ゲスト
(ka0000)
【燭光】過去を、呪縛を、解放せよ。
マスター:DoLLer

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,500
- 参加人数
- 現在10人 / 4~10人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/07/22 09:00
- リプレイ完成予定
- 2015/07/31 09:00
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
駐屯地ブルーネンフーフ。革命前まではここに強制収容所があった。
監獄都市アネプリーベで囚人兵士として働かされる者、錬魔院の非道な人体実験に付き合わされる者には一縷の望みはあっただろうが、ここに送られた人間に未来はない。来る日も来る日も爪一枚一枚はがされ、毒に苛まされ、生まれてきたことを後悔させるためだけに存在していた悪夢の城。
故に亡霊の巣窟となり、革命の直後には皇帝の指揮の元一掃されて、元の名前ブルッシェンホーフ(希望無き地)をもじって、ブルーネンフーフ(羊の怒声)と名付けられた。
だが、闇は蓋をされても生き続けていた。
そして四霊剣剣妃オルクスによって、その蓋は壊され、ぱっくりと口を開けていた。
血が糸のように集いてできた繭の前でオルクスは立っていた。
「んふふ。久々に悪役っぽくなれて楽しかったわぁ」
地上での出来事を思い出して、彼女はもう一度口元を釣り上げて笑った。更に繭の中には絶望して死んだ旧帝国の娘ヒルデガルドが今生まれ変わろうとしている。
「人間達同士で争わせるだけで十分に楽しかったけどぉ、今度は過去の怨念vs人間でリターンマッチ。ああ、もう楽しそう! ブリュンヒルデ。ちょっと準備しなさい。今度のはね。軍人系の堕落者なの。帝国兵士の亡霊とか、ゾンビとかいっぱい使えるようにチューニングしてるんだから、あなたの作った雑魔渡しなさい」
「お母様……」
呆れたような、悲しいような。そんな声で言葉をかけてきたのは歪虚ブリュンヒルデであった。
「そういえばブリュンヒルデ。あなた、私のこと『お母様』って人間に紹介したでしょ。あなたそんなに私が好きだったの?」
鼻歌まじりに血の繭が蠢く様子を見つめるオルクスにブリュンヒルデは思い切って口を開いた。
「お母様。力をお貸しすることはできません」
「……なんですって?」
オルクスの鼻歌が止まった。
「ヒルデガルド様の夢は非常にぶれていました。帝国を再興と個人の安寧がまじわってました。堕落者になるといえど、確固とした希望を持たぬお方に力は貸せません」
「へぇ……言うようになったわね。元から人の言葉を聞かない子だったけど。ゾンビ作成に特化しすぎたかしら」
オルクスはそう言って振り返り、おもむろにブリュンヒルデの首を掴んだ。堕落者作成に力を使っていなければ、そのまま血の結界で八つ裂きにしていたところだ。
「人間にこうも言ったらしいわね? 『オルクスを本当に倒したいと願うなら、それを手伝います』って」
「はい、本当です。歪虚を憎む人には歪虚を倒すお手伝いを。お母様であってももちろん。それが私の願いであり使命ですもの」
首を掴んだオルクスの手に力がこもる。歪虚といえども圧倒的な力の差にブリュンヒルデも苦しそうにするが、それでも深淵の蒼い瞳は恐怖に屈したりはしなかった。たちまちブリュンヒルデを守ろうとする亡霊が姿を現す。勝てる道理があるはずもないが。それでも亡霊たちはブリュンヒルデを守ろうとする。
「夢見る少女らしい言い分ね。けれど現実はそこまで甘くはない……夢はいつか終わる。そして人は新しい夢を見る。あなたの誤算はね、ブリュンヒルデ。不出来な娘の代わりなんて、いくらでもいるって事よ」
ふっと笑みを作りオルクスはブリュンヒルデを壁に叩きつけた。しかし、それも他の亡霊がクッションになって彼女の身を守る。
はずだった。
「!?」
亡霊たちの動きが止まった。
「まあ、そう怒るでない。妾のために気を遣わせてしまったようだ」
亡霊が吸い寄せられるように血の繭の元に引き寄せられ、静かにかしずいた。
「みんな? みんな……どうしたの」
「親よりも自分の使命に従うのは当然の事であろう? ブリュンヒルデ。こやつらの支配権は妾が握っておる。まあ、簡単に言うと……」
血の繭が破れ、ヒルデガルドが姿を現した。
生前にはない邪悪な微笑みと威圧感を浮かべて。
「クズはもう要らぬ、ということだ」
