奇襲に備えるようだ。
「慌てず、先日の訓練のことを忘れず、落ちついて対処せよ」
「奴らが自らを鍛えたのはこの日の為。だから、信じるぜ。テメェらをな!」
聖導士達を、バリトンや万歳丸が鼓舞する。ファリーナを始め、各員いつもと違うことを求められる状況に不安もあったが、迷いを振り払っていたようだった。
各自が所定の位置につき始めた頃。人の動きを察した雑魔達にも動きが見え始めた。
「……というわけで、今回の目的は、狼の殲滅っていうよりも集落の防衛、ね」
改めて、アルスレーテが今回の作戦を纏める。街の防衛と狼の撃退。深追いは禁物である。
南側から疾走してくる狼ども。アメリアがこの場にいない仲間に敵が動き出したことを伝達し、覚醒したハンター達もまた、迎え打って出たのだった。
●街道の街防衛戦
「狼さん、居ませんか~。居ないでいいですからね~」
アシェ-ルが声を上げ、巡回を続ける。街では、狼雑魔来襲の一報が届けられていた。
ヴァイスはそれにより警戒を強める。いつ、奇襲があってもいいように。
やってきた狼は大型7体、小型5体。少し多めだが、撃退できぬ数でもない。
「少し時間を稼いでもらっていいかな」
まよいは仲間にそう頼み、マテリアルを練り上げる。
エクステンドキャスト。広範囲に術を発動できる代わりに高い集中が求められる上、発動まで無防備になってしまう。
手前の狼はすでに、こちらの前線へと飛び掛ってきている。バリトンは馬に乗ったままで迎え撃ち、狼だけがいる状況なのを確認した後、斬龍刀を振り回す。
万歳丸は途中でバイクを乗り捨て、徒歩で接近していた。敵に向かって飛び込んだ彼は練り上げたマテリアルを炎に変え、向かい来る大型目掛けて殴りかかる。炎は敵にぶつかることで弾け、大型にかなりのダメージを与えていく。
観智は仲間と共に機動戦を信条として、立ち振る舞う。
(皆の無事が優先です。重傷などあってはならない……)
まだ、多くの敵が自分達の前方にいる状況ならばと、観智は紫色の光が伴う光の波を発して狼達の体を重力で潰そうとし、その動きを鈍らせる。
「皆さん、行きましょう……!」
初めて指揮する戦いに臨むファリーナ。彼女は敵に切りかかり、食らいつく狼を抑える。それを、後方の隊員が援護をする形だ。
出来る限り、敵から距離を取るアメリア。仲間が仕掛けるのを見計らい、彼女は魔導拳銃を発射し、射程ギリギリ付近にいる後方の敵を狙う。
「こちらは、私が止めます。先に前方の敵の排除を!」
アルスレーテはファリーナ隊の前に出て、小型へと鉄扇を叩きつける。前線を抜けようとしてくる狼を彼女は縮地で追いかけて叩く。
「できたよ。皆、離れて!」
まよいが仲間に向けて叫び、狼の群れ目掛けて重力波を展開する。それに狼達は潰されていく。小型2体が完全に潰れて無に帰してしまう。
もはや、狼雑魔との交戦も慣れたメンバー達。麻痺牙、毒爪は面倒だが、今回は聖導士達が癒してくれる。防衛に徹し、無理に攻めないスタンスもあって、いつもより楽な感すらあるくらいだ。
だが、そこで、万歳丸が首から吊るすトランシーバーが鳴る。他のメンバーも魔導短伝話が鳴った。
その内容は……、街の北に狼が現れたというものだった。
どこからか冷静に戦況を見ていたボス。
自らは戦線に出ず、大型2体に小型1体を街に狼を差し向けていた。
「行くぞ、ここを抜かれたら終わりと思え!」
その伝達を聖導士に任せて、ヴァイスは迎撃に出る。交戦場所は北の林が見える街の北側。彼は聖導士達を鼓舞しながら灼熱を纏い、狼達の気を引く。
「敵が居ても、慌てずに、です。防戦、継戦を意識して無茶しないでくださいね。必ず、ハンターの皆さんが駆けつけてくれますから」
トランシーバーでこちらの状況を伝えたアシェ-ル。彼女もこの場の聖導士達を落ち着かせ、自身の堅い守りを活かして前に出て囮役を買って出る。
「別に倒してしまっても……。あ、違う。援軍が来るまで持ちこたえるだけです」
自分達もこの場を抑えねばとアシェ-ルは魔導拳銃を構え、伸びる雷撃で狼を射抜いていくのである。
