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(ka0000)
【天誓】ニーベルンゲンの歌
マスター:WTRPGマスター
このシナリオは5日間納期が延長されています。
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オープニング
大地に広がる巨大な“影”より、数多の亡霊が現世へと迷い出る。
暴食王ハヴァマールは、その存在そのものが不死の軍勢。これまでに取り込んだ様々な死者の怨念を雑魔として生み出す力を持つ。
そして大量のスケルトンを用いて組み上げる巨大な“超越体”は、かつて北方王国の王都アルシャンクを滅ぼした力でもある。
『この力ヲ使うのも久方ぶりヨ……』
超越体の外殻の内、中枢体としての暴食王は腕を組み、コロッセオ・シングスピラを眺める。
最早ナイトハルトは王の手を離れた。であればその戦いを見届けつつも、暴食王としての責を果たさねばならない。
『四大精霊サンデルマン。星ノ化身、その力……余にこそ相応シイ』
地を這う巨大な骸骨が動き出す。その巨体を以てすれば、今はまだ小さなコロッセオにも直ぐに辿り着けるだろう。だが――。
「やはり現れたか……! 魔導アーマー隊、砲撃用意!」
魔導トラックの荷台に立ち、風を切るイズン・コスロヴァ(kz0144)の号令で、ずらりと並んだ魔導アーマー隊が砲門を持ち上げる。
『ほう?』
合図と共に放たれる無数の砲弾がハヴァマールに次々降り注ぐ。
「不死の剣王は生体マテリアルを吸収する。だが……ただの物理攻撃は防げない」
それはこれまでの作戦で判明している対抗策。
そう、暴食王は精霊の天敵。四大精霊のサンデルマンでも、相性の問題で勝ち目はない。
しかしだからこそ――皮肉なことに。
精霊や亜人を虐げてきた、“文明”の力が――奴には有効なのだ。
「おっぱじまったな。よし、俺達も行くぞォ!」
号令をかけるオズワルド(kz0027)。しかしその指示を聞く気もない精霊や亜人が我先にと走り出す。
『亜人と肩を並べて戦うのは不愉快ですが……何より私達の敵は歪虚ですからね』
『場所も時代も関係ない……常勝無敗の英霊として、戦い続けるのみだ』
鞭のようにしなる剣を振るうパーシヴァル。リーベは大鎌を取り出し、スケルトンを両断する。
『多勢歓迎! 戦場で美しさを示せとは、まさに妾の独壇場。いつの時代の物かも分からぬ英霊には負けられませんね』
アラベラ・クララに先を越され、パーシヴァルとリーベがぴくりと眉を動かす。
『あら。貴女こそいつの時代の英霊ですか? 私、先輩ですよね?』
『邪魔だ……私の前をうろつくな!』
『妾より目立つつもりですか? この戦場のアイドルは妾ですよ!』
「ヤベェ! 女の英霊が物騒すぎて近づきたくねぇ!!」
嵐のような女絶火騎士共の暴力に怯むハジャ・エルフハイム。アレクサンダーは無言で肩を落とした。
「まあいいや! くれぐれも英霊様の邪魔をしないように、エルフハイム元執行者ニコニコ平和ボランティア部隊、出撃!」
“平和”と背中に縫い付けられた暗殺者たちも、暗殺者なので軍団的統率は出来ない。だが、戦闘力は申し分ない。
「コウシテ、ヒトト肩ヲ並ベ戦ウ日ガ来ルトハナ……」
ブラストエッジ鉱山周辺に住まうコボルド族の代表として、ホロン・マハは剣を抜く。
(ゾエル・マハ……アナタニ代ワリ、私ガコノ光景ヲ目ニ焼キツケマショウ!)
