ゲスト
(ka0000)
最果ての風景
マスター:坂上テンゼン

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/06/19 12:00
- リプレイ完成予定
- 2017/06/28 12:00
オープニング
●暗い記憶の断片
闇の中で、燐光だけが輝いていた。
丘のようにうずたかく積み上げられたものがある。人の骸だ。
四つん這いになった骸骨が、その上で笑っていた。
"彼"はそんな光景を見た。
夢なのか現なのかは定かではない。
ただそれを見ていた。
そして自問する。
(自分は果たして骸だったのか、骸骨だったのか――)
どこかをさまようように歩いた。
とても暗く、狭い道だった。
なぜここにいるのか、歩いているのかは思い出せない。
ただ、絶望的な状況にあったことは覚えている。
しかし、すでに脱しているという実感があった。
その他には何も覚えていなかった。
気が付くと天には月が出ていた。
何かを求めるように歩いた。
それが何なのかはわからなかった。
どれほど歩いたのか、考えもしなかったが、やがて、火が上がっているのを見つけた。
村が山賊に襲われていた。
何か感じるものがあって、近づいて見てみた。
そこにあったのは理不尽な暴力によって一方的に弱者が蹂躙される光景だった。
そこで、彼は思い出した。
自分はかつて、歪虚という脅威から人類を守る存在――覚醒者にしてハンターだったことを。
その時になって気づいたことだが、彼は徒手空拳ではなかった。その手には剣があり、自分の体の一部のように馴染んでいた。束にはめられているデバイスは、機導術を行使するためのものだった。
衝動的にデバイスを起動させた。
剣を起点に術式が展開される。
マテリアルがエネルギーに変換され、それは光となって飛んだ。
三本に分かれた光が、村を襲う山賊達をそれぞれ貫いた。山賊達は火花を散らし、肉が焼ける臭いとともに、煙をあげて倒れ伏す。
異変に気づいた山賊の一人が問いただす。
何だてめえは、と。
答えは得られることなく、光――デルタレイによってその山賊もまた地に伏した。
戦いになった。
結果として、蹂躙していた者達はことごとく蹂躙される末路となった。
覚醒者などいない、止むに止まれぬ事情があって凶行に走っただけの、素人の集団にすぎなかった。
助けられた形になった村人達の、一人が言った。
ありがとうございます。
あなた様はどなた様で……。
次の瞬間、村人は斬り伏せられていた。
『殺さなければいけない』
理由もわからずそう思えた。
だがその理由はすぐに思い当たった。
そう思うのが自然な存在を、彼はよく知っていたから。
自分がそれになったのだとしたら、説明がつく。
彼には断片的な記憶しかなく、自分が何者なのか忘れていたが、そう考えたら自分が何者なのか――否、何者になったのか、すぐに思い至った。
「フェレライ――」
(――それが、俺の名だ)
あとは一方的な殺戮があるのみ。
暴食の名の下に、それは行われた。
やがて、その村に生きている人間は、完全にいなくなった。
無数の骸が横たわる地面を月光が照らしていた。
ただ一人立つ彼は、その時になってようやくわかった――
あの時、自分は骸の一つだった。
そして、あの骸骨にこれからなるのだと。
●レッドバックの地下研究所
レッドバックには歪虚の協力者が何体かいる。
レッドバックから生物を提供され、契約を行って歪虚とするのがそれらの仕事だ。
そうして出来上がった歪虚はその内何割かがレッドバックの実験体となる取り決めである。
そのうちの一体である、さる暴食の歪虚から、「契約済みの歪虚が一体逃げ出した」と聞かされた。
瀕死になった機導師を引き渡したことを思い出す。
レッドバックは管理のずさんさを苦々しく思いながらもすぐさま探しにいくことにした。
主の方針を思えば、戦力はこれから必要となる。
最悪、退治されるとしても、戦闘記録だけでもとりたい。
だが、不思議とそう悪い気分ではなかった。
合理的でこそないが、必ずしも意思に反するものではない。
歪虚を一人野に放った――
そう考えるならば。
闇の中で、燐光だけが輝いていた。
丘のようにうずたかく積み上げられたものがある。人の骸だ。
四つん這いになった骸骨が、その上で笑っていた。
"彼"はそんな光景を見た。
夢なのか現なのかは定かではない。
ただそれを見ていた。
そして自問する。
(自分は果たして骸だったのか、骸骨だったのか――)
どこかをさまようように歩いた。
とても暗く、狭い道だった。
なぜここにいるのか、歩いているのかは思い出せない。
ただ、絶望的な状況にあったことは覚えている。
しかし、すでに脱しているという実感があった。
その他には何も覚えていなかった。
気が付くと天には月が出ていた。
何かを求めるように歩いた。
それが何なのかはわからなかった。
どれほど歩いたのか、考えもしなかったが、やがて、火が上がっているのを見つけた。
村が山賊に襲われていた。
何か感じるものがあって、近づいて見てみた。
そこにあったのは理不尽な暴力によって一方的に弱者が蹂躙される光景だった。
そこで、彼は思い出した。
自分はかつて、歪虚という脅威から人類を守る存在――覚醒者にしてハンターだったことを。
その時になって気づいたことだが、彼は徒手空拳ではなかった。その手には剣があり、自分の体の一部のように馴染んでいた。束にはめられているデバイスは、機導術を行使するためのものだった。
衝動的にデバイスを起動させた。
剣を起点に術式が展開される。
マテリアルがエネルギーに変換され、それは光となって飛んだ。
