ゲスト
(ka0000)
人形繰り「王と道化」
マスター:DoLLer

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- シリーズ(続編)
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,300
- 参加人数
- 現在10人 / 3~10人
- サポート
- 現在2人 / 0~5人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/02/07 19:00
- リプレイ完成予定
- 2019/02/21 19:00
オープニング
●帝国の闇
そもそも帝国は異種族の国が林立するこの地域を制圧することで図版を拡げてきた。それと同時に土地の財産、土地そのものや収奪した食料や財宝など、を売り払って次の進軍の資材にした。つまり帝国は戦うことで経済が回っていた。
だが、エルフハイムとの戦いが泥沼化したことにより、時の皇帝は和平を結び、方向転換を余儀なくされた。
戦争をしなくなったのは良い事だが、同時に帝国は経済を回せなくなった。皇帝が3人変わるころには国庫は底をつき、帝国諸侯からは不満が続出、異種族が再興し、治安も低下するなどした。もう国としてはやっていけないとまで噂される始末。
第8代皇帝、通称『改革帝』オードルフは錬金術を国策として打ち出して、一気に国力を回復したと言われる。
だが、実際は少し違う。すぐに右向け右で新しく芽生えたばかりの錬金術で国を支えるには時間が必要だった。だから、オードルフは『戦争をして金を得る』ことを続けたのだ。そこでオードルフが採ったのは……『不満を持つ帝国民と戦う』こと。戦争を内乱鎮圧にすげかえて、戦争特需を再び帝国にもたらした……。
●アミィの言
「ということで、皇帝は平定した異種族の失われた技術、自分たちの積み重ねた知識、そんなものを凝縮して指輪を作ったんだよ。指輪の中には人を扇動する知識や、操る技術が盛りだくさん。人形使いになって人々を『帝国の飯のタネ』に変えることができるようになっちゃうわけ。もちろん、用済みになったら指輪に命じられてまた消え去るの。そうして帝国は自分の国民を食べて生き延びてきたわけなんだ。ひひひ、暴食系の歪虚に狙われるのも当然だよね。他人を食えなくなったら、自分の体ですら食らい続けたお国なんだからさ」
アミィはワインを煽りおえると、ギュントがその続きを静かに説明した。
「帝国は経済危機を何度かそうして脱してきた。その度に人形使いを呼んで。だが人形使いの存在を知られるわけにはいかない。だから扇動された集団を、絵空事の組織『ヴルツァライヒ(国)』と名付けてそいつらのせいにした。当初の意味では『絵にかいた餅』程度の皮肉さ。今では独り歩きしたがね」
アミィはそこでため息をついた。
「でも不穏の種は段々消せなくなった。ヴルツァライヒは勝手に増長を始めた。人形使いとしてもさ、用済みだから。なんて毎度消されるのは辛かった。そんな感情も知識の一部として残っちゃったわけだ。じゃあ消されないようにするにはどうすればいいか、というと」
アミィは微笑んだままのシグルドの頭を抱きしめて悪戯っぽく、見せびらかすように笑った。
「指輪の持ち主である王様を『人形』にしちゃうことでーす♪ 王と道化の立場を逆転させたの」
アミィがシグルドの頬に口づけしようとするのを、シグルドは笑顔のままで頭を掴んで引き離した。それを見てギュントはため息をついた。
「拒否されてるぞ。その男はそんなにいいかね」
「いいとも。こんなグズグズの帝国で、しかも過去の栄光そのものなのにさ。未だに続くこの因縁に責任をもちたいなんてウブだと思わない? しかもそこそこイケメン」
「私としては逆に面倒以外の何物でもないね。悪役をこなしても顔色一つ変えないなど、人形として面白みに欠ける。まだクリームヒルト様の方が人間的で盛り立てるに相応しいじゃあないか」
「あたしはどっちも大好きよ? でも嫌悪感が出るのはあれかな。シグルドくんはギュントの直接の王様、だからじゃない? 近親憎悪的な?」
