ゲスト
(ka0000)
Rain, a rose & rain.
マスター:葉槻

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在18人 / 1~25人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/06/17 07:30
- リプレイ完成予定
- 2018/07/01 07:30
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
初夏の薔薇が香る庭園の東屋で、1人の老紳士が1匹の大型犬と寄り添うように座っていた。
『……まさか、貴方とこうしてまたお茶が出来る日が来るなんてね』
あの日。
ほぼ全盲だった彼女は白いベールの奥に隠した目元、目尻のしわを深めながら、そう言って微笑った。
「……本当に……人生何があるか分からないものだ」
甘栗色の犬の背を撫でながら老紳士――フランツ・フォルスター(kz0132)は少し寂しげに微笑んだ。
革命の時点で、フランツの周囲にはもう歳の近い知人など数えるほどになっていた。
それが年月を重ねるごとに1人減り、2人減り……気がつけば自分1人だけがまだ生き存えている。
「……ついぞ精霊と契約を結べなかったわしが未だ生きていて……お前さんの主の方が先に居なくなるとはのぅ……」
『でも、本当に嬉しいわ。またリヴァとの思い出話が出来る人とこうしてお茶が出来るのが』
そう言って微笑んでいた彼女はもういない。
――そしてついぞ彼女とは、亡き妻の話題を交わすことが無かった事を思い出した。
視線を庭にやれば、色とりどりの薔薇はしっとりと濡れたような花弁を広げ咲き誇っている。
重たくぬるい湿度をはらんだ風が、薔薇の花弁を撫でると、その芳香が辺りへみなぎるのを感じた。
生来、寂しいことは嫌いな人だった。
人の死は悼むが、それ以上に残された人々の事を想い行動するような人だった。
『近しい人の死は悲劇だわ。それが急な物であればあるほど。残された者はこれからも生きていかなければならないのだから』
そう言って、残された者達の職場を探したり、孤児院の手配をしたり、大切な者の死を受け入れられない者に寄り添い話を聞いたりということもしていた。
彼女はいつだって前向きでひたむきで、優しくて強かった。そして音楽を愛し、薔薇を愛し、そして何より人を愛した。
「……ハンターの皆さんにも声をかけようかの……」
ここに来たことがある者なら、別れを告げたいと望む者がいるかも知れない。
カサンドラ・クスター。享年83歳。
『聖母』と呼ばれた彼女は、最期は眠るように息を引き取ったという。
●薔薇と葬列
白亜宮、と呼ばれる屋敷があった。
確かに一介の帝国臣民が1人で住むには大きすぎる豪邸ではあるが、豪奢な装飾が付いているわけでも、壁や床が大理石や御影石という訳でも無い。
ただ、白い漆喰で外壁を整えられた、どちらかと言えば質素で上品な印象を与える屋敷だった。
この屋敷の女主人も自分の住まいを『白亜宮』等と大それた名前で呼ぶことはない。
ただ、『聖母』と讃えられた彼女の人柄と、屋敷裏手にある大きな薔薇園の薔薇が香り立つ様から、人々は自然と『白亜宮』と呼び慕ったのだと言う。
その、女主人であったカサンドラが老衰の為に亡くなった。
彼女を慕う村人達がお別れ会を開くということで、そこにハンター達も呼ばれる事となった。
「どうか、彼女が心安らかに逝けるように助けてやっておくれ」
いつもよりも一回り小さくなったようなフランツが柳眉を下げたまま静かに頭を下げた。
初夏の薔薇が香る庭園の東屋で、1人の老紳士が1匹の大型犬と寄り添うように座っていた。
『……まさか、貴方とこうしてまたお茶が出来る日が来るなんてね』
あの日。
ほぼ全盲だった彼女は白いベールの奥に隠した目元、目尻のしわを深めながら、そう言って微笑った。
「……本当に……人生何があるか分からないものだ」
