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(ka0000)
【血断】オペレーション・ブラッドアウト
マスター:WTRPGマスター
このシナリオは5日間納期が延長されています。
オープニング
グラウンド・ゼロでの邪神迎撃作戦は万全の準備の下、ついに実行された。
“万全”とは、現時点のクリムゾンウェスト連合軍の全戦力という意味ではない。
まだ訓練中の転移者や、修復中の戦艦やCAM、合流できていない各国戦力、亜人、精霊などを数えれば、“全力”には程遠い。
だが、現時点のこの戦力で、十分に勝利の見込みはある。
「――目標地点に空間湾曲を確認! リアルブルーからの転移です!」
「全部隊に通達。カウントダウン終了と同時に、指定地点に一斉砲撃。サルヴァトーレ・ブル、主砲発射用意!」
敵が現れる場所も時間もわかっていた。ならばやることは決まっている。
二つのサルヴァトーレ級が、そして並べられたダインスレイブやVolcaniusを初めとした砲撃型ユニット、更にはずらりと並べられたスペルランチャーがその瞬間を待ち受ける。
「この規模の転移、間違いなく邪神翼だ! ベアトリクス、芙蓉、奴が通過した瞬間にゲートを閉じるぞ! 余計な戦力を通すな!」
「おっけ~♪」「承知しました!」
マスティマが翼を広げ、空に魔法陣を展開する。
それに呼応するようにロッソとブルそれぞれの甲板でベアトリクス・アルキミア(kz0261)と南雲芙蓉が魔法を展開する。
「シルエットインストール! タイプ、クリムゾンウェスト!」
「此の神床に仰ぎ奉る……高き尊き神教のまにまに、直き正しき眞心もちて誠の道に違ふことなく!」
詠唱に合わせ、ヴォイドゲートは徐々に小さく狭まっていく。
それを強引に突き破ろうと迫る何者かの力により、空間に亀裂が走った。
「げ。思ったよりこの邪神翼強そうかも~……世界に大穴があいちゃったら大変だわ~」
「ベアトリクスさん、演算をこちらで持ちます。リソースを界壁修繕に当ててください」
ルビー(kz0208)もまた、守護者と呼ぶには少々毛色が事あるが、大精霊の器としての能力を持つ。
ちょうどナディア・ドラゴネッティ(kz0207)と大精霊クリムゾンウェストが協力し合っていたように、力を合わせる事が可能だ。
「二人がかりでもナディアに追いつけないのはちょっとショックねぇ~」
「仕方ありません。私達は、代役ですから。主役が戻るまでは――ここで踏み止まりましょう」
徐々に姿を見せたのは、これまでにも何度か見たあの邪神の翼。ダモクレル級ソードオブジェクト。だが――。
それは世界の壁を超えながら徐々に変容していく。翼は分解・再構成され、新たな形を成した。
「ベルフェゴールと同じ、超越体に変化した……!?」
三つ首の怪物が世界を超えた瞬間、爆ぜるような負のマテリアルが轟き……。
「負ひ持つ業に勵ましめ給ひ家門高く……身健に世のため人のために盡さしめ給へと恐み恐みも白す……ベアトリクスさん!」
「「大精霊クリムゾンウェストの名の下に命じる!」」
ベアトリクスとルビーが声を重ねる。
「「門よ――閉じろ!!」」
その刹那、ヴォイドゲートは消失した。
邪神翼の侵入からゲート完全消失までの間は、わずか15秒程度。だが、そのほんの僅かな時の間に――。
「目標地点周辺にVOID反応! 数、およそ1万4000体……艦長っ!!」
「一斉砲撃開始!」
敵が動き出すよりも早く、全火力を集中する。
南雲雪子の指揮により、四方八方からの攻撃が邪神翼を、そして共に転移してきた歪虚の群れを焼いた。
「青龍、最大火力だ!」
『是非もなし! 世界を守護する龍の力、お前に託すぞ!』
「主砲ドラゴンブレス並びに副砲レイン・オブ・ライト、最大出力でぶっ放せ!」
サルヴァトーレ・ロッソは度重なる改修と青龍の搭載により世界最大の瞬間火力を実現した。
ダニエル・ラーゲンベック(kz0024)の掛け声に蒼い光が瞬き、濁流となったマテリアルの炎が歪虚を蒸発させていく。
「すごい……! 先制攻撃で、敵戦力の60%以上が消滅!」
「もう少し削っておきたかったところですが……攻撃中断! 敵の反撃が来ます! 大型ユニットによる射線妨害、交代戦力への被害を最小限に!」