敵の動きはいつもと変わらない様にも見えるが、ボスからの命令がある為か、後方に広がる街を狙っているようだ。
自身よりも身の丈が大きい狼。アメリアは射線確保の為に少しずつ移動していたが、結局は敵に迫られる形となる。
「やらせませんっ」
アメリアは銃弾を連射して撃ち込み、弾幕の雨を浴びせていく。どうやら、スキル設定の問題があったらしく、彼女は出来る範囲で銃弾を狼雑魔に叩き込む。
「一匹ずつ、確実に数を減らしていきます!」
時折、彼女は通常攻撃によって、敵の頭を狙って引き金を引いていた。
「前線はハンターの皆さんに任せて、援護に徹してください!」
不安を抱いていたファリーナも、戦いとなれば凛々しく隊員に指示を飛ばす。体を投げ出してくる小型を切り裂いたファリーナは下がり、仲間に光を纏わせて援護も行っていた。
アルスレーテも敵に迫られる形となり、鉄扇「北斗」で敵の体当たりを可能な限り受け止める。時に受けてしまう麻痺や毒はマテリアルを練り上げることで取り去り、受けた傷をも癒していく。
「ん、癒してって? 気合でがんばって」
やや辛辣な言葉を仲間へと掛け、アルスレーテは抉るように大型へと鉄扇を突きつけていく。
孤立せぬように。それでいて、思わぬ攻撃を受けぬように。観智は冷静に戦況を見定め、冷気の嵐を敵へと浴びせかける。凍り付いていく敵の中には倒れ行き、霧散していく者もいるが、数が減っていけば援軍が面倒だ。
実際、大型狼は小型を呼び寄せる。未だに現れぬボス、三つ首の存在が気になるが、今はこの場の狼を倒すだけだ。
「南側にボスはおらぬようだな」
バリトンとしては、些か拍子抜けの事態ではある。だが、油断して狼を街に向かわせてしまうようでは、北で抑える仲間達に申し訳が立たない。
彼は斬龍刀で、大型を纏めて蹴散らさんとする。これによって、大型と小型各1体の活動を完全に止めてしまった。
「次、行くよ」
この場の死守を念頭に置いて戦うまよい。彼女は前線メンバーに声をかけ、冷たい氷の矢を飛ばす。その衝撃を受けた上、大型が体を凍りつかせる。
「ちったァ、歯ごたえみせなァ! 喰らいつくしちまうぜェェ!」
万歳丸はそいつの眉間へと拳を叩き付け、完全に活動を止めて滅してしまう。
その万歳丸目掛け、大きく口を開く大型がいた。だが、彼は冷静に対処し、そいつの牙を盾で防いだ後、勢いのままに投げ飛ばしてしまう。
数も減ってきていた狼。そいつらは揃って後ずさりを始める。
「テメェらを逃がす道理もねェ」
敵は北側にも現れたという。万歳丸はそのような小細工を巡らす敵に感嘆するも、それだけの相手ならば屠らねばならぬと、彼は鋭く目を光らせるのだった。
街の北側には、狼の増援は来ない。
それは、狼達が自分達の優勢を疑っていないからだ。ヴァイスもアシェ-ルも、聖導士や街の人々を鼓舞し、この場を支え続ける。
数も少ないこともあり、ヴァイスもそれほど戦況が厳しいとは思っていない。後方からの聖導士達の援護が実にありがたい。ヴァイスはマテリアルを魔導符剣に纏わせて大型狼の体へと斬りかかった。
アシェ-ルも冷気の嵐を起こして狼達の体を凍りつかせ、動きを止めようとする。
ただ、敵を倒すとなれば難しい。聖導士達と合わせて攻め込めば大型の1体は倒せたろうが、援軍を呼ばれて劣勢になっては元も子もない。
それでも、メンバー達の表情は決して暗くはない。なぜなら、南側の敵を迎撃した知らせが届いていたからだ。
「もう少しです……!」
「あと一踏ん張りだ、気合を入れろ!」
アシェ-ル、ヴァイスが肩を並べる聖導士達へとさらに呼びかけた。狼は多少攻撃を喰らったところで後退せず、牙と爪を光らせて襲いくる。
そこへ、南側の敵を撃退したハンター達と聖堂戦士団一隊が駆けつけてきた。劣勢に追い込まれた狼雑魔も怯んでしまい、北の森へと逃げ帰ってしまう。
結局、ボスがこの場に姿を見せることはなく。トータルで大型7体と小型7体を倒し、ハンター達は街の防衛に成功したのだった。
●雑魔の進行を凌いで……
