ゲスト
(ka0000)
人形繰り「煉獄」
マスター:DoLLer

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- シリーズ(続編)
- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
1,300
- 参加人数
- 現在10人 / 3~10人
- サポート
- 現在3人 / 0~3人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2019/03/29 15:00
- リプレイ完成予定
- 2019/04/12 15:00
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
帰りたい
マテリアルだけになって、精霊のように確固とした自我なんてなくて。
それでも帰りたいと願う。行ってきますと手を振ったあの家へ。期待と不安を混じらせて手を振る家族の元へ。
たった一人なら、それはすぐ消えてしまっていたかもしれない。でもここにある命の残滓、どれもがそう思っていたなら?
思い切って主に嘆願した。主はそれはそれは怖い人だ。
だけどその厳しさと力で僕たちが無念の塵となって消えてしまうのを、繋ぎとめてくれていた。きっと一人のワガママなら、主は叱り飛ばされただろうけれど、これだけの数がいるんだ。
「いいでしょう」
主は存外あっさりと認めてくれた。
喜び勇んで僕たちは動き出す。
帰ろうか
●
帰ったよ
悲鳴を上げる間もなく、女はその頭を枝のような黒い何かに巻き付かれたかと思うと、そのまま宙づりにされ、数回もがいた頃には、もう萎れて枯れ枝のようになってしまっていた。
ずっと心配かけてごめん。もう離れないよ。
温かなマテリアルが流れ込んでくる。それが嬉しくて、幸せで。
大好きな家族に向かって僕たちは走った。父さん、母さん、恋人、母さん、姉さん、父さん、父、母、姉、兄、弟、妹、兄、父、母父母姉兄弟妹兄父母……。
大好きな家族を抱きしめる。もう二度と離れない。そんな誓いと共に。手当たり次第に家族にハグしていく。
「化け物、化け物!!」
その言葉に僕は傷ついた。
主よ。家族は僕を忘れてしまったのでしょうか。僕は一度だって忘れたこともないのに。
「現世の移ろいは激しく、また儚く。泡沫であるが故に道理を知らぬ」
ああ、そうか。
永劫の時間でも揺らぎもしない主の姿、声は、僕をほっとさせた。
帰ろう
還ろう
僕たちは祈りを込めて、逃げ惑う家族たちに問いかける。
もともとは同じ生命の海に揺蕩う砂粒だったじゃないか。個として確立するから余計に苦しいんだ、命が尽きることは苦しいし悲しいだろう。
でもここなら永遠だよ。ずっと一緒にいられるんだ。
僕たちは願うように、魂一つ一つを抱き込んでいく。
人の命も、羊の命も、犬も猫もネズミも魚もノミも、草も土も風も炎も。全部家族だ。家族家族家族家族。輪廻の輪の一つだ。
「生命よ、還流せよ」
覆いつくす僕たちを励ますように
命を終えて、自我を失ってさまよう魂という名のマテリアルに安らぎを与えるように。
主の声は響き渡った。
その胸に違う声が聞こえる。僕は不思議に思った。
「人の浅知恵で生命を流れから切り離されている。哀れなものだ」
可愛そうに。合一できないなんて
みんなで力を合わせて解き放とう。
家族みんなの力があれば、不可能なことは何もない。
●
「村一つがまるまるスィアリに飲み込まれた」
シグルドは久しぶりに苦い顔をしてそう報告した。
「母様が……帝国に来たの」
「もう君たちボラ族が知っている人間の姿じゃなくなってるよ。マテリアルを格納する髪が沼のように広がっていて、森のように隆起している。あれは自然という現象そのものだ。そして取り込んだ命からマテリアルをさらに強化している。さっきの飲み込まれたというのは比喩じゃなくて、そのままの意味だ。村の土地を飲み込むほどに巨大に成長している」
「行く!」
立ち上がったボラ族の若きリーダー、ウルを止めたのは同族の誰でもなく、人形使いのアミィだった。
「行ってどうすんのよ。しかし、そんな巨大怪物になる理由っていうと……あれか。人を惹きつける力の強かったヒルデガルドやブリュンヒルデなんかを飲み込んだ上で、ロッカの作った魔法陣が集めたマテリアルなんかを取り込んだからかな」
「だろうね。多分指輪を取り込まれたら、アミィはこんなに元気にしてないと思うよ」
シグルドの言葉にアミィは引きつった笑いを浮かべて、立ったり座ったり、うろうろしたりを繰り返した。
どこまで自分が正気なのか、気づかぬうちに自分の心が歪虚のそれになっていくのかと思うと、ぞっとするのも当然のことだ。
「さて、倒す方法だけど。そんな大きさだと本体に切り込むのも一苦労だな」
「歪虚と戦うイメージでいるからややこしいんじゃん。マテリアルを飲み込むより吹き飛ぶマテリアルの方が多ければいいんだから、魔導列車に爆薬ありったけつんで突っ込ませれば道くらい開けるよ」
アミィの言葉にシグルドはしばらく考え込んだ後、そうだね。と返した。
「そうだね。それで本体には届くだろう」
シグルドはしばらく考えて、それだけ述べた。
底なし沼を埋め立てるほどの作戦があるわけではない。しかし今まで付き合ってくれたハンターの力はもう次元を超えはじめている。
「一縷の望みを、というべきなのかな」
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
帰りたい
マテリアルだけになって、精霊のように確固とした自我なんてなくて。
それでも帰りたいと願う。行ってきますと手を振ったあの家へ。期待と不安を混じらせて手を振る家族の元へ。
たった一人なら、それはすぐ消えてしまっていたかもしれない。でもここにある命の残滓、どれもがそう思っていたなら?