大楯を手にしたドミニオン、バリアを展開するエクスシア、土壁を作るGnomeなどが準備を終えるとほぼ同時、敵の反撃となる大量の光線が放たれた。
ひとつひとつは大した威力ではなくとも、何千と束になればあっという間にCAMすら屠る威力となる。
だが、反撃は既に想定されていた。前衛は使い潰すつもりで壁とし、可能な限り攻撃可能な兵力を温存する。
「続けて邪神翼が来るわ! 攻撃手段および能力不明……ここからはアドリブね」
燃え盛る炎の渦の中、邪神翼がゆっくりと動き出す。
三つの首それぞれに集めた負のマテリアルを熱線に変え、同時に三方向を薙ぎ払う。
「空蒼作戦で確認された、邪神本体のレーザー攻撃に匹敵する火力です! 一撃で陣形に三つも穴が……!」
「心底、リゼリオでの戦いを避けて正解でしたね。ハンターによる精鋭戦力を投入します! 彼らの為に道を拓いてください!」
これまでの邪神翼の中でも、この個体は特に強力だ。
それもその筈。邪神翼の強さは邪神本体から付与されたマテリアル量に依存している。
過去に撃破した邪神翼は、あくまでも「惑星からマテリアルを吸収する」という役割と相応の力を与えられていたにすぎない。
だが、これは違う。最初から――星を滅ぼす目的で産み落とされたモノだ。
「ハンターの精鋭部隊でも手に余る……! やっぱり僕が……!」
援護に駆けつけようとするマスティマ。それを上空から突如衝撃が襲った。
雷のように不規則な軌道で、そして信じられない程の早さで、それは現れた。
「大精霊リアルブルー……会いたかったぞ」
「黒いマスティマ……」
体勢を立て直し、大精霊は舌打ちする。
クドウ・マコトが搭乗する、VOID CAMとしてのマスティマ。それがここにいるという事は――。
「やはり来るか、黙示騎士!」
黙示騎士シュレディンガーの転移は世界の防壁をすり抜ける。
それを継承したテセウスがいる以上、黙示騎士の介入は避けられるものではない。
「君の相手をしている場合じゃないんだけどね……」
「だからこそ、俺がここにいる。付き合ってもらうぞ……大精霊!」
空中で対峙する二機のマスティマが拳と拳を激突させた頃。
地上に転移した黙示騎士たちが、進軍する邪神翼に追従していく。
「地の利も策も、圧倒的な力には敵わない。邪神翼が無事であるならば、いずれは我らの勝利だ。故に警戒すべきは……」
『わかっている! ハンター……あの精鋭どもだろう! ハンターさえ倒してしまえば、残りは烏合の衆だ!』
クリュティエの言葉にマクスウェルが応じる。
そう。結局この戦いは、邪神翼とハンターが鍵だ。どちらが勝利したかで戦局は一気に傾く。
数が多かろうが戦場が広かろうが、やることは結局同じ。
この物語は――邪神と英雄の戦いなのだから。
“万全”とは、現時点のクリムゾンウェスト連合軍の全戦力という意味ではない。
まだ訓練中の転移者や、修復中の戦艦やCAM、合流できていない各国戦力、亜人、精霊などを数えれば、“全力”には程遠い。
だが、現時点のこの戦力で、十分に勝利の見込みはある。
「――目標地点に空間湾曲を確認! リアルブルーからの転移です!」
「全部隊に通達。カウントダウン終了と同時に、指定地点に一斉砲撃。サルヴァトーレ・ブル、主砲発射用意!」
敵が現れる場所も時間もわかっていた。ならばやることは決まっている。
二つのサルヴァトーレ級が、そして並べられたダインスレイブやVolcaniusを初めとした砲撃型ユニット、更にはずらりと並べられたスペルランチャーがその瞬間を待ち受ける。
「この規模の転移、間違いなく邪神翼だ! ベアトリクス、芙蓉、奴が通過した瞬間にゲートを閉じるぞ! 余計な戦力を通すな!」
「おっけ~♪」「承知しました!」
マスティマが翼を広げ、空に魔法陣を展開する。
それに呼応するようにロッソとブルそれぞれの甲板でベアトリクス・アルキミア(kz0261)と南雲芙蓉が魔法を展開する。
「シルエットインストール! タイプ、クリムゾンウェスト!」
「此の神床に仰ぎ奉る……高き尊き神教のまにまに、直き正しき眞心もちて誠の道に違ふことなく!」
詠唱に合わせ、ヴォイドゲートは徐々に小さく狭まっていく。
それを強引に突き破ろうと迫る何者かの力により、空間に亀裂が走った。
「げ。思ったよりこの邪神翼強そうかも~……世界に大穴があいちゃったら大変だわ~」