狼雑魔による脅威がなくなったことで、集落民も、聖堂戦士団員も、ハンター達も安堵し、喜び合う。
「やるじゃねェか」
万歳丸が聖導士達やファリーナの背を叩く。彼女達は張り詰めていた緊張の糸が切れ、へたり込んでしまっていた。
「しかし本当に、歪虚は災害の中でも性質が悪いですね……」
アメリアは一息ついた後、狼が破壊した場所の補修の手伝いを行う。
観智は改めて長と話し、報酬を渡す話をしていた。集落の人達の不自由した鬱憤の吐き出しとして……戦勝祝い的な、お祭りなどしてみてはどうかと彼は提案する。
これには、集落民達も困ってはいたようだが、無償で雑魔退治を行わせたのは悪いと、半分の額だけ受け取ることにしたようだ。
ともあれ、集落民の不安が少なからず払拭された。後は……狼雑魔のボス、三つ首の討伐。それもさほど遠くはないと、ハンター達は実感するのだった。
グラズヘイム王国の東の街道。
この周辺に出没する狼雑魔がとある街道沿いの街に狙いを定め、その南側に陣取っている。
「南っかわに現れた狼雑魔達をやっつける為に、打って出るよ」
「先日役立てなかった分、今回は暴れさせて貰うとするかのう」
そう主張する夢路 まよい(ka1328)は張り切り、バリトン(ka5112)も前回の作戦で思い通りに動けなかったからと腕を鳴らす。
8名のハンターと聖堂戦士団員10数名は狼の対処をすべく、この場へとやってきていたのだ。
「最近は随分と狼が多い気がしますね。集落へ行かれると困ります。出来る限りはここで止めましょう」
「集落を襲うなんて、なんだか、切迫している強盗みたいですね」
アメリア・フォーサイス(ka4111)の言葉に、アシェ-ル(ka2983)が首を傾げる。果たして、狼雑魔がここまでして人を襲う理由ってなんだろうか、と。
「なんか、やっつけてもやっつけても、きりがないな~」
それだけ、ボス三つ首もまた幾度も狼らを襲わせてきている。まよいのように辟易としてしまうのは仕方がない。
「それにしても、やっと効果が目に見えてきたのう」
バリトンはこれまでの戦いをふと思い出す。幾度も群れを叩いてきたおかげで、敵も本腰を入れたのかもしれない。
「たくさんやっつけといたら、今度ボスを倒すとき、雑魚が邪魔でボスを取り逃がす、ってこともなくなるかな?」
まよいの言葉に、バリトンが頷く。
「こうやって何度も集落を狙われては困る。さらに数を減らし、ヤツの手足を減らすとしよう」
今回現れる狼も集落にたどり着く前にやっつけちゃえばいいと、まよいは前向きに考えていたようだ。
「んー、まあ今回は集落民を助けるのがメイン。ボス狼が出てきても、無理に追わない方針でいこうかなー」
「とりあえず、集落の人、全員が無事に助かるように、私も頑張ります!」
ボス狼に対しては、行きたい人が行けばいいとアルスレーテ・フュラー(ka6148)は主張する。アシェ-ルは拳を握り、意気込みを見せていた。
そのそばでは、天央 観智(ka0896)が嘆息している。
(本当は、住人の命も、生活も……護りたかったんですけれどね。まぁ、命を護る方向へと作戦は誘導できましたが……)
これ以上、人々の生活に大きな被害を及ぼすわけには行かぬと、彼は出来る限り力を尽くす。それに合わせ、住民はもちろんのこと、聖堂戦士団団員、そして、自分達ハンターも誰一人犠牲としてはならないのだ。
「今回はよろしく頼むぜ」
共に肩を並べ、街を防衛する聖堂戦士団に対し、ヴァイス(ka0364) は挨拶を交わす。まだ、戦闘経験が豊富とは言えない聖導士達。しかも、隊長不在とあって、隊員は少し不安がっている。
「件の狼、か。目にすンのは初めてだが……、リッジウェイ」
「は、はい……」
同じく、初めて隊長の任を請け負うファリーナに、万歳丸(ka5665)が声をかける。彼女も緊張も最高潮の様子だ。
「――これは、狼煙だ。テメェらを散々苦しめた奴らに、応報してやろうぜ。なァ?」
「はい……!」
万歳丸の激励に応え、彼女は小さく頷いた。
●集落民の説得