「ターゲットの超越化を確認! 封印システム稼働準備!」
「スペルアンカーの扱いは熟知しているな?」
「当然。まあ、昔みたいには使えないけど」
陣地後方、浄化の器(kz0120)が大地に突き刺さった機械の楔に両手を添える。
ユレイテル・エルフハイム(kz0085)はその手の上に自らの手を重ね、そっと包み込んだ。
「私も力を貸そう。もう二度と……君一人に責任を押し付けたりはしない」
「大げさね。今回はただのコントロールでしょ……心配性なの?」
「約束したのだよ――ジエルデ殿と」
真っすぐに戦場を見つめるユレイテルの隣に立ち、器は目を瞑る。
「礼は……言わないわよ」
スペルアンカーを通じて国中から集められたマテリアルは、戦場に浮かぶエフェメリスの天球儀へ集まっていく。
『来た来た……集まって来おったわ!』
エフェメリスの足元に浮かび上がる魔法陣、その力は遠く離れたハヴァマールを取り囲むスペルアンカーへと転写される。
これまでに感じた事のないほどのマテリアルの高ぶりに、ミモザ(kz0227)の胸に去来するのは強い不安……。
「エフェメリスさん……こんなに凄い力があったんですね……?」
「いいえ……これは、エフェメリスだけの力じゃないわ」
覚醒者としてミモザより経験豊富なシルヴァは気づいていた。
エフェメリスはかなりの無茶をして、国中から……そして精霊たちから送り込まれる力を具現化している。
「今この時、国中の人たちがこの国の未来を……“運命”を選ぼうとしている。エフェメリスは天命の精霊……その力を集めて届けるって意味じゃ、確かに適任よ。でも……」
四大精霊にも匹敵する出力に、本来戦闘向きではないエフェメリスの身体が持たない――。
「そんな……エフェメリスさん……!」
『すまんのぅ。せっかく直してもらった天球儀……壊してしまうやもしれぬ』
ダメージを堪え、弱弱しく笑うエフェメリス。戸惑うミモザの肩を叩き、シルヴァはゆっくりと頷く。
「彼女たち精霊にとっても、この戦いは他人事じゃない。エフェメリスは自分に出来る事を……自分の運命を選んだ。だから嘆くのではなく、護りましょう。私達で、みんなを」
ナイトハルトは走っていた。走って走って、そして最後の戦いの地にて足を止める。
眼前に並ぶは現代の英雄たち。相手にとって不足なし。
二刀を構え、敵を見せる。いざ決戦と覚悟を決めた、その時。
「Hey,ボス! ミーを置いていくなんて薄情すぎデース!」
『む……? 貴様は……刀鬼?』
迅雷が駆け抜け、衝撃と共にナイトハルトの隣に姿を見せたのは十三魔、紫電の刀鬼であった。
「なんでPresidentと二人で行っちゃうんデースか!? 一番弟子のミーを忘れたデースか!?」
『いや……貴様、勝手にどこかに行ってただろう』
「あ、ハイ。自分の英雄伝説が英霊化して独り歩きしてると期待したら、赤の他人だったデス」
『そうか。まあ貴様の事はどうでもいい。立ち去るがよい、刀鬼』
「ボスはここでThe Endデスか?」
『勝っても負けてもそうなるだろうな』
刀鬼はヘルメットの顎を撫で、舌打ちと共に人差し指を振る。
「ボスの花道はミーが彩りマース。ミーからボスに出来る、最後の恩返しデース!」
『誰もそんなことは頼んでいないが……』
「No Problem! ミーが勝手にやる事デース♪」
鼻で笑い、ナイトハルトは肩を竦める。
『そうか。では――勝手にするがいい』
二体の剣豪が刃を構える。
英雄と呼ばれた者の終点。伝説が終わり、そしてここからまた始まる。
『「我ら、万夫不当の大英雄!」』
『いざ、尋常に――』
「勝負、デース!!」
暴食王ハヴァマールは、その存在そのものが不死の軍勢。これまでに取り込んだ様々な死者の怨念を雑魔として生み出す力を持つ。
そして大量のスケルトンを用いて組み上げる巨大な“超越体”は、かつて北方王国の王都アルシャンクを滅ぼした力でもある。
『この力ヲ使うのも久方ぶりヨ……』
超越体の外殻の内、中枢体としての暴食王は腕を組み、コロッセオ・シングスピラを眺める。
最早ナイトハルトは王の手を離れた。であればその戦いを見届けつつも、暴食王としての責を果たさねばならない。
『四大精霊サンデルマン。星ノ化身、その力……余にこそ相応シイ』
地を這う巨大な骸骨が動き出す。その巨体を以てすれば、今はまだ小さなコロッセオにも直ぐに辿り着けるだろう。だが――。
「やはり現れたか……! 魔導アーマー隊、砲撃用意!」
魔導トラックの荷台に立ち、風を切るイズン・コスロヴァ(kz0144)の号令で、ずらりと並んだ魔導アーマー隊が砲門を持ち上げる。
『ほう?』
合図と共に放たれる無数の砲弾がハヴァマールに次々降り注ぐ。
「不死の剣王は生体マテリアルを吸収する。だが……ただの物理攻撃は防げない」
それはこれまでの作戦で判明している対抗策。
そう、暴食王は精霊の天敵。四大精霊のサンデルマンでも、相性の問題で勝ち目はない。
しかしだからこそ――皮肉なことに。
精霊や亜人を虐げてきた、“文明”の力が――奴には有効なのだ。
「おっぱじまったな。よし、俺達も行くぞォ!」