「ベアトリクスさん、演算をこちらで持ちます。リソースを界壁修繕に当ててください」
ルビー(kz0208)もまた、守護者と呼ぶには少々毛色が事あるが、大精霊の器としての能力を持つ。
ちょうどナディア・ドラゴネッティ(kz0207)と大精霊クリムゾンウェストが協力し合っていたように、力を合わせる事が可能だ。
「二人がかりでもナディアに追いつけないのはちょっとショックねぇ~」
「仕方ありません。私達は、代役ですから。主役が戻るまでは――ここで踏み止まりましょう」
徐々に姿を見せたのは、これまでにも何度か見たあの邪神の翼。ダモクレル級ソードオブジェクト。だが――。
それは世界の壁を超えながら徐々に変容していく。翼は分解・再構成され、新たな形を成した。
「ベルフェゴールと同じ、超越体に変化した……!?」
三つ首の怪物が世界を超えた瞬間、爆ぜるような負のマテリアルが轟き……。
「負ひ持つ業に勵ましめ給ひ家門高く……身健に世のため人のために盡さしめ給へと恐み恐みも白す……ベアトリクスさん!」
「「大精霊クリムゾンウェストの名の下に命じる!」」
ベアトリクスとルビーが声を重ねる。
「「門よ――閉じろ!!」」
その刹那、ヴォイドゲートは消失した。
邪神翼の侵入からゲート完全消失までの間は、わずか15秒程度。だが、そのほんの僅かな時の間に――。
「目標地点周辺にVOID反応! 数、およそ1万4000体……艦長っ!!」
「一斉砲撃開始!」
敵が動き出すよりも早く、全火力を集中する。
南雲雪子の指揮により、四方八方からの攻撃が邪神翼を、そして共に転移してきた歪虚の群れを焼いた。
「青龍、最大火力だ!」
『是非もなし! 世界を守護する龍の力、お前に託すぞ!』
「主砲ドラゴンブレス並びに副砲レイン・オブ・ライト、最大出力でぶっ放せ!」
サルヴァトーレ・ロッソは度重なる改修と青龍の搭載により世界最大の瞬間火力を実現した。
ダニエル・ラーゲンベック(kz0024)の掛け声に蒼い光が瞬き、濁流となったマテリアルの炎が歪虚を蒸発させていく。
「すごい……! 先制攻撃で、敵戦力の60%以上が消滅!」
「もう少し削っておきたかったところですが……攻撃中断! 敵の反撃が来ます! 大型ユニットによる射線妨害、交代戦力への被害を最小限に!」
大楯を手にしたドミニオン、バリアを展開するエクスシア、土壁を作るGnomeなどが準備を終えるとほぼ同時、敵の反撃となる大量の光線が放たれた。
ひとつひとつは大した威力ではなくとも、何千と束になればあっという間にCAMすら屠る威力となる。
だが、反撃は既に想定されていた。前衛は使い潰すつもりで壁とし、可能な限り攻撃可能な兵力を温存する。
「続けて邪神翼が来るわ! 攻撃手段および能力不明……ここからはアドリブね」
燃え盛る炎の渦の中、邪神翼がゆっくりと動き出す。
三つの首それぞれに集めた負のマテリアルを熱線に変え、同時に三方向を薙ぎ払う。
「空蒼作戦で確認された、邪神本体のレーザー攻撃に匹敵する火力です! 一撃で陣形に三つも穴が……!」
「心底、リゼリオでの戦いを避けて正解でしたね。ハンターによる精鋭戦力を投入します! 彼らの為に道を拓いてください!」
これまでの邪神翼の中でも、この個体は特に強力だ。
それもその筈。邪神翼の強さは邪神本体から付与されたマテリアル量に依存している。
過去に撃破した邪神翼は、あくまでも「惑星からマテリアルを吸収する」という役割と相応の力を与えられていたにすぎない。
だが、これは違う。最初から――星を滅ぼす目的で産み落とされたモノだ。
「ハンターの精鋭部隊でも手に余る……! やっぱり僕が……!」
援護に駆けつけようとするマスティマ。それを上空から突如衝撃が襲った。
雷のように不規則な軌道で、そして信じられない程の早さで、それは現れた。
「大精霊リアルブルー……会いたかったぞ」
「黒いマスティマ……」
体勢を立て直し、大精霊は舌打ちする。
クドウ・マコトが搭乗する、VOID CAMとしてのマスティマ。それがここにいるという事は――。
「やはり来るか、黙示騎士!」
黙示騎士シュレディンガーの転移は世界の防壁をすり抜ける。
それを継承したテセウスがいる以上、黙示騎士の介入は避けられるものではない。