そこまで言って、アミィはこちらを向いた。
「説明が遅れたね。あたし一人じゃ心細いじゃん? だからシグルドにお願いして、ギュントも人形使いになってもらったの」
1本の矢は簡単に折れても、3本の矢なら折れない。などと、どこかの名言をのたまいつつ、アミィはにんまりと笑った。
「本当にそこまで真実にいたれるなんて、ほーんと執念って怖いよね。あたしの想像なんだけどさ。この後、あたしの事……殺しちゃうでしょ?」
アミィは可愛い女の子のようにしてシグルドの後ろに隠れると、覗き見るようにしてハンターたちに向いた。
「そうよね。帝国の闇みたいなものだし? シグルドを人形化したのもあたしだし? ギュントを人形使いにするようお願いしたのもあたしだし? つまりあたしを殺せば円満解決よね……でもさ。あたしはもう、そうやって消えるのはイヤなんだ。顔も覚えられない、功績も讃えられない。憎まれ役を演じて……消え去るだけ」
人形を操るのは楽しい。
人間同士が思ったように動くのは楽しい。
だけれど、それは人形使いの使命としてやってるだけ。
アミィの目は寂しさと悲しさに満ちていた。
「あたしは生きたい。あたしは道具じゃない。あたしを殺すなら、ここにいる全員に、この帝国にいる全員に同じ咎を味わってもらうかんね。もう一人で死ぬもんか」
その罪を問える人間はもう存在していないし、その本人も国というものを背負って、多くの人間の人生を背負って決断だった。
アミィはシグルドの制服をぎゅっと握ると、その手をシグルドは軽く被せた。
「……やれやれ、可哀想な子だ。使命に縛られて生きるっていうのは、どうにも残酷だね」
シグルドはアミィを庇うように長巻……巨大な剣を全力で振り回せるように長い柄を取り付けた、それをトン、と床に打ち付けた。
「僕も、そんな呪われた一族の末裔だ。人形使いを殺すと言うなら、この指輪の使い方を知っている人間も、新たな人形使いも殺す必要があると思わないかな。……アミィは人形化なんて言い回ししたけれど、結局は単なる百数十年分のしがらみさ。王と道化、のね」
その言葉を機に、ハンターは戦いに対する姿勢を取った。
そもそも帝国は異種族の国が林立するこの地域を制圧することで図版を拡げてきた。それと同時に土地の財産、土地そのものや収奪した食料や財宝など、を売り払って次の進軍の資材にした。つまり帝国は戦うことで経済が回っていた。
だが、エルフハイムとの戦いが泥沼化したことにより、時の皇帝は和平を結び、方向転換を余儀なくされた。
戦争をしなくなったのは良い事だが、同時に帝国は経済を回せなくなった。皇帝が3人変わるころには国庫は底をつき、帝国諸侯からは不満が続出、異種族が再興し、治安も低下するなどした。もう国としてはやっていけないとまで噂される始末。
第8代皇帝、通称『改革帝』オードルフは錬金術を国策として打ち出して、一気に国力を回復したと言われる。
だが、実際は少し違う。すぐに右向け右で新しく芽生えたばかりの錬金術で国を支えるには時間が必要だった。だから、オードルフは『戦争をして金を得る』ことを続けたのだ。そこでオードルフが採ったのは……『不満を持つ帝国民と戦う』こと。戦争を内乱鎮圧にすげかえて、戦争特需を再び帝国にもたらした……。
●アミィの言
「ということで、皇帝は平定した異種族の失われた技術、自分たちの積み重ねた知識、そんなものを凝縮して指輪を作ったんだよ。指輪の中には人を扇動する知識や、操る技術が盛りだくさん。人形使いになって人々を『帝国の飯のタネ』に変えることができるようになっちゃうわけ。もちろん、用済みになったら指輪に命じられてまた消え去るの。そうして帝国は自分の国民を食べて生き延びてきたわけなんだ。ひひひ、暴食系の歪虚に狙われるのも当然だよね。他人を食えなくなったら、自分の体ですら食らい続けたお国なんだからさ」
アミィはワインを煽りおえると、ギュントがその続きを静かに説明した。
「帝国は経済危機を何度かそうして脱してきた。その度に人形使いを呼んで。だが人形使いの存在を知られるわけにはいかない。だから扇動された集団を、絵空事の組織『ヴルツァライヒ(国)』と名付けてそいつらのせいにした。当初の意味では『絵にかいた餅』程度の皮肉さ。今では独り歩きしたがね」