思い切って主に嘆願した。主はそれはそれは怖い人だ。
だけどその厳しさと力で僕たちが無念の塵となって消えてしまうのを、繋ぎとめてくれていた。きっと一人のワガママなら、主は叱り飛ばされただろうけれど、これだけの数がいるんだ。
「いいでしょう」
主は存外あっさりと認めてくれた。
喜び勇んで僕たちは動き出す。
帰ろうか
●
帰ったよ
悲鳴を上げる間もなく、女はその頭を枝のような黒い何かに巻き付かれたかと思うと、そのまま宙づりにされ、数回もがいた頃には、もう萎れて枯れ枝のようになってしまっていた。
ずっと心配かけてごめん。もう離れないよ。
温かなマテリアルが流れ込んでくる。それが嬉しくて、幸せで。
大好きな家族に向かって僕たちは走った。父さん、母さん、恋人、母さん、姉さん、父さん、父、母、姉、兄、弟、妹、兄、父、母父母姉兄弟妹兄父母……。
大好きな家族を抱きしめる。もう二度と離れない。そんな誓いと共に。手当たり次第に家族にハグしていく。
「化け物、化け物!!」
その言葉に僕は傷ついた。
主よ。家族は僕を忘れてしまったのでしょうか。僕は一度だって忘れたこともないのに。
「現世の移ろいは激しく、また儚く。泡沫であるが故に道理を知らぬ」
ああ、そうか。
永劫の時間でも揺らぎもしない主の姿、声は、僕をほっとさせた。
帰ろう
還ろう
僕たちは祈りを込めて、逃げ惑う家族たちに問いかける。
もともとは同じ生命の海に揺蕩う砂粒だったじゃないか。個として確立するから余計に苦しいんだ、命が尽きることは苦しいし悲しいだろう。
でもここなら永遠だよ。ずっと一緒にいられるんだ。
僕たちは願うように、魂一つ一つを抱き込んでいく。
人の命も、羊の命も、犬も猫もネズミも魚もノミも、草も土も風も炎も。全部家族だ。家族家族家族家族。輪廻の輪の一つだ。
「生命よ、還流せよ」
覆いつくす僕たちを励ますように
命を終えて、自我を失ってさまよう魂という名のマテリアルに安らぎを与えるように。
主の声は響き渡った。
その胸に違う声が聞こえる。僕は不思議に思った。
「人の浅知恵で生命を流れから切り離されている。哀れなものだ」
可愛そうに。合一できないなんて
みんなで力を合わせて解き放とう。
家族みんなの力があれば、不可能なことは何もない。
●
「村一つがまるまるスィアリに飲み込まれた」
シグルドは久しぶりに苦い顔をしてそう報告した。
「母様が……帝国に来たの」
「もう君たちボラ族が知っている人間の姿じゃなくなってるよ。マテリアルを格納する髪が沼のように広がっていて、森のように隆起している。あれは自然という現象そのものだ。そして取り込んだ命からマテリアルをさらに強化している。さっきの飲み込まれたというのは比喩じゃなくて、そのままの意味だ。村の土地を飲み込むほどに巨大に成長している」
「行く!」
立ち上がったボラ族の若きリーダー、ウルを止めたのは同族の誰でもなく、人形使いのアミィだった。
「行ってどうすんのよ。しかし、そんな巨大怪物になる理由っていうと……あれか。人を惹きつける力の強かったヒルデガルドやブリュンヒルデなんかを飲み込んだ上で、ロッカの作った魔法陣が集めたマテリアルなんかを取り込んだからかな」
「だろうね。多分指輪を取り込まれたら、アミィはこんなに元気にしてないと思うよ」
シグルドの言葉にアミィは引きつった笑いを浮かべて、立ったり座ったり、うろうろしたりを繰り返した。
どこまで自分が正気なのか、気づかぬうちに自分の心が歪虚のそれになっていくのかと思うと、ぞっとするのも当然のことだ。
「さて、倒す方法だけど。そんな大きさだと本体に切り込むのも一苦労だな」
「歪虚と戦うイメージでいるからややこしいんじゃん。マテリアルを飲み込むより吹き飛ぶマテリアルの方が多ければいいんだから、魔導列車に爆薬ありったけつんで突っ込ませれば道くらい開けるよ」
アミィの言葉にシグルドはしばらく考え込んだ後、そうだね。と返した。
「そうだね。それで本体には届くだろう」
シグルドはしばらく考えて、それだけ述べた。
底なし沼を埋め立てるほどの作戦があるわけではない。しかし今まで付き合ってくれたハンターの力はもう次元を超えはじめている。
「一縷の望みを、というべきなのかな」
解説
豊穣の巫女スィアリが帝国北部に出現し、村一つを襲来したという情報が入りました。
ここに向かいます。
●目的
指輪の奪取・もしくはスィアリの撃破
撃破の方が難易度が高いと判断します。
指輪はネックレス状の紐に通されてスィアリの首にかけられています。
●敵情報