号令をかけるオズワルド(kz0027)。しかしその指示を聞く気もない精霊や亜人が我先にと走り出す。
『亜人と肩を並べて戦うのは不愉快ですが……何より私達の敵は歪虚ですからね』
『場所も時代も関係ない……常勝無敗の英霊として、戦い続けるのみだ』
鞭のようにしなる剣を振るうパーシヴァル。リーベは大鎌を取り出し、スケルトンを両断する。
『多勢歓迎! 戦場で美しさを示せとは、まさに妾の独壇場。いつの時代の物かも分からぬ英霊には負けられませんね』
アラベラ・クララに先を越され、パーシヴァルとリーベがぴくりと眉を動かす。
『あら。貴女こそいつの時代の英霊ですか? 私、先輩ですよね?』
『邪魔だ……私の前をうろつくな!』
『妾より目立つつもりですか? この戦場のアイドルは妾ですよ!』
「ヤベェ! 女の英霊が物騒すぎて近づきたくねぇ!!」
嵐のような女絶火騎士共の暴力に怯むハジャ・エルフハイム。アレクサンダーは無言で肩を落とした。
「まあいいや! くれぐれも英霊様の邪魔をしないように、エルフハイム元執行者ニコニコ平和ボランティア部隊、出撃!」
“平和”と背中に縫い付けられた暗殺者たちも、暗殺者なので軍団的統率は出来ない。だが、戦闘力は申し分ない。
「コウシテ、ヒトト肩ヲ並ベ戦ウ日ガ来ルトハナ……」
ブラストエッジ鉱山周辺に住まうコボルド族の代表として、ホロン・マハは剣を抜く。
(ゾエル・マハ……アナタニ代ワリ、私ガコノ光景ヲ目ニ焼キツケマショウ!)
「ターゲットの超越化を確認! 封印システム稼働準備!」
「スペルアンカーの扱いは熟知しているな?」
「当然。まあ、昔みたいには使えないけど」
陣地後方、浄化の器(kz0120)が大地に突き刺さった機械の楔に両手を添える。
ユレイテル・エルフハイム(kz0085)はその手の上に自らの手を重ね、そっと包み込んだ。
「私も力を貸そう。もう二度と……君一人に責任を押し付けたりはしない」
「大げさね。今回はただのコントロールでしょ……心配性なの?」
「約束したのだよ――ジエルデ殿と」
真っすぐに戦場を見つめるユレイテルの隣に立ち、器は目を瞑る。
「礼は……言わないわよ」
スペルアンカーを通じて国中から集められたマテリアルは、戦場に浮かぶエフェメリスの天球儀へ集まっていく。
『来た来た……集まって来おったわ!』
エフェメリスの足元に浮かび上がる魔法陣、その力は遠く離れたハヴァマールを取り囲むスペルアンカーへと転写される。
これまでに感じた事のないほどのマテリアルの高ぶりに、ミモザ(kz0227)の胸に去来するのは強い不安……。
「エフェメリスさん……こんなに凄い力があったんですね……?」
「いいえ……これは、エフェメリスだけの力じゃないわ」
覚醒者としてミモザより経験豊富なシルヴァは気づいていた。
エフェメリスはかなりの無茶をして、国中から……そして精霊たちから送り込まれる力を具現化している。
「今この時、国中の人たちがこの国の未来を……“運命”を選ぼうとしている。エフェメリスは天命の精霊……その力を集めて届けるって意味じゃ、確かに適任よ。でも……」
四大精霊にも匹敵する出力に、本来戦闘向きではないエフェメリスの身体が持たない――。
「そんな……エフェメリスさん……!」
『すまんのぅ。せっかく直してもらった天球儀……壊してしまうやもしれぬ』
ダメージを堪え、弱弱しく笑うエフェメリス。戸惑うミモザの肩を叩き、シルヴァはゆっくりと頷く。
「彼女たち精霊にとっても、この戦いは他人事じゃない。エフェメリスは自分に出来る事を……自分の運命を選んだ。だから嘆くのではなく、護りましょう。私達で、みんなを」
ナイトハルトは走っていた。走って走って、そして最後の戦いの地にて足を止める。
眼前に並ぶは現代の英雄たち。相手にとって不足なし。
二刀を構え、敵を見せる。いざ決戦と覚悟を決めた、その時。
「Hey,ボス! ミーを置いていくなんて薄情すぎデース!」
『む……? 貴様は……刀鬼?』
迅雷が駆け抜け、衝撃と共にナイトハルトの隣に姿を見せたのは十三魔、紫電の刀鬼であった。
「なんでPresidentと二人で行っちゃうんデースか!? 一番弟子のミーを忘れたデースか!?」
『いや……貴様、勝手にどこかに行ってただろう』
「あ、ハイ。自分の英雄伝説が英霊化して独り歩きしてると期待したら、赤の他人だったデス」
『そうか。まあ貴様の事はどうでもいい。立ち去るがよい、刀鬼』
「ボスはここでThe Endデスか?」
『勝っても負けてもそうなるだろうな』
刀鬼はヘルメットの顎を撫で、舌打ちと共に人差し指を振る。
「ボスの花道はミーが彩りマース。ミーからボスに出来る、最後の恩返しデース!」
『誰もそんなことは頼んでいないが……』
「No Problem! ミーが勝手にやる事デース♪」
鼻で笑い、ナイトハルトは肩を竦める。
『そうか。では――勝手にするがいい』
二体の剣豪が刃を構える。
英雄と呼ばれた者の終点。伝説が終わり、そしてここからまた始まる。
『「我ら、万夫不当の大英雄!」』
『いざ、尋常に――』
「勝負、デース!!」
リプレイ本文
該当リプレイは以下のURLの特設ページで公開されております。