アミィはそこでため息をついた。
「でも不穏の種は段々消せなくなった。ヴルツァライヒは勝手に増長を始めた。人形使いとしてもさ、用済みだから。なんて毎度消されるのは辛かった。そんな感情も知識の一部として残っちゃったわけだ。じゃあ消されないようにするにはどうすればいいか、というと」
アミィは微笑んだままのシグルドの頭を抱きしめて悪戯っぽく、見せびらかすように笑った。
「指輪の持ち主である王様を『人形』にしちゃうことでーす♪ 王と道化の立場を逆転させたの」
アミィがシグルドの頬に口づけしようとするのを、シグルドは笑顔のままで頭を掴んで引き離した。それを見てギュントはため息をついた。
「拒否されてるぞ。その男はそんなにいいかね」
「いいとも。こんなグズグズの帝国で、しかも過去の栄光そのものなのにさ。未だに続くこの因縁に責任をもちたいなんてウブだと思わない? しかもそこそこイケメン」
「私としては逆に面倒以外の何物でもないね。悪役をこなしても顔色一つ変えないなど、人形として面白みに欠ける。まだクリームヒルト様の方が人間的で盛り立てるに相応しいじゃあないか」
「あたしはどっちも大好きよ? でも嫌悪感が出るのはあれかな。シグルドくんはギュントの直接の王様、だからじゃない? 近親憎悪的な?」
そこまで言って、アミィはこちらを向いた。
「説明が遅れたね。あたし一人じゃ心細いじゃん? だからシグルドにお願いして、ギュントも人形使いになってもらったの」
1本の矢は簡単に折れても、3本の矢なら折れない。などと、どこかの名言をのたまいつつ、アミィはにんまりと笑った。
「本当にそこまで真実にいたれるなんて、ほーんと執念って怖いよね。あたしの想像なんだけどさ。この後、あたしの事……殺しちゃうでしょ?」
アミィは可愛い女の子のようにしてシグルドの後ろに隠れると、覗き見るようにしてハンターたちに向いた。
「そうよね。帝国の闇みたいなものだし? シグルドを人形化したのもあたしだし? ギュントを人形使いにするようお願いしたのもあたしだし? つまりあたしを殺せば円満解決よね……でもさ。あたしはもう、そうやって消えるのはイヤなんだ。顔も覚えられない、功績も讃えられない。憎まれ役を演じて……消え去るだけ」
人形を操るのは楽しい。
人間同士が思ったように動くのは楽しい。
だけれど、それは人形使いの使命としてやってるだけ。
アミィの目は寂しさと悲しさに満ちていた。
「あたしは生きたい。あたしは道具じゃない。あたしを殺すなら、ここにいる全員に、この帝国にいる全員に同じ咎を味わってもらうかんね。もう一人で死ぬもんか」
その罪を問える人間はもう存在していないし、その本人も国というものを背負って、多くの人間の人生を背負って決断だった。
アミィはシグルドの制服をぎゅっと握ると、その手をシグルドは軽く被せた。
「……やれやれ、可哀想な子だ。使命に縛られて生きるっていうのは、どうにも残酷だね」
シグルドはアミィを庇うように長巻……巨大な剣を全力で振り回せるように長い柄を取り付けた、それをトン、と床に打ち付けた。
「僕も、そんな呪われた一族の末裔だ。人形使いを殺すと言うなら、この指輪の使い方を知っている人間も、新たな人形使いも殺す必要があると思わないかな。……アミィは人形化なんて言い回ししたけれど、結局は単なる百数十年分のしがらみさ。王と道化、のね」
その言葉を機に、ハンターは戦いに対する姿勢を取った。
解説
皆さんは現在バルトアンデルス城下の酒場にて、シグルド・アミィ・ギュントの3名と対峙しています。
人形使いに関する真実に行き着いた皆さんを、そのまま帰してくれる様子はありません。
戦うか、何らかの説得をするかで、この場を切り抜けてください。
●人物
シグルド
帝国副師団長にてモンドシャッテ朝の第16代皇帝になったかもしれない人物。
人形使いアミィは彼の管理下ではないが、どうもカジノ依頼で彼女を引っ張ったあたりから逆に利用されてる様子。
闘狩人/征服者
アミィ