ヒルデガルドは地面に降り立つと颯爽と手をブリュンヒルデに向けた。同時に今まで彼女を守って来た亡霊たちが一斉襲い掛かる。ブリュンヒルデの指揮化にあった時よりずっと速く、ずっと強烈に。
そしてブルッシェンホーフの奈落にブリュンヒルデは追い落とされた。
「求心力の違いかしらねぇ? やっぱり素材がいいと違うみたい。ようこそ、甘美なる死の世界へ。そして御機嫌よう、お姫様……♪」
オルクスは笑うと、すぅ、と姿を消したのであった。
●
「皇帝? ああ、別に今いらないから、ヴィルヘルミナに『貸してる』だけだよ。ヴィルヘルミナも他の師団長もみんな知ってることさ。ははは、副師団長って自由でいいねー」
ハンターの冷たい視線を物ともせず、第一師団副師団長のシグルドはいつも通りの笑顔でブルーネンフーフの地下、オルクスがヒルデガルドと共に消えた地下へと降りて行っていた。瓦礫の除去作業もあり、そう簡単には降りられなかったが、ようやくそれも終わり、探索できるだけの道を作り終えたのだ。
「それに旧帝国派が全部ヴルツァライヒだと思っているのかい? あんな過激派なんて声が大きいだけで実際は10%未満さ。残りは誰が統理してると思ってるんだ」
第一師団は帝都守備という主任務に加え、旧帝国派の取り締まりという任務も持っている。大きくはもう一人の副師団長エイゼンシュタインが憲兵大隊を率いて取り締まっているが、シグルドだってその手の仕事はある。彼の仕事は『笑顔』なのだ。
「だからってヒルデガルドを殺さなくたって……」
ハンターの一言にシグルドは苦笑いをした。
「幼少期、思春期を洗脳に費やされた人間がそんな簡単に呪縛から抜け出られると思っているのかい? それに人身御供で責任を取らされるのはトップの仕事さ。ゾンビを使って仕事してたという非人道的行為の責任は誰かがとらなきゃ、ゾンビに殺された家族も収まりつかんだろう。ま、こうしてヒルデガルドの探索行の依頼出しているんだから、大目に見て欲しいところだなぁ」
無言の圧力を気にするでもなく、シグルドは地下に進んでいく。
負のマテリアルが少しずつ濃くなっていく。
「さあて、ヴルツァライヒとの決着といこうか」
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
駐屯地ブルーネンフーフ。革命前まではここに強制収容所があった。
監獄都市アネプリーベで囚人兵士として働かされる者、錬魔院の非道な人体実験に付き合わされる者には一縷の望みはあっただろうが、ここに送られた人間に未来はない。来る日も来る日も爪一枚一枚はがされ、毒に苛まされ、生まれてきたことを後悔させるためだけに存在していた悪夢の城。
故に亡霊の巣窟となり、革命の直後には皇帝の指揮の元一掃されて、元の名前ブルッシェンホーフ(希望無き地)をもじって、ブルーネンフーフ(羊の怒声)と名付けられた。
だが、闇は蓋をされても生き続けていた。
そして四霊剣剣妃オルクスによって、その蓋は壊され、ぱっくりと口を開けていた。
血が糸のように集いてできた繭の前でオルクスは立っていた。
「んふふ。久々に悪役っぽくなれて楽しかったわぁ」
地上での出来事を思い出して、彼女はもう一度口元を釣り上げて笑った。更に繭の中には絶望して死んだ旧帝国の娘ヒルデガルドが今生まれ変わろうとしている。
「人間達同士で争わせるだけで十分に楽しかったけどぉ、今度は過去の怨念vs人間でリターンマッチ。ああ、もう楽しそう! ブリュンヒルデ。ちょっと準備しなさい。今度のはね。軍人系の堕落者なの。帝国兵士の亡霊とか、ゾンビとかいっぱい使えるようにチューニングしてるんだから、あなたの作った雑魔渡しなさい」
「お母様……」
呆れたような、悲しいような。そんな声で言葉をかけてきたのは歪虚ブリュンヒルデであった。
「そういえばブリュンヒルデ。あなた、私のこと『お母様』って人間に紹介したでしょ。あなたそんなに私が好きだったの?」
鼻歌まじりに血の繭が蠢く様子を見つめるオルクスにブリュンヒルデは思い切って口を開いた。
「お母様。力をお貸しすることはできません」
「……なんですって?」
オルクスの鼻歌が止まった。
「ヒルデガルド様の夢は非常にぶれていました。帝国を再興と個人の安寧がまじわってました。堕落者になるといえど、確固とした希望を持たぬお方に力は貸せません」
「へぇ……言うようになったわね。元から人の言葉を聞かない子だったけど。ゾンビ作成に特化しすぎたかしら」
オルクスはそう言って振り返り、おもむろにブリュンヒルデの首を掴んだ。堕落者作成に力を使っていなければ、そのまま血の結界で八つ裂きにしていたところだ。