http://www.wtrpg10.com/event/cp039/opening
http://www.wtrpg10.com/event/cp039/opening
依頼結果
依頼成功度 | 成功 |
---|
重体一覧
- 白き流星
鬼塚 陸(ka0038) - 魂の反逆
ウィンス・デイランダール(ka0039) -
ヴァイス・エリダヌス(ka0364) - 伝説の砲撃機乗り
ミグ・ロマイヤー(ka0665) - Sanctuary
羊谷 めい(ka0669) - 無明に咲きし熾火
マッシュ・アクラシス(ka0771) - ボルディアせんせー
ボルディア・コンフラムス(ka0796) - 無邪気にして聡明?
ユノ(ka0806) - 破れず破り
春日 啓一(ka1621) - 戦いを選ぶ閃緑
アイビス・グラス(ka2477) - ツィスカの星
アウレール・V・ブラオラント(ka2531) - Xカウンターショット
ロジャー=ウィステリアランド(ka2900) - 能力者
狭霧 雷(ka5296) - 想いと記憶を護りし旅巫女
夜桜 奏音(ka5754) - 忍軍創設者
ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784) - 戦場に疾る銀黒
ルイトガルト・レーデル(ka6356) - 紅の月を慈しむ乙女
アリア・セリウス(ka6424) - 背負う全てを未来へ
東條 奏多(ka6425)
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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作戦行動選択肢表明卓2 夢路 まよい(ka1328) 人間(リアルブルー)|15才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2017/12/03 09:23:53 |
|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/12/03 14:53:19 |
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作戦行動選択肢表明卓 カナタ・ハテナ(ka2130) 人間(リアルブルー)|12才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2017/11/30 20:19:36 |
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質問卓 カナタ・ハテナ(ka2130) 人間(リアルブルー)|12才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2017/12/02 22:54:59 |
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選択肢3:人亜精霊共同戦線A卓 カナタ・ハテナ(ka2130) 人間(リアルブルー)|12才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2017/12/04 11:30:43 |
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選択肢1:不破の剣豪討伐卓 カナタ・ハテナ(ka2130) 人間(リアルブルー)|12才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2017/12/04 07:25:09 |
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![]() |
選択肢4:人亜精霊共同戦線B卓 カナタ・ハテナ(ka2130) 人間(リアルブルー)|12才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2017/12/04 02:25:17 |
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選択肢2暴食王ハヴァマール対応 カナタ・ハテナ(ka2130) 人間(リアルブルー)|12才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2017/12/01 20:57:13 |
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![]() |
選択肢2暴食王ハヴァマール卓2 カナタ・ハテナ(ka2130) 人間(リアルブルー)|12才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2017/12/04 16:24:05 |