『豊穣の巫女』スィアリ
元北荻の辺りで活動していたボラ族の前族長が歪虚化したもの。
大半が黒い髪で構成されており、影が立体化して動いているように見える姿です。森や沼などに見えるそうです。直径は約500m。
槍や弓を装備しています。
サイズ10以上
スィアリの体はサイズ1でその中央にいます。
攻撃方法
『生命還流』自周囲のマテリアルを吸収し、行動阻害を起こす
『天譴の雨』光の雨を降らせて広範囲にダメージを及ぼす。
『静謐の風』指定範囲にいる者のアクティブスキル・パッシブスキルを一時的に不活性化(使用不能)する。
天譴の雨、静謐の風は、生命還流を最低1度は使用する必要があります。
『憐憫の森』髪による束縛攻撃で、生命力を吸収及び移動を阻害する。常に全体攻撃。
髪はスィアリとは別に単独行動します。
●味方による補助
初ラウンドに列車による突撃が行われ、『憐憫の森』は3ラウンドの間使用不可となります。
その他、今までに登場したNPCの力を借りることができます。
列車による突撃以外の補助についてはプレイングになければ行われません。
ここに向かいます。
●目的
指輪の奪取・もしくはスィアリの撃破
撃破の方が難易度が高いと判断します。
指輪はネックレス状の紐に通されてスィアリの首にかけられています。
●敵情報
『豊穣の巫女』スィアリ
元北荻の辺りで活動していたボラ族の前族長が歪虚化したもの。
大半が黒い髪で構成されており、影が立体化して動いているように見える姿です。森や沼などに見えるそうです。直径は約500m。
槍や弓を装備しています。
サイズ10以上
スィアリの体はサイズ1でその中央にいます。
攻撃方法
『生命還流』自周囲のマテリアルを吸収し、行動阻害を起こす
『天譴の雨』光の雨を降らせて広範囲にダメージを及ぼす。
『静謐の風』指定範囲にいる者のアクティブスキル・パッシブスキルを一時的に不活性化(使用不能)する。
天譴の雨、静謐の風は、生命還流を最低1度は使用する必要があります。
『憐憫の森』髪による束縛攻撃で、生命力を吸収及び移動を阻害する。常に全体攻撃。
髪はスィアリとは別に単独行動します。
●味方による補助
初ラウンドに列車による突撃が行われ、『憐憫の森』は3ラウンドの間使用不可となります。
その他、今までに登場したNPCの力を借りることができます。
列車による突撃以外の補助についてはプレイングになければ行われません。
マスターより
お待たせしました、スィアリ戦です。
一応ラスボス戦ですが基本的に倒さなくてもクリアできるようにしています。
しかし決着つけたい人もいるでしょう。どうするかは皆さまの導き出す結論にお任せしたいと思います。
煉獄というのは、天国と地獄の一歩手前の世界。
髪に囚われた魂たちも、スィアリという存在も、煉獄の世界の住人みたいなものかなと。
あと、これから戦う皆さまも。
一応ラスボス戦ですが基本的に倒さなくてもクリアできるようにしています。
しかし決着つけたい人もいるでしょう。どうするかは皆さまの導き出す結論にお任せしたいと思います。
煉獄というのは、天国と地獄の一歩手前の世界。
髪に囚われた魂たちも、スィアリという存在も、煉獄の世界の住人みたいなものかなと。
あと、これから戦う皆さまも。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2019/04/11 10:16
参加者一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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【質問卓】豊穣の巫女と対峙せよ 神楽(ka2032) 人間(リアルブルー)|15才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2019/03/31 12:32:34 |
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![]() |
【相談卓】煉獄を踏破せよ 神楽(ka2032) 人間(リアルブルー)|15才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2019/03/29 13:17:23 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/03/27 23:24:06 |