ゲスト
(ka0000)
【幻痛】幕開~ベアーレヤクト決戦~
マスター:WTRPGマスター

- シナリオ形態
- グランド
- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 1~100人
- サポート
- 0~0人
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/09/27 19:00
- 完成日
- 2018/10/10 19:38
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
「……何をしていた」
腕を組んだバタルトゥ・オイマト(kz0023)はヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)の方に視線を送った。
要塞『ノアーラ・クンタウ』前に展開した辺境部族会議最終防衛ライン。
斥候のよれば、予定通り怠惰の軍勢がここへ訪れるはずなのだが、指揮を執るべきヴェルナーが遅れてやってきた事を気にしているようだった。
「遅参お詫び致します。急な来客がありまして」
「来客……? ……こんな時にか?」
「こんな時だからこそです。バタルトゥさんもご存じの方ですよ。
それより、対ビックマー討伐作戦『ベアーレヤクト』もこれで最後になります」
――勝っても、負けても。
そう言い掛けたヴェルナーであったが、敢えてその言葉は飲み込んだ。
この場に集った者達は敗北の未来など想い描いていない。
必ず、怠惰王に勝って辺境の地を取り戻す。
それ以外の答えはあり得ない。
「言われた通り、みんなで防衛網を敷いたよ。でも、これでビックマーを止められるかな?」
ファリフ・スコール(kz0009)は、ヴェルナーの指示を受けて辺境の戦士達と共に防衛ラインの構築に勤しんでいた。
対怠惰の感染用結界の設置に加え、塹壕と馬防柵を形成。
この為、最終防衛ラインは物々しい雰囲気に包まれた光景となっている。
「これはビックマーを止めるというよりも生き残りの武装巨人を止める為の設備です。武装巨人の武器でノアーラ・クンタウの防衛設備を破壊されかねません。もし、ビックマーが近づく際にこれらの設備を破壊されては丸裸同然ですから」
「あ、そうか」
「ふふ、理解が早くてありがたい……あ、いけません。あまりファリフさんの事を可愛がるとヤキモチを焼く方がいらっしゃいました。後で怒られる前に自重させていただきます」
「…………」
いたずらっぽい笑みを浮かべるヴェルナーの前でファリフは敢えて沈黙を守った。
ファリフとしては久しぶりに部族会議のみんなと戦う事になる。楽しみである反面、これ以上手を貸さないと言い張った『あの精霊』が余計な騒ぎを起こしかねない。
ここは早く戦いを終わらせて『あの精霊』を安心させるべきか。
「そうですね。作戦ではハンターの皆さんにはビックマーに総攻撃を仕掛けていただきます。チューダさんのおかげでビックマーはかなり弱っています。今ならビックマーを倒す最大のチャンスです。
ですが、それだけでは不完全です」
「ヴェルナー……俺達は……どうすればいい?」
「まず、ファリフさん。攻め寄る武装巨人を防衛ラインで可能な限り止めて下さい。武装巨人はビックマーの護衛だけではなく、ノアーラ・クンタウの防衛設備破壊を狙ってきます」
「分かった。トリシュヴァーナと一緒に巨人をやっつければいいんだね」
ファリフは愛用の斧を片手に気合い十分だ。
ノアーラ・クンタウは部族会議だけではなく帝国にとっても防衛ラインと言えるだろう。
連合軍として帝国の手を借りる事は可能だろうが、できるなら辺境に侵攻した怠惰の軍は辺境の手で片付けたい。それが辺境で生き抜いた戦士の誇りでもあるから。
「そうなると……俺は……ビックマーか」
「いえ。ビックマーよりもある意味厄介な相手です」
「……?」
「先程入った情報によれば、防衛ラインの東側にある森で青木燕太郎が目撃されました」
――青木燕太郎。
バタルトゥにとっては忘れられない歪虚の名前だ。
部族の面汚しにして災厄の十三魔の一人、ハイルタイ。
そのハイルタイをハンターに弱らせた上で、その力を吸収したのが青木だ。
その青木がビックマーとの最終決戦の場に姿を現すという事は……。
「奴の目的は……吸収か」
「さすがは、バタルトゥさん。既にはハンターからの提案を受けて青木の警戒網を敷いていました。
もし、ブラッドリーの言う『終末』にビックマー打倒が絡むのであれば回避は困難です。ですが、最悪の展開は阻止ししなければなりません。青木がビックマーを吸収しないよう妨害して下さい」
ビックマーの力を青木が吸収――考えるだけでも厄介な事になりかねない。
何としても足止めをしてビックマー吸収を阻止しなければならない。
そんな中、ふいにヴェルナーは軽く笑みを浮かべる。
「ふふ、バタルトゥさんはいつもよりリラックスされているようですね。少し顔が綻んで見えます」
「え? ボクにはいつもの顔にしか見えないんだけど……」
「……それより。もう一つ、気がかりな事が……ある」
話題を変えようと咳払いするバタルトゥ。
戦いの前であるが、今まで以上にリラックスムードに溢れているのは良い事だ。
だが、バタルトゥの指摘する懸念材料が不安をもたらす。
「分かっています。ブラッドリーの介入ですね」
ヴェルナーの口から漏れたブラッドリーという名。
ベアーレヤクト初戦にてロックワンバスター周辺に姿を見せたブラッドリーは、その目的を明確にせず撤退した。噂によればハンターを助けたのではないかという話もあるが――。