「君の相手をしている場合じゃないんだけどね……」
「だからこそ、俺がここにいる。付き合ってもらうぞ……大精霊!」
空中で対峙する二機のマスティマが拳と拳を激突させた頃。
地上に転移した黙示騎士たちが、進軍する邪神翼に追従していく。
「地の利も策も、圧倒的な力には敵わない。邪神翼が無事であるならば、いずれは我らの勝利だ。故に警戒すべきは……」
『わかっている! ハンター……あの精鋭どもだろう! ハンターさえ倒してしまえば、残りは烏合の衆だ!』
クリュティエの言葉にマクスウェルが応じる。
そう。結局この戦いは、邪神翼とハンターが鍵だ。どちらが勝利したかで戦局は一気に傾く。
数が多かろうが戦場が広かろうが、やることは結局同じ。
この物語は――邪神と英雄の戦いなのだから。
リプレイ本文
該当リプレイは以下のURLの特設ページで公開されております。
https://www.wtrpg10.com/event/bt020/opening
https://www.wtrpg10.com/event/bt020/opening
依頼結果
依頼成功度 | 大成功 |
---|
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
選択肢3:ベルゼブル討伐その2 岩井崎 メル(ka0520) 人間(リアルブルー)|17才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2019/01/31 10:45:44 |
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選択肢2:黙示騎士対応B-2 アルマ・A・エインズワース(ka4901) エルフ|26才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2019/01/31 10:46:11 |
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選択肢1:黙示騎士対応A 鞍馬 真(ka5819) 人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2019/01/30 21:37:40 |
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選択肢表明卓 鞍馬 真(ka5819) 人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2019/01/31 06:33:15 |
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選択肢2:黙示騎士対応B 鞍馬 真(ka5819) 人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2019/01/30 22:00:35 |
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選択肢3:暴食天ベルゼブル討伐 鞍馬 真(ka5819) 人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2019/01/29 15:54:18 |
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質問卓 Gacrux(ka2726) 人間(クリムゾンウェスト)|25才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2019/01/29 20:19:20 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/01/30 15:00:41 |
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選択肢1:黙示騎士対応A 2 万歳丸(ka5665) 鬼|17才|男性|格闘士(マスターアームズ) |
最終発言 2019/01/31 12:33:03 |