いつ狼が攻めてくるか分からない為、メンバーは手早く準備を進める。
観智やヴァイスは魔導短伝話、トランシーバーの設定をして、仲間同士の伝達をスムーズなものとしていた。
「これ……使い方、大丈夫……ですよね?」
「大丈夫ですよ」
アシェ-ルはトランシーバーの周波数を合わせて差し出すと、ファリーナは頷いて受け取った。
「あとは、この集落の長に事情説明だな」
ヴァイスもそうだが、観智もそれを考えており、アシェ-ルと共にファリーナを連れて集落の長へと挨拶に出向く。
集落でも、長達が集まって会議をしていたところだった。彼らも事の重要性に困り果てており、ハンター達が駆けつけたことに関しては、助けに船といったところだったようだ。
そこで、ヴァイスが現状を語り、アシェ-ルが作戦内容を説明する。
「可能なら大きい建物、難しければ集落中心付近の複数の建物に、なるべく集まって避難してほしいのです」
アシェ-ルはさらに、住民達へと建物から出ない範囲で窓から見張りを依頼する。
「ここにいる聖堂騎士の皆や俺達ハンターが、絶対に皆を守る。だから、少しの間だけでもいい。恐怖に負けないでくれ」
ヴァイスはそうして、この場の人々を元気付ける。皆、完全には不安を払拭できないようだったが、このまま雑魔の脅威に怯えているだけではいかないと数人が立ち上がる。
「ハンター側の結論として……集落住民の生活よりも、安全を重視した作戦を展開する事に成りました」
観智は苦々しい顔をし、通達する。住民に不便、不自由を強いることになり、そのお詫びと生活を守る方向で、仲間を説得出来る名案が出せなかった……と。
自責の念からか、観智は状況によっては報奨金を返納し、仕事が出来ないこの時間の損害賠償などを訴える。
「実際……こういう立ち位置の集落ですし、経済活動等の復旧の為の呼び水……みたいな物も、要るでしょうし」
だが、集落の長は首を振る。
「奴らが根絶するならば、我々としても喜ばしいことだ」
現に、雑魔の出現で街道利用者は減少している。討伐によって人が増えるならば、我々にとってもプラスだと長は前向きに語った。
ある程度話も纏まり、メンバー達は作戦に向けて動き出す。
ハンターのほとんどと、ファリーナ率いる小隊1隊が街の南に向かう。残る1小隊をアシェ-ルが借り、街中で避難を行う人々の警護へと当たることになっていた。ヴァイスも南以外の方向からの奇襲に備えるようだ。
「慌てず、先日の訓練のことを忘れず、落ちついて対処せよ」
「奴らが自らを鍛えたのはこの日の為。だから、信じるぜ。テメェらをな!」
聖導士達を、バリトンや万歳丸が鼓舞する。ファリーナを始め、各員いつもと違うことを求められる状況に不安もあったが、迷いを振り払っていたようだった。
各自が所定の位置につき始めた頃。人の動きを察した雑魔達にも動きが見え始めた。
「……というわけで、今回の目的は、狼の殲滅っていうよりも集落の防衛、ね」
改めて、アルスレーテが今回の作戦を纏める。街の防衛と狼の撃退。深追いは禁物である。
南側から疾走してくる狼ども。アメリアがこの場にいない仲間に敵が動き出したことを伝達し、覚醒したハンター達もまた、迎え打って出たのだった。
●街道の街防衛戦
「狼さん、居ませんか~。居ないでいいですからね~」
アシェ-ルが声を上げ、巡回を続ける。街では、狼雑魔来襲の一報が届けられていた。
ヴァイスはそれにより警戒を強める。いつ、奇襲があってもいいように。
やってきた狼は大型7体、小型5体。少し多めだが、撃退できぬ数でもない。
「少し時間を稼いでもらっていいかな」
まよいは仲間にそう頼み、マテリアルを練り上げる。
エクステンドキャスト。広範囲に術を発動できる代わりに高い集中が求められる上、発動まで無防備になってしまう。
手前の狼はすでに、こちらの前線へと飛び掛ってきている。バリトンは馬に乗ったままで迎え撃ち、狼だけがいる状況なのを確認した後、斬龍刀を振り回す。