甘栗色の犬の背を撫でながら老紳士――フランツ・フォルスター(kz0132)は少し寂しげに微笑んだ。
革命の時点で、フランツの周囲にはもう歳の近い知人など数えるほどになっていた。
それが年月を重ねるごとに1人減り、2人減り……気がつけば自分1人だけがまだ生き存えている。
「……ついぞ精霊と契約を結べなかったわしが未だ生きていて……お前さんの主の方が先に居なくなるとはのぅ……」
『でも、本当に嬉しいわ。またリヴァとの思い出話が出来る人とこうしてお茶が出来るのが』
そう言って微笑んでいた彼女はもういない。
――そしてついぞ彼女とは、亡き妻の話題を交わすことが無かった事を思い出した。
視線を庭にやれば、色とりどりの薔薇はしっとりと濡れたような花弁を広げ咲き誇っている。
重たくぬるい湿度をはらんだ風が、薔薇の花弁を撫でると、その芳香が辺りへみなぎるのを感じた。
生来、寂しいことは嫌いな人だった。
人の死は悼むが、それ以上に残された人々の事を想い行動するような人だった。
『近しい人の死は悲劇だわ。それが急な物であればあるほど。残された者はこれからも生きていかなければならないのだから』
そう言って、残された者達の職場を探したり、孤児院の手配をしたり、大切な者の死を受け入れられない者に寄り添い話を聞いたりということもしていた。
彼女はいつだって前向きでひたむきで、優しくて強かった。そして音楽を愛し、薔薇を愛し、そして何より人を愛した。
「……ハンターの皆さんにも声をかけようかの……」
ここに来たことがある者なら、別れを告げたいと望む者がいるかも知れない。
カサンドラ・クスター。享年83歳。
『聖母』と呼ばれた彼女は、最期は眠るように息を引き取ったという。
●薔薇と葬列
白亜宮、と呼ばれる屋敷があった。
確かに一介の帝国臣民が1人で住むには大きすぎる豪邸ではあるが、豪奢な装飾が付いているわけでも、壁や床が大理石や御影石という訳でも無い。
ただ、白い漆喰で外壁を整えられた、どちらかと言えば質素で上品な印象を与える屋敷だった。
この屋敷の女主人も自分の住まいを『白亜宮』等と大それた名前で呼ぶことはない。
ただ、『聖母』と讃えられた彼女の人柄と、屋敷裏手にある大きな薔薇園の薔薇が香り立つ様から、人々は自然と『白亜宮』と呼び慕ったのだと言う。
その、女主人であったカサンドラが老衰の為に亡くなった。
彼女を慕う村人達がお別れ会を開くということで、そこにハンター達も呼ばれる事となった。
「どうか、彼女が心安らかに逝けるように助けてやっておくれ」
いつもよりも一回り小さくなったようなフランツが柳眉を下げたまま静かに頭を下げた。
解説
白亜宮と呼ばれる屋敷に赴いて、その女主人だったカサンドラのお別れの会に参加します。
日中の白亜宮は夜とはまた違った雰囲気の中、各々自由に過ごすことが出来ます。
今までにカサンドラとの面識が無い方でも、もちろんご参加頂いて構いません。
むしろ寂しいことを嫌う人でしたので、どうぞ各々ここ最近の戦いを通じて自分と向かい合ったり、心の整理を付ける場所として使って頂いて大丈夫です。
主内容としては大きく下記3つ。
どれか1つ、もしくは欲張っても2つまでに絞ってのご参加を推奨します。
1.音楽を奏でる
カサンドラは音楽が好きでしたので、ステキな音楽があれば喜んでくれると思います。
楽器はチェンバロ(ピアノの古い形)ならありますが、他の楽器はご自分でプレイング内に明記して下さい。
2.サロンで物思いにふける
サロンでは参列者の為に温かい紅茶と薔薇の花弁の砂糖漬けが置かれています。
それ以外の飲食物はありませんが、これらを頂きながら音楽に耳を傾け、外から香る薔薇の匂いや手元の紅茶の香りを感じながら物思いにふけったり、己を振り返ったりする事が出来ます。
サロンの壁にカサンドラの肖像画が置かれ、その周囲は村人達が摘んだ花々で飾られています。
大体フランツはここにいます。
3.雨の薔薇園を散策する
小雨が降っていますが、薔薇園を散策することが出来ます。
秋の薔薇よりも小振りで色とりどりの薔薇が咲き乱れています。