「ハンターの推測が正しければ、ブラッドリーは青木の行動を支援するはずです。青木の道を作るために、ハンターと敵対するでしょう」
「大丈夫。もし、邪魔するようならやっつければいいんだから」
ヴェルナーの言葉にファリフは自信を持って答えた。
今は辺境の戦士やハンター達を信じる他無い。
想定外の事態が発生しても、きっと乗り越えてくれるはずだ。
「そうですね。皆さんを信じるとしましょう。
では、皆さん。作戦通りのお願いします」
●
「……やってくれるじゃねぇか」
ビックマーはゆっくりと進んでいく。
チューダを撃退したのは良いが、ビックマーの力はかなり削ぎ落とされていた。
巨体を誇ったビックマーであったが、その体長は四分の一程度にまで下がっている。
だが、これで下がれば人間達を調子付かせる事になる。
「そうは、させねぇ。男が掲げた目標だ。成し遂げるまで帰れねぇ。
何より、敵も全力。だったら、俺も全力で答えるのが礼儀ってもんだろ」
ビックマーは心の中で炎を燃え上がらせる。
先の戦いで力を大きく削がれたビックマーだが、その闘志が失われた訳ではない。むしろ、策を弄して全力で向かって来るのだ。それに答えるのが男の在り方である。
「オーロラ、本当に悪いと思ってる。だけどよ、こればっかりは譲れねぇんだ。お互いの意地がぶつかり合えば、どっちかが潰れる。こいつぁもう我慢比べみてぇなもんだ。
せめて、俺様の生き様を見ていてくれ。今日の俺様ぁ、ちょっとワイルドにいかせてもらうぜ」
強い決意を元に、ビックマーは進軍を続ける。
王としての意地。
そして、守るべき者の為に――。
腕を組んだバタルトゥ・オイマト(kz0023)はヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)の方に視線を送った。
要塞『ノアーラ・クンタウ』前に展開した辺境部族会議最終防衛ライン。
斥候のよれば、予定通り怠惰の軍勢がここへ訪れるはずなのだが、指揮を執るべきヴェルナーが遅れてやってきた事を気にしているようだった。
「遅参お詫び致します。急な来客がありまして」
「来客……? ……こんな時にか?」
「こんな時だからこそです。バタルトゥさんもご存じの方ですよ。
それより、対ビックマー討伐作戦『ベアーレヤクト』もこれで最後になります」
――勝っても、負けても。
そう言い掛けたヴェルナーであったが、敢えてその言葉は飲み込んだ。
この場に集った者達は敗北の未来など想い描いていない。
必ず、怠惰王に勝って辺境の地を取り戻す。
それ以外の答えはあり得ない。
「言われた通り、みんなで防衛網を敷いたよ。でも、これでビックマーを止められるかな?」
ファリフ・スコール(kz0009)は、ヴェルナーの指示を受けて辺境の戦士達と共に防衛ラインの構築に勤しんでいた。
対怠惰の感染用結界の設置に加え、塹壕と馬防柵を形成。
この為、最終防衛ラインは物々しい雰囲気に包まれた光景となっている。
「これはビックマーを止めるというよりも生き残りの武装巨人を止める為の設備です。武装巨人の武器でノアーラ・クンタウの防衛設備を破壊されかねません。もし、ビックマーが近づく際にこれらの設備を破壊されては丸裸同然ですから」
「あ、そうか」
「ふふ、理解が早くてありがたい……あ、いけません。あまりファリフさんの事を可愛がるとヤキモチを焼く方がいらっしゃいました。後で怒られる前に自重させていただきます」
「…………」
いたずらっぽい笑みを浮かべるヴェルナーの前でファリフは敢えて沈黙を守った。
ファリフとしては久しぶりに部族会議のみんなと戦う事になる。楽しみである反面、これ以上手を貸さないと言い張った『あの精霊』が余計な騒ぎを起こしかねない。
ここは早く戦いを終わらせて『あの精霊』を安心させるべきか。
「そうですね。作戦ではハンターの皆さんにはビックマーに総攻撃を仕掛けていただきます。チューダさんのおかげでビックマーはかなり弱っています。今ならビックマーを倒す最大のチャンスです。
ですが、それだけでは不完全です」
「ヴェルナー……俺達は……どうすればいい?」
「まず、ファリフさん。攻め寄る武装巨人を防衛ラインで可能な限り止めて下さい。武装巨人はビックマーの護衛だけではなく、ノアーラ・クンタウの防衛設備破壊を狙ってきます」
「分かった。トリシュヴァーナと一緒に巨人をやっつければいいんだね」
ファリフは愛用の斧を片手に気合い十分だ。
ノアーラ・クンタウは部族会議だけではなく帝国にとっても防衛ラインと言えるだろう。
連合軍として帝国の手を借りる事は可能だろうが、できるなら辺境に侵攻した怠惰の軍は辺境の手で片付けたい。それが辺境で生き抜いた戦士の誇りでもあるから。
「そうなると……俺は……ビックマーか」
「いえ。ビックマーよりもある意味厄介な相手です」
「……?」
「先程入った情報によれば、防衛ラインの東側にある森で青木燕太郎が目撃されました」
――青木燕太郎。
バタルトゥにとっては忘れられない歪虚の名前だ。
部族の面汚しにして災厄の十三魔の一人、ハイルタイ。
そのハイルタイをハンターに弱らせた上で、その力を吸収したのが青木だ。
その青木がビックマーとの最終決戦の場に姿を現すという事は……。
「奴の目的は……吸収か」
「さすがは、バタルトゥさん。既にはハンターからの提案を受けて青木の警戒網を敷いていました。
もし、ブラッドリーの言う『終末』にビックマー打倒が絡むのであれば回避は困難です。ですが、最悪の展開は阻止ししなければなりません。青木がビックマーを吸収しないよう妨害して下さい」