万歳丸は途中でバイクを乗り捨て、徒歩で接近していた。敵に向かって飛び込んだ彼は練り上げたマテリアルを炎に変え、向かい来る大型目掛けて殴りかかる。炎は敵にぶつかることで弾け、大型にかなりのダメージを与えていく。
観智は仲間と共に機動戦を信条として、立ち振る舞う。
(皆の無事が優先です。重傷などあってはならない……)
まだ、多くの敵が自分達の前方にいる状況ならばと、観智は紫色の光が伴う光の波を発して狼達の体を重力で潰そうとし、その動きを鈍らせる。
「皆さん、行きましょう……!」
初めて指揮する戦いに臨むファリーナ。彼女は敵に切りかかり、食らいつく狼を抑える。それを、後方の隊員が援護をする形だ。
出来る限り、敵から距離を取るアメリア。仲間が仕掛けるのを見計らい、彼女は魔導拳銃を発射し、射程ギリギリ付近にいる後方の敵を狙う。
「こちらは、私が止めます。先に前方の敵の排除を!」
アルスレーテはファリーナ隊の前に出て、小型へと鉄扇を叩きつける。前線を抜けようとしてくる狼を彼女は縮地で追いかけて叩く。
「できたよ。皆、離れて!」
まよいが仲間に向けて叫び、狼の群れ目掛けて重力波を展開する。それに狼達は潰されていく。小型2体が完全に潰れて無に帰してしまう。
もはや、狼雑魔との交戦も慣れたメンバー達。麻痺牙、毒爪は面倒だが、今回は聖導士達が癒してくれる。防衛に徹し、無理に攻めないスタンスもあって、いつもより楽な感すらあるくらいだ。
だが、そこで、万歳丸が首から吊るすトランシーバーが鳴る。他のメンバーも魔導短伝話が鳴った。
その内容は……、街の北に狼が現れたというものだった。
どこからか冷静に戦況を見ていたボス。
自らは戦線に出ず、大型2体に小型1体を街に狼を差し向けていた。
「行くぞ、ここを抜かれたら終わりと思え!」
その伝達を聖導士に任せて、ヴァイスは迎撃に出る。交戦場所は北の林が見える街の北側。彼は聖導士達を鼓舞しながら灼熱を纏い、狼達の気を引く。
「敵が居ても、慌てずに、です。防戦、継戦を意識して無茶しないでくださいね。必ず、ハンターの皆さんが駆けつけてくれますから」
トランシーバーでこちらの状況を伝えたアシェ-ル。彼女もこの場の聖導士達を落ち着かせ、自身の堅い守りを活かして前に出て囮役を買って出る。
「別に倒してしまっても……。あ、違う。援軍が来るまで持ちこたえるだけです」
自分達もこの場を抑えねばとアシェ-ルは魔導拳銃を構え、伸びる雷撃で狼を射抜いていくのである。
敵の動きはいつもと変わらない様にも見えるが、ボスからの命令がある為か、後方に広がる街を狙っているようだ。
自身よりも身の丈が大きい狼。アメリアは射線確保の為に少しずつ移動していたが、結局は敵に迫られる形となる。
「やらせませんっ」
アメリアは銃弾を連射して撃ち込み、弾幕の雨を浴びせていく。どうやら、スキル設定の問題があったらしく、彼女は出来る範囲で銃弾を狼雑魔に叩き込む。
「一匹ずつ、確実に数を減らしていきます!」
時折、彼女は通常攻撃によって、敵の頭を狙って引き金を引いていた。
「前線はハンターの皆さんに任せて、援護に徹してください!」
不安を抱いていたファリーナも、戦いとなれば凛々しく隊員に指示を飛ばす。体を投げ出してくる小型を切り裂いたファリーナは下がり、仲間に光を纏わせて援護も行っていた。
アルスレーテも敵に迫られる形となり、鉄扇「北斗」で敵の体当たりを可能な限り受け止める。時に受けてしまう麻痺や毒はマテリアルを練り上げることで取り去り、受けた傷をも癒していく。
「ん、癒してって? 気合でがんばって」
やや辛辣な言葉を仲間へと掛け、アルスレーテは抉るように大型へと鉄扇を突きつけていく。
孤立せぬように。それでいて、思わぬ攻撃を受けぬように。観智は冷静に戦況を見定め、冷気の嵐を敵へと浴びせかける。凍り付いていく敵の中には倒れ行き、霧散していく者もいるが、数が減っていけば援軍が面倒だ。
実際、大型狼は小型を呼び寄せる。未だに現れぬボス、三つ首の存在が気になるが、今はこの場の狼を倒すだけだ。
「南側にボスはおらぬようだな」