「人間にこうも言ったらしいわね? 『オルクスを本当に倒したいと願うなら、それを手伝います』って」
「はい、本当です。歪虚を憎む人には歪虚を倒すお手伝いを。お母様であってももちろん。それが私の願いであり使命ですもの」
首を掴んだオルクスの手に力がこもる。歪虚といえども圧倒的な力の差にブリュンヒルデも苦しそうにするが、それでも深淵の蒼い瞳は恐怖に屈したりはしなかった。たちまちブリュンヒルデを守ろうとする亡霊が姿を現す。勝てる道理があるはずもないが。それでも亡霊たちはブリュンヒルデを守ろうとする。
「夢見る少女らしい言い分ね。けれど現実はそこまで甘くはない……夢はいつか終わる。そして人は新しい夢を見る。あなたの誤算はね、ブリュンヒルデ。不出来な娘の代わりなんて、いくらでもいるって事よ」
ふっと笑みを作りオルクスはブリュンヒルデを壁に叩きつけた。しかし、それも他の亡霊がクッションになって彼女の身を守る。
はずだった。
「!?」
亡霊たちの動きが止まった。
「まあ、そう怒るでない。妾のために気を遣わせてしまったようだ」
亡霊が吸い寄せられるように血の繭の元に引き寄せられ、静かにかしずいた。
「みんな? みんな……どうしたの」
「親よりも自分の使命に従うのは当然の事であろう? ブリュンヒルデ。こやつらの支配権は妾が握っておる。まあ、簡単に言うと……」
血の繭が破れ、ヒルデガルドが姿を現した。
生前にはない邪悪な微笑みと威圧感を浮かべて。
「クズはもう要らぬ、ということだ」
ヒルデガルドは地面に降り立つと颯爽と手をブリュンヒルデに向けた。同時に今まで彼女を守って来た亡霊たちが一斉襲い掛かる。ブリュンヒルデの指揮化にあった時よりずっと速く、ずっと強烈に。
そしてブルッシェンホーフの奈落にブリュンヒルデは追い落とされた。
「求心力の違いかしらねぇ? やっぱり素材がいいと違うみたい。ようこそ、甘美なる死の世界へ。そして御機嫌よう、お姫様……♪」
オルクスは笑うと、すぅ、と姿を消したのであった。
●
「皇帝? ああ、別に今いらないから、ヴィルヘルミナに『貸してる』だけだよ。ヴィルヘルミナも他の師団長もみんな知ってることさ。ははは、副師団長って自由でいいねー」
ハンターの冷たい視線を物ともせず、第一師団副師団長のシグルドはいつも通りの笑顔でブルーネンフーフの地下、オルクスがヒルデガルドと共に消えた地下へと降りて行っていた。瓦礫の除去作業もあり、そう簡単には降りられなかったが、ようやくそれも終わり、探索できるだけの道を作り終えたのだ。
「それに旧帝国派が全部ヴルツァライヒだと思っているのかい? あんな過激派なんて声が大きいだけで実際は10%未満さ。残りは誰が統理してると思ってるんだ」
第一師団は帝都守備という主任務に加え、旧帝国派の取り締まりという任務も持っている。大きくはもう一人の副師団長エイゼンシュタインが憲兵大隊を率いて取り締まっているが、シグルドだってその手の仕事はある。彼の仕事は『笑顔』なのだ。
「だからってヒルデガルドを殺さなくたって……」
ハンターの一言にシグルドは苦笑いをした。
「幼少期、思春期を洗脳に費やされた人間がそんな簡単に呪縛から抜け出られると思っているのかい? それに人身御供で責任を取らされるのはトップの仕事さ。ゾンビを使って仕事してたという非人道的行為の責任は誰かがとらなきゃ、ゾンビに殺された家族も収まりつかんだろう。ま、こうしてヒルデガルドの探索行の依頼出しているんだから、大目に見て欲しいところだなぁ」
無言の圧力を気にするでもなく、シグルドは地下に進んでいく。
負のマテリアルが少しずつ濃くなっていく。
「さあて、ヴルツァライヒとの決着といこうか」
解説
新たな堕落者ヒルデガルドが誕生しました。
これを撃破します。
●敵情報
堕落者ヒルデガルド
吸血鬼型。先制で血の結界を展開します。(半径20m内)結界内では行動が強化される他、手下のゾンビ・亡霊・デュラハン等のアンデッド型の能力を強化します。
本人は雷撃鞭という警棒を悪質にしたような棍棒をもって攻撃します。
魅了によりハンターを指揮下に加えることもあります。
ゾンビ10体
亡霊5体
デュラハン10体
通常のものです。ゾンビは未改造で攻撃力が低い分タフにできています。
ヒルデガルドの結界内ではいっぱしのハンターと同程度の能力発揮します。
その他
オルクスはとうの昔に離脱しています。
ブリュンヒルデは力を失い、奈落の底に消えています。生死不明。こちらも探しても見つからない可能性大。