帝国の裏で不満を持つ人間をヴルツァライヒに仕立て上げて暴れさせていた仕掛け人。
本人の目的は今のところ生存すること。その為にシグルドを盾にしているようです。
機導士
ギュント
シグルドの副官。つい最近人形使いになったらしい。
人形使いとしても、立場としてもシグルドの管理下にあるので、シグルドを説得すればなんとかなるかもしれない。
闘狩人
NPCはシグルド(ギュント兼任)とクリームヒルト(アミィ役代理)で設定されています。
●情報について
基本的にOPに描かれている事項はPCは知っているとして動いてもらって構いません。
今回は加えまして、前回シナリオの大成功分として、ここに来るまでに今回のOPに相当する推測が成り立っていたといたします。
そのために、サポート枠を解放(こんなこともあろうかと声をかけていた)します。
解決にご活用ください。
人形使いに関する真実に行き着いた皆さんを、そのまま帰してくれる様子はありません。
戦うか、何らかの説得をするかで、この場を切り抜けてください。
●人物
シグルド
帝国副師団長にてモンドシャッテ朝の第16代皇帝になったかもしれない人物。
人形使いアミィは彼の管理下ではないが、どうもカジノ依頼で彼女を引っ張ったあたりから逆に利用されてる様子。
闘狩人/征服者
アミィ
帝国の裏で不満を持つ人間をヴルツァライヒに仕立て上げて暴れさせていた仕掛け人。
本人の目的は今のところ生存すること。その為にシグルドを盾にしているようです。
機導士
ギュント
シグルドの副官。つい最近人形使いになったらしい。
人形使いとしても、立場としてもシグルドの管理下にあるので、シグルドを説得すればなんとかなるかもしれない。
闘狩人
NPCはシグルド(ギュント兼任)とクリームヒルト(アミィ役代理)で設定されています。
●情報について
基本的にOPに描かれている事項はPCは知っているとして動いてもらって構いません。
今回は加えまして、前回シナリオの大成功分として、ここに来るまでに今回のOPに相当する推測が成り立っていたといたします。
そのために、サポート枠を解放(こんなこともあろうかと声をかけていた)します。
解決にご活用ください。
マスターより
今回は殴り倒しても解決ですし、説得でなんとかしても解決です。
殴り倒すにはなかなか強敵ですし、過去の清算、指輪の力を永久に葬り去るという目的の為には更に遠回りすることが必要になります。
説得も相当に材料を用意しなければならず、難易度は殴り倒すより高くなるかもしれません。
すべては参加者のアイデアのままに。
よろしくお願いいたします。
殴り倒すにはなかなか強敵ですし、過去の清算、指輪の力を永久に葬り去るという目的の為には更に遠回りすることが必要になります。
説得も相当に材料を用意しなければならず、難易度は殴り倒すより高くなるかもしれません。
すべては参加者のアイデアのままに。
よろしくお願いいたします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/02/19 11:53
参加者一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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戦いの前の対話【質問卓】 神楽(ka2032) 人間(リアルブルー)|15才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2019/02/07 14:50:42 |
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帝国の闇と対峙せよ【相談卓】 神楽(ka2032) 人間(リアルブルー)|15才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2019/02/07 13:53:29 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/02/07 13:50:47 |