ビックマーの力を青木が吸収――考えるだけでも厄介な事になりかねない。
何としても足止めをしてビックマー吸収を阻止しなければならない。
そんな中、ふいにヴェルナーは軽く笑みを浮かべる。
「ふふ、バタルトゥさんはいつもよりリラックスされているようですね。少し顔が綻んで見えます」
「え? ボクにはいつもの顔にしか見えないんだけど……」
「……それより。もう一つ、気がかりな事が……ある」
話題を変えようと咳払いするバタルトゥ。
戦いの前であるが、今まで以上にリラックスムードに溢れているのは良い事だ。
だが、バタルトゥの指摘する懸念材料が不安をもたらす。
「分かっています。ブラッドリーの介入ですね」
ヴェルナーの口から漏れたブラッドリーという名。
ベアーレヤクト初戦にてロックワンバスター周辺に姿を見せたブラッドリーは、その目的を明確にせず撤退した。噂によればハンターを助けたのではないかという話もあるが――。
「ハンターの推測が正しければ、ブラッドリーは青木の行動を支援するはずです。青木の道を作るために、ハンターと敵対するでしょう」
「大丈夫。もし、邪魔するようならやっつければいいんだから」
ヴェルナーの言葉にファリフは自信を持って答えた。
今は辺境の戦士やハンター達を信じる他無い。
想定外の事態が発生しても、きっと乗り越えてくれるはずだ。
「そうですね。皆さんを信じるとしましょう。
では、皆さん。作戦通りのお願いします」
●
「……やってくれるじゃねぇか」
ビックマーはゆっくりと進んでいく。
チューダを撃退したのは良いが、ビックマーの力はかなり削ぎ落とされていた。
巨体を誇ったビックマーであったが、その体長は四分の一程度にまで下がっている。
だが、これで下がれば人間達を調子付かせる事になる。
「そうは、させねぇ。男が掲げた目標だ。成し遂げるまで帰れねぇ。
何より、敵も全力。だったら、俺も全力で答えるのが礼儀ってもんだろ」
ビックマーは心の中で炎を燃え上がらせる。
先の戦いで力を大きく削がれたビックマーだが、その闘志が失われた訳ではない。むしろ、策を弄して全力で向かって来るのだ。それに答えるのが男の在り方である。
「オーロラ、本当に悪いと思ってる。だけどよ、こればっかりは譲れねぇんだ。お互いの意地がぶつかり合えば、どっちかが潰れる。こいつぁもう我慢比べみてぇなもんだ。
せめて、俺様の生き様を見ていてくれ。今日の俺様ぁ、ちょっとワイルドにいかせてもらうぜ」
強い決意を元に、ビックマーは進軍を続ける。
王としての意地。
そして、守るべき者の為に――。
リプレイ本文
該当リプレイは以下のURLの特設ページで公開されております。
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http://www.wtrpg10.com/event/cp048/opening
依頼結果
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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選択肢2:武装巨人対応 相談卓 エラ・“dJehuty”・ベル(ka3142) 人間(リアルブルー)|30才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2018/09/27 12:59:05 |
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選択肢表明卓 エステル・ソル(ka3983) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2018/09/27 15:09:34 |
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選択肢3:青木燕太郎撃退 エステル・ソル(ka3983) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2018/09/27 12:22:06 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/09/27 15:08:11 |
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選択肢1:ビックマー撃破相談卓 Uisca=S=Amhran(ka0754) エルフ|17才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2018/09/26 07:30:34 |
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![]() |
選択肢1:対ビックマー相談卓2 Uisca=S=Amhran(ka0754) エルフ|17才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2018/09/27 18:00:30 |
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質問卓 南護 炎(ka6651) 人間(リアルブルー)|18才|男性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2018/09/26 22:09:43 |