人の死を見つめ、あなたが何を感じたのか、己の心の整理をつけたりする事が出来ます。
■注意事項■
・今回は『お別れの会』となりますので、服装は喪服、もしくはそれに準じた物となるよう心置き下さい。(日本で一般で言う告別式のようなものとお考え下さい)
・食品の持ち込み、また、調理は禁止です。
・ご一緒に参加される方が居る場合は【同行者のIDと名前】もしくは【グループ名】をプレイング内にお願いします。
日中の白亜宮は夜とはまた違った雰囲気の中、各々自由に過ごすことが出来ます。
今までにカサンドラとの面識が無い方でも、もちろんご参加頂いて構いません。
むしろ寂しいことを嫌う人でしたので、どうぞ各々ここ最近の戦いを通じて自分と向かい合ったり、心の整理を付ける場所として使って頂いて大丈夫です。
主内容としては大きく下記3つ。
どれか1つ、もしくは欲張っても2つまでに絞ってのご参加を推奨します。
1.音楽を奏でる
カサンドラは音楽が好きでしたので、ステキな音楽があれば喜んでくれると思います。
楽器はチェンバロ(ピアノの古い形)ならありますが、他の楽器はご自分でプレイング内に明記して下さい。
2.サロンで物思いにふける
サロンでは参列者の為に温かい紅茶と薔薇の花弁の砂糖漬けが置かれています。
それ以外の飲食物はありませんが、これらを頂きながら音楽に耳を傾け、外から香る薔薇の匂いや手元の紅茶の香りを感じながら物思いにふけったり、己を振り返ったりする事が出来ます。
サロンの壁にカサンドラの肖像画が置かれ、その周囲は村人達が摘んだ花々で飾られています。
大体フランツはここにいます。
3.雨の薔薇園を散策する
小雨が降っていますが、薔薇園を散策することが出来ます。
秋の薔薇よりも小振りで色とりどりの薔薇が咲き乱れています。
人の死を見つめ、あなたが何を感じたのか、己の心の整理をつけたりする事が出来ます。
■注意事項■
・今回は『お別れの会』となりますので、服装は喪服、もしくはそれに準じた物となるよう心置き下さい。(日本で一般で言う告別式のようなものとお考え下さい)
・食品の持ち込み、また、調理は禁止です。
・ご一緒に参加される方が居る場合は【同行者のIDと名前】もしくは【グループ名】をプレイング内にお願いします。
マスターより
初めまして、または、またお目にかかれて光栄です、葉槻(はづき)と申します。
人は必ず死にます。
特にクリムゾンウェストでは寿命以外で死んで行く人が非常に多い中、彼女は平均寿命以上を生き、穏やかに亡くなるという奇特な死に方が出来ました。
そんな彼女とのお別れ会です。
それでは、お一人様はもちろん、恋人を誘って、もしくは仲の良いお友達同士とお誘い合わせの上、ご参加下さいませ。
よろしくお願いします。
人は必ず死にます。
特にクリムゾンウェストでは寿命以外で死んで行く人が非常に多い中、彼女は平均寿命以上を生き、穏やかに亡くなるという奇特な死に方が出来ました。
そんな彼女とのお別れ会です。
それでは、お一人様はもちろん、恋人を誘って、もしくは仲の良いお友達同士とお誘い合わせの上、ご参加下さいませ。
よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/07/08 01:00
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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出席者控え室(相談&雑談卓) カフカ・ブラックウェル(ka0794) 人間(クリムゾンウェスト)|17才|男性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2018/06/17 07:22:18 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/06/17 07:20:38 |