バリトンとしては、些か拍子抜けの事態ではある。だが、油断して狼を街に向かわせてしまうようでは、北で抑える仲間達に申し訳が立たない。
彼は斬龍刀で、大型を纏めて蹴散らさんとする。これによって、大型と小型各1体の活動を完全に止めてしまった。
「次、行くよ」
この場の死守を念頭に置いて戦うまよい。彼女は前線メンバーに声をかけ、冷たい氷の矢を飛ばす。その衝撃を受けた上、大型が体を凍りつかせる。
「ちったァ、歯ごたえみせなァ! 喰らいつくしちまうぜェェ!」
万歳丸はそいつの眉間へと拳を叩き付け、完全に活動を止めて滅してしまう。
その万歳丸目掛け、大きく口を開く大型がいた。だが、彼は冷静に対処し、そいつの牙を盾で防いだ後、勢いのままに投げ飛ばしてしまう。
数も減ってきていた狼。そいつらは揃って後ずさりを始める。
「テメェらを逃がす道理もねェ」
敵は北側にも現れたという。万歳丸はそのような小細工を巡らす敵に感嘆するも、それだけの相手ならば屠らねばならぬと、彼は鋭く目を光らせるのだった。
街の北側には、狼の増援は来ない。
それは、狼達が自分達の優勢を疑っていないからだ。ヴァイスもアシェ-ルも、聖導士や街の人々を鼓舞し、この場を支え続ける。
数も少ないこともあり、ヴァイスもそれほど戦況が厳しいとは思っていない。後方からの聖導士達の援護が実にありがたい。ヴァイスはマテリアルを魔導符剣に纏わせて大型狼の体へと斬りかかった。
アシェ-ルも冷気の嵐を起こして狼達の体を凍りつかせ、動きを止めようとする。
ただ、敵を倒すとなれば難しい。聖導士達と合わせて攻め込めば大型の1体は倒せたろうが、援軍を呼ばれて劣勢になっては元も子もない。
それでも、メンバー達の表情は決して暗くはない。なぜなら、南側の敵を迎撃した知らせが届いていたからだ。
「もう少しです……!」
「あと一踏ん張りだ、気合を入れろ!」
アシェ-ル、ヴァイスが肩を並べる聖導士達へとさらに呼びかけた。狼は多少攻撃を喰らったところで後退せず、牙と爪を光らせて襲いくる。
そこへ、南側の敵を撃退したハンター達と聖堂戦士団一隊が駆けつけてきた。劣勢に追い込まれた狼雑魔も怯んでしまい、北の森へと逃げ帰ってしまう。
結局、ボスがこの場に姿を見せることはなく。トータルで大型7体と小型7体を倒し、ハンター達は街の防衛に成功したのだった。
●雑魔の進行を凌いで……
狼雑魔による脅威がなくなったことで、集落民も、聖堂戦士団員も、ハンター達も安堵し、喜び合う。
「やるじゃねェか」
万歳丸が聖導士達やファリーナの背を叩く。彼女達は張り詰めていた緊張の糸が切れ、へたり込んでしまっていた。
「しかし本当に、歪虚は災害の中でも性質が悪いですね……」
アメリアは一息ついた後、狼が破壊した場所の補修の手伝いを行う。
観智は改めて長と話し、報酬を渡す話をしていた。集落の人達の不自由した鬱憤の吐き出しとして……戦勝祝い的な、お祭りなどしてみてはどうかと彼は提案する。
これには、集落民達も困ってはいたようだが、無償で雑魔退治を行わせたのは悪いと、半分の額だけ受け取ることにしたようだ。
ともあれ、集落民の不安が少なからず払拭された。後は……狼雑魔のボス、三つ首の討伐。それもさほど遠くはないと、ハンター達は実感するのだった。
依頼結果
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依頼相談掲示板 | |||
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作戦相談卓 夢路 まよい(ka1328) 人間(リアルブルー)|15才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2016/11/21 09:48:07 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/11/17 22:37:18 |