●戦闘場所
瓦礫の間をすり抜けてたどり着く大きな広場が戦闘場所です。直径100mのいびつな円状の広場。
瓦礫や地割れがあちこちにあります。
これを撃破します。
●敵情報
堕落者ヒルデガルド
吸血鬼型。先制で血の結界を展開します。(半径20m内)結界内では行動が強化される他、手下のゾンビ・亡霊・デュラハン等のアンデッド型の能力を強化します。
本人は雷撃鞭という警棒を悪質にしたような棍棒をもって攻撃します。
魅了によりハンターを指揮下に加えることもあります。
ゾンビ10体
亡霊5体
デュラハン10体
通常のものです。ゾンビは未改造で攻撃力が低い分タフにできています。
ヒルデガルドの結界内ではいっぱしのハンターと同程度の能力発揮します。
その他
オルクスはとうの昔に離脱しています。
ブリュンヒルデは力を失い、奈落の底に消えています。生死不明。こちらも探しても見つからない可能性大。
●戦闘場所
瓦礫の間をすり抜けてたどり着く大きな広場が戦闘場所です。直径100mのいびつな円状の広場。
瓦礫や地割れがあちこちにあります。
マスターより
オルクスは堕落者作成のためだけにお呼びいたしました。ゲスト出演ありがとうオルクス様!
クリームヒルトがヴルツァライヒの人々を大多数取り込んでおり、各地に戻しているため今回は不在です。
ヴルツァライヒの動きは明確に鈍っており、これでほぼトドメとなります。
1年通してのストーリーは次回への布石を残してこれで片付きます。
今までのシナリオにご参加いただきました皆様、重ねて御礼申し上げます。
ありがとうございました。
そしてよろしくお願いいたします。
クリームヒルトがヴルツァライヒの人々を大多数取り込んでおり、各地に戻しているため今回は不在です。
ヴルツァライヒの動きは明確に鈍っており、これでほぼトドメとなります。
1年通してのストーリーは次回への布石を残してこれで片付きます。
今までのシナリオにご参加いただきました皆様、重ねて御礼申し上げます。
ありがとうございました。
そしてよろしくお願いいたします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/07/28 01:27
参加者一覧
マテリアルリンク参加者一覧
- ヴァイス・エリダヌス(ka0364) → エアルドフリス(ka1856)
- ジュード・エアハート(ka0410) → エアルドフリス(ka1856)
- Uisca=S=Amhran(ka0754) → シガレット=ウナギパイ(ka2884)
- レイス(ka1541) → アウレール・V・ブラオラント(ka2531)
- ラシュディア・シュタインバーグ(ka1779) → セレスティア(ka2691)
- オキクルミ(ka1947) → アウレール・V・ブラオラント(ka2531)
- エイル・メヌエット(ka2807) → エアルドフリス(ka1856)
- ミオレスカ(ka3496) → シガレット=ウナギパイ(ka2884)
- エステル・クレティエ(ka3783) → ユリアン・クレティエ(ka1664)
依頼相談掲示板 | |||
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ヒレカツ殲滅計画 エアルドフリス(ka1856) 人間(クリムゾンウェスト)|30才|男性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2015/07/22 00:07:32 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/07/18 07:24:14 |
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![]() |
質問卓 シガレット=ウナギパイ(ka2884) 人間(クリムゾンウェスト)|32才|男性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2015/07/21 23:04:35 |
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ヒレカツ殲滅計画 その2 音羽 美沙樹(ka4757) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 |