三本に分かれた光が、村を襲う山賊達をそれぞれ貫いた。山賊達は火花を散らし、肉が焼ける臭いとともに、煙をあげて倒れ伏す。
異変に気づいた山賊の一人が問いただす。
何だてめえは、と。
答えは得られることなく、光――デルタレイによってその山賊もまた地に伏した。
戦いになった。
結果として、蹂躙していた者達はことごとく蹂躙される末路となった。
覚醒者などいない、止むに止まれぬ事情があって凶行に走っただけの、素人の集団にすぎなかった。
助けられた形になった村人達の、一人が言った。
ありがとうございます。
あなた様はどなた様で……。
次の瞬間、村人は斬り伏せられていた。
『殺さなければいけない』
理由もわからずそう思えた。
だがその理由はすぐに思い当たった。
そう思うのが自然な存在を、彼はよく知っていたから。
自分がそれになったのだとしたら、説明がつく。
彼には断片的な記憶しかなく、自分が何者なのか忘れていたが、そう考えたら自分が何者なのか――否、何者になったのか、すぐに思い至った。
「フェレライ――」
(――それが、俺の名だ)
あとは一方的な殺戮があるのみ。
暴食の名の下に、それは行われた。
やがて、その村に生きている人間は、完全にいなくなった。
無数の骸が横たわる地面を月光が照らしていた。
ただ一人立つ彼は、その時になってようやくわかった――
あの時、自分は骸の一つだった。
そして、あの骸骨にこれからなるのだと。
●レッドバックの地下研究所
レッドバックには歪虚の協力者が何体かいる。
レッドバックから生物を提供され、契約を行って歪虚とするのがそれらの仕事だ。
そうして出来上がった歪虚はその内何割かがレッドバックの実験体となる取り決めである。
そのうちの一体である、さる暴食の歪虚から、「契約済みの歪虚が一体逃げ出した」と聞かされた。
瀕死になった機導師を引き渡したことを思い出す。
レッドバックは管理のずさんさを苦々しく思いながらもすぐさま探しにいくことにした。
主の方針を思えば、戦力はこれから必要となる。
最悪、退治されるとしても、戦闘記録だけでもとりたい。
だが、不思議とそう悪い気分ではなかった。
合理的でこそないが、必ずしも意思に反するものではない。
歪虚を一人野に放った――
そう考えるならば。
解説
(王国某所のハンターオフィスに出された討伐依頼)
街道沿いのとある村が歪虚によって壊滅。速やかに討伐されたし。
(以下メタ情報)
・討伐対象
堕落者。生前は機導師だった。
男性。まだ人の姿をしているが、髪は白くなり、肌には血の気がない。
戦いに敗れて捕まり、知らぬ間に歪虚と契約を交わされ、本能的に歪虚として世界を無に返すべく行動している。
生前の記憶は断片的にしか持っていない。
会話は可能だが、既に価値観が歪虚のものとなってしまっているため和解は不可能。
戦闘では機導師のスキルを使う。
また、死んだ村人や山賊達も歪虚と化しており、討伐対象に含まれる。
これらは戦力としてはごく弱く、脅威にはならないだろう。
・戦場
村跡
堕落者の所在は不明
・時間帯
調整可能
最速で行くなら夜になる。
時間帯によって敵の強さは変わらない。
・レッドバック
堕落者を捜索しているが、基本的にPC達に接触はしない。
戦闘には参加しない。
街道沿いのとある村が歪虚によって壊滅。速やかに討伐されたし。
(以下メタ情報)
・討伐対象
堕落者。生前は機導師だった。
男性。まだ人の姿をしているが、髪は白くなり、肌には血の気がない。
戦いに敗れて捕まり、知らぬ間に歪虚と契約を交わされ、本能的に歪虚として世界を無に返すべく行動している。
生前の記憶は断片的にしか持っていない。
会話は可能だが、既に価値観が歪虚のものとなってしまっているため和解は不可能。
戦闘では機導師のスキルを使う。
また、死んだ村人や山賊達も歪虚と化しており、討伐対象に含まれる。
これらは戦力としてはごく弱く、脅威にはならないだろう。
・戦場
村跡
堕落者の所在は不明
・時間帯
調整可能
最速で行くなら夜になる。
時間帯によって敵の強さは変わらない。
・レッドバック
堕落者を捜索しているが、基本的にPC達に接触はしない。
戦闘には参加しない。
マスターより
逃げ出しても、仮面ライダーにはなれないのが歪虚。
坂上テンゼンに候。
ストーリー重視のシナリオです。
戦闘よりもPC達が、この状況下で何を感じ、何を思うのか。それらで物語を作るシナリオと思ってください。
ストーリーの内容を一言で言うなら「バッドエンドの後始末」。
もしかしたら自分達が将来辿り着くかもしれない結末を見て、貴方のPCは何を思うのでしょうか。
坂上テンゼンに候。
ストーリー重視のシナリオです。
戦闘よりもPC達が、この状況下で何を感じ、何を思うのか。それらで物語を作るシナリオと思ってください。
ストーリーの内容を一言で言うなら「バッドエンドの後始末」。
もしかしたら自分達が将来辿り着くかもしれない結末を見て、貴方のPCは何を思うのでしょうか。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/06/25 20:31
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/06/16 11:25:12 |
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相談卓 通りすがりのSさん(ka6276) エルフ|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2017/06/18 21:45:41 |